『ぐらんぶる-GRAND BLUE-』1巻から4巻のネタバレ感想。原作は井上堅二、作画は吉岡公威。good!アフタヌーン(講談社)で連載中の青春ギャグマンガ。3DSゲーム『ブレイブリーセカンド』のレビューを書き終えたので再び通常運転。

とりあえず面白いかつまらないか考察レビューを書いてみました。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は北原伊織(きたはらいおり)。伊豆大学に入学したばかりの一年生。高校は男子校だったので大学生活に夢を見ている。伊豆大学は実家から離れているので、おじさんが経営してるダイビングショップ「Grand Blue(グランドブルー)」に居候させてもらうことになる。つまり漫画タイトル『ぐらんぶる』の意味は店名のこと。決してスマホゲームのことではありません。

でも、それが北原伊織の運の尽き。そこは伊豆大学のダイビングサークル「Peek a Boo(通称PaB)」の屈強な部員がたむろする場所だった。
ぐらんぶる1巻 酒アルコール・北原伊織一気飲み
(1巻)
マッチョマンたちが基本的に服装をまとわない、そしてアルコールを飲んでは盛り上がる、まさに毎日が男子校ノリ全開の地獄が待っていた。主人公・北原は、むべもなくサークルに強制参加させられます。ちなみに画像は北原。ソッコー溶け込んでくれちゃってます。


とにかくノリがアホすぎる

とにかくノリがアホ。まさに「学生ノリ」をマンガの中に落とし込んだ内容。ダイビングがテーマではあるんですが、1巻だとほとんど出てこない。一応2巻以降ではチラホラ登場してくるものの、最初は一体何のマンガか全然分からなかった(笑)

北原伊織の同級生に今村耕平というイケメンがいる。でも中身が極めて残念。美少女キャラが入ったTシャツを着てる、いわゆるオタク系。でも自分をオタクだと思ってない一番質の悪いタイプ。
ぐらんぶる1巻 今村耕平1
(1巻)
だから大学に「自分を中心とした女子高生美少女ハーレムサークルがない」ことを猛烈に嘆く。オタクには周囲の評価や意見に耳を貸さないという特徴がありそうですが、さすがにここまで言い放ってしまうバカは少ないでしょう。じゃあ周囲は今村耕平にどんな忠告をしたのか?

ぐらんぶる1巻 今村耕平2夢は諦めなければ叶う
(1巻)
「寝ぼけるな」「大学に女子高生がいるか」「漫研に行け」。至極まっとうな意見ばかりですが、北原伊織は「訳の分からないことばかり言いやがって」と八つ当たり気味。むしろ訳の分かる内容しかない。大学に女子高生がいるか、はまさに言い得て妙。サッカー観戦に来て、野球選手を探してるようなもんですからね。

そこで北原伊織は、夢のような生活が待っていると思っていた今村耕平を諭す。「新世界も夢の生活もあるに決まってる、お前はその入口に気づいてないだけ」と今村の肩をぽん。そして、「どうだ?一緒に夢の入口に踏み込んでみないか?」と夢のサークルに誘う。笑顔を浮かべる今村耕平。

でも、そんな夢のサークルってあったっけ?そもそも北原伊織自体が…
ぐらんぶる1巻 今村耕平3
(1巻)
と思ったら、やっぱりあのダイビングサークルしかありませんでしたー!!今村をダマして入部させる。先輩の表情が悪魔すぎ。特に美少女キャラ好きですので、今村の悲壮感と恐怖に歪む表情に思わず同情。

ぐらんぶる1巻 北原伊織の合コンへの執念
(1巻)
血の涙を流しながら、他大学の女子大生の合コンに執念を燃やす北原伊織とか、いかにも大学生ノリ全開の展開が続きます。3巻でようやく開催できた合コンでは、まさに醜すぎる一進一退の攻防は見もの。

とはいえ女子に縁がないのは、ダイビングサークルに所属してる主人公・北原や今村だけじゃない。同じ学科のクラスメイトたちもモテない。というか機械工学科だったので、そもそも女子の数が圧倒的に少ない。

そこである日、学科の友達たちが北原伊織の家に遊びに行く。ちなみに北原伊織は従姉妹の古手川千紗と、その姉・奈々華と同居してる。叔父さんの家なので当然で、しかも千紗は北原と同じ大学に通ってる。北原は変な誤解を生まないように、周囲にそれは黙っている。ただ女の先輩・梓のブラジャーを発見されてしまう。
ぐらんぶる4巻 現実逃避する山本
(4巻)
でもあるクラスメイトは、北原伊織ごときに女がいるはずがないという思い込み(羨望と悔しさ)から現実逃避。「いやいや、これ帽子でしょ?」と驚異的な解釈をする。まあギリギリ猫耳に見えなくはないですが、口紅に至っては座薬に見えてしまう。ちょっとした塗り薬に見えなくもないですが(笑)


男版ToLOVEる?

何度も言いますが、男っ気しかないマンガ。一応ヒロインに古手川千紗、その姉・奈々華、両刀・浜岡梓などがいますが、ダイビングサークルの屈強な面々たちが基本は脱いでは飲んで、飲んでは脱いでの繰り返し。●←こんな消しがそこかしこにあって、まさに『ぐらんぶる』は、さながらオトコ版『ToLOVEる』と言えそうなマンガ。

例えば4巻で沖縄へ合宿しに行くものの、空港についた瞬間、みんなで泡盛で宴会。そして太陽の光を燦々と浴びる砂浜で走る姿はもちろん全裸。画像は割愛しますが、とんでもなく爽やか。

1巻だと北原伊織が●をぶら下げながら、「俺に露出の趣味はない!分かってくれるよな?千紗」と必死に抗弁するものの、華麗にスルーする古手川千紗の姿とか笑えます。

ぐらんぶる1巻 酒アルコール・北原伊織一気飲み
(1巻)
冒頭にも貼りましたが、ほとんど飲んで飲んでの繰り返し。新歓ノリも過ぎる。見てる分には楽しいですが、だからと言って、実際にやっちゃダメです。リアルでこんなことをやったら死人が出るレベル。特に自分はお酒が飲めない体質なので、まさに生き地獄を見ている気分(笑)

というか冷静に考えると、北原伊織はまだ大学一年生。将来的に18歳に引き下げられる可能性も高いですが、現段階ではまだ法律的にアウト。肝臓を壊しちゃうので、くれぐれもお酒は程々に嗜みましょう。


テンポ感とベタな笑いが面白い

期待を裏切らないベタなノリ。そして、それを紡ぎだすテンポ感が良い。

大学の学祭・伊豆春祭で、サークル対抗のミスターコンテストが開催されることになった。先輩の圧力で、イケメンの今村耕平は強制参加。でもフツメンの北原伊織も何故か参加させられる。
ぐらんぶる2巻 伊豆春祭サークル対抗ミスターコンテスト
(2巻)
目的が「ネタ枠」として笑いを取ってこいということ。それに対する北原伊織の「ぶち◯しますよ」の間髪入れずのツッコミ。まさに漫才の掛け合いを見ている気分。一応仮にも相手は先輩ですが、それを暴力で黙らせない絶妙な関係性も良い。

沖縄編のクダリだと、北原・今村・千紗の三人でバナナボートに乗ることになる。でも千紗と二人きりになりたいので、どうしても北原からは今村、今村からは北原が邪魔。
ぐらんぶる4巻 バナナボート2
(4巻)
そこで「向こうにセクシー女優がいるー!」と古典的な方法でお互いがダマす。そして同時に、サンオイルを相手にブッかけ合う。それを冷めた目で見てる千紗の表情が切ない。

ぐらんぶる4巻 バナナボート3水切り
(4巻)
当然どうなったかというと、見事にすべり落ちて大回転。水切りの石かというハネ具合。因果応報とはまさにこのこと。このテンポ感が見事。相手を騙くらかす部分とか色々考えがちですが、そこはベタで良い。それよりまずはテンポ感を選択したシンプルな笑い。

このあと吉原愛菜という非モテ元ギャルも挑戦するんですが、屈強な先輩が隣に乗っているせいで安定感がハンパない。先輩はどこも掴まず、あぐらをかいて座ってるだけ。バナナボートが可哀想。当然キャーキャーなることはなく、吉原愛菜は思わず涙を流します(笑)

ダイビングを練習する場面だとハンドシグナルのクダリが笑った。水中ではダイバー同士は会話ができないので、独特の手話で今の状況を伝え合う。
ぐらんぶる3巻 ハンドジェスチャー
(3巻)
でも主人公・北原伊織は最初は理解できなかったので、先輩がやるジェスチャーを驚異的な解釈。まさに「ヤる」ジェスチャー。確かにこの先輩だったらやりかねないので、北原伊織のこのジェスチャーに対する回答が「相手より先に水中銃を撃ちます」(笑)

先輩も「うかつに伊織の前でハンドシグナル」と何故か冷静。一応正解を書いておくと、右から「止まってください」「こちらを見てください」「潜行します」。3巻では他にもハンドシグナルのネタがあって、こちらもテンポ感ある小ボケの連続でおすすめ。あるネタでどんどんボケを展開させていくパターンは個人的に好きだったりします。


爽やかな青春要素もありまっせ

以上読んでもらったら分かりますが、『ぐらんぶる』は基本は笑いがベース。既に書きましたが、1巻だと一向にダイビングのクダリが全然スタートしねぇんですw

ただ青春要素も意外にあります。
ぐらんぶる1巻 良いこと言う先輩
(1巻)
例えば常に衣服を脱いでは、悪魔のようなノリで接してくる先輩も、たまに良いことを言ったりします。画像は主人公・北原伊織が自分はカナヅチだから拒否するものの、「最初から自分ができるものだけ選んでいたら何も始まらない」と諭してる場面。確か寿竜次郎とかいう名前?

ぐらんぶる2巻 ダイビング描写
(2巻)
ダイビング描写では、自然描写が雄大。壮大な自然の大きさに触れることで、思わずキャラクターたちも心が洗われます。確かに考えてみると心地良い浮遊感も含めて、ダイビングはまさに最適なスポーツ。『あまんちゅ!』という漫画もありますが、青春との親和性が高い。

こういうギャップ感や緩急の付け方が好きな読者も多そうですが、作者的には笑いのノリや空間がとりあえずリセットorフラットにできる意味合いが大きそう。ずっとフルボルテージで笑わせ続けるのは困難。ハードルは上手に上げ下げしないと、評価されるものも評価されなかったりしますから。


総合評価・評判・口コミ


『ぐらんぶる』の考察レビューをまとめると、表紙からは全く想像できませんでしたが意外に面白かった。真剣に読み始めたオレがむしろアホだった。というか裏表紙を見たら、どんなアホマンガかは一目瞭然ですw

ただ2巻以降から徐々にダイビング描写の話とかが絡んできますが、1巻のように時間軸やイベントに拘らずに意味のない軽いノリを延々と続けた方が好きだったかも。でもとりあえず真剣に読んだら負けです(笑)