『HUNTERxHUNTER(ハンターハンター)』33巻のネタバレ感想。作者は冨樫義博。少年ジャンプで連載中のバトル漫画。出版社は集英社。3年半ぶりの新刊になります。ということで、これまでのおさらい」も兼ねて感想を書いてみた。

ちなみに面白いかの考察記事はアップ済みなのでお暇だったら後で読んでみてください。


暗黒大陸のメビウス湖に浮かぶ世界

まず「人類」と暗黒大陸の関係をまとめてみます。

世界(地球)は丸くて海に囲まれてると思いきや、実は暗黒大陸にある「巨大なメビウス湖」の中央に位置してただけ。つまりハンターハンターの世界では航海に出てもグルっと地球を一周できない。「世界の果て」と思ってた場所は、暗黒大陸との限界海境線に過ぎなかった。いや正確にはメビウス湖への入り口。

暗黒大陸へ出入りするには、門番である魔獣族が召喚する亜人種の助けが必要。これは一度足を踏み入れたことがあるネテロ会長たちも同じ。つまり人類は自力で暗黒大陸へ行けたことがない。

この暗黒大陸は謎だらけ。「五大厄災(ごだいやくさい)」と呼ばれる強敵が待ち構えてた。これらの危険度はキメラアントを超える。一方で万病に効く香草など、人類にとっては価値があるものが無数にあるとされたが、未だに持ち帰れた者は誰もいない。あまりに危険すぎる暗黒大陸への挑戦はV5が世界的に禁じた。

ただ、ここにネテロ会長の息子であるビヨンド・ネテロが今まさに踏み入れようと宣戦布告。カキン帝国というV5に未加入の謎の国家と共に目論む。ビヨンドも実は暗黒大陸へ足を踏み入れたことがあるものの、今まではネテロに念操作されて動けなかった。でもネテロがキメラアント戦で死んだので…ということ。

ハンターハンター33巻 クラピカ 十二支ん
(33巻)
そして十二支んにはクラピカとレオリオが参加。パリストン以外にも内通者が十二支んにいたことも発覚する。

ハンターハンター33巻 ブラックホエール1号
(33巻)
指名手配を受けていたビヨンドは自ら投降するものの、まさに手練手管。V5はしぶしぶ了承させられる。カキン帝国が製造したブラックホエール号に乗り込んで、十二支んなどハンター協会とビヨンド、カキン帝国の王族たちが暗黒大陸へ導いてくれる門番がいる「新大陸」へと向かう。


ドン=フリークスという探検者

一方、十二支んを抜けたジンはビヨンド一味へ合流しようとする。ただ同じく十二支んだったパリストンがナンバー2として組織を率いていた。

ハンターハンター33巻 ジン VS パリストン
(33巻)
そこでジンとパリストンがバチバチ…やり合うかは実際に読んでみてください。ネタバレしておくと表面上は大きなものは「無い」んですが、何故ジンが「ナンバー2」の役職をカタチだけでも欲しがってるのかがポイントらしい。もっといえば「ビヨンドに次ぐ順位・序列」という肩書が今後の展開でどう生きてくるのか?

ジンは暗黒大陸についても詳しく、ビヨンドたちの部下に対してとうとうと説明してあげる。ただ疑問なのは人類はまともに辿り着けたことがないのに「何故暗黒大陸の知識だけは豊富なのか?」という点。その答えはジンが教えてくれてます。

ハンターハンター33巻 新大陸紀行
(33巻)
それが300年前に発見された「新大陸紀行 東」「新大陸紀行 西」という二冊の本。メビウス湖沿岸をくまなく探検したとされる人物の紀行録。しかも面白いのが「西」だけは見つかってない。つまりはこの人物は300年後の現在も未だに暗黒大陸を探検している可能性が高い。

ハンターハンター33巻 新大陸紀行 ドン・フリークス
(33巻)
そしてこの人物の名前はドン=フリークス!(ドンッ)。主人公のゴン=フリークス、父親ジン=フリークスの家系。何故300年以上も生きているのか、それは暗黒大陸にあるとされる究極の長寿食を食べているから?


カキン王位継承争い

一方、カキン帝国内は骨肉の王位継承争いが勃発。国王であるナスビー=ホイコーロは暗黒大陸への航海を利用して、自らの後継者を選ぼうと目論む。王子はめちゃめちゃ多くて、8人の正妻から14人の王子が産まれてる。

以下まとめ。

第1王子ベンジャミン(母ウンマ)
第2王子カミーラ(母ドゥアズル)
第3王子チョウライ(母トウチョウレイ)
第4王子ツェリードニヒ(母ウンマ)
第5王子ツベッパ(母ドゥアズル)
第6王子タイソン(母カットローソ)
第7王子ルズールス(母ドゥアズル)
第8王子サレサレ(母スィンコスィンコ)
第9王子ハルケンブルグ(母ドゥアズル)
第10王子カチョウ(母セイコ)
第11王子フウゲツ(母セイコ)
第12王子モモゼ(母セヴァンチ)
第13王子マラヤーム(母セヴァンチ)
第14王子ワブル(母オイト)


順番は一応年齢順。ただ順番に序列は関係ないとされてますが、さすがに赤ちゃんや幼い子供は圧倒的に不利でしょう。年令を重ねるほど権力や地位を得るワケですから、多少は序列があると考えても問題ないか。

ハンターハンター33巻 ベンジャミン王子
(33巻)
例えば第一王子のベンジャミンはライオンを素手で倒すほどの肉体派。王子とは言いつつも、きっとそこら辺のハンターよりも強いでしょう。

ハンターハンター33巻 ツェリードニヒ王子
(33巻)
そして一番重要な王子が第4王子のツェリードニヒ。画像からも分かりますが、大量に緋の眼を保有してる。しかも真後ろには見覚えがある生首。クラピカの親友だったパイロ?

ハンターハンター33巻 ツェリードニヒ王子2
(33巻)
一見するとツェリードニヒはヘナチョコっぽいですが、前述のベンジャミンを挑発するほど意外に肉体派。しかも単なるイカレポンチかと思いきや、頭の回転がめちゃめちゃ速い。緋の眼を収集してるぐらいなので最凶の鬼畜。

要はクラピカはこのツェリードニヒから緋の眼を取り返すために十二支んに入った。クラピカは抵抗されても取り返す(拷問する?)自信があると豪語してますが、果たして一癖も二癖もあるコイツから可能なのか?
ハンターハンター33巻 クラピカとワブル
(33巻)
しかもクラピカは赤ちゃんの14王子(ワブル)を護衛することとなる。最終的に一人が生き残るまで戦いは続くので、クラピカはどういった選択を取るのか?

ハンターハンター33巻 守護霊獣
(33巻)
ちなみにこの王位継承争いには「謎のツボ」が活躍。念能力で具現化されたツボ。王子たちが自分の血を入れると、そこから妖精みたいなんが現れて何かを口に入れる。そうすると王子たちには「守護霊獣」がそれぞれに憑く。国王ナスビー=ホイコーロの守護霊獣は下品すぎて貼れません(笑)
14人の王子たちの守護霊獣がどういった役割を果たすのかも楽しみのポイントか。

詳細はカキン帝国14王子のまとめ(すごないマンガがすごい)をチェックしてください。


総合評価


『HUNTERxHUNTER 33巻』の感想ですが、まず内容よりも久しぶりに新刊を読んだ感動の方が強いかも。内容はとにかくセリフが多め。読み終えるのにかなり時間がかかりました。この33巻のレビューではできるだけストーリーの流れを分かりやすくかい摘んで書いたつもりです。

ハンターハンター33巻 暗黒大陸編はスタート未満
(33巻)
ただ記事タイトルに「暗黒大陸編」とは書いたものの、実際はまだスタートラインにすら立っていません。画像を見れば分かりますが、現状としてはメビウス湖の入り口である「新大陸」までの道のりが描かれてるに過ぎません。

この過程で「カキン王位継承者争い」が描かれるっぽいので、あくまで今後のメインはそこ。つまり暗黒大陸が実際に描かれるのはもっともっと先の話になります。いずれ関係してくる前フリの一つになると思いますが、それにしても風呂敷を広げすぎてないか心配になります。冨樫が今後の展望を何も考えてないワケがありませんが、やはり体調面。そろそろネームだけ書いて、他人に作画をやらせるのも一つの方法でしょう。アカンか?

加筆の有無は不明。さすがに数年前の少年ジャンプなんて持ってません。そして34巻の発売日ですが…って、そんなもん俺が知るわけない!ヽ(`Д´)ノプンプン

ただ少年ジャンプでは順調に連載が続いてますので、このまま8月ぐらいまで休載がなかったら年内には発売されると思います。きっと冬ぐらいには34巻は出てるでしょう。ちなみに内容は暗黒大陸とはやはり関係なく「ヒソカ VS クロロ」。いずれ両者も暗黒大陸に絡んでくるとは信じたい。