『ブラッククローバー』が面白いか面白くないか考察してみた。作者は田畠裕基(たばたゆうき)。掲載誌は少年ジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックのファンタジー漫画。AmazonのKindleでもダウンロード購入可能です。

『ブラッククローバー』は人気なのか発行部数も割りと好調らしい。少年ジャンプでの掲載順も少し波はあるものの、『ブラッククローバー』は上位に表示されていることも多い気がします。正確な順位データを求められると焦りますが、いずれ『ブラッククローバー』のアニメ化も始まるはずです。

ということで前もって期待を込めて、このバズマンではファンタジー漫画『ブラッククローバー』がおすすめか つまらないか考察レビューを書いてみた。『ブラッククローバー』のカッコイイ画像を貼ってはいますが割りと長文の感想レビューになるのでご注意を。


あらすじ物語 ストーリー内容

誰でも魔法が使えた時代。いや更に言えば、世界は魔法が全てであり、魔法を中心に動いていた。中でもクローバー王国の人々に羨望と尊敬の眼差しで見られていたのが「魔法帝」。かつて人類が凶悪な魔神に滅ぼされかけたが、この魔法帝が見事に倒してクローバー王国に平和をもたらした存在。

今でも伝説として語り継がれる最強魔道士。そして、現在は「魔法帝」とは魔法使いの頂点であり地位を意味する。

ブラッククローバー1巻 アスタは魔力がない
(ブラッククローバー 1巻)
主人公はクローバー王国に住む少年・アスタ。魔法帝に憧れる一人だったが、誰でも少しは使えるはずの魔法が一切使えなかった。魔法が使えることが常識化している世界で、魔法が使えないことは致命的。ただ魔力が使えない分、アスタはひたすら肉体と体力を磨き身体能力だけはピカイチだった。

一方、アスタのライバルであるユノは魔力に溢れ、圧倒的な魔法を既に駆使することができた。二人は共に赤ん坊の頃に同じ日に捨てられて教会で育てられた。表面上はいつもそっけない態度を取っていたが、それ故にお互いの努力や実力を認め合っていた。

15歳になった暁、全ての少年少女たちは魔道書(グリモワール)が授けられた。魔道書は持ち主の魔力を高め、また成長することで新しい魔法が使えるようになるというもの。魔法騎士団に入るには誰しもが欠かせない代物だったが、魔力が一切ないアスタだけは唯一授からなかった。

悔しがるアスタだったが、ひょんなことで魔道書が現れる。ただアスタの表紙には「五つ葉のクローバー」が書かれていた。普通は魔道書の表紙に三つ葉のクローバーが表記されている。またユノのように更に天賦の才を持つものには四つ葉が表記される。では五つ葉とはなんぞや?

三つ葉には「誠実」「希望」「愛」。四つ葉には「幸運」。そして…
ブラッククローバー1巻 五枚クローバーの葉
(ブラッククローバー 1巻)
五つ葉には「悪魔」が宿るとされていた。そしてアスタが授かったのは「反魔法(アンチ魔法)」。全ての魔法の効果や能力を無効化にしてしまう能力だった。

だから漫画タイトル『ブラッククローバー』の意味は、主人公・アスタそのものを指していると考えられます。つまり『ブラッククローバー』でが魔法が使えないブラック(アスタ)がクローバー王国で活躍するストーリーが描かれることが容易に想像できます。更に言えば、アスタが魔法帝になる物語。

ブラッククローバー1巻 アスタとユノ
(ブラッククローバー 1巻)
そしてアスタとユノは魔法帝に滅ぼされた魔神の抜け殻の前で「どっちが魔法帝になるか勝負だ!」とお互い誓い合う。その後、二人は魔法帝直属の魔法騎士団に無事入団。二人の少年たちの壮大な物語が今まさに始まろうとしていた。

次々と襲ってくる敵たちからクローバー王国を守ることができるのか?果たして魔法が使えないアスタが本当に魔法帝になることができるのか?みたいな内容。


迫力ある魔法アクション描写がかっこいい!

ファンタジー漫画ということで、色んなキャラクターがバンバン魔法を使ってくる。この魔法を駆使したアクション描写が圧巻。大ゴマを多用しつつも、描き込みが実に緻密。

ブラッククローバー2巻 ユノ 風創生魔法
(ブラッククローバー 2巻)
ユノの風創生魔法「疾風の白鷹+風刃の叢雨」はこんな感じ。鷹の羽とか丁寧。構図のバランスも良いかも。

ブラッククローバー3巻 ミモザ 植物回復魔法
(ブラッククローバー 3巻)
ミモザの植物回復魔法「姫癒の花衣」はこんな感じ。大量の花がブワーッと出てきて、しっかり回復されてる感が伝わります。

ブラッククローバー6巻 リヒト 光創生魔法
(ブラッククローバー 6巻)
白夜の魔眼・リヒトの光創生魔法「裁きの光鞭」はこんな感じ。光の軌跡が丁寧。それでいて破壊力がズバババーンと伝わってくる。やはり構図の作り方なんかも上手いんだと思います。

またしっかりグリモワール(魔道書)も状況に応じて進化させて新しい魔法を覚えていく。主人公・アスタだけではなく、ユノなど他の登場人物たちもしっかり成長していく姿が素直に気持ち良い。バトル漫画においてはやはり「キャラがどう成長していくのか」が重要。

ちなみにどのキャラクターも毎回固定した決め魔法みたいなんは少なくて、自由にその場のノリで中二病丸出しの名前の魔法を炸裂させる。普通必殺技名を覚えようとしてしまうんですが、良い意味で清々しいほど覚える気にならない。そういった自由さがあるからこそサラッと読める。


魔道士らしからぬ肉弾戦バトル

ただ前述の通り主人公・アスタだけは魔法が使えない。だからどうなんだ?と一瞬思っちゃいますが、魔道士らしからぬアクション描写を披露。それが壮麗な魔法描写とのギャップ感で展開にアクセントも生んでます。

ブラッククローバー3巻 アスタ アクション描写
(ブラッククローバー 3巻)
例えばリヒトの光創生魔法と同じように、アスタの剣の軌跡具合がキレイ。線の描き方が丁寧。意外とこういうのはポイント高し。

ブラッククローバー3巻 アスタ マルス アクション描写
(ブラッククローバー 3巻)
マルスという強敵が振り回す剣はめっちゃ巨大。このシーンは特に上手い。だからこそコマの中に収めるのが大変だと思うんですが、コマ割りの使い方がすごく上手いので、しっかり収まってる。縦長のコマを使うことで、振り回す巨大な剣の豪快さ、そしてそれを見事に真っ二つにしたアスタのヤバさ。それがテンポ良くビンビンに伝わってくる。

よくあるマンガのありがちなミスとして、背景にも効果線をゴチャゴチャと描きがち。でもこの画像では描き込むところは描き込むけど、抜くところはしっかり抜いてる。そのことがマンガとしての読みやすさに繋がってる。

ブラッククローバー6巻 アスタ ゴーシュとコラボ
(ブラッククローバー 6巻)
そして別のキャラクターの魔法を組み合わせることでも、危機的な状況を打開していく。画像はゴーシュの能力でアスタを2人3人と増やした場面。まさに「友情・勝利」が詰まった王道的な面白さが詰まってて、アスタを含めて登場人物たちがシンプルに展開を打開していく様は素直に楽しい。


アンチ魔法・反魔法という設定の妙

だから主人公・アスタの「アンチ魔法」はいかにも出落ち感がする設定ですが、むしろしっかり展開の中で反魔法を活かせてる。厳密には魔法ではなく剣で戦うんですが、現時点では「断魔の剣」と「宿魔の剣」の二種類。序盤で使う断魔の剣が「無効化」の能力を発揮。いわばFFでいうディスペル。

ブラッククローバー5巻 アスタ アンチ魔法 解呪
(ブラッククローバー 5巻)
呪いを掛けられた子供の頭をコツンと叩くと呪いが解ける。自分に対して掛けられた呪いもオッケー。だからディスペルだけではなくエスナ的な効果すらある。他にも空間魔法を使って逃げようとした敵に対して、その魔法陣に剣を投げてぶっ刺すと敵が逃げられなくなる。

この断魔の剣は敵の魔法を真っ二つにしたり、そのまま打ち返すこともできる。だから2巻のヒースという敵では、同じ「黒の暴牛」のマグナが放った魔法は大きく外れる。ただ囮の攻撃で注意を引きつけて、背後からアスタが移動してて、マグナの魔法を思い切り反射させて倒す。

他にもアスタは魔力がないからこそ敵に感知されないなど、割りとアイデアが豊富。確かに突き詰めて考えていくと、実は汎用性に優れていて深みがある設定。そこに目をつけた妙だけではなく、これを作者・田畠裕基は巧みに利用できているのが面白い。

つくづく「アンチ魔法」でなければ、この『ブラッククローバー』の主人公は成立しないとまで断言できる。そういった少年漫画の主人公として必須のスペシャリティー感がアスタには備わってる。弱点がプラスのメリットになるってのが、いかにもな少年コミックっぽくて面白いじゃないですか。また負け犬がクソミソに這い上がっていくのも、ストーリーとして熱い。まさに意外性、妥当性、納得感に読まされる。


力強いセリフ力が地味に光る

こういった力強いアクション描写もさることながら、『ブラッククローバー』はセリフも力強い。少年コミックに必要な「熱さ」や「正義感」「実直さ」が詰まってる。

例えば、白夜の魔眼・ラデスがクローバー王国を襲ってきたとき。逃げ遅れた女の子に対して「お嬢ちゃんはクローバー王国が好きかい?」と問いかける。でも女の子は「大好きよ…だから…お願いもうやめて…」。

それに対してラデスはにやつきながら「オレは大っっっ嫌いなんだよ!だから街も人間もお嬢ちゃんも壊しちまうのさ」と襲いかかろうとする。
ブラッククローバー3巻 アスタ セリフ力1
(ブラッククローバー 3巻)
そこへ爆炎の中から「じゃあオレが護る!!」と大急ぎで駆けつけたアスタがさっそうと現れる。

ブラッククローバー3巻 アスタ 石ころでもダイヤモンドを砕く 名言
(ブラッククローバー 3巻)
マルスという色んな属性魔法を操れる強敵に対しては、「石コロは石コロでもダイヤモンドを砕く、石コロだ!」と実際マルスの魔法を砕いていく場面は熱い。

ブラッククローバー6巻 アスタ 諦めないのが俺の魔法
(ブラッククローバー 6巻)
強敵リヒトに対しても、「諦めないのがオレの魔法だ」とぶちかますシーンは胸熱。

単に名セリフを言えばいいってもんではない。話の流れがあってナンボ。展開を打開させる場面では絵もセリフも重要。どんなにアホの子でも記憶に残る。こういった見せ場で名言を使う上手さは特筆すべき。マンガ全体の印象・評価も大きく左右してることは言うまでもありません。

またユノの「アスタはオレのライバルだ」など、サブキャラクターもサラッと名言を残してくれる。例えばアスタが魔法帝・ユリノス・ノヴァクロノに対して「どうやったら魔法帝になれますか?」と質問したとき。

ブラッククローバー3巻 魔法帝ユリノス・ノヴァクロノ 42歳
(ブラッククローバー 3巻)
魔法帝は「実績だよ」と一言キッパリ。

理由は「プライドだけでは人を守れない。魔法帝に求められるのはただ一つ。最強と言わしめる実績だけ。ひたすら実績を積めない者は頂点に立つことなど出来はしない」とのこと。でもあれこれ説明するよりも、先に結論をキッパリ書くというのはブログ作成においても有用な手段。

しかもアスタはビビるのかと思いきや「望むところです」と言い返すのも良かった。

ブラッククローバー4巻 フエゴレン 名言
(ブラッククローバー 4巻)
まだ紅蓮の獅子王の団長であるフエゴレン・ヴァーミリオンの「恥ずべきは弱い者ではない…弱いままの者だ!」というセリフも良かった。周りの兄たちに気後れしてしまったノエルを叱責した場面。

こういった見せ場におけるズバッと言い切るセリフはスカッとさせられる。作者・田畠裕基は意外に文章力もあって、長々とせずに短いセンテンスで言い切るセンス。文字も大きくて読みやすく、そのことが全体のテンポ感の良さにもつながってる。

ブラッククローバー5巻 チャーミー バビットソン 謎の踊り
(ブラッククローバー 5巻)
またシリアスな展開ばかりではなく、合間にギャグテイストも挟んでくる。ややもすると空気感が損なわれがちですが、そんなことはなく絶妙にほどほど。特に中高生ぐらいの読者は箸休めとして重宝するか。画像は「黒の暴牛」のチャーミー・バビットソン。敵を結果的に囚えて勲章をもらって、「我をたてまつれ」と謎の小躍りをしている場面。


登場人物の顔が同じ?

ちなみにインターネット上で指摘されてるのが、登場人物の顔。

ブラッククローバー3巻 金色の夜明け 銀翼の大鷲 紅蓮の獅子王
(ブラッククローバー 5巻)
金色の夜明け団、銀翼の大鷲団、紅蓮の獅子王団、碧の野薔薇団のメンバーが一堂に会したクダリが分かりやすいですが、パット見が登場人物の顔が同じに見えます。だから絵柄の雰囲気が似ているので、自分も今まで少年ジャンプでは『ブラッククローバー』を読み飛ばしてました。

ただ現地点の6巻までまとめて読みしてみると、意外に見分けができる。しかもいっぱい登場するので混乱すると思いきや、全然混乱しない。魔法の属性を使い分けられるメリットも大きそうですが、セリフ力など含めてそれだけキャラ作りがしっかりできてる証拠。

むしろ団長クラスのキャラクターが出し惜しみなくバンバン登場するので、見てて楽しいし面白い。だからと言って大盤振る舞いってほど乱発でもないので、すぐに飽きないという絶妙さが良い。


総合評価 評判 口コミ


『ブラッククローバー』が面白いかどうかの考察レビューをまとめると、王道ファンタジーとか関係なく、普通にマンガとしてクオリティーが高くて面白い。『ハイキュー』や『僕のヒーローアカデミア』などはツッコミどころが少なからずあるんですが、この『ブラッククローバー』にはほとんどそういうのが無い。

アクション描写でもホメましたが、構図が上手い。だから普通の何でもないシーンでも、シンプルに状況や話の流れを把握しやすい・見やすい。言葉も端的で頭に入りやすい。スバッと言い切るので気持ち良い。ストーリーの軸もブレないので総じて読みやすい。

大ゴマのアクションを多用してる場合、ストーリーが薄っぺらくなりがちですが意外と内容は薄くない。設定の説明だけで終わってない。どうしてもファンタジー漫画のジャンルは設定や世界観など風呂敷ばかりが広がっていきがちですが、『ブラッククローバー』は一つの作品としてまとまり感があるだけで実は地味にすごい。

物語として、漫画としての面白さをしっかり表現できてる安定感がある。この先ハズレがない or 期待を裏切らない安心感で読まされるので、読後感は割りと充実。少年マガジンの『七つの大罪』や『フェアリーテイル』の上位互換マンガといってもいいでしょう。意外と内容は幼稚っぽくないので、割りと幅広い年齢層が読んでもオッケー。

少年ジャンプには『ブラッククローバー』と競合するファンタジーマンガがないので、おそらくこのままだと完結するのは40巻50巻ぐらいになりそう。少なくとも長期連載漫画になる可能性は高いでしょう。