『だが、しかし』1巻のネタバレ感想。作者はコトヤマ。少年サンデー(小学館)で連載中のギャグマンガ。ちなみに『だがしかし』が面白いかつまらないかの考察はアップ済み。

駄菓子って美味しいよね?

主人公はココナツという駄菓子屋のせがれ。でもココナツには夢があるから駄菓子屋を継ぎたくない。親子喧嘩もしょっちゅう。

だがしかし1巻枝垂ほたる
ただ、そこへ大手お菓子メーカー「枝垂カンパニー」の令嬢・枝垂ほたるが登場。コイツの「駄菓子愛」がとにかくハンパじゃなかった…みたいな話。だからタイトルの「だが、しかし」は『駄菓子菓子』を文字ってる感じ。


クオリティーはもう一歩

作者のコトヤマは、おそらく初連載?そのこともあって全体的な技量はまだまだ。画力も「下手な人が頑張って上手い絵を描いてる」感じの絵。ギャグ漫画というジャンルだから、そこまで画力はそこまで必要ないかも知れないですがやや気になる。

ただそれよりも文字の大きさが安定してない。吹き出しのサイズが十分じゃないので、途端に文字が小さくなったりする。かと思えば、ツッコミ時に極端に大きくなる。読んでて疲れる。裏方の編集者などが勝手に吹き出しを大きく書き換えて…みたいなことをしたらいかんのだろうか?

コマ割りなども含めて、もう少しブラッシュアップされると良い。


アイデアは良い

ただアイデアそのものは悪くない。タイトルからはパッとどんなマンガか想像つかないが、「駄菓子+菓子」の組み合わせ。だから実在の駄菓子がいっぱい登場。うまい棒とか、ココアシガレットとか、くるくるぼーゼリーとか。自分はモロッコヨーグルはかなり好きやった。

だから幅広い年齢で楽しめるネタのはず。

だがしかし1巻ビンラムネ・知らん
でもマニアックすぎる駄菓子もあってピンと来ないことも。自分はビンラムネは初耳。駄菓子は全国的に普及してて同じと思いがちだけど、実は世代や地域によって知ってる知らないの差が顕著なのかも。長期連載を考えたら小ネタに頼りすぎない展開作りも必要か。


ノリは良い

ノリも嫌いじゃない。どういう感じで笑わせたいか、その意図は伝わる。

だがしかし1巻ポテフを一気食いする枝垂ほたる
例えば、ポテフという駄菓子をジョジョ立ち風に一気食いする枝垂ほたる。「贅沢な食べ方」だと自負してるものの、たった三枚。しかも顔面が粉まみれ。ただただ残念な食べ方ってだけ。

ココナツの父親も、実は枝垂ほたるに負けないぐらい駄菓子愛に溢れてる。だからこそ息子のココナツに駄菓子屋を継いで欲しい。

どれぐらい駄菓子愛に溢れてるかと言えば、背中に範馬勇次郎ばりの「顔」が出来上がる。
だがしかし1巻ポッチ君・ココナツ父
でもまさかのポッチ君マーク。筋肉の盛り上がり方が一切関係ない。心霊写真のように、ハッキリ浮かび上がってるだけ。ここまで仔細に筋肉を操れるなら、別にポッチ君以外でも何でもいいやんっていう。作者の潔さに乾杯。

総括

少年サンデーのギャグ漫画として評価したら、そこそこ及第点。あとは画力や展開を含めて、どこまで伸び代があるのか。ここらへんが限界点だとするとやや厳しいか。点数は期待も込めた上での評価。

基本的に実在するお菓子が登場するものの、ただ地味に気になってるのが権利関係。『ハイスコアガール』の件もあって出版社はそこら辺のことをしっかりしてるのかやや疑問・不安。

だがしかし1巻枝垂ほたるとココナツ
例えばガリガリ君はゴリゴリ君に改名されてる。いやゴリゴリ君と改名してる以上は、他はちゃんと許可は取ってあると考えるのが普通か。うーん。