『僕のヒーローアカデミア』1巻から7巻のネタバレ感想をレビュー。作者は堀越耕平。掲載誌は少年ジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックのヒーロー漫画。2016年4月から『僕のヒーローアカデミア』のアニメ化も始まる模様。このアニメ化が成功して知名度がアップすれば、更に発行部数を伸ばすに違いありません。

そこで僕のヒーローアカデミアが面白いかつまらないかを考察してやりました。


あらすじ物語・ストーリー内容

敵(ヴィラン)たちがはびこる世界。犯罪件数が増加する中、「個性」という名の特異体質を持つ超人たちがヒーロー活動を行うようになった。

主人公は緑谷出久(みどりや・いずく)。ヒーローを目指す意気込みだけは誰にも負けなかったが、肝心の「個性」を持たなかった。THE無個性に悲嘆する緑谷出久。息子の気持ちが痛いほど分かるだけに、緑谷出久の母も自責の念にさいなまれていた。

しかしある時、平和の象徴とまで賞賛される不動のNo.1ヒーロー・オールマイトと出会った緑谷出久は、「ワンフォーオール」と呼ばれる個性を引き継ぐ。『僕のヒーローアカデミア』は主人公・緑谷出久がヒーローになるため、オールマイトも教鞭をとる雄英高校(ゆうえい)に入学したところからストーリーが始まります。もう少しの詳細はFC2のレビューでも読んで下さい。

現時点での最新巻のあらすじを説明しておくと、ヴィランが本格的に活性化。雄英高校ではより実践的な戦闘訓練を行うために、生徒たちにペアを組ませてヒーロー教師と戦う展開へ。

例えば、轟焦凍と八百万がイレイザーヘッド(相澤消太)。校長先生は芦戸と上鳴。13号は青山と麗日。エクトプラズムは蛙吹と常闇みたいな組み合わせ。名前の漢字を打つのがダルいので、その他は割愛。この問題については後述します。

僕のヒーローアカデミア7巻 VSオールマイト
(僕のヒーローアカデミア 7巻)
そして、主人公・緑谷出久と爆豪勝己がオールマイトと勝負へ…みたいな場面で8巻に続きます。


表情と決めゴマの迫力

『僕のヒーローアカデミア』の見所というか面白さは、キャラクターが見せる一瞬の表情であったり、決めゴマや決めゼリフの力強さにあります。

1巻だと主人公・緑谷出久が爆豪勝己に助けに行く場面が胸熱。緑谷出久は小心者でデクノボーなんですが、イザという時には分不相応な相手にでも立ち向かう。まさにヒーローの素質を秘めた主人公。オールマイト曰く、「考えるより先に身体が動く姿勢に心が動かされる」。

ヴィラン(敵)との戦闘でも熱さを見せますが、序盤だと同じヒーロー候補生に対して向けられることが多め。
僕のヒーローアカデミア2巻 緑谷出久と爆豪勝己
(僕のヒーローアカデミア 2巻)
画像は屋内対人戦闘訓練で、緑谷出久が爆豪勝己に立ち向かってる場面。爆豪勝己はイジメっ子だったものの、ヒーローとしての能力の高さに対して緑谷出久は尊敬の念を抱いてる。緑谷出久は弱いくせに正々堂々たる宣戦布告をしてる。それが熱い。

一方、爆豪勝己は精神的に幼いが故に、内面はヒーローとは真逆の性質を持ってる。だからこそ緑谷出久の得体の知れない「ヒーロー性」に無意識的にコンプレックスを抱えてる。それ故に、画像は何故か能力が高い爆豪勝己の方が追い込まれてるという構図が対比的に描かれてます。

僕のヒーローアカデミア5巻 轟焦凍に対してキレる緑谷出久
(僕のヒーローアカデミア 5巻)
轟焦凍が父親エンデヴァーの「熱」の能力を使ってこないことに対して、「全力でかかって来い!」と叫んでる場面。轟焦凍は父親エンデヴァーに憎悪を抱いてるので、母親から受け継いだ「氷結」の能力しか使ってこない。

それに対して緑谷出久が「半分の力で勝つ?みんな本気でやってる!まだ僕は君に傷一つつけられちゃいないぞ!」と挑発してる。オールマイトを筆頭に、ヒーローとは命がけで常に全力。この緑谷出久の姿勢に感化されて、轟焦凍が父親との因縁を超えて「ただヒーローになりたい」という一心で「熱」の能力をついに使った場面も胸熱。

とにかく作者・堀越耕平は表情を細かく描く。それが最大限に発揮されるのは実は悪役キャラクター。

僕のヒーローアカデミア7巻 ステイン
(僕のヒーローアカデミア 7巻)
ヒーロー殺し・ステインが重傷を負いながらも、エンデヴァーや少年ヒーローたちに立ち向かってくる場面。良い感じに凄みが表現されてます。

僕のヒーローアカデミア8巻69話 死柄木弔
(僕のヒーローアカデミア 8巻69話)
死柄木弔という敵はこんな感じ。下手すると単なるホラー漫画。ちなみに普段は切断されたナゾの右手が顔にガバッと掴んでる状態。やっぱりどのみちホラーっぽい(笑)ですが、まさに悪意と敵意に満ちた憎悪がそこにはあります。


アクション描写がかっこいい

『僕のヒーローアカデミア』はヒーロー漫画ってことでアクション描写もそれなりに多め。

僕のヒーローアカデミア6巻 緑谷出久とグラントリノ1
(僕のヒーローアカデミア 7巻)
主人公・緑谷出久がオールマイトの師匠・グラントリノと邂逅した場面。

僕のヒーローアカデミア6巻 緑谷出久とグラントリノ2
(僕のヒーローアカデミア 7巻)
同じ場面。天井にしっかり影を描くことでリアリティーが増してる印象。

僕のヒーローアカデミア6巻 緑谷出久のアクション描写
(僕のヒーローアカデミア 6巻)
緑谷出久とヒーロー殺し・ステインが戦ってる場面。表情の描写と同じく、アクション描写も一瞬で引き込む迫力があります。

ただ一コマ単位では見づらくはないものの、連続して読むと「ん?」となることも。作者・堀越耕平が決して動きのある絵が下手ってことではありませんが、なんとも言えない「分かりづらさ」みたいなんも多少あります。


キャラデザは良いけどネーミングセンスが…

ヒーロー漫画の醍醐味でもありますが、色んなキャラクターが登場します。デフォルメをきかせたキャラクターデザインで、それぞれが個性的。一方でヴィランの表情は写実的に描かれていて、漫画チックな雰囲気に唐突に現れる演出が巧みだったりもします。デザイン力を含めた、画力の高さが伺えます。

僕のヒーローアカデミア2巻 蛙吹梅雨(あすいつゆ)
(僕のヒーローアカデミア 2巻)
例えばカエルのように舌を操る蛙吹梅雨(あすい・つゆ)。

僕のヒーローアカデミア4巻 エンデヴァー
(僕のヒーローアカデミア 4巻)
前述の轟焦凍の父親・エンデヴァーだと常に炎をまとっているようなキャラデザ。いかにもアメコミヒーローっぽいです。

僕のヒーローアカデミア7巻 キャラクター一覧
(僕のヒーローアカデミア 7巻)
ただ既に気付いてる人が圧倒的と思いますが、ネーミングセンスは酷い。もちろん見た目のデザインはそれぞれ個性的ですが、敵も味方も含めて当て字で無理やりオリジナリティを出し過ぎ。

正直キーボードで漢字を変換するのが面倒くさいこと甚だしい。既に存在する人名や地名などをベースに作るべき。日本語入力ソフトに単語登録すればいいだけですが、それにしても一発でまともに変換できるキャラクターが少なすぎる。蛙を「ア」とは読めねーよ。

例えば、爆豪勝己(ばくごう・かつき)も「爆轟」でいいやん。口田甲司(こうだ・こうじ)とかパット見ただのハングル文字。角ばった感を出すなら素直に「田口甲」でいいやん。上鳴電気(かみなり・でんき)も「神鳴」だと一発で変換できるのに、意味なくチョコっと変えてくる。正直、誰か注意してあげろよってレベル。

ここまで全員が全員こだわった名前だと、却って全員が没個性的に見えてしまう。主人公・緑谷出久にしても「無個性」をウリにしてるんだからフツーの名前にすればいいのに。これだと凡夫感や無個性感は出ない。

とにかく「デク」と呼びたいのであれば、「出口 久直(でぐち・ひさなお)」の一文字目を取って…みたいなんでもいい。ぶっちゃけダサい名前ですが、奇天烈な珍名ばかりの中だからこそ却って目立つ。これだと「無個性こそ個性」といった逆説的な漫画のテーマも込められる。

ヒーロー漫画は作者(堀越耕平)自身も考えてて面白い部分があるんだと思いますが、キャラに対する愛情や愛着が変に強すぎるのかも。

僕のヒーローアカデミア3巻 麗日お茶子がゲスい
(僕のヒーローアカデミア 3巻)
ちなみにヒロイン・麗日お茶子(うららか・おちゃこ)も珍名ですが、個人的に好きになれません。理由はヒーローを目指す理由が「お金目的」だから。別にこんな理由でヒーローになるキャラがいてもいいと思いますが、さすがにヒロインでコレはアカンでしょ。方言設定もイマイチで嫌い。全然「麗らか」じゃねーし。


総合評価 評判 口コミ



『僕のヒーローアカデミア』は面白いか面白くないかでいえば、断然「面白い漫画」だとは思います。既にアニメ化も決定済み。アクションや表情は迫力があって、主人公・緑谷出久が勇敢に立ち向かっていく姿に共感を抱けます。少年マンガに必要な要素はほぼ全て揃ってそうな感じのマンガ。

ただ変に考えすぎなければ、もっと素直に面白いと言えるのに…と思える部分も。例えば、セリフ力も意外にビミョー。前述の通り、要所要所で見せる決めゴマではグッと来るんですが、いかんせん普通の会話はすんなり頭に入ってこない。

僕のヒーローアカデミア7巻 あとがきの改行が変
(僕のヒーローアカデミア 7巻)
あとがきを読んでも改行が多すぎたり、自分もブログで昔こんな風に書いてたことがありますが、かえって読みづらい。『銀魂』の空知英秋のように一切改行がないのも考えものですが、下手に読者のことを思って配慮したことが裏目に出てるというか、そこまで文才はないのかも。

とりあえず作者・堀越耕平のモチベーションや体力、アイデアが尽きない限り、『僕のヒーローアカデミア』は30巻40巻ぐらいまでは連載が続きそうな気はします。