バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『男たち』全2巻のネタバレ感想。作者はちばてつや。モーニング(講談社)で連載されてた漫画。2014年にちばてつやが文化功労者に選ばれたことを記念して、旧ブログでレビューした記事。

あらすじ

主人公は、新一というエリートサラリーマン。会社から転勤を命じられて、田舎から上京せざるを得なくなった。そこで頼ったのが東京に住む叔父・一色留次(いっしきとめじ)。彫金師で生計を立ててる、通称ダルマ。ただ性格は極めて粗暴で、とことんテキトー。

男たち1巻叔父ダルマ
(1巻)
例えば毎晩毎晩、仲間たちと麻雀に明け暮れてる。その中でもダルマはリーダー的な存在で、気に喰わないことがあるとすぐ暴力。新一の母親が送ってくれてた荷物を勝手に自分のモノとして使ってたり、上京したばかりの新一から万札を抜いたり、むちゃくちゃ。

その仲間もノミ屋をやってたり胡散臭い連中ばっか。性格や態度もガサツで、ダルマに負けないぐらいチャランポラン。新一曰く、「とても人間がすむ場所じゃありませんよ」。

だから日常的に金銭的にモメることも当たり前。その中でも倉橋というノミ屋が莫大な借金を背負う。
男たち1巻倉橋
(1巻)
そこでタケちゃんという取り立て屋とのクダリもハチャメチャすぎる。

最終的に倉橋は、いわゆるタコ部屋労働送り。ただそこは極寒の地で、いかにも悪徳業者が運営してる。壮絶なイジメも受けた結果、倉橋は肉体的精神的に疲弊しまくる。
男たち2巻倉橋
(2巻)
でも、チャランポランで粗暴な叔父ダルマが助けに行く。男気も見せれてくれて熱い。

個性的な男たち

叔父ダルマ然り、それぞれのキャラクターが個性的。特に主人公は新一はいかにも清廉潔白な性格で、その描写の対比が結構面白い。

新一はエリートサラリーマンだからといって、結構ナヨナヨしてるかと思いきや、自己主張はしっかりする。最初麻雀に熱中して、一向に新一の部屋に案内してくれないダルマ。
男たち1巻新一が激怒
(1巻)
それに痺れを切らして、激昂する新一。思わず胡散臭いダルマの仲間たちも、一瞬止まる。

ダルマの仲間たちはテキトー。だから共同トイレでタバコを吸っては、そこら辺に捨てる。でも新一は我慢ならない。
男たち1巻神経質な新一
(1巻)
だから空き缶を用意して、母親のように「吸い殻はちゃんと捨てましょう」と注意。それにタジタジするダルマの仲間たち。このギャップ感が面白い。

他にも、オカマのツネというキャラがいる(一応男w)。新一に対して恋心を抱いてるんですが、決して叶わないそれが切ない。最終的に新一はロンドン支店へ異動を命じられる。新一を見送るクダリでダルマの仲間たちといい感じに別れて、新一はやっとまともな人生を歩める雰囲気。

ただオカマのツネだけは新一が乗ってる飛行機にコッソリ乗りこんでる。まさに時限爆弾。また新一に悲惨な生活が待ってるっていう終わり方が、良い感じに後を引く。

総合評価

作者ちばてつやが「人間くさい男たちを描いちゃった漫画」と述べてるように、まさに「THE下町の男たち」という無骨でチャランポランなキャラクターが登場。だからこそ一人一人のキャラに味があって、最近の漫画には「ないモノ」が詰まってる。80年代に連載してた漫画らしく、その雰囲気もまた味があって良いかも。

ちなみにラストの新一が乗った飛行機が飛び立つコマで、飛行機の煙が文字っぽい。これが何を意味してるか、微妙にモヤモヤして仕方がない。

男たち (1) (ちばてつや全集)
ちば てつや
ホーム社
1996-11

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★3.5
◯大人買い★4
◯82点!!!!

『キートン動物記』のネタバレ感想。作者は浦沢直樹。ビッグコミックオリジナル(小学館)で短期集中連載されてた漫画。最近リマスター版が発売された『マスターキートン』のスピンオフ漫画。いわゆるシートン動物記をパロったタイトル。

動物ネタを絡めた図鑑的オムニバス

キートン動物記の主人公は、マスターキートンと同じく平賀=キートン・太一。考古学者でありつつ、傭兵経験があったりする武闘派。本編では保険組合の調査員をしつつ、ドンパチもありつつの波乱の多い事件に巻き込まれていく。

ただキートン動物記では、父親の平賀大平が動物学者ってことか知りませんが、基本的に動物ネタオンリー。
キートン動物記11P
(11P)
様々な動物をモチーフにした、キートンの知り合いたちの悩みを解決するという、結構ゆるい展開。

またオムニバス形式のマンガとはいえ、一話が4ページ前後と短いので読みやすい。オールカラーだからページ数を増やせない事情もあったんでしょうが、
キートン動物記80P
(80P)
その割に起承転結がしっかりしてて面白い。オチも思わずクスっと来るような、また唸ってしまうような読後感の良さがある。

キートン動物記27P
(27P)
そしてマンガの後は、動物の解説。勉強になる情報も多い。ただ作者の浦沢直樹がべらべら解説してるという設定ではなく、キートンがサブキャラと会話してるという体だからファンにはたまらない。

総合評価

ページ量は決して多くない。ちゃんとそれぞれの動物たちの生態や特徴を捉えてて、それが上手いことマンガに絡んでて読み応えはたっぷり。マスターキートンを読んだことがなくても、それなりに楽しめるスピンオフマンガとして評価したい。敢えてフルカラーにする必要があったのかは知りませんが。

昨年に発売されたリマスター版のマスターキートンが結構人気だったので、なんとなくレビューしてみた。さすがに20年以上のマンガだから絶版でしょうが、もし中古店で見かけたら読んでみてください。


◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★3.5◯画力★3
◯大人買い★4
◯85点!!!!

『終末のラフター』のネタバレ感想。作者は田辺イエロウ。少年サンデー(小学館)で短期集中連載されてたのをコミックス化。

あらすじ

終末のラフター1
内容は悪魔退治をする男の話。主人公の名前はないのか作中では出てこず。妹のハルと各地を転々としながら悪魔を倒して、お金を稼いでるみたいなストーリー。

でも、実はこの男自体が悪魔(厳密には不死者)。

高い画力で魅せる

終末のラフター2
画像は街を襲ってくる悪魔。

終末のラフター1
主人公の冒頭画像も見てもらえれば分かりますが、模様などの書き込みも秀逸と表現していい。作者の田辺イエロウの頑張ってる感は強くする。

悪魔祓いがテーマなのでバトル展開もつい期待しがちですが、残念ながらそれは少ない。もはや「無い」と断言しちゃってもいいぐらい。一応ゴトーというラスボスがいるものの、知らん間にフワッと終わってるのはモッタイナイ。

本質的なテーマ

ストーリーの本質的なテーマは、ラストのオチにある。

主人公は町長や町人から依頼を受けてゴドーを倒すものの、主人公が悪魔ということで契約を反故。主人公に解決金を支払うのを拒否する。そして言うに事欠いて、「いつまでも恐怖で縛れると思うな!」と主人公を批判。

でもそこで主人公は諭すように言う。
終末のラフター3
恐怖はあんたの持ち物・飼い犬だ

恐怖という感情は自分の中で勝手に育つもの。それは正常な思考を奪う。自分から動かないうちにはそれが消えることはないみたいなこと。

実はゴトーは理性的な悪魔だった。厳密に言うと、不死者。その不死者は完全な悪魔として堕ちるまでは、実は一応人間としての理性を保ってる。街に棲み着いたのも自分の故郷だったから。人質の少女たちに対してもしっかりお墓も作ってた。むしろゴトーが暴れるように仕向けるように追い詰めたのは、恐怖に怯えた住民たち自身だった。

テーマ性自体は悪くないと思います。

総合評価

でも主人公が何故妹と一緒に戦ってるのか不明。過去編も書いてくれてるんですが、いまいちピンと来ない。子供時代に妹と一緒に悪魔に襲われました。そこで二人とも悪魔になりました。

でもだから何?っていう。「悪魔を倒さないと生きられない」という描写が弱い。二人が敢えて戦う必要性が乏しい。あと主人公である兄がどういう過程で悪魔になったのかも不明。

不死者を迫害する住民を批判したいのか、不死者としての主人公の過去を掘り下げたいのか、また妹との未来を描きたいのか中途半端。濃密な内容に見えて、実は微妙。



◯展開★3◯テンポ★2
◯キャラ★2◯画力★4.5
◆72点!!!!

『翠星のガルガンティア』全3巻のネタバレ感想。原作はオケアノス、作画は三途川ワタル。キャラクター原案は鳴子ハナハル。ニュータイプエース(角川書店)、ニコニコ静画(角川ニコニコエース)で連載されてたSFマンガ。既にアニメ化もされた模様。

翠星のガルガンティア3巻2
(3巻)
SF漫画だからロボットなどが登場してアクション描写も展開されますが、比重的にはストーリー部分が高め。ボリュームは3巻と少なめですが、起承転結が比較的しっかりしてた印象。だからどちらかというと、物語性を重視して読むマンガ。

あらすじ

主人公は少年兵・レド。人類は寒冷化した地球を飛び出し、アヴァロンという理想郷に移り住んでいた。そして、知能に乏しく凶暴なだけの「ヒディアーズ」と呼ばれるイカ・タコのような敵と長年戦闘を繰り広げる。

しかしヒディアーズとの戦闘で苦境を強いられ、ワームホールの崩壊でアヴァロンより遥か彼方に飛ばされる主人公・レド。ただその行き着い先は、かつて人類が捨てた故郷・地球だった。

翠星のガルガンティア1巻チェインバー
(1巻)
そこでチェインバーと呼ばれる高度な知能を持つロボットと共に、船団ガルガンディアに住む地球人たちと共生しつつレドは故郷アヴァロンへの帰還を模索する…というストーリー。

作品としてきれいにまとまってる

冒頭でも書きましたが、比較的しっかり作品としてまとまってた印象。3巻分というボリュームでありながら、一つのストーリーとしてちゃんと完結してたと思う。

翠星のガルガンティア2巻1
(2巻)
アヴァロンの進んだ文明で暮らしていたレドと、行進的な文明である船団ガルガンディアに住む地球人たちとの間には考え方などに深い溝がある。それは単に高性能な道具の有無だけではなく、『心』の有無を対照的に描写。

文明が進めば進むほど、人間からは温かい心情が失われていった。レドが住んでいたアヴァロンでは戦闘に使えない病人はすぐ殺される。敵であるヒディアーズ撲滅のための『効率』だけが徹底されてた場所。さもありなん。

翠星のガルガンティア2巻2
(2巻)
ただお互いが交流を深めることで、そのギャップ感が徐々になくなり打ち解けていく。レドは次第に人間としての感情を取り戻し、彼らに情が移っていく。

そしてレドは憎き敵「ヒディアーズ」の正体を知ってしまい愕然とする。実はヒディアーズは元々人間だった。遠い昔、寒冷化した地球では過酷な環境に耐えるため、人体実験を繰り返した。その結果生まれたのが強靭な肉体をまとったイカ人間・ヒディアーズ。

だからレドは因縁の敵だと思ってたが、実はずっと人間同士で殺しあっていた。その事実を地球で知ってしまい、強い葛藤を覚える。そこへ同時期にはぐれた中佐クーゲルが地球に現れる。そして船団ガルガンディアをアヴァロンのような場所にすべきと持ち掛けてくる。

翠星のガルガンティア3巻1
(3巻)
でもすっかりヒディアーズと戦うための『大義』を見失い、心も取り戻したレドはクーゲルに抵抗。地球人たちと共に戦い、撃破。ラストはレドの相方だったチェインバーが自爆するんですが、最期に見せたコイツの『粋』がシビれる。

そしてレドは地球人として生きて、子供たちはクジライカ(ヒディアーズ)と現在残ってる人類が歩んできた歴史を学ぶ。「これからどう生きていくのか・いけばいいのか」みたいなポジティブなオチは、読後感は決して悪くない。

総合評価

ありきたりっちゃありきたりな設定ですが、示唆に富んだテーマが根幹にあった作品。大げさに言えば「進化一辺倒に対する人類」に対する警鐘。

そういうテーマ性を強く前面に出したい場合、どうしても作者・制作者側の一方的な自己主張に終わりがち。漫画に限らず。それは自己満的なお説教にも聞こえて、読者側が素直にそれを受け取れないことも多い。

でも、比較的嫌味なく表現できてる感じがして良かったと思う。巻数の少なさが功を奏したのか、却ってウダウダと主張することなくスッキリコンパクトにまとめられたのかも。作品としてしっかり完成させたことは評価したい。

ただ大して気にするほどでもないですが、偶然ワームホールだかワープホールだかが崩壊して、主人公が地球に辿り着いた設定はいささか強引。数万数億とある惑星の中、かつての上官も同じく地球に…とはややご都合主義的な展開という気はした。


◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★3.5◯画力★4
◯全巻大人買い★4.5
◯85点!!!!

『監視官 常守朱』全6巻のネタバレ感想。作者は三好輝。ジャンプスクエア(集英社)で連載されてたSF漫画。フジテレビでは「サイコパス-PYSCHO PASS-」というタイトルでアニメ化。

あらすじ

社会が人間の凶悪性を示すサイコパス(PSYCHO-PASS)を測れるようになった時代。治安組織は、シビュラシステムと呼ばれるそのシステムをフルに活用。将来的に罪を犯す可能性(犯罪係数)が高い「潜在犯」の撲滅をあたる組織があった。それが厚生省公安局刑事課の監視官。

主人公はその監視官に任命された、新人の常守朱(つねもり・あかね)。ただこの監視官の常守朱が潜在犯を取り締まるというよりも、その部下に当たる「執行官」が実働的に取り締まりに動く。

監視官 常守朱 3巻 潜在犯
(3巻)
ドミネーターと呼ばれる銃を対象者に向けると、すぐサイコパスの度合いが数値として現れる。この数値が100を超えた時に初めてロックが解除されて撃つことが可能となる。

監視官 常守朱 2巻 ドミネーター
(2巻)
このドミネーターの威力がハンパない。お前は北斗の拳のケンシロウか。だから執行官は裁判などの過程を踏まずに、一撃必殺で問答無用。

でも少し気になるのが、果たしてこんなことやってる執行官の犯罪係数が高くないのか?という疑問。実は執行官の犯罪係数もしっかり100を超えてる。
監視官 常守朱 2巻 狡噛慎也
(2巻)
『監視官 常守朱』の物語としては、その執行官の一人である狡噛慎也との関わりを通して、シビュラシステムという行き過ぎた治安対策や監視社会に対して疑問に投げかけるようなマンガ。

ストーリーはしっかり展開

あくまでシビュラシステムは「将来的な可能性」で判断して、常守朱などの監視官や執行官たちは潜在犯を発見してとっちめてる。

監視官 常守朱 4巻 槙島聖護
(4巻)
ただ槙島聖護と呼ばれる犯罪係数がめちゃめちゃ低いのに、次々と凶行に走る悪人が登場。シビュラシステムの限界を露呈。

監視官 常守朱 4巻 サイコパス読み取り帽子ヘルメット
(4巻)
槙島聖護は更にPYSCHO-PASSの読み取りを防ぐヘルメットも開発。それをあちこちにバラまいて、執行官によるドミネーターの銃撃を回避。そして街は壊滅上に陥る。果たして、未然に犯罪を防ぐという究極の防犯対策が正しいのか?という疑問が生まれ、将来起きる可能性を図るという仕組みの限界が露呈。

監視官 常守朱 6巻 シビュラシステム
(6巻)
シビュラシステムの判別方法が、実は知能犯の脳を使って判別されたことが分かる。しかもシビュラシステム自体が槙島聖護の脳を取り込もうと画策していたり、まさに社会の闇。

そこで主人公である常守朱というキャラクターが最大限生きてくる。常守朱はシビュラシステムが望む、まさに理想的な人物。でもだからこそシビュラシステムに否定的であり、将来的な可能性というだけで殺すというやり方に疑問を持つ。

だから『監視官 常守朱』というストーリーの序盤から、彼女の行動目的に首尾一貫性があって、その清廉潔白さみたいなモノに対して惹かれる。例えば「法が人を守るんではなく、人が法を守るんです」というセリフなど感情移入や共感をしやすい。

総合評価

『監視官 常守朱』というマンガはテーマ性もあって、オチもしっかりまとまってる。ちゃんとストーリーが組み立てられていてた印象。中二病的な設定や世界観も一部読者に対して訴求力が高いのか、それなりに『監視官 常守朱』というマンガが売れてるのも頷ける。

ただ個人的には、『監視官 常守朱』の、PYSCHO-PASSの、その中二病的な世界観が微妙。あくまで「将来的な可能性」の話をしてるだけだから、基本的にどういう人間であれ悪事を働かない以前でしょっぴくのってどうなん?結局お前ら公安局が犯罪を煽ってるだけやんけっという側面も強くて、ちょっと共感という点では難しい部分もある。

ストーリーも結局シビュラシステム自体も存続したまま終わるので、個人的には『監視官 常守朱』の読後感としてはあまりスッキリせず、やや腑に落ちない部分が残ったのも事実かな。最終的にVSシビュラシステムという構図が生まれるんならまだしも、結局それに頼った怠惰な社会は変わらんのかい…という。

でも細かい部分さえ気にならなかったら、6巻分というボリュームを考えると、『監視官 常守朱』を全巻大人買いしても損はしないマンガだと思う。1巻2巻では正直どうかと思ってましたが、比較的良い感じに終わった印象。






◯展開…★4◯テンポ…★4
◯キャラ…★4◯画力…★3.5
◯大人買い…★4
◯おすすめ度…85点!!!!

『ヤング!ヤング!Fruits』のネタバレ感想。作者は地獄のミサワ。現在も地獄のミサワはブログで一枚絵を毎日更新してますが、それを一冊のコミックとしてまとめた漫画。だからまさに一コマ漫画の一発ネタ!ドン!的なギャグ漫画。

中二病セリフ

基本的に痛いキャラクターの痛いセリフが収録。いわゆる、中二病。

ヤング!ヤング!Fruits19Pすなお
(19P)
つれー!昨日実質一時間しか寝てないからつれーわー!」という、寝てない自慢。中学生や高校生の男子にありがちな自慢。てか実質実質うるせー。

でも、表情を見るとかなり余裕。お前、絶対そこそこ快眠してたやろっていう。

ヤング!ヤング!Fruits40Pのぼる
(40P)
へぇーこの動画2年位前に流行ってたよね」という、オレ流行を先取りしてましたけど?自慢。学生に限らず、ネットしてるとちょっとやりがちな痛い行動。

特に漫画は長期連載が多いので、アニメ化されて途中からブワッと人気が出たりすると、「オレとっくに1巻から目をつけて買ってましたけど?」と言いたがる人も多いんじゃなかろうか。

もはや意味不明

ただの中二病的なセリフだったらいいんですが、ちょくちょくぶっ飛び過ぎてて意味不明。

中学生や高校生がやりがちな、全然痛くないですけ?アピールする痛い行動。
ヤング!ヤング!Fruits16P吉岡JPG
(16P)
ただタンスの角に毒が塗ってあって、右足がかなりヤバイ状態。どういう状況やねん。「へぇー…どぉーりでー」といかにも知ってましたアピールが、この期に及んでウザい。

冒頭に貼った画像の寝てない自慢してるキャラのすなお。コイツが手を変え品を変え、寝てない自慢をアピールしてくる。
ヤング!ヤング!Fruits24Pすなお
(24P)
ただ最終的に何故か「がってんがってん」を連呼。立川志の輔や山瀬まみも、きっとこんな使われ方をしてるとは露にも思ってないでしょう。

他にもチーポーという犬の「そっちじゃないだろ?今日の散歩コースはアイツが待ってる空港だろ?」というセリフが笑った。お前がアイツの何を知ってて、どの立場で言ってんねん。仮にアイツが待ってたとして、間違いなくお前の散歩をしてるどころじゃないやろ…たった一コマだけどツッコミ多すぎ。

他にも米兵をやたら殴りたがってるヤツとかカオスすぎ。

総合評価

中二病、カオス以外だと切なすぎるセリフも。

ヤング!ヤング!Fruits34P幸薄
(34P)
例えば「みんなが今悪口を言ってるそのゴリラ女、俺の妹なんだけどね」。どんな状況かを想像しただけで切ない。しかも兄貴だったらもっと怒るとかあるやん。平然とした表情がいつも妹がゴリラ呼ばわりされてるのに慣れてる感が出過ぎ。

ただ途中で飽きが来なくはない。4コマ漫画でも言えますが、毎日毎週チョコチョコ読むからちょうど良いんであって、一気にガバっと読むと正直疲れる部分はある。


◯展開★3◯テンポ★4
◯キャラ★5◯画力★2.5
◯85点!!!!

『もやしもん』全13巻のネタバレ感想。作者は石川雅之。イブニング(講談社)で連載されてた農業マンガ。何年か前に、フジテレビ系列でアニメ化もされてました。だから結構タイトルぐらいは聞いたことがある人も多そう。

細菌のデフォルメがかわいい

もやしもん4巻巨大な菌
(4巻)
とりあえず可愛らしい細菌たちが登場。しかも口々にしゃべりだす。主人公は、そんな細菌たちが見える・話せるようになった沢木という農大生。

もやしもん3巻納豆菌
(3巻)
同級生が納豆などを食べると口から菌がブワーッ!悲惨っていうレベルじゃねーぞ。臭いの元はやはり飛び回ってる菌。これより更にすごい描写があって、それが1巻のアザラシの腐乱死体を掘り出した時。この時はちょっとした爆弾テロ。

もやしもん7巻三国志風の菌
(7巻)
何故か細菌たちもノリが良くて、急に三国志風の寸劇が始まったりする。

もやしもん12巻ダンディーな細菌
(12巻)
可愛らしいだけじゃなく、時にはリアル三次元っぽい最近も登場。でもここまで来ると、ただのホラー。戦闘力がムダに満ち満ちてる。

こういうデフォルメは菌の毒性によって描き分けられるらしく、O-157なんかは結構ドギツいデザインだったりします。

農業に関する御託が多い

ただ上の画像だけ見たら可愛らしい細菌たちがいっぱい登場するので、一見ゆる~いコメディータッチな展開が始まるのかと思いきや、「農業」がテーマのガッツリしたマンガだったりする。

もやしもん3巻農家うんちく
(3巻)
結構の頻度で色んな農業知識を披露。画像はアジアにおける、納豆の仲間を解説してくれてる。これが良くも悪くも、ヘビーな質と量。

もやしもん9巻農家うんちく
(9巻)
9巻では、日本の地域別の食料自給率を解説。東京と大阪は思った以上にヒドく、北海道に至っては200%近い数字。荒川弘も言ってましたが、北海道に独立されたら日本ピーンチΣ(´∀`;)

最終的には、本格的な日本酒作りを開始。ゆるいっちゃゆるいが、「農業の実態を伝えてやろう!」という意気込みも熱く感じる。だから専門知識もバンバン登場するので、読んでてて頭を結構使うので疲れる。

その割にストーリーの大きな軸も見えず、細切れなショートオムニバスな展開が多い。Amazonのレビューを読むと、「え?これで終わったん?」という意見も散見されますが、読後感としてあまり強く残るものは少なかった。

オチはキレイな終わり方

でも最終13巻は、比較的キレイにまとまってた気がする。

もやしもん13巻1
(13巻)
主人公・沢木を取り合って、女装っ子と女子高生がワチャワチャ揉める。良い感じに、今後も楽しそうな学生生活を送るんだろうなーと想像させる。

もやしもん13巻2
(13巻)
美里という笑い飯・西田と長谷川が付き合いそうな雰囲気になったり、青春マンガの終わり方としたら上手かった印象。

『もやしもん』の良さを上げるなら、後半にかけての青春チックな展開。10巻あたりで主人公・沢木の兄貴が登場。性格はチャランポランで、勝手に渡米したりしてフラフラした生活を送ってる。でも結構良いセリフを吐く。「お前のいる処(ところ)が、お前の世界の中心なんだ!(だから)お前が回すんだぞ!」とかも良かった。

総合評価

オチはマシだったと言いましたが、シンプルにネタ切れだったから最終回を迎えた感じ。途中何度も休載期間があったらしく、9年という年月で13巻というボリュームは明らかに少ない。

「菌が見える主人公」というせっかくの設定を、あまり上手く使いこなすのは難しかったんだろうと想像。主人公そのものが登場しなかったりするなど、自分が描きたいと事と描ける事とにギャップもあったのかも。設定自体はそれなりに面白かったからこそ、それに自縄自縛に陥ってた印象。

平たく言えば、普通の農業マンガだと思って買うならアリ。ゆる~いギャグマンガだと思って買うと失敗する。何故、そこまで意味なく売れ続けたかと考えると、限定版が工夫されてて色んなオマケが付いてたからだと予想。

ちなみにキャラクターの評価が★3.5の理由は、女性キャラクターが全員同じに見えたのが残念。女性キャラは比較的多く登場したものの、あまり効果的には活かせてなかったかも。決して画力がない作者だとは思わないですが、キャラを描き分ける力は平凡並。


◯展開★3.5◯テンポ★3
◯キャラ★3.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★3
◯80点!!!!

『スクール人魚』全2巻のネタバレ感想。作者は吉富昭仁。チャンピオンRED(少年画報社)で連載してたオカルト漫画。

ついセクシーな漫画と期待してしまいがちなタイトルですが、実はホラーチックな内容がメイン。ストーリー性も高く、絵柄は地味ですが読み応えがあった。数話完結のややオムニバスで読みやすく、個人的には意外にも良作。

あらすじ

スクール水着を着た人魚の肉を食べると『恋愛が成就する』というウワサ話が女子生徒の間で信じられていた。

スクール人魚1巻/1
(1巻)
学校のプールで呪文みたいなんを唱えると大量に現れる。ちなみにそのスクール水着にはアルファベットが貼ってある。その中から自分の好きな男子の頭文字と同じ人魚を探しださなければいけない。

スクール人魚2巻/1
(2巻)
人魚を呼び出した人間にしか見えず、学校の建物の中を自由に出たり入ったりして、すばしっこい。

そして、「人魚の肉を食べる」という設定の時点で、ややシビアな展開が待ってることが分かるはず。恋愛が簡単に成就するわけもなく、夜明けまでに食べないと逆に自分が人魚にされてしまう。この女の子たちは、実は昔人魚を呼び出したが失敗した女の子たち。

その設定を上手くストーリーのオチにも組み込んでて、サスペンスだけではなく笑いや悲壮感ある展開も作れてる。だから結構イロモノ系の漫画かと思いきや、ストーリーがしっかりしてて小説を読み終えたような充足感を得られる。

高いストーリー性

1話目から続く「芳子と春子の場合」。この二人が人魚を呼び出すんですが、芳子はドン臭い女の子で結果人魚になる。

ただ春子がめっちゃ悪い女の子。何故芳子を一緒に連れて行ったか、その理由が思わず「オンナこえー」となる。芳子の苗字が谷口で「T」だった。春子が好きな男の子の苗字の頭文字も「T」。つまり、その好きな男の子と付き合うため、「T」の人魚を捕まえやすいようにドン臭い芳子を貶めた。

スクール人魚1巻/3
芳子が人魚になった瞬間の表情がコレ。

女の子は大体一人でおトイレも行けないですから、スクール人魚を呼び出すときも複数が多い。それが色んなストーリーを生んで、その一つ一つのレベルが高い。

例えば意中の男子が同じになることも多く、ライバルを蹴落とすために殺そうとする。じゃあ殺されそうになった側がどうしたか。その殺そうとした女の子に対して、自分を好きにさせる。まさかの百合展開。

スクール人魚1巻/女担任
(1巻)
オンナ担任が出てきたり、女性の泥々した部分が怖すぎる。だが、読ませる!

総合評価


スクール人魚2巻/3
(2巻)
このスクール水着人形たちは可愛らしいんですが、突如変貌して襲ってくる。正直これは要らんかな。

設定は奇抜だったがシンプルで良かった。ただそこへ更に新しい要素を持ち込んだら、却ってゴチャゴチャ混乱するだけ。唐突感もあって、何か良い作用をもたらしたかどうかは疑問。

「人魚は一見怖そうだが実は怖くなく、一番怖いのはそれを利用する人間側だった」というオチが良かったのに、人魚をリアルで怖い存在に仕上げたら全部それが台無しになった感はある。そこは敢えて可愛らしい存在のまま終わらせるべきだった…とは言え、それでもストーリー性の高さは秀逸な部類だと思う。

◯展開★5◯テンポ★4
◯キャラ★3◯画力★3.5
◯全巻大人買い★5
◆85点!!!!

『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる』全4巻のネタバレ感想。作者は田中ほさな。ゲッサン(小学館)で連載されてたSFギャグ漫画。

あらすじ

将来、地球が滅亡する。その原因は、現在の行き過ぎた環境美化の結果。

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる1巻時坂
(1巻)
そこで未来から現在の地球環境を破壊しにやって来た少女・時坂。

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる1巻空木(うつぎ)
(1巻)
主人公は、空木(うつぎ)という環境美化一筋の高校生。この二人が出会って、一悶着あるというストーリー。

目的やゴールが見えない

最初は画もキレイで面白いかなーと思ったんですが、一巻目の半ばぐらいでほぼ挫折。

「一体何がどうなったらゴールなのか」というストーリーの目的が見えてこない。時坂と空木が反目してバトルが始まったりする訳でもなく、時坂の環境破壊の行為も地味な嫌がらせレベルの域も超えないし、正直どこをメインで読めばいいのか戸惑う。

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる3巻メイドカフェ
(3巻)
文化祭でメイドカフェをやったり、何の緊張感もない、ただダラダラ描写してるだけの、なんでもない学園漫画。ラストは何故か恋愛チックなオチで、最後までどういうマンガかが見えてこなかった。

画力が高い作者の特徴

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる4巻画力
(4巻)
作者・田中ほさなは、まあまあ画力が高い。

ただ画力がある作者に限って、ストーリーや設定で奇をてらいがち。内心、展開を作る力がないと理解できてるからこそ、「普通のマンガ」から無意識に逃げてるような印象。実力相応の中身を描こうとして、やっと長期連載に繋がるのかなと。

総合評価

サンデー系でもすぐ連載が終了するようなレベルなので、漫画の内容は推して知るべしという感じ。言っちゃえば、出オチでアイデア止まり。そこから展開が始まることもなく、特に見所はないマンガ。




◯展開★2◯テンポ★3
◯キャラ★3◯画力★4.5
◯全巻大人買い★2.5
◯72点!!!!

『チャンネルはそのまま!』全6巻のネタバレ感想。作者は佐々木倫子。ビッグコミックスピリッツ(小学館)で不定期連載されてた、コメディー要素が満載の仕事漫画。

あらすじ

あらすじを簡単に説明しておくと、北海道のローカルTV局「北海道☆テレビ」が舞台。そこで地方のTV局の裏側を映し出してる。報道番組からバラエティー番組まで、その津々浦々が抱えてる問題点であったり、一つの番組を作り上げていく過程、ライバル局との火花、などなどの要素がてんこ盛り。

そして、とにかく主人公である雪丸花子という新入社員が面白い。天然炸裂で、いちいち行動が破天荒。思わずブハッ。まさにドタバタコメディーの典型的な主人公。漫画の大きな軸とも言えて、なかなか読めちゃう漫画。

雪丸花子という天然女

主人公・雪丸花子は今風の表現で言うと、天然。ただ天然を通り越して、もはや『破天荒』。

チャンネルはそのまま1巻/3
(1巻)
例えば☆テレビの入社試験に遅れるんですが、まさかのヒッチハイクで局まで駆け付ける。肝心の試験でも粗相に近いことを散々やらかせる。ただそれなのに何故か採用された雪丸花子。その理由が、☆テレビには代々『バカ枠』というのが存在してる。

チャンネルはそのまま1巻/4
(1巻)
小倉というディレクター曰く、「バカは失敗を恐れない!化けてストライカーになることがある!」。

ちなみに、この小倉自身がバリバリのバカ枠で言動が面白い。
チャンネルはそのまま5巻/2
(5巻)
こんなマリーアントワネット的なコスプレをしたことも。地味にイライラさせる感じが素敵。

その枠で採用された雪丸花子は、まず一番初めに報道番組のレポーターをさせられる。その初っ端からやらかす。大雨で川が増水。そこへ板に乗ったサルが現れ、助けようとするも…
チャンネルはそのまま1巻/2
(1巻)
思いっきり格闘。他にもオオトカゲを捕獲してみたり、お前はイモトアヤコか!

他にもヘリコプターから事故を中継してる最中、高速道路のインターチェンジでトラックが横転。大量の魚を撒き散らす。それを見て雪丸花子は「まるで、ちりめんジャコのようです!」と一言。確かにそれっぽいだろうけど!

同期の山根一には笑顔で、
チャンネルはそのまま5巻/1
(5巻)
「連続放火犯の再現ビデオに出て!犯人役で!」
ここに悪気がないのが素敵。

中継局のアンテナが吹雪で凍った時には、
チャンネルはそのまま6巻/1
(6巻)
思いっきりタイマツで溶かそうとする。おそらくアンテナは繊細な器具だから、きっとこんなことをしたら壊れるんでしょう。そしたら全世帯に電波が届かなくて、もう番組を制作するどころじゃない。あな恐ろしや。

この一つ一つに全部悪意がないだけに、巻き込まれる周りに同情しか禁じ得ない。しかもハプニング要素も満載で、雪丸花子がいる時にだけ何故かちょうどタイミングよく起きる。例えば大地震が起きると、監視カメラから撮影したようなTV局の内部映像が流れがち。雪丸花子がタイミングよく遭遇。だから、その時の雪丸花子の一連の不可思議な行動が全北海道に放送される。

まず地震になかなか気付かない。そして気付いた時に最初に取った行動が、コーヒーをゆっくり飲み干す。慌ててどこかに移動するも、しばらくして焼き芋を取りに戻る。これが東京のキー局を通して全国に流れちゃうっていう。雪丸花子の天然っぷりが豪快で。でも狙ってる感は少なく、すごく自然で良い。

根底にあるTVマン魂!

こういう天然さだけだったら、ただのギャグ漫画っぽく終わりがち。でも、雪丸花子には純粋無垢な「TVマン」としての熱い魂がこもってる。だから、すごい好感が持てる。

最終6巻だとお店を取材した時、テレビ局のスタッフたちは「放送日を教えない」らしい。もし撮影した情報がライバル局に流出すると、先んじて同じ放送をされるのを防ぐためだとか。同期の山根一も「誰のために番組を作ってるのか」と悩む。

ただ、それを雪丸花子は「だって是非見て欲しいから」とアホ面丸出しで、アチコチに教えまくる。基本的に社会人としてはアウツなんですが、職業人としては全然アリ。むしろそのルール自体が無機質で冷たく、間違ってんじゃねーかと思わせるバカのパワーが凄まじい。

そういう仕事に立ち向かうシンプルな姿勢・魂が根底にあるので、この「天然さ」が世相を切るような気持ち良さも伴う。最初に「笑い」がありきの天然ではなく、結果的に「笑い」に繋がってる天然。だから良い。それらが雪丸花子というキャラを作り上げてる。


◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★5◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◆86点!!!!