『ダメな私に恋してください』1巻から8巻のネタバレ感想。作者は中原アヤ。YOU(集英社)で連載中のラブコメ漫画。細かいですが「ダメな私に恋して下さい」ではありません。

最近、主演が深田恭子で実写ドラマ化もされてるっぽい。9巻は4月頃に発売。


あらすじ

主人公は柴田ミチコ。しがないアラサーOL…だったものの、勤めていた会社は半年前に倒産。既に失業保険は切れた状態。貯金も当然ろくにあったもんじゃない。

そして追い打ちをかけるように、柴田ミチコはダメ女すぎた。自分を慕ってくれる年下のイケメン大学生にとにかく色んなものを貢いだ、貢いだ、貢いだ。周囲はどんどん結婚していく中、色んな意味で焦りも募るが、イケメンの笑顔が全てを忘れさせてくれた。金で全ての見返りを求めた。

ダメな私に恋してください1巻 母に電話する柴田ミチコ
(ダメな私に恋してください 1巻)
イケメン大学生に貢ぐための原資はどうしたかって?もちろんお母さんというATMがありまんがな。ATMの「M」はママのM。まさに柴田ミチコはダメ女。

ダメな私に恋してください1巻 大学生に貢ぐ柴田ミチコ
(ダメな私に恋してください 1巻)
ただそんな恋が成就するわけもなく、イケメン大学生にはまさかの犬と同列視される始末。まさかの友達未満、知り合い以下。このあと親が重病だとウソをつかれて、柴田ミチコは100万円奪われちゃったりします。さすがに哀れってレベルじゃねー。

ダメな私に恋してください1巻 黒沢主任
(ダメな私に恋してください 1巻)
でもヒーローのように現れたのが、前の職場の上司だった黒沢歩主任。仕事はできて有能だったものの、とにかくスパルタ。柴田ミチコはいつもしごかれていたので、黒沢歩は「世界一苦手な上司」

この黒沢主任も会社を解雇されたものの、現在は祖母の店を間借りするカタチで喫茶店を経営していた。ろくにアパートの家賃も支払えなくなっていたミチコは、黒沢主任の喫茶店に転がり込むカタチで二人の奇妙な同居生活が始まる。ダメ女すぎる柴田ミチコに春はやってくるのか!?…みたいなストーリー。

もう少しネタバレしておくと、黒沢主任の喫茶店でアルバイトするのは週末だけ。一応その後、柴田ミチコは就職先を見つけて、それ以外の日はフツーに会社で勤務してます。ただサービス残業当たり前の会社で、柴田ミチコの幸薄っぷりがハンパない(笑)


かけあい漫才が面白い

『ダメな私に恋してください』の面白さは、柴田ミチコと黒沢主任のセリフの掛け合いにあります。

ダメな私に恋してください2巻 セリフの掛け合い
(ダメな私に恋してください 2巻)
例えば、パンケーキで女子はテンションが上がるという話から、「私は肉の方がテンションが上がります」とミチコ。黒沢主任は「お前は女子じゃねぇからな」。そして最終的には「黙れメガネ」。ミチコ、絶対世界一苦手とか思ってへんやろっていうw

ダメな私に恋してください5巻 セリフの掛け合い
(ダメな私に恋してください 5巻)
5巻では完全に「お前」呼ばわりがデフォ。ただ黒沢主任はやっぱり怖いので、最終的には「黒沢様の指導力はすばらしいものでした」と様付け。ミチコの防御力がドラクエでいう「布の服」並。

二人は同じ屋根の下で同居してるので、ベランダに干してある柴田ミチコの下着が見えることもある。
ダメな私に恋してください3巻 セリフの掛け合い1
(ダメな私に恋してください 3巻)
それを目の当たりにした黒沢主任は「俺のばあちゃんが帰ってきたのかと思った」と一言。「遠回しに私のパンツがババくさいって言ってんすか?」とキレるミチコ。でも黒沢主任は「遠回ししてねぇよ 直にババくさいって言ってんだよ」とピシャリ。

柴田ミチコは両親にお見合いを半強制的にさせられそうになる。だって未来のないアラサー女子だもん。
ダメな私に恋してください7巻 セリフの掛け合い1
(ダメな私に恋してください 7巻)
そこで柴田ミチコは「500円あげるから私と結婚して」と懇願。黒沢主任は「安いわ」。「ワンコイン結婚」と迫るミチコ。「帰れ!」と黒沢主任。

それでも食い下がる柴田ミチコは「ご迷惑かけませんから!」。黒沢主任は冷静に「ご迷惑かけられる未来しか見えねえよ!」と返すと、何故か柴田ミチコは「私もです!」。もういろいろとカオスw

あらすじにも貼りましたが、ミチコが母親に電話してる場面など、作者・中原アヤが書くセリフが軽妙で面白い。セリフ力とでもいうんでしょうか、それが実に冴え渡ってるラブコメ漫画。例えばフォントを使い分けられてるなど、地味に読みやすい工夫もされててGood。同じコマの中に複数の吹き出しがあると、誰が何を喋ってるか分かりづらいんですが意外にそういったことはありません。

ダメな私に恋してください3巻 アホに貢ぐドアホ
(ダメな私に恋してください 3巻)
他にも黒沢主任が柴田ミチコのことを「お前は尽くすタイプじゃない。アホに貢ぐドアホだ」とバッサリ。そりゃあ 金づるのオンナ(ミチコ)をパグ呼ばわりしてるぐらいですからね。まるで安倍総理(アホ)のケツを喜んで舐めるマスコミ(ドアホ)みたいな関係性か。他にも「バカがバカの準備運動を始めた」とか、遠慮のない表現も痛快。

ダメな私に恋してください8巻 しょうもないLINE1
(ダメな私に恋してください 8巻)
セリフ以外でも、こういった間の作り方も上手い。画像はLINEで料理したオムライスの画像をアップしたものの、全くつれない返事しか返ってこない柴田ミチコ。クオリティーが高いわけでも低いわけでもない、一番反応に困るパターンなので、まだ反応あるだけマシですが(笑)

ダメな私に恋してください8巻 黒沢歩と柴田ミチコのキス
(ダメな私に恋してください 8巻)
基本的に二人の関係性は「他人」なんですが、8巻になってようやく二人の距離がグイッと縮まります。だからまるで夫婦漫才を見てるよう。そのクオリティー足るや宮川大助・花子も真っ青でありましょう。


キュンキュン度的には?

ただ面白いが故に、胸キュン度的には微妙かも。二人の掛け合い漫才からは仲の良さがコレでもかと伝わってくるものの、ドキドキ感よりは微笑ましさの方が勝ってしまう。二人の距離感が絶妙で素敵でうらやましく思えますが、それを見てメイン読者の女性がどう感じるかは不明。

ネタバレしておくと、黒沢主任はいいとこのボンボン。父親といさかいが絶えなかった。シリアスな展開が始まるのかと思いきや、やはり黒沢パパのクダリも早々にギャグ路線に走ってしまう。別に批判してるわけではありませんが、全体的には「女性向けギャグ漫画」といった側面が強いです。

前述のように7巻あたりから柴田ミチコと黒沢主任は良い感じになるものの、この路線も「コレジャナイ感」があったりしします。だから面白いマンガではあるものの、意外に女性読者からしてみたら「読み方が難しい」ラブコメ漫画かも知れません。


総合評価



『ダメな私に恋してください』は、個人的に面白かったです。ただラブコメ漫画というより「ラブ?コメ!漫画」といった感じ。だから、とりあえず笑いたい人向けの漫画かな。作者・中原アヤは漫画家歴が長いオバちゃんらしく、画力が比較的安定してて安心感もあります。

そういえば冒頭でも書きましたが、実写ドラマでは主演が深田恭子が演じてます。ただ柴田ミチコはアラサー処女という設定なので、さすがに深田恭子では無理がある。

何故なら深キョンからは全く処女臭がしないから。深田恭子はダメ女ではなく、どちらかと言えばオットリした天然おバカ。むしろ男が一番ほっておかないタイプの女性。だから無難に綾瀬はるかあたりが妥当だった気がしました。