『ボクガール』全11巻のネタバレ感想をレビュー。作者は杉戸アキラ。掲載誌はヤングジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは青年コミックのラブコメ漫画。ただ後述しますが、主人公の男の子が女子になっちゃうストーリーなので、厳密には少し違うかも知れないので注意。いわゆる「TSF」とか呼ばれてるジャンルに入るはず。

最近この『ボクガール』が完結したらしいので面白い漫画かつまらんマンガか考察してみた。ちなみにKindleでもダウンロード購入可能です。


あらすじ物語 ストーリー内容

主人公は鈴白瑞樹(すずしろ・みずき)。武道家の父を持つ高校一年生。父に鍛えられたことでそれなりに強かった。

ボクガール1巻 鈴白瑞樹
(ボクガール 1巻)
でも鈴白瑞樹は見た目が女子のように可愛らしかったので、他の男子から告白されることもしばしば。もちろん男子に興味があるゲイではなく、藤原夢子というパイオツカイデーな美少女が好きだった。ただ藤原夢子もやはり鈴白瑞樹のことを女子として扱ってくるので、瑞樹はより男らしくなろうと決意している。

ボクガール1巻 鈴白瑞樹と一文字猛
(ボクガール 1巻)
この鈴白瑞樹と親友だったのが、一文字猛(いちもんじ・たける)。周囲は女子のように扱ってくるものの、一文字猛だけは鈴白瑞樹のことを「一人の男子」として公平に扱ってくれた。そのことにいつも感謝の念すら抱いていた。

ある日、ユグドラシル(世界樹)で唯一のイタズラを司る神さま「ロキ・アースガルド」に目をつけられる瑞樹。ではロキは一体どんなイタズラを行ったのか?
ボクガール1巻 鈴白瑞樹 女体化
(ボクガール 1巻)
それが鈴白瑞樹を完全に「女体化」させてしまった。ある朝気付いた鈴白瑞樹も思わず「僕の◯◯がない!」と寮の部屋中を探しまくる。いやいや取り外し可能なもんではないやろ。慌てふためく鈴白瑞樹の声を聞いて駆け付けた一文字猛は、真後ろからその光景をガッツリ見てしまう。「ナニ」が見えたかまで多くは語りません。

ボクガール6巻 鈴白瑞樹 体育倉庫でいっぱい触る
(ボクガール 6巻)
そしてどういった展開が始まるかというと、これまで「男子」だった鈴白瑞樹に一文字猛が翻弄されていくようなストーリーがメインに描かれます。漫画タイトルであるボクガールの意味もそのまんま「シーメール」的な意味。

ボクガール4巻 鈴白瑞樹 スカート
(ボクガール 6巻)
確かに鈴白瑞樹のスカート姿は完全に女性そのもの。7巻だとビキニシーンがあります。翻弄されない方がおかしいか。

だから厳密に言えば「猛×瑞樹」との関係が進んでいくので(後述の最終回も参照)、どちらかと言えば腐向け・腐女子向けの内容かも知れない。一応は大好きな藤原さんとのクダリも描かれるものの、あくまで瑞樹と猛がメイン。


性別なんて問題ないさ~♪

主人公・鈴白瑞樹の性別が変わったということで、基本的にベタなシーンが目白押し。ベースはコメディー。

ボクガール2巻 鈴白瑞樹 女風呂
(ボクガール 2巻)
例えば女風呂に入るために四苦八苦するシーンや、

ボクガール1巻 鈴白瑞樹 トイレ
(ボクガール 1巻)
初めてのトイレに四苦八苦するシーンや、

ボクガール2巻 鈴白瑞樹 つなひき
(ボクガール 2巻)
つなひきの綱が股間にグイグイスルスルめり込んで、何かアッハンウッフンな展開も。女性には「お豆さん」があるのでそこをクリクリされるとヤバイらしい。男は男でのぼり棒を登るとゾワゾワしますが、あの比ではないんでしょうか?

ボクガール3巻 鈴白瑞樹 バンソウコウ
(ボクガール 3巻)
割りと露出が多いシーンも多くて、個人的にはバンソウコウだけを貼ってるシーンは良かった。

だから『ボクガール』の画像はあまり多くは貼れませんが、何となくこういったシーンから色々と想像してみてください。ヤングジャンプは青年コミックだから、どこまでの露出が限界なのかは改めて言うまでもないと思いますが「バンソウコウがない」場面も多々あります。

ボクガール2巻 鈴白瑞樹 食べ方
(ボクガール 2巻)
敢えて露出以外の鈴白瑞樹のグッと来る画像をピックアップしておくと、例えばエビフライを食べてるシーン。ちょうどいい長さと太さのエビフライ。

ボクガール5巻 鈴白瑞樹 もじもじ
(ボクガール 5巻)
イチモツが無くなった瑞樹が初めて藤原さんに事実を告げるシーン。男らしくキッパリと断言すればいいものの、愛しの藤原さんだけあってか、何故かモジモジドキドキ。

ボクガール8巻 鈴白瑞樹 おしっこ我慢できない
(ボクガール 8巻)
同じくモジモジしてる画像ですが、こちらは尿意。先程のおトイレのシーンと合わせてご堪能ください。瑞樹の表情が可愛らしくて、何とも被虐感が妙にそそり立ちます…もとい、そそります。

だから『ボクガール』ではこういった場面や画像がたくさんあります。あくまで鈴白瑞樹は「男性」ですから男読者がオッキしちゃうとヤバイですが、設定さえ無視すれば実用性は高い。ショートカットヘアーも中性的で良い。もし設定を考慮した上でオッキしたとしても、それはそれで変な扉を開いてしまっただけ。いや人間として色んな意味で一皮むけただけ。誰も責めたりはしないでしょう(笑)

強いて言えば、やっぱり「鈴白瑞樹」をどういった対象として読めばいいか割りと難しい。見た目が可愛い男の子の身体が女性になってしまったら、それこそ完全な女子。一応設定では「元は男子」と分かっていても、一文字猛も実際にドギマギするわけですが、非モテ男読者の立場で言わせてもらうと警戒心が先立ってしまう。

でも中身は男。そこで興奮していいのかはやはり戸惑いが残ります。いっそ個人的には股間部分はそのまま残した方が「見た目で確実に男」と認識できるので気後れせずに接することができると思う。またそっちの方が背徳感も勝るはず。

でもそこまで行くと更にコアなジャンルに突入するので、一般受けを狙おうとしたらバランスを取るのは難しいか。そう考えたら11巻まで発行できた事実は意外にすごくて、作者・杉戸アキラは上手く立ち回った方と言えそうか。


最終回 最終話はこんなオチで完結

ここからは『ボクガール』最終回のネタバレをするので注意。

ラストはロキがライバルの神・トールにしばかれて人間界を去る。その前に鈴白瑞樹に対して「男性に戻るか?女性として生きていくか?」という最後の選択を迫る。瑞樹は男に戻ろうと決意するものの、心は揺れる。そこへ一文字猛が「女性として好きだ」と告白してくる。

ボクガール11巻 最終回 最終話 完結ラスト
(ボクガール 11巻)
ますます心が揺れる瑞樹だったが、最終的に決断したのが「女性として生きる」という選択。そして一文字猛に対して僕も好きだと返事。晴れて両思いになった二人は仲良く付き合って、「鈴白瑞樹は女の子初心者」として生きていくというオチ。だから瑞樹が藤原夢子が好きだったのは「女性として憧れていた」みたいな前フリだったのかも。

ただそれっぽく完結してるものの、女性として生きる道を選択したのであれば設定を考えるとインパクトには欠ける。

どうせなら5年後10年後までいっきにストーリーを進めて、二人の結婚式で終わってた方が良かった。それだと瑞樹がリアルでウェディングドレス姿を着用できる。そして、その姿を見て父親が色んな意味で号泣。完全なネタキャラだったであろう父親も前フリや伏線として活きてくる。

もっと言うなら、もし二人の間に既に子供が産まれていたら具体的に何も絵で表現せずとも、読者に「男女としての交わりがあった」ことを伝えられたはず。最後に瑞樹が一文字猛の耳元で「もう一人作っちゃう?」みたいなセリフでも言わせれば、更に興奮+笑い+イチャコラ感があるハッピーエンドで終わることができたはず。何となく赤面した一文字猛の顔が想像できます。

『ボクガール』は奇をてらった設定でセクシー描写もガンガン描いてた漫画だったので、最終話はもっと色んな意味でぶっ飛んで終わった方が面白かった。この最終話は「つまらない。ツメが甘い」と個人的に評価してみる。


一文字猛の目線で描いた方が良かった?

更に指摘するのであれば、キャラクターの立ち位置。

ストーリーは主人公・鈴白瑞樹の目線で進んでいくものの、瑞樹は「自分が誰が好きか分からず」にドギマギと狼狽する。この部分をコメディータッチに描いてる。でも同時に一文字猛も女体化した鈴白瑞樹に翻弄されて、同じく瑞樹が男だと分かっててもドギマギと狼狽する。だから、そういった面でも『ボクガール』は読み方が難しい。

ラブコメ漫画として考えると、どのキャラクターでもいいから「確実に誰かが好き」という前提があった方が読みやすいし共感も覚えやすい。そこに藤原さんも含めると、『ボクガール』は複数の視点や目線で描かれるのでなおさら感情移入しづらい。せめて一人でもいいから、軸となるキャラクターはしっかり作っておくべきだった。

個人的に考えると、物語は「一文字猛の目線」で描いた方が良かった。もともと鈴白瑞樹は一文字猛のことが好き。そこで女体化したことをキッカケに、一文字猛に対してどんどん誘惑翻弄アプローチしていく。でも「瑞樹は男だから」と一文字猛は必死にその誘惑に耐えて拒否る。

それだと笑いもしっかり発生して、ストーリーもシンプルになる。「心が女」だったとしたら鈴白瑞樹は完全な女性と言えるので、一般的な読者でも違和感なく読める。腐女子受けも狙うのであれば、鈴白瑞樹に男の体に戻らせた状態でアプローチをかければいい。既に鈴白瑞樹のことを好きになってる一文字猛はそのまま受け入れようとして…みたいに描けばベタなラブコメ展開の延長としても描けます。

現状の設定では、あくまで鈴白瑞樹のことを自身も一文字猛も「自分は(相手は)男」と思い込もうとしているので、どうしてもゲイ臭が強くなりすぎる。まあ腐女子的には瑞樹の「揺れる乙女心」にキュンキュンできるのかも知れないが、一方で絵的には普通の男女が絡むような立派なセクシーマンガ。先程も書いたように、これだと読者はどう読めばいいのか難しいと思います。

あと他にも女体化を鈴白瑞樹だけに絞ったのも判断ミス。例えば藤原夢子が胸はそのままの状態でモッコリして男体化するなどしたら、もっと展開(セクシー描写含め)に広がりがあったはず。一文字猛も女体化させばもっと笑いを生産できたはず。


総合評価 評判 口コミ


『ボクガール 全巻』のネタバレ感想をまとめると、作者・杉戸アキラの画力は高く、キャラクターも可愛らしいので、実用性は色んな意味でやばい。設定もまずまず面白い。ギャグ要素もまずまず。

ただ展開力という点では月並み。『ボクガール』が漫画として面白いかは微妙。少なくとも後半部分は新キャラで露骨に話を繋げてる感が強くて面白くない。だから『ボクガール』の見所は主人公・鈴白瑞樹の可愛らしい「男の娘」性しかなく、そこ以外に特筆すべき点は見当たりません。

でも逆にそこだけで連載が続いていたとも言えます。あくまで脱ぎ要員は主人公・鈴白瑞樹だけですからなおさら。これだけ絵が抜群に上手くて可愛らしいTSF漫画・男の娘漫画は他には多分存在せず、それだけで価値はあると評価できるかも。可愛らしい絵柄なので女性読者でも十分満足できるでしょう。

だから『ボクガール』は面白いかつまらないかで評価するマンガではなく「抜けるか抜けないか」で判断すべき。読み物としてはやや退屈ですが、割り切って購入すれば決して損はしないと思います。