『甘々と稲妻』6巻のネタバレ感想。作者は雨隠ギド。goodアフタヌーン(講談社)で連載中の子育て漫画。今年7月から『甘々と稲妻』のアニメも放送されるらしい。ちなみに甘々と稲妻が面白いか考察した記事はレビュー済み。

甘々と稲妻6巻 犬塚つむぎの表情
(甘々と稲妻 6巻)
どんなマンガかというと、主人公・犬塚つむぎの美味しそうな表情。

甘々と稲妻6巻 子猫とつむぎ とうもろこしスープ
(甘々と稲妻 6巻)
コチラはとうもろこしスープを飲んだときの表情。拾った猫と仲良くなったんですが、しばらくして飼い主が現れて連れて行かれて泣いた…みたいなことが直前にあった。でもとうもろこしスープを飲んで「かなしーのに、おいしくて、わかんなくなっちゃった」時の表情。

だから、やや作り物臭いキャラ設定ではありますが、犬塚つむぎの子供らしい表情はアリだと思います。


悪魔のような兄

甘々と稲妻6巻 犬塚公平の兄1
(甘々と稲妻 6巻)
28話では犬塚公平の兄が突然やって来ます。名前は不明。見た目からも分かりますが、かなりガサツ。いくら兄弟同士とはいえ、大人になって各々に家庭を持ってしまえば、アポ無しで訪れること自体が非常識な部類に入ってしまうのかも知れません。

甘々と稲妻6巻 犬塚公平の兄2
(甘々と稲妻 6巻)
付いて早々に「お前再婚とか考えないのか?」と迫ってくるような空気の読めないキャラ。犬塚公平は妻とは死別して間もないので、まだまだ新しい奥さん…というより新しいつむぎのお母さんを考えてる余力はない。でも兄からしてみたら、「母親」という存在を早く作っておくにこしたことはない。いわゆる兄はお節介。

お互いそんなことは重々承知で分かってるからこそ、「言わなくていいやん」「言わせるなよ」と対立が起きてケンカが発生。娘のつむぎも兄(つむぎからすると叔父)のことがあまり好きではない。

甘々と稲妻6巻 犬塚公平の兄3
(甘々と稲妻 6巻)
ただ妙案を思い付くつむぎ。それが「めっちゃおいしいごはんたべたら、あくまもニコニコしちゃう!」。というか、サラッと悪魔扱いされてる兄が不憫。

そして、二人はサンマのトマト煮を作ってあげる。スープを煮込んでる時の、つむぎが大股を開いて待ってる時の仕草が可愛らしい。子供って無防備。それが大股を開く動作に一番現れています。何やかんやがあって、兄は「公平はつむぎとどう暮らしていくかで精一杯」だと納得して帰宅する。

甘々と稲妻6巻 犬塚公平の兄4
(甘々と稲妻 6巻)
ラストは「あくまはさった」と疲弊した表情のつむぎ。面白かったですが、もし自分が気付かないところで悪魔扱いされてる立場だったらと考えたら少し泣けます。


お婆ちゃんになったら何をしたい?

30話では犬塚つむぎが曾祖母の家に遊びに行きます。父・公平の学生時代のアルバムを見たり、何やかんやで曾祖母の家を満喫するつむぎ。

そこでつむぎが曾祖母に「おばあちゃんになるってどんなかんじ?」と尋ねる。曾祖母は若干答えあぐねるものの「よく昔のことを考えるよ。人の世話になることも多いから、そういう意味じゃ赤ちゃんと同じね」と返事。

そして曾祖母は「つむぎちゃんはおばあちゃんになりたいの?」と逆に訊くと…
甘々と稲妻6巻 ひいばあさん1
(甘々と稲妻 6巻)
「おとさんがね、おばあちゃんになったらママに会えるってゆった」と、亡き母に対する思いを吐露。決して死にたいということではないんでしょうが、まだまだ大好きだった母のことは消化しきれてない。常に「寂しさ」が心の中で横たわってる状態。

甘々と稲妻6巻 ひいばあさん2
(甘々と稲妻 6巻)
それを感じ取った曾祖母が「ひいばあとお話してくれるのが、とっても嬉しいの。できるだけいっぱい持って、またあっちでひいじいと会えると思ったら長生きもいいもんだよ。ゆっくり大きくなってね、つむぎちゃん」と優しく語りかけてあげる。割りとグッと来たクダリでした。

それら以外の話では、父親・犬塚公平は高校の教師なんですが、修学旅行で娘・つむぎと離れるみたいな話もあります。「親がなくても子は育つ」って、それはそれで切ないもんです。ちなみに、このときに飯田小鳥が友達と衝突するものの、女同士の友情を改めて確認しあう…みたいな展開があります。