『デビルマン対闇の帝王』全3巻のネタバレ感想。原案は永井豪、作者はTEAM MOON。月刊ヤングマガジンで連載してたスピンオフ漫画。

あらすじ

主人公はデビルマン。
デビルマン対闇の帝王1巻 不動明
(1巻)
人間だった不動明(ふどう・あきら)とデーモン族最強のアモンが合体したハーフ。このデビルマンが世界を滅ぼしたものの、それはサタンにダマサれていただけ。そこで不動明が居候していた牧村美樹(とその家族)の魂を探し歩く。

デビルマン対闇の帝王2巻 ハデス
(1巻)
そして闇の帝王・ハデスに牧村美樹を生き返らせようとしていた。ハデスは人間でも悪魔でも一度死んだ対象を生き返らせる能力を持っていた。デビルマンはハデスの妻・ペルセフォネを殺め、二人の確執は本格。そこでデビルマンVSハデスのバトルが勃発する…的な展開のマンガ。

デビルマン VS グレートマジンガー

ちなみに闇の帝王・ハデスは『グレートマジンガー』という作品に登場する。

デビルマン対闇の帝王3巻 グレートマジンガー
(3巻)
だから途中からグレートマジンガーが登場する。いわゆるロボット。デビルマンはハデスとは少し戦うものの、最終的なボスはグレートマジンガー。悪魔と悪魔が戦う物語かと思ってたら、デビルマンとロボットが壮絶なバトルを繰り広げる展開になる。

つまり『デビルマン』とは別の作品の設定が混じってる。剣鉄也や兜甲児、光量子テクノロジーうんぬんかんぬん。永井豪作品を熟知していれば別ですが、少々の説明をされた程度では展開に付いていけないぐらいカオス。まさに「混ぜるな危険」状態。せめてもっと丁寧に展開していってもらわないと、置いてけぼり感がハンパない。風呂敷を広げただけで打ち切りになるのもうなずける。

しかもマジンガーZと本格的に戦った上で完結するならまだしも、戦う直前で終わった。「ストーリーはどっちらけ」という以外に評価しようがない。

バトル描写は見事!

ただTEAM MOON(会社?)の画力は圧倒的。まさに見事。

デビルマン対闇の帝王2巻 バトル描写
(2巻)
とにかくスケール感がデカイということもあって「ストーリーダメでもいっかー」と勘違いさせてしまうレベル。正直ここだけでも十分お金を払う価値はある。

総合評価

全体的にはシリアスな空気感を維持してて、永井豪作品にありがちなお色気要素は皆無。だから読む側からすると気が滅入る。ましてやその割に設定やストーリーを作りこめていないので尚更。まさにカオスカオスカオス。

ただそのどっちらけストーリーを相殺するぐらいの、画力の高さは指折り。まさに圧倒的な迫力。3巻という短めのボリュームということもあって、そこまでムダ使いしたとは感じないかも。


◯展開…★2.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★3.5◯画力…★5
◯全巻大人買い…★3.5
◯おすすめ度…72点!!!!