『BLEACH-ブリーチ-』全74巻のネタバレ感想をレビューしてみた。『ブリーチ』の詳細を簡単にまとめておくと、作者は久保帯人。掲載誌は少年ジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックのバトル漫画。『ブリーチ』はAmazonのKindleでもダウンロード購入は可能です。

この『ブリーチ』の連載が始まったのは2002年からですが、今年2016年8月後半についに完結。足掛け14年ぐらいの連載が続いた長編人気マンガ。赤ちゃんだった読者が中学生にまで成長した計算。だからいろいろとネット上では長編漫画は批判されがちですが『こち亀』200巻と同様にやはり完結したら完結したで一抹の寂しさがこみ上げてきます。

そして今月11月4日に最終74巻も発売されたということで、少年ジャンプが誇る長編人気バトル漫画『ブリーチ』が面白い漫画だったか、つまらないマンガだったかを全巻まとめて考察してみました。一万文字以上の長文の感想レビューになるのでご注意を。


BLEACHをフルカラー画像で読む意味・買う価値

ちなみにキンドル版『ブリーチ』ではフルカラー版が発売されてるので、今回の全74巻のレビューはフルカラー画像をメインに使った感想になります。もちろんキンドルペーパーホワイトではモノクロのままなので注意。

BLEACH1巻 黒崎一護 フルカラー画像
(BLEACH 1巻)
例えば主人公・黒崎一護の初登場シーンも、ばっちり髪の毛のオレンジ色も伝わります。空白部分がオレンジ色に塗ることでより「黒崎一護感」も伝わります。ブリーチは余白が多いバトル漫画と言われてるだけに、良くも悪くもフルカラーだと最適に映えます。

BLEACH15巻 四楓院夜一 文字がピンク
(BLEACH 15巻)
他にも面白い場面を探してみると、コチラの画像。夜一がしれっと混浴しようとした瞬間の、一護の「ボフー」という吹き出す文字の色がピンク色。『ブリーチ』の意外と多い下ネタギャグについては後述しますが、フルカラーだとこういう演出ができるのが面白いですわな。フォントカラーもブラック以外の色も多いです。

井上雄彦あたりもフルカラーであれば電子コミック化してもいいのではなかろうか。水彩画っぽく色塗りすれば『バカボンド』の世界観も更に映えるのではないか。アーティストぶってんじゃねーよ!というコメントをアホの巣窟・ヤフコメで見ましたが、是非再考して欲しいものです。

ただこの全74巻をレビューし終わった時点では、『ブリーチ』60巻ぐらいまでしかフルカラー版のコミックが発売されていないのでご了承を。ざっくり使用しているカラー画像は藍染惣右介編(アランカル編)ぐらいまで。きっと来年2017年中には『ブリーチ』全74巻でフルカラー化されてるはず。

あと言うまでもありませんが画像サイズは圧縮してるので、実際の画質はもっとキレイなのでご安心を。


BLEACHのあらすじ物語 ストーリー内容

主人公は黒崎一護(くろさき・いちご)。東京都の空座町(からくらちょう)に住む普通の男子高校生…ではなく先程画像を貼ったように髪の毛がまさかのオレンジ。だから黒崎一護はちょっとだけ不良キャラ。

そして、もう一つの特徴が幼いころから「幽霊」が見えていたこと。黒崎一護の父親が町医者をやっていたこともあって、人の生死に触れる機会が多かったためと推察される。ただ基本的に幽霊が見えたとしても人畜無害。黒崎一護が何か呪われたり、攻撃されることはなかった。

BLEACH1巻 あらすじ 黒崎一護1
(BLEACH 1巻)
しかしある日、自分の部屋に死神・朽木ルキアが突然目の前に現れる。朽木ルキア曰く、「ソウルソサエティ(尸魂界)という場所から悪霊退治にやって来た」という。

BLEACH16巻 あらすじ 虚 ホロウ
(BLEACH 16巻)
もちろん黒崎一護はにわかに信じられなかったが、朽木ルキアが話すようにホロウ(虚)と呼ばれる悪霊たちが次々と襲ってくる。ついには黒崎一護の妹や家族がホロウの毒牙にかかり、死神であるはずの朽木ルキアもダメージを負ってしまう。

BLEACH1巻 あらすじ 黒崎一護2
(BLEACH 1巻)
そこで黒崎一護が「死神代行」として立ち上がる。果たして黒崎一護は家族や井上織姫といった友達、そして空座町の人々をホロウたちから守ることはできるのか!?…という内容のストーリーになります。

でも人間は本来死神は見えるはずがない。また死神が愛用する斬魄刀(ざんぱくとう)は、個々の死神の霊力に応じて姿を変える。しかし黒崎一護が斬魄刀を持つと、画像のように朽木ルキアが見たことがないほど異様に巨大化してしまう。

つまり黒崎一護は何故か既に膨大な霊力を持っている証拠。一体それは何を意味しているのか?そもそも黒崎一護は死神代行として活動することになったのは単なる偶然なのか?など意外と『ブリーチ』は初っ端から伏線が散りばめられてたりします。


キャラクターや登場人物が個性的で飽きない

まず『ブリーチ』の登場人物・キャラクターが個性的。

全員を説明すると長いので多くは省略しますが、まず主人公の黒崎一護と朽木ルキアから始まり、味方キャラの井上織姫(いのうえおりひめ)、石田雨竜(いしだうりゅう)、茶渡泰虎(さどやすとら)、ナゾに多く包まれた浦原商店の浦原喜助など、可愛い女性から大柄男やメガネキャラまで人物の幅が広い。

BLEACH35巻 護廷十三隊
(BLEACH 35巻)
そして尸魂界(ソウルソサエティ)を守る死神の護廷十三隊を見ても、ジジイ(総隊長の山本元柳斎重國)からちびっ子イケメン(日番谷冬獅郎)まで登場人物はやはり幅広く描かれてることが伺えます。他にもパイオツカイデーのお姉ちゃん(松本乱菊)から人外キャラ(狛村左陣)もいるなど、ほとんど誰一人としてキャラ被りがない。

BLEACH34巻 涅マユリ
(BLEACH 34巻)
涅マユリ(くろつちまゆり)は「得体の知れない」としか表現しようがないキャラ。画像は敵に名前を訊いてるんですが、その理由が「君を瓶詰めにした時に、その瓶に名前を書く為だヨ」とニマー。いろいろとツッコミどころが多すぎ(笑)

BLEACH35巻 エスパーダ 十刃
(BLEACH 34巻)
敵キャラクターを見ても、視覚的に個性的で被りが薄い。画像は「十刃(エスパーダ)」と呼ばれる藍染惣右介が率いる10体の破面(アランカル)。他にも「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」といった敵も個性的なキャラクターばかり。

全74巻という『ブリーチ』のボリュームを考えたら、そこまでキャラ数がめっちゃ多いとまで言えないかも知れませんが、それでも作者・久保帯人のキャラの引き出しの多さは見事という他ありません。

何故なら絵が上手いとされてる漫画家でも、特定のキャラクターしか描けないこともザラ。例えば美少女キャラは描けるけどオッサンキャラは描けない、イケメンキャラは描けても美女キャラは描けないなど(なんとなく具体的に何の漫画をディスってるかは察して下さい)。

BLEACH42巻 キャラクターのお手本 仮面の軍勢
(BLEACH 42巻)
でも『ブリーチ』の作者・久保帯人は比較的どんな登場人物を描かせても上手い。画像の仮面の軍勢(ヴァイザード)を見ても如実に久保帯人のすごさが伝わります。子供から老人まで、イケメンから美少女まで、二枚目キャラから三枚目キャラまで、ほとんど描けないキャラクターが見当たらない。

またジョジョ立ちほど超絶個性さはないものの、それでもポージングの上手さがかっこよさやオシャレさにつながってる。しかもキャラクターの振り幅やギャップ感の作り方も上手い。

BLEACH37巻 バラガン部下 シャルロッテ・クールホーン
(BLEACH 37巻)
例えば破面の一人・シャルロッテ・クールホーンというザコ敵。内面はマツコ・デラックスっぽいキャラクターらしいんですが、どうしてもモッコリ部分のラスプーチンぶりに目が行くことからも明らかなようにギャグとして描いてることは一目瞭然。

BLEACH37巻 吉良イズル 斬魄刀 侘助
(BLEACH 37巻)
でも一方ではこういった表情も作れる。もちろん同一人物です。ちなみに右は吉良イヅル。侘助という斬魄刀を所持してる死神。

つまりBLEACHのキャラクターの特筆すべきは「しっかり笑いとシリアスが共存」できてる点がすごい。

普通の漫画は三枚目キャラは三枚目な言動しか取らない。二枚目キャラでも同様ですが、見た目と相反する言動を取ると読者はフツーそこに違和感を抱く。必要以上にダサく感じてしまったり、笑いが上滑りしてしまったり、変に副作用も大きい。ただ『ブリーチ』だと一人のキャラクターでギャグもシリアスもどちらも見事に両立させて、キャラの魅力にも繋がってる。

また『ブリーチ』はキャラクターの見せ方も上手い。

『ONE PIECE』あたりが好例ですが、キャラクターをいくら多彩に描けたところで、あんまりにも登場人物が多すぎても読者は混乱する。でも『ブリーチ』は死神なら死神の服装を共通化させるなど、「味方が誰か敵が誰か」を視覚的に認識しやすい。またグループ単位での登場が多いので意外と混乱しないので、読者は『ブリーチ』の世界観に没入しやすい。

他にも登場人物をバーンと先に活躍させてから、その後でキャラクターが持つ背景や過去を説明する流れも自然で上手い。意外と「最初からどんなキャラかをウダウダと説明するパターン」も世の漫画には多いんですが、まず『ブリーチ』は「今何をしてくれるキャラなのか」を描写してくれる。読者としても何をしてくれるのか描いてくれないと興味を持てない。興味を持てないキャラの過去をいくら説明されたところでポカーン。


ブリーチのバトル描写は無難に上手い

『ブリーチ』のジャンルは能力系バトルマンガなので、ざっくりバトル描写はどんなもんか確認しておきます。

BLEACH10巻 バトル描写
(BLEACH 10巻)
まずは黒崎一護と斑目一角のバトル。最初の斑目一角の一太刀がカッコイイ。黒崎一護もスパッと避けてから、すぐさま斑目一角に立ち向かうテンポ感も良い。最後の左端のコマで二人が刀を交えることで次のページにめくりたくもなります。「躱した!?」「いい体捌きだ」といったセリフもテンポ感に奏功してるか。

BLEACH13巻 バトル描写
(BLEACH 13巻)
黒崎一護が「内なるホロウ」と戦っている場面だと、白色一護の柄の巻布で戦うアイデア力が面白い。剣を飛び道具に使う発想は他の漫画ではあまり見かけない。

BLEACH24巻 バトル描写
(BLEACH 24巻)
黒崎一護と十刃の一人・グリムジョーのバトル描写だと、右下コマの目線の使い方なんかがオシャレでカッコイイ。

BLEACH46巻 バトル描写
(BLEACH 46巻)
黒崎一護と藍染惣右介のバトルだと「一瞬の切り取った描写」も上手い。

『ブリーチ』以外でも見かけるバトル描写にも感じますが、画像はしっかり基本に忠実。藍染惣右介の顔は右コマだと見えないから、左コマの表情が活きる。ダメな漫画だと既に右コマでキャラの表情が見えてるパターンも多い。それだと左コマの表情があまり意味を成さない。

BLEACH40巻 バトル描写
(BLEACH 40巻)
『ブリーチ』のストーリー展開については後述しますが、ストーリーの中で生まれた地理的条件を上手く使ったバトル展開も上手い。画像はヤミーという敵が直前に開けた穴から、味方の石田雨竜がオシャレに登場する場面。「実はさっきの展開がここで活きるんか?」っていうさり気ない演出も多くて、その前後の展開が繋がった時はまさにア~ン気持ちE~。

BLEACH43巻 スケールでかいバトル描写
(BLEACH 43巻)
こじんまりした殴り合いや剣を交え合いだけではなく、『ブリーチ』は画像のようなスケールのデカいバトルもイケる。

危他にも機感を煽ったり形勢逆転を象徴する表情も上手く、構図もシンプルで見やすい。余白が多いという批判的な評価もありますが、ゴチャゴチャと描かないことで『ブリーチ』のテンポ感やリズムの良さにも繋がってるはず。『ブリーチ』でしか描けない卓抜した部分こそ少ないですが、それでも久保帯人のバトル描写は無難に上手いと評価できます。


卍解という必殺技が少年漫画的にカッコイイ

やはり能力系バトル漫画に欠かせないのが「必殺技」。

BLEACH38巻 檜佐木修兵
(BLEACH 38巻)
この『ブリーチ』でそれにあたるのが「斬魄刀(ざんぱくとう)」。この斬魄刀は一人一キャラクターによって異なる形状や破壊力を持つ。画像の檜佐木修兵という割りとモブキャラの斬魄刀・風死(かぜしに)でも、割りとしっかり様になってます。「命を刈り奪る形をしてるだろ?」と表情だけ見たら完全に悪役(笑)

更に厳密に言えば「卍解(ばんかい)」という覚醒を行うことで、その斬魄刀が真の力を発動できる。『ブリーチ』は少年マンガの核を見事に突いていて、その斬魄刀が決め技や決めゴマとして効果的に活かされています。

BLEACH17巻 阿散井恋次 狒狒王蛇尾丸
(BLEACH 17巻)
具体的に何人かの斬魄刀(卍解)を見ておくと、阿散井恋次だと蛇尾丸という斬魄刀を卍解させることで「狒狒王蛇尾丸(ひひおうざびまる)」が発動される。蛇尾丸は普段は伸び縮みするだけなんですが、いざという時はそのまんま巨大な蛇と化す。

BLEACH17巻 狛村左陣 黒縄天譴明王
(BLEACH 17巻)
狛村左陣の卍解だと「黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)」。斬魄刀がどこの『進撃の巨人』やねんていうぐらいデカい侍巨人に変身。「貴公の好きなコロし合いを始めるぞ」と言われても、どうやってコッチはお前を倒したらええねんと(笑)

BLEACH15巻 涅マユリ 卍解 斬魄刀
(BLEACH 15巻)
涅マユリの「金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)」という卍解は、致死毒を霧状にして半径100間以内に撒き散らす。見るからに毒々しいですが、しかも自分の血液から生成した毒。だから斬魄刀という「剣」のイメージからかなり飛び出してるパターンもあります。

BLEACH18巻 山本元柳斎重國
(BLEACH 18巻)
山本元柳斎重國の場合は、まさにTHE炎。ジジイというキャラクターも相まって、かなり良い味出してます。破面相手に「意気に免じて火傷程度で済ましておいてやる」と捨てゼリフを吐くんですが、敵は山本総隊長の業火に体の中から焼けただれて瀕死状態。どこが火傷やねんみたいな(笑)

ただ山本総隊長の卍解は画像の流刃若火(りゅうじんじゃっか)じゃない。

「残火の太刀(ざんかのたち)」と呼ばれる山本総隊長の卍解は、一見すると「焼け焦げた小さな刀」にしか見えないものの、斬魄刀に全ての炎を閉じ込めたことで逆にヤバイ状態。THEギャップ感。尸魂界中の水が蒸発してしまうほど熱を持つ。しかも更に「残日獄衣(ざんじつごくい)」という別の卍解では1500万度の炎を身にまとう。もう色々とアホか(笑)

BLEACH67巻 兵主部一兵衛 卍解
(BLEACH 67巻)
もう一人のジジイキャラ・兵主部一兵衛(ひょうすべいちべえ)の卍解は「一文字」。シンプルに筆っぽいものの、極悪な表情も相まって思わず震えます。ちなみにこれでも味方キャラクター。

BLEACH20巻 日番谷冬獅郎 大人化 四界氷結 全ての天は俺の支配下だ
(BLEACH 20巻)
『ブリーチ』の人気キャラクター・日番谷冬獅郎の卍解だと「大紅蓮氷輪丸(だいぐれんひょうりんまる)」という氷系の必殺技。氷系の卍解ですが、カラーでも細かく青色系の着色が使い分けられているようです。

BLEACH34巻 朽木白哉 千本桜景厳
(BLEACH 34巻)
朽木白哉の卍解だと「千本桜景厳(せんぼんざくらかげよし)」とかなり幻想的な必殺技ですが、敵は無数の刃からは逃げられることができない。

以上卍解や斬魄刀を見てきたわけですが、デザイン的なカッコ良さだけではなく、地味にネーミングセンスも光ることも伺えます。しっかり凝ってるけど分かりにくすぎない絶妙さが良い。『僕のヒーローアカデミア』の作者などにも是非参考にしてほしいです。

BLEACH13巻 黒崎一護 斬魄刀・斬月と会話
(BLEACH 13巻)
ちなみに斬魄刀はそれぞれに自我を持っていて、画像は黒崎一護の斬魄刀・斬月(ざんげつ)。お互いが語り合うことで黒崎一護は成長していく発想も面白い。

しかもこのことが『ブリーチ』の最終局面である「千年血戦篇」に登場するラスボス・ユーハバッハにもつながってる。単なる必殺技でしかなかった斬魄刀や卍解が、実は『ブリーチ』のストーリー根幹部分にも繋がる壮大な伏線だったのもすごいし面白い。

このブログでは既にバトル漫画「BLEACH」の名言まとめを作ってるので後で興味がある方はご確認下さい。大体30個前後のBLEACHの名言をまとめてあります。


ブリーチの展開はベタで王道だから面白い

だから『ブリーチ』の伏線が意外と多くて、それもさり気なくオシャレに張られてる。でもそれらの伏線はハッキリ見えていて分かりやすい。つまりは『ブリーチ』の展開は定番すぎるほどベタだから面白い。

BLEACH13巻 更木剣八 黒崎一護
(BLEACH 13巻)
例えば尸魂界に朽木ルキアを救いに来た黒崎一護は、死神の更木剣八(ざらきけんぱち)と戦う。立場的には黒崎一護が侵入者にあたるので当然。しかも更木剣八はかなり好戦的で、まさに死闘を繰り広げる。

でも時間が経ったことでお互いの立場が変わることもある。

BLEACH34巻更木 黒崎一護 かつての敵が友
(BLEACH 34巻)
つまりは「昨日の敵は今日の友」。かつて敵として戦ったキャラクターがその後仲間に入る。まさに王道すぎるベタな展開。

BLEACH21巻 ヴァイザード 仮面の軍勢
(BLEACH 21巻)
他にも「仮面の軍勢(ヴァイザード)」と呼ばれる虚化できる人間・平子真子(ひらこしんじ)が目の間に現れる。最初は敵としか思えない雰囲気で登場。でも実はヴァイザードたちは…というベタすぎる展開が待ってる。

一つ一つの詳細なネタバレこそ割愛しますが、ただ以外にもベタな演出であっても手垢にまみれてる感は乏しい。むしろ堂々と王道な展開を描いているからこそ、不思議と新鮮味は損なわれない。例えば形勢逆転を演出する救世主の登場に関しても、「え?何故このタイミングでコイツが!?」という良い驚きしかなく、面白くない漫画にありがちな悪い意味での唐突感や戸惑いはない

それだけ『ブリーチ』はストーリーの軸がきれい。そして分かりやすい前フリがあって、適度なタイミングでそれが明らかになる。展開に付いていけなくなることはなく、言ってしまえば久保帯人の演出自体が理路整然としてる。

バクマン。』を読むと漫画作者はネタ切れを起こすと、序盤にテキトー描いた出来事を「さも伏線であったか」のように装って強引に新しい展開に繋げることも多々あるそうですが、作者・久保帯人は前後の展開の繋げ方が非常に上手い。最初から伏線を考えていたようにしか思えない巧みっぷり。


BLEACHはストーリーのテンポ感も見事

だから『ブリーチ』のテンポ感やリズム感は見事。

内容は基本的に「敵とのバトル」のみなのでテンポ感が良い。一対戦あたりのボリューム感が適度で絶妙なので、『ブリーチ』全74巻を一気に読み終えるのも6時間程度もかからない気がする。ただAmazonのキンドルなど電子コミックだとページめくりに時間がかかるので更に+数時間以上は消費するか。

やはり最大の理由は、何度も言うようにストーリーが一本のぶっとい軸を中心に見事に展開されるから。脱線が一切なく、ストーリーの迷子になることはまずない。登場人物が複数に分かれて行動することも多いものの、某『ONE PIECE』とは違って、ストーリーがどうなっているか混乱することもない。まさに『ブリーチ』は漫画のお手本と言えましょう。

またストーリーも間断なく切れ間がない。『ブリーチ』はボスの倒すまでのクダリは良くも悪くも非常に長い。だからといって引き伸ばし感も少ない。何故なら小ボス程度の敵は登場したら、その回でほぼ必ず倒してくれるから。細切れ的ではあるものの細切れ的ではないので、結果的に読後感は充実。

しかも『ブリーチ』は常にバトルの連続なのに、常にテンション高めの状態を維持できてるのがすごい。バトル漫画のクライマックスは、言うまでもなくバトル描写にある。だからバトルが一度終わると、普通はどこかで「小休止」みたいな展開が欲しい。

何故ならギャグ漫画でも言えますが、常に笑わせ続けることは難しい。そこで読者のテンションを再びフラットな状態にすることで、再び笑いやすくさせることができる。おそらく漫画作りにおける一種の王道的なセオリー。

ただ『ブリーチ』の場合は小休止的な展開はほとんどない。つまりは面白さがずっと持続している状態。この理由を考察するなら、ひとえに作者・久保帯人の展開力とキャラ作りがなせるわざ。キャラクターが豊富だからこそ飽きない。展開も変に引き伸ばさないので一人一人倒すことで一定の読後感を得ることが可能。

強いて言えば、フルプリング(完現術)がどうのこうの登場した『ブリーチ』50巻前後の「死神代行消失編」の数巻分はあまり面白くなかったので、そこが箸休め or お口直し的な部分か。


BLEACHは見開きページの構図がオシャレ

少し順番がズレた気もしますが、既にキャラクターのクダリに貼った画像などからも分かりますが、見開きページの使い方が上手い。特に『ブリーチ』は構図がオシャレ。

BLEACH25巻 見開きページの使い方
(BLEACH 25巻)
例えば画像は黒崎一護が虚化して暴走しかけた瞬間、それをヴァイザードのメンバーが止めに入るシーン。この場面の何がすごいのかを説明しておくと、キャラクターを全員コマの中に収める配置力にあると言えましょう。

下手くそな漫画家だったらキャラデザの時点で身長が全員同じってことも多いですが、『ブリーチ』のキャラは体格や身長をしっかり描き分けできてる。いくら見開きページとはいえ限られたスペースしかない中、それだけ難易度は格段にアップする。

しかも画像だと刀の向きやキャラの頭の位置や視線の向きもそれぞれバラバラ。なおかつ黒崎一護だけを凝視してる。だから絵的に飽きない上に、情報として分かりやすい。もちろん一部のキャラだけ省くというズルもしてない。

久保帯人の画力の高さがあるからこそだと思いますが、こういうシーンは最初の構図で勝負は決まってくると思うんです。土台となる部分で失敗してたら、コマの中にキャラクターが入るものも入らない。それでいて「カッコ良くオシャレ」に描いているのだから、まさに『ブリーチ』の作者・久保帯人は構図の天才と言えるでしょう。


合間合間に入る下ネタギャグ要素が割りとドギツイw

BLEACH28巻 ネル 破面 ギャグ表情
(BLEACH 28巻)
先程『ブリーチ』はシリアスとギャグの使い分けも見事と書きましたが、改めて確認しておくとキャラクターの表情が上手い。シリアスだとしっかりカッコ良い表情を、ギャグだとしっかりフザケた表情を描けてる。

でも『ブリーチ』の世界観は崩れない。絵柄の良さもやはり重要なんだと痛感させられます。ちなみに画像はネムという破面が黒崎一護たちと少し仲良くなってしまった後に、実は黒崎一護が侵入者だったと知ってしまった場面。

あと改めて『ブリーチ』を読み直してみると意外に下ネタが多い(笑)

BLEACH23巻 松本乱菊 お色気ギャグ
(BLEACH 22巻)
例えば死神・松本乱菊が人間界にやってきた時、主人公・黒崎一護の家に泊まろうとする。そこで制服をプチプチと脱ごうとすると、黒崎一護は「止めろ!」と言いつつ指の隙間からしっかり松本乱菊をチェック。考えてみたら男子的には松本乱菊の露出度は、下手したらどんなスパイよりも強敵(笑)

BLEACH22巻 猿柿ひよ里 浣腸
(BLEACH 23巻)
「仮面の軍勢」の猿柿ひよ里は思いっきりカンチョーされる。「カンチョーは止めろ言うてるやろ!お嫁に行かれへんようになったらどないすんねん!」と思わず絶叫。よしんば男の子キャラなら分かりますが、いくら性格がガサツとはいえ女の子キャラにこんな仕打ちをした漫画も少ないでしょう。

他にも股間から武器を取り出そうとするキャラクターがいたり、『ブリーチ』32巻ではネムというキャラに黒崎一護がチ◯ポをパーンと叩かれたり、主人公が股間攻めされる漫画を初めて見たわ。往年の『ドラゴンボール』以上に下ネタのオンパレード(笑)

BLEACH43巻 猿柿ひよ里 日番谷 ギャグ
(BLEACH 43巻)
ちなみに久保帯人の出身地が関西なのか知りませんが、この猿柿ひよ里を筆頭としてムダに関西弁の使いこなしが圧巻。

日番谷冬獅郎に対して「はァん!?聞こえませんなァ!こっち見ろや!大体何やそんなガキみたいなナリして隊長羽織着よってホンマ隊長なんかオマエ!?」と言葉攻めしてるシーンは、関西人以上に関西人(笑)

しかも日番谷冬獅郎はイケメンキャラで通っているはずなので、そんな人気キャラに対しても作者・久保帯人は容赦なくイジりまくり。それでもシリアスな『ブリーチ』の世界観が不思議と崩れないんだからすごい。

BLEACH35巻 エロギャグ 涅ネム 復活
(BLEACH 35巻)
地味に凄かった場面が、涅ネムが体液などを吸い取られて敵にシワクチャにされたものの、師匠(?)の涅マユリが復活させる。でも涅マユリの復活させ方が「ジュブジュブボジュボジュ」といった擬音満載。

明らかに何かを挿入してないか?と想像させるぐらい、阿散井恋次や石田雨竜も思わず見入るほどエ口いシーン。いや少年コミック誌で一体何してくれてんねん(笑)

さすがにフルカラー画像を使っているので多くを貼ることは難しいんですが、改めて割りと露出度が高いシーンが多いことも伺えます。冒頭に貼った四楓院夜一が好例ですが、やたらと脱ぎまくる。もちろんモノクロ画像でも結構な破壊力ですが、本当に奥さん久保帯人ってドスケベですねぇ~(*´Д`)


BLEACHの最終回は黒崎一護と井上織姫が結婚

FC2の「すごないマンガがすごい!」では既に『ブリーチ』の最終回は既にレビュー済みですが、最後は『ブリーチ』の最終回までの展開をざっくりネタバレしたいと思います。ネタバレが嫌いな方はスバッと下へスクロール推奨。

『BLEACH』最終74巻は死神 VS 滅却師の最終局面。主人公・黒崎一護はラスボス・ユーハバッハと対峙。黒崎は死神と滅却師の力を溶け合わせることで、2つの相反する力を最大限発揮。月牙天衝とグラン・レイ・セロの合体技でユーハバッハを追い詰めていく。しかし最終奥義の「天鎖斬月」を卍解するものの返り討ち。

ブリーチ74巻 最終回 ユーハバッハ
(BLEACH 74巻)
何故ならユーハバッハは「未来を読む」のではなく「未来そのものを変える力」を持っていたから。

「一護よ、お前は今迄幾度となく絶望を乗り越え未来を変えてきただろう?何故それができたか解るか?そこに【私が居なかった】からだ」とユーハバッハはニヤリ。そして黒崎一護はユーハバッハから全ての能力を奪われてしまい、斬魄刀も折られてしまう。

ただかつて戦った月島が登場して「折られなかった過去」を黒崎一護の中に挟んでおく。つまりは斬魄刀が再び復活。先程は「死神代行消失編」が面白くないと書きましたが、この最終局面で生かすためのネタフリだったのでしょう。

そして石田雨竜の父・竜弦も登場。聖別にかけられたクインシーたちは心臓に銀の血栓ができて死ぬらしいんですが、その銀を集めて作った銀の鏃(やじり)を石田雨竜に渡す。これは「静止の銀」と呼ばれ相手の能力をほんの一瞬無にできるというもの。

ブリーチ74巻 最終回 藍染惣右介 鏡花水月 伏線
(BLEACH 74巻)
一方、藍染惣右介は鏡花水月の力を使って、自分のことを黒崎一護だとユーハバッハに思い込ませる。そのスキを付いて黒崎一護が月牙天衝でユーハバッハを真っ二つ。しぶといユーハバッハは再び復活するものの、石田雨竜の銀の鏃を撃たれたことで未来を書き換える力を行使できずに黒崎一護にとどめを刺される。つまり黒崎一護はユーハバッハをついに倒したことで、人間界も尸魂界にも平和が訪れる。

まさかの藍染惣右介の鏡花水月の伏線が最終回で回収されるとは。

ストーリーは十年後。崩壊した尸魂界は再び活況を取り戻していた。そこには隊長として戻った平子真子などがおり、朽木ルキアは十三番隊隊長に就任していた。そして黒崎一護は井上織姫と結婚。すっかり女性であることを忘れてましたが、朽木ルキアは阿散井恋次と結婚していた。

『ブリーチ』の何巻かは忘れましたが、井上織姫が朽木ルキアに嫉妬するシーンなども描かれていましたが、まさに大団円。ちなみに面白くない個人的偏見を述べておくと、ルキアのB地区は意外とデカくて黒ずんでそうです。背が小さい女性に限って。阿散井恋次も最初は思わず生唾を飲み込んだに違いない。そして井上織姫は陥没t(略。

ブリーチ74巻 最終回 黒崎一勇 阿散井苺花
(BLEACH 74巻)
10年後の話ってことで黒崎一護と朽木ルキアには、それぞれ黒崎一勇(かずい)と阿散井苺花(いちか)という子供がいた。名前もパット見から色々と意味が込められてそうです。しかもどちらも死ってことで、これからもまだまだ『ブリーチ』の物語は続く…みたいな余韻が残るような最終話でした。

ちなみにレビューの文字数が膨大になりすぎたため、『ブリーチ』の名言は別途まとめました。興味がある方はあとでチェックしてみて下さい。この全巻の感想とほぼ同ボリュームぐらいですので割りと読むのに時間がかかるはず。


完結ブリーチ-BLEACH-総合評価 評判 口コミまとめ


『ブリーチ-BLEACH-』全74巻のネタバレ感想をまとめると、これぞ「万人受けするTHE商業漫画」といった評価ができます。十中八九ハズレがなく、シンプルに面白い。『ブリーチ』は「オシャレなだけ」「カッコイイだけ」が売りと思われがちですが、中身はありとあらゆる点で「王道要素」がぎっしり詰まってる。

バトル重視のストーリーも読みやすく、シリアスからギャグまで振り幅が広い展開を描けるのも強み。作者・久保帯人の画力もシンプルに高い。例えば手の描き方なども上手く、きっと女子ウケも抜群ではないか。また構図のセンスも相まって、卍解など決めゴマの迫力たっぷりで少年心がかき立てられる。

キャラクター良し、バトル良し、展開良し。下手に小細工に走らないことで「弱点」というものが存在しない。まさに『ブリーチ』はどの他の漫画よりもトータルバランスに優れていて、ほとんど面白さにムラがない。長期連載漫画が長期連載になるしっかりとした面白い理由があることが分かります。

また『ブリーチ』はちゃんと最後の最後までストーリーを描き切ってるので、読者としてもモヤッと感がなく最終的な読後感もGoodというのが良い。そういう点で評価すると、このBLEACHより面白いと思ってる『ハンターハンター』のラストはものすごく不安だったりしますが(笑)

ちなみにまだまだBLEACH愛が満たされないという生粋のファン読者の方は、面白いマンガ考察ブログ「すごないマンガがすごい!」【BLEACH】黒崎一護だけの名言一覧【完全まとめ】BLEACHのしびれる最強名言一覧といったBLEACHの記事も参考になると思います。基本的に今後はドル漫でBLEACHの考察マンガ記事を増やしていく予定。興味がある方はメールなどで、どういったBLEACHの考察記事を作って欲しいか教えてもらえると喜びます。