バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『ヤング!ヤング!Fruits』のネタバレ感想。作者は地獄のミサワ。現在も地獄のミサワはブログで一枚絵を毎日更新してますが、それを一冊のコミックとしてまとめた漫画。だからまさに一コマ漫画の一発ネタ!ドン!的なギャグ漫画。

中二病セリフ

基本的に痛いキャラクターの痛いセリフが収録。いわゆる、中二病。

ヤング!ヤング!Fruits19Pすなお
(19P)
つれー!昨日実質一時間しか寝てないからつれーわー!」という、寝てない自慢。中学生や高校生の男子にありがちな自慢。てか実質実質うるせー。

でも、表情を見るとかなり余裕。お前、絶対そこそこ快眠してたやろっていう。

ヤング!ヤング!Fruits40Pのぼる
(40P)
へぇーこの動画2年位前に流行ってたよね」という、オレ流行を先取りしてましたけど?自慢。学生に限らず、ネットしてるとちょっとやりがちな痛い行動。

特に漫画は長期連載が多いので、アニメ化されて途中からブワッと人気が出たりすると、「オレとっくに1巻から目をつけて買ってましたけど?」と言いたがる人も多いんじゃなかろうか。

もはや意味不明

ただの中二病的なセリフだったらいいんですが、ちょくちょくぶっ飛び過ぎてて意味不明。

中学生や高校生がやりがちな、全然痛くないですけ?アピールする痛い行動。
ヤング!ヤング!Fruits16P吉岡JPG
(16P)
ただタンスの角に毒が塗ってあって、右足がかなりヤバイ状態。どういう状況やねん。「へぇー…どぉーりでー」といかにも知ってましたアピールが、この期に及んでウザい。

冒頭に貼った画像の寝てない自慢してるキャラのすなお。コイツが手を変え品を変え、寝てない自慢をアピールしてくる。
ヤング!ヤング!Fruits24Pすなお
(24P)
ただ最終的に何故か「がってんがってん」を連呼。立川志の輔や山瀬まみも、きっとこんな使われ方をしてるとは露にも思ってないでしょう。

他にもチーポーという犬の「そっちじゃないだろ?今日の散歩コースはアイツが待ってる空港だろ?」というセリフが笑った。お前がアイツの何を知ってて、どの立場で言ってんねん。仮にアイツが待ってたとして、間違いなくお前の散歩をしてるどころじゃないやろ…たった一コマだけどツッコミ多すぎ。

他にも米兵をやたら殴りたがってるヤツとかカオスすぎ。

総合評価

中二病、カオス以外だと切なすぎるセリフも。

ヤング!ヤング!Fruits34P幸薄
(34P)
例えば「みんなが今悪口を言ってるそのゴリラ女、俺の妹なんだけどね」。どんな状況かを想像しただけで切ない。しかも兄貴だったらもっと怒るとかあるやん。平然とした表情がいつも妹がゴリラ呼ばわりされてるのに慣れてる感が出過ぎ。

ただ途中で飽きが来なくはない。4コマ漫画でも言えますが、毎日毎週チョコチョコ読むからちょうど良いんであって、一気にガバっと読むと正直疲れる部分はある。


◯展開★3◯テンポ★4
◯キャラ★5◯画力★2.5
◯85点!!!!

『もやしもん』全13巻のネタバレ感想。作者は石川雅之。イブニング(講談社)で連載されてた農業マンガ。何年か前に、フジテレビ系列でアニメ化もされてました。だから結構タイトルぐらいは聞いたことがある人も多そう。

細菌のデフォルメがかわいい

もやしもん4巻巨大な菌
(4巻)
とりあえず可愛らしい細菌たちが登場。しかも口々にしゃべりだす。主人公は、そんな細菌たちが見える・話せるようになった沢木という農大生。

もやしもん3巻納豆菌
(3巻)
同級生が納豆などを食べると口から菌がブワーッ!悲惨っていうレベルじゃねーぞ。臭いの元はやはり飛び回ってる菌。これより更にすごい描写があって、それが1巻のアザラシの腐乱死体を掘り出した時。この時はちょっとした爆弾テロ。

もやしもん7巻三国志風の菌
(7巻)
何故か細菌たちもノリが良くて、急に三国志風の寸劇が始まったりする。

もやしもん12巻ダンディーな細菌
(12巻)
可愛らしいだけじゃなく、時にはリアル三次元っぽい最近も登場。でもここまで来ると、ただのホラー。戦闘力がムダに満ち満ちてる。

こういうデフォルメは菌の毒性によって描き分けられるらしく、O-157なんかは結構ドギツいデザインだったりします。

農業に関する御託が多い

ただ上の画像だけ見たら可愛らしい細菌たちがいっぱい登場するので、一見ゆる~いコメディータッチな展開が始まるのかと思いきや、「農業」がテーマのガッツリしたマンガだったりする。

もやしもん3巻農家うんちく
(3巻)
結構の頻度で色んな農業知識を披露。画像はアジアにおける、納豆の仲間を解説してくれてる。これが良くも悪くも、ヘビーな質と量。

もやしもん9巻農家うんちく
(9巻)
9巻では、日本の地域別の食料自給率を解説。東京と大阪は思った以上にヒドく、北海道に至っては200%近い数字。荒川弘も言ってましたが、北海道に独立されたら日本ピーンチΣ(´∀`;)

最終的には、本格的な日本酒作りを開始。ゆるいっちゃゆるいが、「農業の実態を伝えてやろう!」という意気込みも熱く感じる。だから専門知識もバンバン登場するので、読んでてて頭を結構使うので疲れる。

その割にストーリーの大きな軸も見えず、細切れなショートオムニバスな展開が多い。Amazonのレビューを読むと、「え?これで終わったん?」という意見も散見されますが、読後感としてあまり強く残るものは少なかった。

オチはキレイな終わり方

でも最終13巻は、比較的キレイにまとまってた気がする。

もやしもん13巻1
(13巻)
主人公・沢木を取り合って、女装っ子と女子高生がワチャワチャ揉める。良い感じに、今後も楽しそうな学生生活を送るんだろうなーと想像させる。

もやしもん13巻2
(13巻)
美里という笑い飯・西田と長谷川が付き合いそうな雰囲気になったり、青春マンガの終わり方としたら上手かった印象。

『もやしもん』の良さを上げるなら、後半にかけての青春チックな展開。10巻あたりで主人公・沢木の兄貴が登場。性格はチャランポランで、勝手に渡米したりしてフラフラした生活を送ってる。でも結構良いセリフを吐く。「お前のいる処(ところ)が、お前の世界の中心なんだ!(だから)お前が回すんだぞ!」とかも良かった。

総合評価

オチはマシだったと言いましたが、シンプルにネタ切れだったから最終回を迎えた感じ。途中何度も休載期間があったらしく、9年という年月で13巻というボリュームは明らかに少ない。

「菌が見える主人公」というせっかくの設定を、あまり上手く使いこなすのは難しかったんだろうと想像。主人公そのものが登場しなかったりするなど、自分が描きたいと事と描ける事とにギャップもあったのかも。設定自体はそれなりに面白かったからこそ、それに自縄自縛に陥ってた印象。

平たく言えば、普通の農業マンガだと思って買うならアリ。ゆる~いギャグマンガだと思って買うと失敗する。何故、そこまで意味なく売れ続けたかと考えると、限定版が工夫されてて色んなオマケが付いてたからだと予想。

ちなみにキャラクターの評価が★3.5の理由は、女性キャラクターが全員同じに見えたのが残念。女性キャラは比較的多く登場したものの、あまり効果的には活かせてなかったかも。決して画力がない作者だとは思わないですが、キャラを描き分ける力は平凡並。


◯展開★3.5◯テンポ★3
◯キャラ★3.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★3
◯80点!!!!

『スクール人魚』全2巻のネタバレ感想。作者は吉富昭仁。チャンピオンRED(少年画報社)で連載してたオカルト漫画。

ついセクシーな漫画と期待してしまいがちなタイトルですが、実はホラーチックな内容がメイン。ストーリー性も高く、絵柄は地味ですが読み応えがあった。数話完結のややオムニバスで読みやすく、個人的には意外にも良作。

あらすじ

スクール水着を着た人魚の肉を食べると『恋愛が成就する』というウワサ話が女子生徒の間で信じられていた。

スクール人魚1巻/1
(1巻)
学校のプールで呪文みたいなんを唱えると大量に現れる。ちなみにそのスクール水着にはアルファベットが貼ってある。その中から自分の好きな男子の頭文字と同じ人魚を探しださなければいけない。

スクール人魚2巻/1
(2巻)
人魚を呼び出した人間にしか見えず、学校の建物の中を自由に出たり入ったりして、すばしっこい。

そして、「人魚の肉を食べる」という設定の時点で、ややシビアな展開が待ってることが分かるはず。恋愛が簡単に成就するわけもなく、夜明けまでに食べないと逆に自分が人魚にされてしまう。この女の子たちは、実は昔人魚を呼び出したが失敗した女の子たち。

その設定を上手くストーリーのオチにも組み込んでて、サスペンスだけではなく笑いや悲壮感ある展開も作れてる。だから結構イロモノ系の漫画かと思いきや、ストーリーがしっかりしてて小説を読み終えたような充足感を得られる。

高いストーリー性

1話目から続く「芳子と春子の場合」。この二人が人魚を呼び出すんですが、芳子はドン臭い女の子で結果人魚になる。

ただ春子がめっちゃ悪い女の子。何故芳子を一緒に連れて行ったか、その理由が思わず「オンナこえー」となる。芳子の苗字が谷口で「T」だった。春子が好きな男の子の苗字の頭文字も「T」。つまり、その好きな男の子と付き合うため、「T」の人魚を捕まえやすいようにドン臭い芳子を貶めた。

スクール人魚1巻/3
芳子が人魚になった瞬間の表情がコレ。

女の子は大体一人でおトイレも行けないですから、スクール人魚を呼び出すときも複数が多い。それが色んなストーリーを生んで、その一つ一つのレベルが高い。

例えば意中の男子が同じになることも多く、ライバルを蹴落とすために殺そうとする。じゃあ殺されそうになった側がどうしたか。その殺そうとした女の子に対して、自分を好きにさせる。まさかの百合展開。

スクール人魚1巻/女担任
(1巻)
オンナ担任が出てきたり、女性の泥々した部分が怖すぎる。だが、読ませる!

総合評価


スクール人魚2巻/3
(2巻)
このスクール水着人形たちは可愛らしいんですが、突如変貌して襲ってくる。正直これは要らんかな。

設定は奇抜だったがシンプルで良かった。ただそこへ更に新しい要素を持ち込んだら、却ってゴチャゴチャ混乱するだけ。唐突感もあって、何か良い作用をもたらしたかどうかは疑問。

「人魚は一見怖そうだが実は怖くなく、一番怖いのはそれを利用する人間側だった」というオチが良かったのに、人魚をリアルで怖い存在に仕上げたら全部それが台無しになった感はある。そこは敢えて可愛らしい存在のまま終わらせるべきだった…とは言え、それでもストーリー性の高さは秀逸な部類だと思う。

◯展開★5◯テンポ★4
◯キャラ★3◯画力★3.5
◯全巻大人買い★5
◆85点!!!!

『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる』全4巻のネタバレ感想。作者は田中ほさな。ゲッサン(小学館)で連載されてたSFギャグ漫画。

あらすじ

将来、地球が滅亡する。その原因は、現在の行き過ぎた環境美化の結果。

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる1巻時坂
(1巻)
そこで未来から現在の地球環境を破壊しにやって来た少女・時坂。

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる1巻空木(うつぎ)
(1巻)
主人公は、空木(うつぎ)という環境美化一筋の高校生。この二人が出会って、一悶着あるというストーリー。

目的やゴールが見えない

最初は画もキレイで面白いかなーと思ったんですが、一巻目の半ばぐらいでほぼ挫折。

「一体何がどうなったらゴールなのか」というストーリーの目的が見えてこない。時坂と空木が反目してバトルが始まったりする訳でもなく、時坂の環境破壊の行為も地味な嫌がらせレベルの域も超えないし、正直どこをメインで読めばいいのか戸惑う。

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる3巻メイドカフェ
(3巻)
文化祭でメイドカフェをやったり、何の緊張感もない、ただダラダラ描写してるだけの、なんでもない学園漫画。ラストは何故か恋愛チックなオチで、最後までどういうマンガかが見えてこなかった。

画力が高い作者の特徴

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる4巻画力
(4巻)
作者・田中ほさなは、まあまあ画力が高い。

ただ画力がある作者に限って、ストーリーや設定で奇をてらいがち。内心、展開を作る力がないと理解できてるからこそ、「普通のマンガ」から無意識に逃げてるような印象。実力相応の中身を描こうとして、やっと長期連載に繋がるのかなと。

総合評価

サンデー系でもすぐ連載が終了するようなレベルなので、漫画の内容は推して知るべしという感じ。言っちゃえば、出オチでアイデア止まり。そこから展開が始まることもなく、特に見所はないマンガ。




◯展開★2◯テンポ★3
◯キャラ★3◯画力★4.5
◯全巻大人買い★2.5
◯72点!!!!

『チャンネルはそのまま!』全6巻のネタバレ感想。作者は佐々木倫子。ビッグコミックスピリッツ(小学館)で不定期連載されてた、コメディー要素が満載の仕事漫画。

あらすじ

あらすじを簡単に説明しておくと、北海道のローカルTV局「北海道☆テレビ」が舞台。そこで地方のTV局の裏側を映し出してる。報道番組からバラエティー番組まで、その津々浦々が抱えてる問題点であったり、一つの番組を作り上げていく過程、ライバル局との火花、などなどの要素がてんこ盛り。

そして、とにかく主人公である雪丸花子という新入社員が面白い。天然炸裂で、いちいち行動が破天荒。思わずブハッ。まさにドタバタコメディーの典型的な主人公。漫画の大きな軸とも言えて、なかなか読めちゃう漫画。

雪丸花子という天然女

主人公・雪丸花子は今風の表現で言うと、天然。ただ天然を通り越して、もはや『破天荒』。

チャンネルはそのまま1巻/3
(1巻)
例えば☆テレビの入社試験に遅れるんですが、まさかのヒッチハイクで局まで駆け付ける。肝心の試験でも粗相に近いことを散々やらかせる。ただそれなのに何故か採用された雪丸花子。その理由が、☆テレビには代々『バカ枠』というのが存在してる。

チャンネルはそのまま1巻/4
(1巻)
小倉というディレクター曰く、「バカは失敗を恐れない!化けてストライカーになることがある!」。

ちなみに、この小倉自身がバリバリのバカ枠で言動が面白い。
チャンネルはそのまま5巻/2
(5巻)
こんなマリーアントワネット的なコスプレをしたことも。地味にイライラさせる感じが素敵。

その枠で採用された雪丸花子は、まず一番初めに報道番組のレポーターをさせられる。その初っ端からやらかす。大雨で川が増水。そこへ板に乗ったサルが現れ、助けようとするも…
チャンネルはそのまま1巻/2
(1巻)
思いっきり格闘。他にもオオトカゲを捕獲してみたり、お前はイモトアヤコか!

他にもヘリコプターから事故を中継してる最中、高速道路のインターチェンジでトラックが横転。大量の魚を撒き散らす。それを見て雪丸花子は「まるで、ちりめんジャコのようです!」と一言。確かにそれっぽいだろうけど!

同期の山根一には笑顔で、
チャンネルはそのまま5巻/1
(5巻)
「連続放火犯の再現ビデオに出て!犯人役で!」
ここに悪気がないのが素敵。

中継局のアンテナが吹雪で凍った時には、
チャンネルはそのまま6巻/1
(6巻)
思いっきりタイマツで溶かそうとする。おそらくアンテナは繊細な器具だから、きっとこんなことをしたら壊れるんでしょう。そしたら全世帯に電波が届かなくて、もう番組を制作するどころじゃない。あな恐ろしや。

この一つ一つに全部悪意がないだけに、巻き込まれる周りに同情しか禁じ得ない。しかもハプニング要素も満載で、雪丸花子がいる時にだけ何故かちょうどタイミングよく起きる。例えば大地震が起きると、監視カメラから撮影したようなTV局の内部映像が流れがち。雪丸花子がタイミングよく遭遇。だから、その時の雪丸花子の一連の不可思議な行動が全北海道に放送される。

まず地震になかなか気付かない。そして気付いた時に最初に取った行動が、コーヒーをゆっくり飲み干す。慌ててどこかに移動するも、しばらくして焼き芋を取りに戻る。これが東京のキー局を通して全国に流れちゃうっていう。雪丸花子の天然っぷりが豪快で。でも狙ってる感は少なく、すごく自然で良い。

根底にあるTVマン魂!

こういう天然さだけだったら、ただのギャグ漫画っぽく終わりがち。でも、雪丸花子には純粋無垢な「TVマン」としての熱い魂がこもってる。だから、すごい好感が持てる。

最終6巻だとお店を取材した時、テレビ局のスタッフたちは「放送日を教えない」らしい。もし撮影した情報がライバル局に流出すると、先んじて同じ放送をされるのを防ぐためだとか。同期の山根一も「誰のために番組を作ってるのか」と悩む。

ただ、それを雪丸花子は「だって是非見て欲しいから」とアホ面丸出しで、アチコチに教えまくる。基本的に社会人としてはアウツなんですが、職業人としては全然アリ。むしろそのルール自体が無機質で冷たく、間違ってんじゃねーかと思わせるバカのパワーが凄まじい。

そういう仕事に立ち向かうシンプルな姿勢・魂が根底にあるので、この「天然さ」が世相を切るような気持ち良さも伴う。最初に「笑い」がありきの天然ではなく、結果的に「笑い」に繋がってる天然。だから良い。それらが雪丸花子というキャラを作り上げてる。


◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★5◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◆86点!!!!

『葛本さんちの四兄弟』全3巻のネタバレ感想。作者は木下聡志。ジャンプスクエア(集英社)で連載されてた超能力マンガ。

ただ3巻で終わったことからも分かるように、内容は陳腐以下。まさに「典型的な打ち切り漫画」だと思うので、一体何がダメだったのか理由を考察したいと思います。だから『葛本さんちの四兄弟』のレビューというより、マンガ作成の考察に近いかも。

新キャラクターを増殖させる理由

とにかく全てにおいて行き当たりばったりな漫画なんですが、その最たる例がキャラクターの増殖。

葛本さんちの四兄弟1巻キャラ増える2
(1巻)
タイトルから想像付くように、主人公たちは4兄弟。全員超能力者。でも二話目から思い出したかのように、新たに3姉妹が追加される。だったら最初から七兄妹とかにしとけや。まさに、行き当たりばったり。しかもみんな名前が覚えづらくて、とにかく萎える。

じゃあ何故、ついつい新キャラを増やしてしまうかと言えば、作者に『話の展開力』が圧倒的に不足してるから。展開させることができないから、新キャラを登場させてページを埋める。要するに安直な逃げ。他のマンガでも、何でいきなりコイツが登場したの?と分からないことが結構ありますが、まさにそんな状態。

ましてや展開力がないのに、どんどん新キャラクター・設定を追加させたらどうなるか?答えとしては、ストーリーの収拾がつかなくなる。仮に連載が少し長引いたとしても、あとあとの展開でいろいろ帳尻合わせができなくなって、結果マンガの寿命(打ち切り)を早めるだけ。

スランプに陥ったら簡単な逃げ道に流れたくなる気持ちも分かりますが、しっかり展開で苦悩することが実力を高めるはず。そもそも3巻4巻のボリュームで内容に挫折してるような漫画家は、自分の中の引き出しの数が圧倒的に少なすぎる。

タイトル=目的・方向性

またタイトルからして、読者を惹きつける要素が乏しい。

四兄弟だから何?ということに率直に尽きる。せめて9兄弟ぐらいだったら、大家族ものとして期待できそうですが、絶妙に中途半端。おそらく周りでも探せば、半径3キロ以内に1世帯ぐらい存在するレベル。そんなんをアピールして何になるの?タイトルだけを見てこれからどんな風に展開していくか、読者の誰一人も見当が付かないはず。

改めて、このマンガの設定を軽く説明しておくと、4人兄妹全員が超能力を使える。だったら、「超能力」というテーマをタイトルに盛り込めよって感じ。マンガの売りになるとしたら、まずそこやん。例えば「葛本4兄弟の超能力的日常」みたいなタイトルだったら、ラノベ風だし世界観も伝わってくる。どんな展開が繰り広げられるマンガかも、良い意味で予想できる。

敢えて参考にするなら、例えば『宇宙兄弟』。おそらく読者の大半は、宇宙飛行士の兄弟の話だと直感できる。他にもラノベ風に新たに作るなら、『葛本兄弟の因縁』もアリかも知れない。仲の悪い兄弟がバチバチ戦っていくマンガか、サスペンス風の展開が繰り広げられるのかもと容易に想像が付く。

だからタイトルを付けてる時点から、作者はビックリするぐらい何も考えてないことが分かる。

画力は月並みに見えますが…

マンガのテーマやキャラクターの多さ以外でも、気になったのが画力。一見すると月並みな画力に思えるんですが、描き慣れてない絵では下手くそさを一気に露呈。

葛本さんちの四兄弟1巻不自然な手
(1巻)
例えば主人公が必殺技を繰り出す場面ですが指なっが!

関節が5個ぐらいありそうで、ちょっとした心霊写真。また必殺技を繰り出す右手を左手で掴んで支えてるんですが、掴んでる感じが全然表現できてない。絶妙にヘタクソ。それまでの人生で好きな絵しか描いてこなかったタイプ。もし漫画家を目指すなら、嫌いな絵や苦手な絵でも逃げずに頑張って練習すべきという好例。

総合評価

ここまで何も考えてない漫画も珍しい。

葛本さんちの四兄弟1巻ケータイ
(1巻)
例えば忍者の敵が、何故かケータイを使用。この無意味なミスマッチ感。忍者だったら手紙とか使えよ。ケータイをわざわざ使うなら、もはや見た目が忍者である必要がないやん。マサイ族がケータイを華麗に使いこなしてるぐらいに意味不明。

葛本さんちの四兄弟3巻作者あとがき
(3巻)
作者がラストのあとがきで自白してますが、まさに見切り発車感がハンパない。「次はもっとちゃんと考えて漫画描く努力をします」というセリフには思わず笑っちゃった。そもそも何故デビューさせたんだ!?レベル?

もしこれからプロマンガ家を目指す人は『反面教師』として読んでみるのもアリ。どうしても面白い漫画だけを参考にしがちでしょうが、それより自分のレベルに近い打ち切り漫画を読んだ方が経験値がアップするかも。一体何をしたらダメなのか、また自分に何が足りないのかが現実感を持って体得できそう。

ただ改めてになりますが、もし漫画家になるのであれば、序盤に用意した数人のキャラクターで2巻3巻分ぐらいを余裕で消化できる『話の展開力』が欲しい。最低限それが備わってないと、いくら新キャラで突貫工事しようがすぐ潰れてしまう気がする。もし付け焼刃的な対応を取らざるを得なくなった場合、その時に自分に足りない「モノ」が何であるかは明白でしょう。


◯展開★2◯テンポ★3
◯キャラ★3◯画力★3
◯全巻大人買い★2
◯70点!!!!

『ゾンビッチはビッチに含まれますか?』全6巻のネタバレ感想。作者は柊裕一。月刊ガンガンJOKERに連載されてたゾンビ+セクシー漫画。ハロウィン+元モー娘。の矢口真里さんが芸能界復帰されたということで、昨年2014年11月頃に旧ブログでアップした記事。

あらすじ

主人公は二階堂サキナ。高校1年生。初野小春という男子生徒に片思い中。しかしある日、二階堂サキナはトラックに轢かれて死んでしまう。

ただ走馬灯が初野小春とチョメチョメする妄想だったおかげで、鼓動がドクドク心臓が再起動。その日以来、妄想しまくらないと突然死してしまう体になった。まさに二階堂サキナはゾンビッチ!…的な感じのギャグ漫画。

小ネタの連続!!

基本的に、この漫画の狙いはシンプル。主人公の二階堂サキナが、延々と妄想を垂れ流してるってだけ。とにかく二階堂サキナのエロフィルターがえげつない。

ゾンビッチはビッチに含まれますか1巻二階堂サキナの妄想1
(1巻)
男子生徒がカバンから財布を探す仕草をしただけで、まさかの立ち◯ック!?
普通に「ええと財布は…」とか男子生徒は言ってますけどね。

ファーストフード店で店員に「お持ち帰りされますか?」と尋ねられた時は、
ゾンビッチはビッチに含まれますか1巻二階堂サキナの妄想2
(1巻)
自分がお持ち帰りされるかも知れないとガクブル。

美容室に行った時も酷くて、美容師がチョキポーズで自信ありげに「任せて下さい」とドヤ顔。
ゾンビッチはビッチに含まれますか2巻二階堂の妄想3
(2巻)
ただ、まさかの加藤鷹的な妄想を全開。いや、場所的にどうやって吹かすの?的な。

ゾンビッチはビッチに含まれますか2巻二階堂サキナの妄想1
(1巻)
ありがちな影絵で妄想してみたり。仮にそこまでデカかったとしても、もはや興奮を通り越してただの恐怖でしかないやん。

ゾンビッチはビッチに含まれますか2巻二階堂サキナの妄想2
(2巻)
学校の視力検査では、Cがdのポッチをクリクリ摘む的な妄想。ここまで来ると呆れるしか無い。まさに二階堂サキナによる妄想の応酬。

読むのが疲れる

ただその反面、ボケの量に圧倒されて読むのが疲れる。フードコートのことを風俗コートと聞き間違えたり、さすがに無理あるやろ的なネタも多い。良くも悪くも、際限なく隙間なくボケ倒してくれてる。

下ネタ全開のワンパターンさも手伝って、もう少し休憩できる部分・余裕があっても良かったのかも。

総合評価

系統的には、週刊少年マガジンで連載中の『生徒会役員共』の氏家ト全の作風に近い。終始一貫して下ネタオンリー。

だから氏家ト全の作風が好きだったら、この『ゾンビッチはビッチに含まれますか?』も肌に合うはず。作者・柊裕一は氏家ト全より画力もあってキャラクターの絵柄も可愛らしいので、むしろそれよりオススメ?

ただ個人的には1巻2巻読めばそれで十分かなーという内容。だから大人買いの★は3.5ぐらいに採点してみた。

◯展開★3.5◯テンポ★3
◯キャラ★3.5◯画力★4
◯大人買い★3.5
◯82点!!!!

『帰宅部活動記録』全5巻のネタバレ感想。作者はくろは。ガンガンオンラインで配信されてた日常ギャグマンガ。

ややツッコミ多し

『帰宅部活動記録』というギャグ漫画に特徴があるとしたらツッコミが多い。

帰宅部活動記録3巻ツッコミ
(3巻)

帰宅部活動記録4巻ツッコミ
(4巻)
「どんな武器」で読者を笑わせたいかという狙いはハッキリしてる。要するに「セリフ」で笑わせてくる感じで比較的笑えるか。

帰宅部活動記録1巻ノリ
(1巻)
全体的な笑いのノリやテイストは『てーきゅう』に近い印象。ただカオス度はそれより薄め。

ややパロディー多し

あとはパロディーネタがやや多い。

帰宅部活動記録1巻ドラゴンボールのパロディー
(1巻)
帰宅部活動記録4巻ドラゴンボールのパロディー
(4巻)
ただ今更ドラゴンボールってのも、やや古臭さや無難さを感じなくもない
とりあえずDBネタやってりゃ鉄板だろ、的な安直さは感じる。

オチとキャラが弱し

ただギャグ漫画として評価すると、キャラクターが弱い。5巻分読んだが、キャラの顔と名前を一切覚えてない。キャラさえ良かったら、それだけで購入できるのがギャグ漫画だったりするので、案外致命的かも。

また一話8ページしかないからか、話の流れに唐突感を感じなくもない。センスはそれなりに感じるので、もう少しページ数が多ければ…といった感じか。とにかく8ページというボリュームを使いこなせてはない。

帰宅部活動記録2巻作者のあとがきが凝り過ぎ
(2巻)
カバーの作者あとがきを読むと少し分かりますが、ちょっと凝り過ぎ。それが漫画でも全体的に言えてボケにボケを重ねてくる感じがややウザい。もう少しシンプルさがあると良い。

総合評価

ナンセンス系か王道系か、やや不明のギャグ漫画。比較的笑える箇所もあるが、「お金を出す」決定打に欠けるのが事実。

セリフで笑わせる傾向が強いが、全体的なセリフの質は高くない。ちょっと量が多いので、ページ数の少なさも手伝って「詰め込み」を感じる。だから読んでる内にやや疲れてくる。次回作頑張ってくださいって感じか。

帰宅部活動記録1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)
くろは
スクウェア・エニックス
2013-06-21

◯展開★3.5◯テンポ★3
◯キャラ★3◯画力★3
◯全巻大人買い★3
◯78点!!!!

『厨二くんを誰か止めて!』全2巻のネタバレ感想。月刊ドラゴンエイジで連載されてたマンガ。作者はサンカクヘッド。現在ヤングジャンプで『うまるちゃん』を連載中。

あらすじ

主人公は本間厨二。高校一年生。厨二と書いて「ちゅうじ」と読む。その名前の通り、中二病丸出しの行動しか取らない。ただあまりにそれが度を越してる。

厨二くんを誰か止めて1巻1
(1巻)
自己紹介からして痛々しく、いきなり包帯グルグルで登場。よしんば「シリウス」という名前はカッコいいから認めたとしても、前半の「真羅・螺旋剣」ってなんやねん。どっちかといえば必殺技の類い。「気円斬・クリリン」的なノリ。

厨二くんを誰か止めて1巻2
(1巻)
でも身体はめっぽう弱いのか、その包帯でまさかの酸欠。むしろ包帯ってそこそこ通気性いいぞ。どんだけ体弱いねん。

厨二くんを誰か止めて1巻3
(1巻)
しかもその包帯を巻いてた理由が「俺のパワーを抑えるため」。だったらなおさら包帯というチョイスにツッコミを入れたくなる。

厨二くんを誰か止めて2巻1
(2巻)
他にも、コーヒーのブラックを飲んだだけで大人気分。むしろ中二病というより、もっと幼い小二病っぽい感じもしますが。

厨二くんを誰か止めて2巻2
(2巻)
最終的には大雨の中を踊り狂う。どっこいしょという掛け声も意味不明。もはや中二病とか関係ない。

じゃあ周囲の学校の友達はどういう風に厨二(ちゅうじ)を見てるかと言えば、
厨二くんを誰か止めて1巻5
(1巻)
残酷すぎるほど冷たい。いや、これぞ生温かく見守ってるというやつか。

キャラクターを狙いすぎ

ちょっとあからさまに笑いを狙いすぎてて、却って主人公の「厨二」に個性がなくなってる。中二病エピソードをただ羅列してるだけのように見えて、厨二ならでは個人的エピソードが少ない。だから思ったほど魅力的な主人公には仕上がってない印象。

また男子高校生という設定が微妙。性別的にも年齢的にも可愛げがない。うまるちゃんみたいに女子高生だったらアリなんでしょうが、単に痛いキャラクターだけで終わってる感じ。そっから先の『何か』が足りない。「痛いから何なの?厨二は一体どうしたいの?」という疑問に落ち着く。そもそも中二病を扱ってるんだから、中学生でいいやん。

もし小学生という年齢設定だったら、ちゃんと微笑ましく写ったかも。

総合評価

作者はサンカクヘッドということですが、うまるちゃんレベルを期待すると失敗するかな。主人公のキャラは悪くないんですが、どこか没個性的でパッとしない。「巷に溢れてる中二病エピソードをそのままマンガで使いました」という域を出てない。他人のギャグをそのままパクってる芸人、みたいな感じか。

ただ2巻というボリュームを考えると集めても損はしないかも。『うまるちゃん』ファンだったら気が向けば。


◯展開★3◯テンポ★3
◯キャラ★4◯画力★3.5
◯全巻大人買い★2.5
◯75点!!!!

『シバのヨル』全2巻のネタバレ感想。作者は松枝尚嗣。漫画サンデー(小学館)で連載されてたマンガ。ジャンル的にはサイコサスペンス。ただ、あんま面白くないっす。

あらすじ

主人公は紫葉拓未(しば・たくみ)。警視庁の健康維持管理を担当する部署の臨床心理士。

シバのヨル1巻薬で人格矯正1
(1巻)
ただ裏の顔は、イケナイ薬を使って悪人を成敗するヒーロー気取りの男。ギースベルト・リザーバーという器具を悪人の脳ミソにぶち込んで思考を操作する。

シバのヨル1巻薬で人格矯正2
(1巻)
ギースベルトを頭に突っ込まれた悪人は、こんな感じに脳みそがアロホレリー!

罪と罰のバランス

ストーリーとしては主人公が悪人を退治するという体なんですが、全体的に罪と罰のバランスが合ってない。前述の画像の悪徳弁護士も、無罪判決を出したのは結局裁判官。制裁すべき悪意の対象がズレてる。浪費癖の激しいオンナに対しても、罪と罰のバランスが合ってない。

読んでてもそこまで主人公にされなきゃいけないか?って気持ちの方が強い。所詮は『怨み屋本舗』レベル。ただあそこまで下劣にも描けてない。だから主人公に対して、共感や好感を持つことはほぼ不可能。

テンションが意味不明

あと全体的に紫葉のテンションやノリがよく分からない。一見シリアスな展開が続くのかと思いきや、たまに緊張感を台無しにする描写が描かれる。

例えば、主人公・紫葉は実は女の子と付き合ったことのないDT。
シバのヨル2巻女の子の部屋は初めて
(2巻)
主人公の年齢は20代30代にも関わらず、女子の部屋に初めて入ったという設定。しかもその程度でルンルン気分。お茶目っぷりも発揮。悪人を成敗するというアンチヒーローにも関わらず、欲望剥き出し。

ある時、主人公・紫葉は同僚の多摩という女に惚れた。
シバのヨル2巻1怒るタイミング
(2巻)
ただ色んな事があって、多摩は昔かなりお股が軽かった過去を教えられてブチギレ。ショックだったのは分かるが、そんな殴りかかるほど怒る?みたいな。いまいち怒るタイミングが分からない。

シバのヨル1巻2
(1巻)
他にもワイワイ騒いでる同僚を見て、「いつかコイツらにも薬をぶち込んでやろう(ニヤリ)」。え?そんな仕打ちをされなきゃいけないことをした?みたいな。紫葉の善悪の基準が全く意味不明。中二病がそのまま大人になっただけで、実に幼稚。

そもそも、こういった描写が必要だったのか甚だ疑問。紫葉の多面的な部分を見せたかったのかも知れませんが、おそらくサスペンス漫画で主人公の内面や弱みは一番描いちゃいけない気がする。恋愛マンガだったらいざ知らず、主人公の奥手っぷりを描くことで何の意味をもたらしたかったのか。

総合評価

結局、どういう漫画だったかは最後まで分からなかった。テーマや目的が見えてこず、展開も付け焼刃的。ストーリーが情緒不安定もいいとこ。

「サイコサスペンスの主人公がピュアボーイってどうなん?」という一言に尽きる。組み合わせとして最悪。正露丸とショートケーキを一緒に食べてる気分。絶妙に不快。

画力が中途半端にプロレベルなだけに、中身の陳腐さだけが際立つ。主人公が悪人を成敗する動機や目的に共感できる部分が少なく、ただ「悪趣味」なだけ。スッキリした読後感とは程遠い。『駄作』ってこういう漫画のことを言うんだろうなと。

シバのヨル
松枝 尚嗣
実業之日本社
2013-07-10

◯展開★2◯テンポ★3
◯キャラ★3◯画力★3.5
◯全巻大人買い★2
◯69点!!!!