『DELETE(デリート)』1話のネタバレ感想。原作は川上真司、作画は永田諒。ヤングマガジン(講談社)10号から始まった新連載マンガ。


あらすじ

舞台は北海道の根室刑務所。

DELETE1話 東杜雄
(デリート 1話)
主人公はそこへ新しく入ってきた受刑者・東杜雄(ひがし・もりお)。罪名は殺人。世間一般では凶悪犯に属する人種だったが、実は根は優しい。あくまで妹を守るために取った行動だった。

DELETE1話 東杜雄の妹
(デリート 1話)
ただ面会に来た妹は、兄の取った行動に感謝していなかった。両親もいなくなり、兄である主人公も塀の中。自分は世間から好奇の目で見られ、常に孤独を感じていた。「同じ人殺しになってどうすんだよ」と号泣。

DELETE1話 刑務所長
(デリート 1話)
それでも兄である東杜雄はいち早く出所するために、刑務所内での争いをできるだけ避けようとしていたものの、ある日、刑務所長に突然呼び出される。「どこの刑務所も飽和状態。それで私考えたのよ。どうしたら有意義に人数減らしができるだろうって」とニヤリ。

そして東杜雄は受刑者同士の殺し合いが許可された地獄の刑務所へ送還される…みたいなストーリー。


総合評価

原作の川上真司と作画の永田諒は共にちばてつや賞を受賞したエースって触れ込みですが、『DELETE(デリート)』の出来としては期待半分不安半分の微妙なライン。

作画の永田諒は問題ないと思いますが、原作。一応サスペンス風に仕上がってはいますが、もう少し設定にリアリティーが欲しいところ。法と秩序を行使する刑務所で、何故そういった刹し合いみたいなことが可能なのか。しかも法律で決められたことではなく、いち刑務所長の独断。理由も「単に受刑者が増えた」だけ。さすがに説得力がない。

受刑者が増えたから減らす必要があるってんなら、例えば街中に受刑者を大々的に開放させたらいい。市民には武器を持たせて、対象が受刑者であれば発砲の許可を合法的に認める。

死刑賛成派が多数を占める日本世論。これに従うカタチで政府は死刑執行の権利を国民に付与した…みたいに煽れば面白そう。そして、これを通称「DELETE法」と呼ぶ。DE(Death)、LE(Lead)、TE(Test)の略。何となくそれっぽい感じになります(笑)

その中で主人公である受刑者は「平和な街」でどう生きていくのか?みたいな展開を描けば面白そう。これだと一般人である東杜雄の妹も絡めていけるので展開の幅も広がりそう。

あと『DELETE(デリート)』というタイトルも微妙。受刑者同士で争わせるのだから、ニュアンス的には『共食い』とかの方がしっくり来る。『DELETE(デリート)』だと、一方的に受刑者が削除されていく印象を受ける。それならこんなまどろっこしい方法を刑務所長が選択する必要性を感じません。

まあ、とりあえずヤンマガ的には「まず休載をしない」ってのが最重要か(笑)