『亜人』7巻のネタバレ感想。作者は桜井画門。goodアフタヌーン(講談社)で連載中のアクション漫画。今月11月27日からアニメ映画が上映されるそう。


元エリートアメリカ海兵隊?

亜人7巻では佐藤の過去が明らかに。厚労省の曽我部から戸崎へ秘密ファイルが手渡される。そこには佐藤がアメリカのエリート海兵隊だった経歴が記載されてた。そして、「不名誉除隊」の文字も。ヤツは一体何を行ったのか?

亜人7巻 佐藤の米兵時代1
(7巻)
とりあえずベトナム戦争で捕虜となったアメリカ兵の救出作戦に隠密部隊として指揮を執る。「窮地に置かれた同胞を救うべく、どんな危険もいとわず命令完遂を誓います」とキリリとした表情。そして無事、捕虜の米兵を救出。このまま帰還すれば命令完遂だったものの…

亜人7巻 佐藤の米兵時代2
(7巻)
ただ捕虜を救出した直後、自ら発砲音を鳴らして、敵だったベトナム兵に気付かせる。その後はドンパチ開戦状態。まさに「プレイボール」。佐藤と同じタイミングで新兵になった海兵曰く、「多分彼には感情が無い、死と隣り合わせの戦闘のスリルだけが、生きている実感を与える」。

亜人7巻 サミュエル・T・オーウェン・佐藤の幼少時代
(7巻)
ちなみに佐藤の本名は、サミュエル・T・オーウェン。実は中国人とアメリカ人のハーフ。でも子供時代はパッチリお目目を開いてる状態。もしかすると、これも何かの前フリかも知れません。

画像は小動物の命を奪いまくって、父親から「お前が素晴らしい人間だと信じてる」と抱きしめられてる場面。父親は決して佐藤の行動をホメてるわけではなく、この直前に教育のためにボコボコにしてるんですが、それでもイマイチ伝わってない。だから自分でももうどうしていいか分からず、仕方なく抱きしめてあげてる状態。でも言うまでもなく、何も佐藤には伝わってない。


在日米軍からオスプレイを奪っちゃいなー!?

ストーリーとしては、厚生労働省の戸崎が亜人討伐部隊の出動許可を大臣に伝えるものの、仲間の中に内通者がいて大臣が襲撃を食らう。結果的に大臣は死ななかったもののブルって。「亜人との和解」に路線変更。

当然受け入れられるわけがないということで、フォージ安全という警備会社で戦闘に備える。自社ビル外面の窓ガラスには「戦車の砲弾」も防ぐ強化ガラスを使用してるようなところ。

現在の流れを説明しておくと、亜人の実験に携わった組織や人間が狙われてるわけですが、この暗殺リストの中にフォージ安全社長・甲斐敬一と秘書・李奈緒美が入ってる。理由は不明。佐藤は中国系アメリカ人ということで、何らかの関係がある?

亜人7巻 奥山 中途入社
(7巻)
この堅牢なビルディングにどう侵入したかというと、奥山というITスペシャリストみたいなデブがフォージ安全に中途入社済み。まさに正面突破。セキュリティプログラムを次々と解除。田中たちの侵入を手助けする。

亜人7巻 オスプレイで襲撃
(7巻)
そして肝心の佐藤はというと、まさかのオスプレイで空からの襲撃!!!戦車の砲弾なんて目じゃないよ。ある意味、日本で一番の悪名を誇るサツリク兵器・オスプレイをここに持って来る衝撃!!

…と言いたいんですが、実はこれ永井圭の夢。佐藤に恐怖心を抱きすぎて、こんな悪夢を見てしまった。いわゆる夢オチ。ただ佐藤がアメリカ軍に在籍していた前フリがあったので、つい信用してしまった読者も多そう。ストーリーの組み立て方が上手かった。一応「夢の中」って設定ですが、アクション描写自体はかなり迫力たっぷりです。

亜人7巻 飽きちゃった佐藤
(7巻)
じゃあ現在何をしてるかというと、まさかのアジトの中で一人ゲーム。理由はちょっと「飽きちゃった」らしい。「革命家でも策士でもない。ただの遊び人です」という永井圭の分析が俄然説得力を帯びますが、佐藤を悪魔のように描いた前フリを考えると、この「不参加」は一体何を意味しているのか。


総括

漫画タイトルは『亜人』ではなく、もはや『佐藤』といったところ。それぐらいの無双。亜人とか人間とか関係なく、佐藤という一キャラクターに全て振り回されてる流れは変わらず。その割に今回は戦闘に不参加ですので、これからの展開に佐藤がどう絡んでくるんでしょうか。

亜人7巻 バトル描写1
亜人7巻 バトル描写2
(7巻)
ちなみにバトル描写はこんな感じ。相変わらず素晴らしい。

冒頭でも触れましたが『亜人』のアニメ映画は三部作らしく、まだこの7巻までしか発売されてない現状、果たしてボリューム的に時間はもつのか?という不安しか頭をもたげませんが、きっとこういうアクションたっぷりで楽しませてくれるはず(多分)。

ちなみにマンガ「亜人」が面白いか徹底考察はアップロード済みです。