『オールラウンダー廻』全19巻のネタバレ感想をレビュー。作者は遠藤浩輝。掲載誌はイブニング。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックの格闘漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入が可能です。マンガタイトルの読み方は「おーるらうんだー・めぐる」。「まわり」とは読みません。

『オールラウンダー廻』は2008年から連載が開始。2016年初頭に最終回を迎えたらしい(もしかすると2015年末かも)。だから割りと昔に完結してるんですが、今更ながら「オールラウンダー廻が面白いかつまらないか」を全巻まとめて考察してみた。

ちなみにマツダ新型CX-6の最新情報なども書いてる総合自動車ブログ・くるまン。もクルマ好きの方なら後でチェックしてみてください。


オールラウンダー廻のあらすじ物語 ストーリー内容

主人公は高柳廻(メグル)。小学生時代にタカシという幼馴染がいた。二人はタカシの祖父が運営する空手道場で切磋琢磨しあっていたが、タカシは自分が負けることを許せない性格だった。

メグルは6年制に進級する前に親の都合で引っ越しすることになった。しかし、タカシは見送りに来てくれなかった。何故なら、タカシの父親は元ヤクザ。暴力団から1億円を盗んだことで報復される。どうしようもない父親だったが、タカシにとってはやっぱり父親は父親。

オールラウンダー廻1巻 あらすじ 瀬川喬 タカシ
(オールラウンダー廻 1巻)
タカシは暴力団に小学生ながら敵討ちを目論む。画像は大人のヤクザ相手に飛び膝蹴りをかます場面。ヤクザの親分は「ガキだから…」と見逃してくれるものの、タカシの中の復讐の炎は更に燃えたぎる。

そして7年後。メグルは高校生になり、アマチュア格闘技・修斗を習うため格闘技ジムに通っていた。半年ほど経ったある日、試合に出てみないかと誘われる。最初は断っていたものの、半ば強制的に参加。

オールラウンダー廻1巻 あらすじ メグルとタカシ
(オールラウンダー廻 1巻)
そこでメグルは山吹木喬という選手と対戦することとなる。そう、小学生の時に別れたっきりの、あのタカシだった。肩には入れ墨。明らかにカタギではない雰囲気。メグルは案の定、ボコボコにされる。

果たしてメグルとタカシが再会したことに何か意味があるのか?果たしてメグルはアマチュア修斗の選手として成長することはできるのか?…みたいな内容の格闘技漫画。

ちなみに漫画タイトルは主人公の名前そのもの。そして「オールラウンダー」の意味は、おそらくアマチュア修斗が寝技も打撃もありの「総合格闘技(MMA)」から由来してるんだと思います。


お手本のような格闘描写・格闘シーンが良い

『オールラウンダー廻』はとにかく格闘描写のレパートリーが豊富。総合格闘技のアマチュア修斗を扱った格闘漫画だけあって、立ち技から寝技まで色んな格闘シーンが要求される。作者・遠藤浩輝はほぼ全てに巧みに対応できてる。

オールラウンダー廻4巻 格闘描写 タックル
(オールラウンダー廻 4巻)
例えば、タックルの描写だとこんな感じ。効果線が多くもなく少なくもなく、非常に見やすい。右下にタックルした側、された側の表情を描くことで、状況を的確に説明。それなりに派手であり、淡々としてる。

オールラウンダー廻4巻 格闘描写 タックル2
(オールラウンダー廻 4巻)
そして今度は逆の選手が同様にタックルを見せる場面。一番上のコマでは足元に衝撃波みたいなんを描くことで、よりタックルの衝撃度が表現されています。またタックルをさばこうと中空に浮く描写などは意外と好き。

オールラウンダー廻11巻 格闘描写 つかみ蹴り
(オールラウンダー廻 11巻)
立ち技の表現だと、相手選手の首を持ちながらのヒザ蹴り。地味にエグい。足の動き・軌跡も衝撃波で表してて、意外と使い勝手が良い表現。

オールラウンダー廻16巻 格闘描写 パンチ vsシュウ
(オールラウンダー廻 16巻)
他にも立ち技(パンチ)だと、こんな感じ。主人公・廻とシュウという選手の格闘シーン。シュウが蹴りを入れようと瞬間のカウンターパンチ。画像だと伝わりませんが、直前の足を上げながら倒れていくシュウがリアル。

オールラウンダー廻7巻 マキ 殴り合い
(オールラウンダー廻 7巻)
『オールラウンダー廻』では男性ばかりではなく、女性同士の格闘シーンも多め。画像はマキと長峰という選手。色気やセクシーさがあるかといえば、そこら辺はお察し。

オールラウンダー廻2巻 格闘描写 寝技
(オールラウンダー廻 2巻)
特筆したいのは、やはり流れるような動作やコマ割り。画像は試合シーンではないものの、肉体の動きや筋肉の見え方など違和感が一切なし。丁寧そのもの。作者の生真面目さが伝わってくるってもんです。

だから「どんな場面の格闘描写を描かせても上手い」という点では、まさに作者・遠藤浩輝こそがオールラウンダー選手と言えそう。

ややもするとマンガ的な表現には欠け、遠藤浩輝は絵の才能があるからこそ読者としてはもっと大げさなデフォルメを求めたくなるものの、非常に見やすいそれは漫画家初心者や志望者には参考になるはず。いや、きっとプロの漫画家も参考になるはずです。


オールラウンダー廻のストーリーはつまらない

ただ『オールラウンダー廻』のストーリーは面白くない。

あらすじを読むといかにもっぽい感じで始まりますが、肝心のタカシがあんまストーリーに登場しない。最終回が若干打ち切り気味に完結してることもあって、終盤こそタカシが駆け足気味に登場するものの、『オールラウンダー廻』はストーリーの軸が不明瞭。作者がストーリーのどこにゴールが設定してるのか、何をどう進めていきたいのか分からない。

そして社会人の登場人物も多い。主人公・廻やタカシこそ高校生(の年齢)ですが、どうしても地味になりがち。『オールラウンダー廻』の内容は、いかんせん社会人が休日にフットサルや草野球してる日常の延長線上に近い。まったりしてるというのか、なんというのか。

また「試合」そのものにも「意味」「目的」がない。勝ったからどうなんだ、負けたから何なんだ、という点に尽きます。勝負の先に一体何が待っているのか、それを用意できてないので格闘描写こそ上手いですがイマイチ熱くなれない。ずっと練習試合を見ているような感じで、やや達成感には乏しい。

だから『オールラウンダー廻』は一応ダラッとは読めるものの、内容は薄い。ストーリーはつまらないと表現していいのかなーと思います。


オールラウンダー廻の最終話の結末をネタバレ

「つまらない」と言ったばかりで若干の忍びなさはあるものの、簡単に『オールラウンダー廻』の最終回をネタバレしておきます。

『オールラウンダー廻』18巻で高柳廻(メグル)と山吹木喬(タカシ)が再び相見える。まさに因縁の対決。前回とは違ってメグルはタカシを追い詰めるものの、最終巻19巻でタカシが再び勝利。メグルはタカシの後ろに回り込んでチョークスリーパーを決めようとするものの、逆にタカシからカウンターを食らってバックチョークを決められる。

ただメグルは最後までタカシに勝利することはできなかったが、二人の距離は急速に縮まる。

タカシは体が大きくなったことで70kgのウェルター級に階級を上げる。そして、国内で無敗のままアメリカへ行こうと決意。一方、メグルは修斗のチャンピオンを目指す。二人は別々の道を歩むものの、再び友達関係が復活する。

『オールラウンダー廻』のストーリー始まりが「メグルvsタカシ」だったことを考えると、構成としてはキレイな収まり方・締め方。

オールラウンダー廻7巻 マキちゃん
(オールラウンダー廻 7巻)
一方、神谷マキ。可愛いと言えばかわいいですが、格闘描写でも紹介した女子高生。腹筋バキバキ。ただRENAあたりを見てると、もう少しマキは肉(贅肉)を付けても良かったか。

メグルは神谷マキが自分のことを好きだと知らされて、急激に意識し始める。そしてマキへ告白。マキは「甥っ子たちとヨーグルト体操を踊るし」と嬉し恥ずかし照れながらも拒否すると、「いいんじゃない?かわいいよ?」とメグルは謎のゴリ押し。そして二人は付き合うことに…という結末。

ただ確かに全体的には打ち切り臭しかしないフワッとした結末。最終話は慌てて処理した感も否めず、もう少しメグルとタカシの先を描いてほしかったのが本音。『オールラウンダー廻』は中途半端にダラダラ続いてた気がするので、もっとカチッと完結するのかと思った。

ちなみに『オールラウンダー廻』最終19巻には数話ほど番外編が収録されていて、この内容が謎すぎるほどエグい下ネタが展開されてます。


オールラウンダー廻の総合評価 評判 口コミ


『オールラウンダー廻』全19巻のネタバレ感想をまとめると、作者の画力が高いので格闘シーンや格闘描写は見せられるものの、あくまでマンガとしては可もなく不可もなく。フツーにありがちな格闘技漫画かなぁ。

随分昔に『オールラウンダー廻』をFC2の漫画ブログ「すごないマンガがすごい!」でレビューした時も似たような感想を書いた気がしますが、基本的に自分の中での評価は大きく変化せずそのまま完結を迎えた感じ。やはり読み物として面白いものに仕上がっているかは微妙。『オールラウンダー廻』のトータルの読後感としては、全体的に物足りない。

『オールラウンダー廻』は良くも悪くもリアル。例えば、観客席もしっかり描写してくれてる。ただアマチュア格闘技だからこそ客がガラガラ。選手同士の戦いは熱くても、その背後に写る観客席が対照的に冷めてる。

だから変に格闘シーンでも盛り上がりに欠ける。「そこまでリアルに描かんでも…」という要素を敢えて描く必要があったのか。せっかく格闘描写が上手いゆえに、少しもったいない気がしました。実は『オールラウンダー廻』は2016年夏頃にはサクッとレビューしようと思ってたんですが、ようやく全巻まとめて感想・考察を書けて良かったです。

そんじゃーね。