『甘々と稲妻』1巻から5巻のネタバレ感想。作者は雨隠ギド。good!    アフタヌーン(講談社)で連載中の育児マンガ。


犬塚つむぎという5歳児

主人公は犬塚つむぎ。母親を亡くしたばかりの5歳の女の子。父親である犬塚公平がこれから一人で育てていくことになる。ただ職業は高校教師ということで多忙を極め、つむぎにご飯を作ってやれない日々が続く。でもある日、娘・つむぎが空腹のあまりにテレビの料理番組にかじりついてる光景に出くわす。

これじゃあイカンというときに出会ったのが、教え子の飯田小鳥。母親は割烹料理店か何かを経営していたものの、料理研究家としての仕事が多忙を極めたたため、そのお店を開かない日々も増えた。

甘々と稲妻2巻 飯田小鳥
(2巻)
そこで犬塚公平と娘・つむぎに対して、一緒にご飯を食べませんか?と飯田小鳥が提案。理由は後々明らかになりますが、包丁を握るのが怖いから犬塚公平に料理を作らせようとしてた。そこから犬塚家と飯田小鳥がほっこりした夕食を囲むようになり、「あったか食卓ドラマ」が展開されるそう。


つむぎの表情としぐさ

「あったか食卓ドラマ」ということですが、やはりメインは娘・つむぎ。幼児の仕草や突拍子もない行動で笑いを取っとけ。ざっくり言ったら、そんなことです。

甘々と稲妻2巻 犬塚つむぎの美味い表情
(2巻)
美味しい料理を食べた時のリアクションが「なんっじゃ…こりゃあああ」と松田優作ばり。

甘々と稲妻4巻 サンタVS犬塚つむぎ
(4巻)
クリスマスに初めてサンタさんと出会った時の表情が、まさに目が点。それもそのはず。サンタ役のキャラクターはお面を被ってるので終始無表情。しかも喋らないので、色んな意味でつむぎが呆然として当たり前。

甘々と稲妻5巻 難しいスパゲッティ名1
(5巻)
最新5巻だと、やたらと難しい名前のスパゲッティが大好きな年下の女の子と仲良くなる。でも、つむぎはカッコつけて「私も知ってるし、食べたことあるし」と強がってしまう。要するにウソをついちゃう。そりゃあ大人でも聞いたことがない人も多そうですが、幼児ほど正義感が強かったりもするので、つむぎは罪悪感で押しつぶされそうになる。

甘々と稲妻5巻 難しいスパゲッティ名2
(5巻)
そこで父・公平に「パッ、パルッ、パルッ…パルのやつを食べさせてぇー」と泣きながら懇願する。大げさっ!!でも、こういう場面を見たら、どんどん幼児をからかいたくなっちゃうのは俺だけ?(笑)

甘々と稲妻1巻 吉田沙保里も真っ青のブリッジ
(1巻)
ちなみに、つむぎの身体能力は女子レスリング・吉田沙保里ばり。駄々をこねてる最中なんですが、ブリッジのパワー感がハンパない。子供は首が座って間もない気もしますが、それにしても圧倒的な首のチカラ。

甘々と稲妻1巻 犬塚つむぎの表情・自炊の良さ
(1巻)
作者・雨隠ギドは幼児の表情を描くのがまあまあ上手い。例えば画像のコマであれば、久しぶりに美味しい料理を食べたつむぎの表情。これを見たことで父・公平は「アカン!俺自炊せな!」と決意するわけですが説得力がある。愛娘にこんな表情されたら父親として感情が揺さぶられるのも、実際に子供がいない読者でも理解はできます。

甘々と稲妻1巻 犬塚公平・女が好きそうな表情
(1巻)
あと父親である公平の表情は、いかにも女性読者が好きそう。黒縁メガネの優男が口元に手をヤって、照れを隠しながらも浮かべる嬉しい表情。いかにも狙ってる感がなくもないですが、『おとりよせ王子飯田好実』の主人公が好きだったらきっとキュンキュンできそう。


母親を亡くした悲しみ

ただ笑いよりも泣きの展開の方が、個人的にはグッと来た。

何故なら、つむぎは言っても5歳児。母親の死を理解できてるのか理解できてないのかやや不明。例えば、冒頭でも書いたテレビの料理番組にかじりついてたクダリ。ここでつむぎは「ママにこれつくってっておてがみして(1巻)」と言ってる。

不意に悲しみが襲ってくることもある。それまではコミカルに描かれていたつむぎが、ふと見せる涙が切ない。
甘々と稲妻3巻 犬塚つむぎの悲しみ・腕の感じ
(3巻)
腕をぴーんと張った泣き方がいかにも子供らしいというか、全身を使って悲しみの大きさが表現されている気がします。やっぱりまだまだ5歳の女の子なんだと感じさせます。

でも『甘々と稲妻』最新5巻では、つむぎも成長を見せる。同じ幼稚園にいる「すぐる」という男の子の母親が出産することになった。ただなかなか難産らしくて、ずっと入院してる状態。すぐるのパパも気が滅入って疲労困憊。当然状況がイマイチ把握できないすぐるは、更に精神的に不安。

だから、つむぎが一緒に夕飯を食べようと誘ってあげる。ただ、すぐるはつむぎの母親の遺影をうっかり見てしまう。そこでこれまでに溜め込んでいた感情が一気にブワッと出てきて号泣。「ぼくのおかあさんもしんじゃうんだ」というセリフを聞いたつむぎは、それに釣られて自分の母親のことを思い出す。

甘々と稲妻5巻 犬塚つむぎの強がり
(5巻)
でも涙を必死にこらえながら、すぐるを元気付けようと頑張ってる姿が健気すぎて泣ける。コメディータッチな描写が多いものの、実は切ないしっとり系の方がパンチ力は大きい。また不意に来るってのが、カウンターパンチ的に威力を高めてます。

総括


育児マンガというジャンルが正しいかは一先ず横に置いておいて、小さい子供が登場するマンガが好きならどうぞ。もちろん変な意味ではありません。

大人が考えた「作り物の子供像」の域を出てない気もしますし、笑いの勢いやキャラクターの濃さでは『よつばと!』より劣るとは思いますが、「ほっこり」や「あったか」というテーマを考えたら全体的にはしっくり来ます。あまりリアルのガキっぽく描きすぎても、それはそれで好みは分かれそうですが。

甘々と稲妻5巻 飯田小鳥の父
(5巻)
最新5巻では飯田小鳥の父親が登場します。犬塚家がメインディッシュだとしたら、飯田小鳥は添え物あたりか。

ちなみに甘々と稲妻が面白いか考察した記事はレビュー済みですの良かったらどうぞ。