『ハンターハンター(HUNTER X HUNTER)』1巻から32巻のネタバレ感想まとめ。作者は冨樫義博。少年ジャンプ(集英社)で一応連載中。

何故「一応」と書いたかといえば、長期の休載に入っては連載再開を繰り返す典型的なマンガだから。気付けばハンターハンターの連載からそろそろ20年が経とうとしている現実に軽い恐怖を覚えますが、それでも根強い人気を誇るバトル漫画。

いつ完結を迎えるのかは作者・冨樫義博もおそらく分かってないと思いますが、最近また連載が再開したってことで「HUNTER x HUNTERはそこまで面白いのか?」という考察記事をレビューしてみた。


ハンターハンターの命名理由

ちなみに『HUNTER X HUNTER』という漫画タイトルですが、作者・冨樫義博に収集癖があったから。自分が欲しかったものをゲットした時の快感がたまらなかったので「ハンター」を題材としたマンガをを随分前から書きたかったそう。

じゃあ何故二回連呼してるかというと、作者・冨樫義博が当時テレビに出ていたダウンタウンの浜田が「なんで2回言うねん」とツッコミを観たから。そこでインスピレーションがビビビと来たらしい。確かに1990年代を振り返ると、松本は好んで二回同じフレーズを繰り返すボケを連発してました。この話は6巻のオマケページを参照。

しかし未だにダウンタウンはテレビに出ていますが低視聴率の惨敗っぷりはエグい。よく平然とテレビに出ているな~と感心すら覚えますが、面白くないお笑い芸人が面白くないテレビと共に落ちぶれていくのはある意味自然でお似合いであります。


NAVERまとめの考察記事は完全アウトじゃね?

ハンターハンターに関する考察はネット上に溢れかえってるんですが、特に酷いのがNAVERまとめ。犯罪企業のLINEが運営するスパムキュレーション。

ハンターハンター考察 NAVER1
(NAVERまとめ)
何がヒドいのかというと海外で違法アップロードされた画像をそのまま使ってる。「日本語ではありませんが」という部分は爆笑するところ。堂々と違法行為を行っているハンターハンターの考察記事を書いたのは誰なのか。

ハンターハンター考察 NAVER2 逮捕しろよ
(NAVERまとめ)
それが「Quoll-x-llv」という方。集英社さんは対応しなくていいのでしょうか。自分以外も含めて健全なブログを書いてる人たちのやる気を奪うだけです。他のまとめブログもそうですが、コレを認めたらもはや何でもありですよね?


HUNTERXHUNTERのあらすじ物語・ストーリー内容

主人公は少年のゴン。孤島・くじら島で生活していたが、父親・ジンは死亡し、ミトという女性に育てられた。しかし、ひょんなことからゴンの父親・ジンが世界有数のプロハンターであり、現在も生存している事実を知る。そしてゴンはジンに会いに行くため同じくプロハンターを目指す。

ハンターハンター15巻 ゴンとキルア
(ハンターハンター 15巻)
数々の困難がゴンを待ち受ける中、キルアやクラピカ、レオリオといった仲間たちと共に乗り越えていく。果たしてゴンはプロハンターになれるのか?無事父親であるジンに会うことはできるのか?…みたいなあらすじのバトル漫画。画像は左がゴン、右がキルア。腐女子の方は変な妄想しちゃいけませんよ。


圧倒的なネーム力

『HUNTER X HUNTER』の面白さや醍醐味は、やはり展開力やネーム力。『進撃の巨人』さながら、次の展開が気になってページをめくる手が止まらない。

もちろん奇想天外なだけでは読者は付いていけない and 付いていかない。でも『ハンターハンター』の場合には展開に納得感があって「そーきたかー」「ここでそれが来る?」としっかり唸らせてくれる。ストーリーの下地に大きな話の軸がしっかりあるので、いきなり場面転換が起きても混乱しない。

「展開が読めない=ストーリーが分かりづらいだけ」で終わってるマンガも多い中、読みやすくてハラハラした展開を作れるのはすごい。やはり分かりやすいストーリーの上で予想外の仕掛けが待ってるのが大事。言うのは簡単でも、これをできてる作家さんは少ないでしょう。

また伏線も堂々と張ってる。14巻でグリードアイランド編の「ニッグ(NIGG)」など、読者の目の前にはっきり置かれているのにそこに気付かない。むしろ、堂々と置かれてるからこそ読者が気付きづらい。まさに大胆不敵。作者が隠そうとするあまり読者は覚えておらず、いざネタばらしされても驚かないという伏線はダサい。

しかも、その伏線が読者を騙す引っ掛けってだけでなく、次の展開へと繋がる仕掛けになってるのがすごい。グリードアイランドだとアカンパニーからのカイト、キメラアントという存在も暗黒大陸編に繋がる壮大なアイテムでした。作者・冨樫義博はストーリーの動線の作り方や誘導の仕方が巧み

バトル描写については後述しますが、冨樫義博は画力も高い。キャラクターの表情の描写力もストーリーの読みやすさに貢献してて、例えばキャラの目線がどこに向いてるか、誰がどこを見ているか、一体どういった感情を抱いているのかが一目瞭然。

もちろん当たり前の部分でありますが、キャラクターの行動や言動が視覚的に分かりやすくなるだけで、次の展開や話の流れを読者はスラスラっと読める。基礎的な画力レベルは見た目の派手さだけを生むわけじゃありません。


心理描写を展開の中で活かす

ハンターハンター30巻 メルエムとコムギ
(ハンターハンター 30巻)
また作者・冨樫義博はキャラクターの描き分けや心情描写も巧みで、そういうのを大オチに持って来ることで感動にも繋がる。画像のキメラアント編のメルエムとコムギの最期の一局は泣けました。だから読後感は余韻アリアリ。

ハンターハンター24巻 敵同士で対立
(ハンターハンター 24巻)
他にも敵同士内での対立があったり、ドラマとしてしっかり面白い。画像の少女・コムギは盲目なんですが、「軍儀」というボードゲームのプロでもある。このコムギを敵の王・メルエムは気に入ってる。ただコムギとメルエムが近づけば近づくほど、本来メルエムが持っている圧倒的な悪意や狂気が薄れていく。

そのことに対して、メルエムの部下・シャウアプフが一方的にコムギを敵視してる。シャウアプフはBLマンガを彷彿とさせるほど、王・メルエムに心酔に近い忠誠を誓ってるので、このもどかしさに四苦八苦する。こういったキャラクターの相関関係や心理描写を巧みに展開の中で生かしてる。

ハンターハンター28巻 イカルゴの男気 敵キャラもイケてる
(ハンターハンター 28巻)
またイカルゴというキメラアント(敵)は男気に溢れてる。主人公・ゴンやキルアたち側に付いてキメラアントを裏切るんですが、自分の生き様を優先させる姿勢に読者は共感を抱きます。むしろ敵キャラだったからこそのギャップ感に惹かれる。

ハンターハンター32巻 パリストンとチードル心理戦
(ハンターハンター 31巻)
ハンターハンターの会長選挙では、海千山千たちの知略謀略が複雑に交錯したバチバチの頭脳戦が展開されます。各々のキャラクターが個性を出しつつも、それらがストーリーの中でちゃんと回っていくのはすごい。

画像上の十二支ん・パリストンは悪魔的な頭脳の持ち主で、性格は祭り好きのチャランポラン。だから思考パターンが読みづらく、選挙では余裕しゃくしゃくで詰将棋を展開。逆に画像下の十二支ん・チードルは同じく頭脳派ですが、性格はクソ真面目。だからこそ思考が読まれやすい。対照的な二人の心理戦はチードル不利かと思われてたんですが、フタを開けてみると実は…みたいなオチが待ってます。

ちなみに、この会長選挙の裏では第三者のイルミとヒソカたちが暗躍。そしてキルアはゴンの復活を孤軍奮闘で模索する。しかもゴンの復活が会長選挙にも大きな影響を与えてて…という展開は見事。精緻なプロットを織り成すだけではなく、それとは相反する大胆な展開力でストーリーを進めて、同時に複数のキャラクターを見事に使いこなす操作性にプロの漫画家さんはきっと嫉妬で狂ってしまうでしょう。


飽きさせないバトル

とはいっても『HUNTER X HUNTER』はバトル漫画。肝心のバトル描写が面白くなくっちゃ意味がありません。結論から書くと、バトル描写も面白い。読者を飽きさせない工夫が随所に見られます。

ハンターハンター21巻 キルア vs シュート バトル描写
(ハンターハンター 21巻)
キルアとシュートのバトル。シュートは複数の手を操作できる念能力者なんですが、それをキルアがヨーヨーを使って見事にさばいてる場面。どうしてもゴチャゴチャしがちなシーンだったりしますが、キルアをしっかり中心を据えて見やすい。描くところは描いて、描かないところはちゃんと描かない。またキルアが焦点を合わせず周辺視野で対応してるのがリアル。

ハンターハンター21巻 シュート高速移動 表現に挑戦
(ハンターハンター 21巻)
同じくキルアとシュートのバトルですが、シュートが先程の手をオトリにしてキルアの前にスンッと現れた場面。擬音は「ガガガ」とか「バーン」とかってのが多いですが、素直に「速い!!」。まさかの文章による擬音。作者・冨樫義博は大御所のくせに、こういった新しい表現にちょくちょく挑戦して既成概念にとらわれないのが好感を持てます。

ハンターハンター2巻 ヒソカ vs レオリオ 構図
(ハンターハンター 2巻)
また構図もワンパターンじゃない。画像はヒソカにぶん殴られてるレオリオ。

プロの漫画家といってもピンきりですが、画力に長けた人でも苦手な構図や好きな角度やアングルがある。どうしても長く続けているとワンパターンな画になりがち。だから毎週毎週こんなことは無理だとしても、要所要所に光る構図を一つでも二つでも見せることで読者に与える印象は違います。

ハンターハンター27巻 メルエム vs ネテロ 構図
(ハンターハンター 27巻)
画像はメルエムに立ち向かっていくネテロ会長ですが、こちらは魚眼レンズ的な構図。奇をてらってるだけではなく、しっかり見やすさは損なわれてない。お互いの目線が合ってるのが分かるってのもポイントかも。

ハンターハンター31巻 ヒソカのバンジーガム
(ハンターハンター 31巻)
コマ割りも工夫されていて読者を飽きさせない or 作者・冨樫義博の挑戦心が読み取れます。コマ間は必ずしも空けなくても、それなりに見やすくできます。画像はヒソカが「バンジーガム」という念能力使ってゴトーのコイン攻撃を防いでる場面。


見せ場としての必殺技(念)

先程から「念」というフレーズを使ってますが、『HUNTER X HUNTER』の中だけで使われるいわゆる「必殺技」の類い。バトル漫画では「必殺技(念)」はやはり欠かせない大事な要素であります。

簡単に言うと「オーラ(生命エネルギー)」を使って攻撃したり防御したりするのが念。「纏」や「練」や「絶」など色んな修行がありますが、メインは「発」。「発」には強化系や変化形、特質系など様々なタイプがあって、ここがいわゆる「必殺技」になります。

ハンターハンター18巻 ゲンスルーのリトルフラワー
(ハンターハンター 18巻)
画像はゲンスルーの念である「リトルフラワー」。自分の手で掴んだものを爆発させられる能力。

ハンターハンター9巻 クラピカの念 チェーンジェイル
(ハンターハンター 9巻)
クラピカの念である「チェーンジェイル」。鎖を具現化させて、それを鞭のように攻撃したり、相手を捕縛できたりする。

どちらも見せ方が上手い。効果線の使い方はシンプルで見やすく、ポージングもカッコいい。これぞ見せ場としての必殺技。更に念をかっこ良く発動させた後に必殺技名をバーンと持って来るのがまた男心をそそらせます。

ハンターハンター11巻 団長クロロの念・必殺技
(ハンターハンター 11巻)
クロロの念である「スキルハンター(盗賊の極意)」

ハンターハンター27巻 モラウの念 ディープパープル
(ハンターハンター 27巻)
モラウの念である「ディープパープル」。

ハンターハンター27巻 キルアの念 疾風迅雷
(ハンターハンター 27巻)
キルアの念である「疾風迅雷」。

ハンターハンター28巻 パームの念 暗黒の鬼婦人
(ハンターハンター 28巻)
パームの念である「暗黒の鬼婦人」。

定番すぎる演出ではありますが、いや定番な演出だからこそ、読者のテンションは上がります。こういう一つ一つの見せ場が展開にアクセントを生む。念能力のネーミングセンスもあって、基本的に既存の単語を上手に組み合わせてるだけなので覚えやすい。また能力の内容と合った名前なのでシックリ感がハンパない。

ハンターハンター23巻 オロソ兄妹 ダツdeダーツ
(ハンターハンター 23巻)
念能力のアイデアもまた幅広い。画像はオロソ兄妹の「ダツdeダーツ」という念能力。オロソ兄妹は遠く離れた場所でダーツをしてるだけなんですが、画像のキルアの身体とリンクしてる。だから攻撃は完全不可避。

念能力は様々な「制約」を設けることで能力を引き上げることが可能。オロソ兄妹の場合はダーツの矢を外すと「死」が待ってる。これぞ能力バトル漫画だよなー…と感動することもしばしば。

ハンターハンター27巻 メレオロンの透明化
(ハンターハンター 27巻)
しかも「念」という必殺技も展開の中で活かしてるのがすごい。画像はメレオロンの透明化(実際は存在を気付かせないだけ)ですが、この念能力がなかったら次の展開は生まれない…みたいなことが多々ある。

他にも例えば、メルエムの「吸収する能力」とシャウアプフの「人の心を読み取る能力」を見事に融和させて、これが最後の大オチに繋がってる。当然付け焼刃的なストーリーを進めていたら、こんな所業は行えない。


キャラを出し惜しまない冨樫の姿勢

一般的な漫画家ほど自分が作ったキャラクターを大事にして愛でる傾向があります。結果、無難な扱い方に終始することが多い。ただ『HUNTER X HUNTER』ではキャラクターを大胆に壊す。そして、とことんイジり倒す。

ハンターハンター18巻 ゴンが右腕を無くす
(ハンターハンター 18巻)
ゲンスルー戦では主人公なのにが、ゴンが左手を吹き飛ばされたりする。

ハンターハンター25巻 ネテロ登場 まさかのタイミング
(ハンターハンター 25巻)
ハンター協会の会長・ネテロの表情は、どちらが悪役か分かりません。この時のネテロの登場も意外感があった展開で素晴らしかった。

ハンターハンター28巻 ネテロの醜悪極悪表情
(HUNTER X HUNTER 28巻)
更に話が進むと、ネテロ会長の背後にドクロマーク。完全なる極悪すぎる表情。間違いなく味方ではないと断言できるほど醜悪で悪魔的。もちろんこの時のネテロの犠牲がなければ、次の大きな展開へは進めないんですが。

ハンターハンター28巻 シャウアプフの恍惚
(HUNTER X HUNTER 28巻)
敵のシャウアプフに至っては、この恍惚の表情である。一周回ってただの悪ノリとしか思えませんが、何度もしつこく繰り返さなかったら問題ないのかなーと。

だからといってキャラクターを大事にしなけりゃ良いってもんではない。例えば『神様の言うとおり』や『テラフォーマーズ』のように無闇矢鱈にキャラクターを死なせたところで、読者は何のショックも感銘も受けない。やはりキャラクターに愛着を持たせた上での「死」や「壊し」。この落差に読者の心は動く。

以上をトータルすると、冨樫義博には常に「読者を飽きさせない」という意識が随所に見られます。その貪欲さ足るや、男子中学生の性欲並であります。是非マンガ家さんの卵も見習うべきでしょう。


連載→休載→連載再開→休載…の繰り返し

ただ『ハンターハンター』のダメな部分を強いて挙げるとしたら、冒頭でも触れましたが休載がとにかく多い。もう少し正確に言うと、休載期間がえらく長い。最近の『ONE PIECE』のようにたまに休載するとかってレベルではなく、お前は『こち亀』の日暮熟睡男(ひぐらし ねるお)かッッ!ってぐらい一度休載すると連載が再開するまでに年単位の時間を要することも多い。

『HUNTER X HUNTER』の連載開始からそろそろ20年が経とうとしているのに、まだ32巻しか発売できてない時点でお察し。普通だったら60巻70巻ぐらい発売されててもおかしくないですからね。今回の連載再開にしても、一体何度目のそれか分かりません。面白いマンガだからこそ、このの繰り返しに読者は精神的なストレスがたまります。


ハンターハンターの総合評価 評判 口コミ



『HUNTER X HUNTER』の考察レビューをまとめると「面白い」の一言バトル描写良し、キャラクター良し、展開良し。ムダに休載してるだけあります。総じてレベルがトップクラスに高い。少年漫画ではありますが、老若男女問わず買って損はしないでしょう。

ストーリーの流れに淀みがなく分かりやすい。だからといって、大人でも満足できるような展開の振り回し方をしてくれる。叙述トリックといえば大げさですが、読み手をダマスのが上手い。ものすごい頭が良い人が作った面白いネタを、ものすごく話術に長けた人が面白おかしく話してるみたいな感じ。序盤の展開こそフツーですが、徐々にボルテージが上がっていく。

マンガの中に「光るもの」が一つでもあれば、読者はそのマンガに期待感を持てる。その期待感は「面白さ」と言い換えることもできて、それが長期連載に繋がっていく秘訣だと思います。ただ『HUNTER X HUNTER』はそれが一つ二つどころではない。『HUNTER X HUNTER』は読者があれこれ言わなくても、コッチの要求以上のことを毎回提供してくれるので安心感がハンパない。

やはり強いて言えば、読者には忍耐力が求められること。「漫画家は連載して当たり前」という価値観が作者・冨樫義博にまともに通用すると思ったら、とんでもないストレスを抱えてしまいます。冨樫義博ッ!頼むから『HUNTER X HUNTER』を絶対に完結させてくれッッ!(笑)