バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『ママはテンパリスト』全4巻のネタバレ感想をレビュー。作者は東村アキコ。掲載誌はコーラス。出版社は集英社。ジャンルは少女コミックので子育て・育児漫画。何となく全巻まとめて面白いかつまらないか考察してみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

『ママはテンパリスト』はエッセイ漫画なので特にあらすじもないんですが、簡単に言うと作者・東村アキコが29歳の時に子供を産んで育児に奮闘するという話。何事も初めての経験ばかりでテンパりまくりということから、このタイトルがついたっぽい。

だから東村アキコの子供・悟空(通称ごっちゃん)がメインの描写になります。
ママはテンパリスト4巻 ごっちゃんの叫び
(4巻)
ちなみに初めてお灸を受けた時のリアクションが、何故か王様的な目線の絶叫。お前どこでその言葉を覚えてん?という、幼児にありがちなネタが見事に凝縮されてるコマ。いちいちリアクションが突拍子もなくて面白い子供。


ごっちゃんというダンディズム

そのごっちゃんなんですが、実はムダに中身がイケメン。イタズラ好きでいつも母親の東村アキコを困らせてるんですが、それを自嘲的に東村アキコをフォロー。でもその時のセリフがムダにイケメン。

ママはテンパリスト4巻 ダンディーなごっちゃん
(4巻)
ママ…わるいこうんじゃったね!ごっちゃんってなまえの…わるいこうんじゃったね!
頬杖ポーズがムダに様になりすぎ。ちなみに親バカの東村アキコ的には、ごっちゃんをキムタクを重ね合わせて見てることが多め。

実際にごっちゃんは悪い子。
ママはテンパリスト1巻 ごっちゃん1
(1巻)
赤ちゃん時代にはトイレのタンクをザーザーに溢れさせてまさかの滝修行。全く微動だにせず慌てふためかない様たるや山のごとし!

ママはテンパリスト1巻 ごっちゃん2
(1巻)
かと思ったら、東村アキコのチチを飛びかかる様は風のごとし!さすがに赤ちゃんはこんな俊敏に動くとは思えませんが、まさにちょっとしたエイリアン。

ママはテンパリスト2巻 ごっちゃんの踊り
(2巻)
ただ基本的には可愛らしい幼児。意味不明なオリジナルダンスをよく踊る。画像では一応服を着てますが、ちょいちょい全部脱ぐ。ちっちゃなサクランボがポロリんちょしてることも多々。何故ちっちゃい子供はマッパ族になりたがるのか。

おそらく現在ごっちゃんの年齢は10歳前後だと思われますが、どんな感情でこのマンガを読むんでしょうか?自分だったら恥ずかしすぎて親を軽く恨むw


東村アキコ的叱り方

いくら可愛らしい言動が目立つごっちゃんとはいえ、あまりに言うことをきいてくれない。特に母親ということもあってナメられる。そこで東村アキコが取った手法が「鬼」。ありがちな方法論ではありますが、得体の知れない存在を持ち出してくることで幼児の恐怖感を煽る。

ママはテンパリスト2巻 だます東村アキコ
(2巻)
これが見事に成功。この時の東村アキコの表情が、まさに鬼そのもの。

考えてみると、幼児はこの世に生まれてたった数年。世の中や現実のことを「何も知らない」といってもいい存在。鬼の存在を否定するだけの知識も経験もない。小さい子供がブルブル震える姿は可愛らしくて愛おしくて滑稽で、まさに子育ての醍醐味。他人の子供にこんなことするわけにはいかないですからね。

それでも、どうでもいい言動を繰り返されるとイライラが止まらなくなる東村アキコ。そこでの最終手段が…
ママはテンパリスト2巻 ケツを噛む東村アキコ
(2巻)
まさかのケツを噛む!暴力に訴え出るという、何とも賛否両論ある行動。ただケツには生命に関わる重要な器官がないので、ここを攻撃するのは全然あり。日本に限らず、世界の先人たちは叱る時に子供のお尻を叩いた。実はかなり理が叶ってる叱り方。

そして、ごっちゃんはあまりに痛すぎて思考回路がおかしくなったのか、はたまた自責の念からかは分かりませんが、「もっと優しくかんでー!」と東村アキコに要求。確かに甘噛は気持ちいいもんですが、この年齢の幼児が知ってるとも思えないので、思わずクスっと来る。


総合評価・評判・口コミ


『ママはテンパリスト』のネタバレ感想をまとめると、育児経験のないオッサンでもごっちゃんのキャラクターが面白いので不思議と笑えました。育児マンガとしては異例の100万部を超えたコミックというのも頷けて、その実力が遺憾なく発揮されてる内容。

ただ東村アキコ的にはネット上の育児論争に巻き込まれたくないから、基本的には「ごっちゃんメイン」の描写に終始してるんですが、社会に対する不満もちらほら。
ママはテンパリスト1巻 おむつに対する不満
(1巻)
例えば、おむつは案外近場で売ってないらしい(都会限定?)。個人的には意外な事実。最近は中国人観光客が買い占めた…という話もありますが、実は昔からある傾向っぽい。

こういう部分も過去に育児を経験された方や現在バリバリ育児の真っ最中の方にも良いルサンチマン(不満解消)になりえて、またこれから育児を始めるママさんに役立つ情報もありそう。ちなみに旧ブログからの丸々移転した記事ではなく、改めて一から書き直しました。誰かホメて( ;∀;)

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★5◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…87点!!!!

『ソラニン』全2巻のネタバレ感想。作者は浅野いにお。ヤングサンデー(小学館)に連載されていた青春漫画。

あらすじ

主人公は種田成男。デザイン会社でフリーターとして働きつつ、ダラダラと目的意識もなくバンド活動を続けてた。一方、同棲してる彼女・井上芽衣子は社会人として働きつつも、現状のモヤモヤとした不安や焦燥感から将来を悲観してた。

そこである日、自分自身に対するイライラと重なって、目的もなく生きている種田成男に対して苛立ちをぶつける。実は二人は大学時代に出会ったキッカケは、まさに音楽だった。そこでくすぶってる種田を見るのは嫌だった。
ソラニン1巻 種田成男と井上芽衣子1
種田、本当は音楽をやりたいんじゃないの?

ソラニン1巻 種田成男と井上芽衣子2
でも種田は自分の才能にどこか限界を悟ってて、正当な評価を受けるのが内心怖かった。だからずっとグズグズと次の展開へ踏み出すことができなかった。ただ彼女・井上芽衣子の一喝で再びバンドマンという夢に突き進む。

そしてチャンスを一度掴むものの、アイドルのバックバンドとしてのデビューだった。一瞬悩む種田だったが、井上芽衣子が断固として拒否。
ソラニン1巻 現実にぶつかる種田
現実という壁に大きくぶつかる。かつて大好きだったバンドマンは普通のサラリーマンとして働いてて、その元バンドマンに「もっと現実を見ろ」と諭される。最終的に種田が選んだ道は、死。

まとめるなら、大きな夢は持ってるもののそれが十中八九挫折することが内心薄々気付いてるので、自分の才能の無さを知りたくない若者は本気で頑張ることはしない。でもいざ奮起して頑張ったものの、やっぱり自分の実力の無さをまざまざと見せつけられて、現実という壁の高さに打ちのめされて、最終的には死を選んじゃったストーリー。

最終的に同じオチや結末を選ぶ若者こそ少ないと思いますが、漫画家志望者でも実際こんな若者が大勢いるんではないでしょうか?だからこそ、もしかしたら共感を覚えた読者さんも多かったのかも知れません。

ストーリーはまとまってる

2巻というボリュームサイズですが一応ストーリーはこの中で完結してる。「夢は決して叶わなくても、ただそこに向かって走ってるだけで素敵やん」的な終わり方。若者のグズグズした心理描写を描くのも上手い。全巻大人買いの評価としては★4に採点してみた。

大人が忘れがちな「それ」というテーマは、どうしてもフワッとしすぎで難しいといえば難しいですが、個人的に特に感動も共感も覚えることはなかったですが、作者の目的や狙いは多分きっちり表現はできてそう。キャラに共感できる読者だったら、読後感はそんなにモヤモヤしないはず。

ただ強いて言うなら、キャラクターの視点があっちこっちと総花的に描いてるので、作品としてのインパクトは弱かった印象。最初は種田が主人公だと思ってたら、最終的には彼女の井上に移るわけですが、結果として誰に共感を覚えたらいいのか分からなかった。キャラクターという点ではやや弱め。そもそも種田が死を選ぶ理由も不明すぎて、5・6巻分ぐらいじっくり消費させても良かったのかなーと思います。

総合評価

とりあえず井上芽衣子という女がメンドクセー。種田をけしかけるだけけしかけておいて、種田の夢実現のハードルをどんどん高く上げていく。どう考えたって叶わない。そしてラストはしれっと「私夢に生きていくわよ!」という終わり方。一体コイツは何なんだと!

種田の死は井上芽衣子のフリに使われてるだけなので、ただただ種田が悲惨。ソラニンというのは「放置したジャガイモに生えくる芽が持つ神経毒」という意味らしい。まさにソラニンみたいな女。井上芽衣子に依存した結果、最終的に神経をやられて種田は…。

ちなみに、2013年秋ごろに旧ブログで『ソラニン』のレビューになります。ただけちょんけちょんに書きすぎてお叱りのコメントも頂いたので、今回は怒られない程度に大人しめに書いてみた。

どんなことを書いたかといえば、「青春マンガを読む読者もアホ」という内容。読者は関係ないだろという反論。確かにグヌヌ。現在では、その発言は前言撤回済み。ソラニン以降は青春マンガをたくさん読み増したので、それなりに面白い漫画も多いと気付いた。

ただやはり思うのは「青春マンガを熱さがあってナンボ」ということ。小手先の技術や周りくどい伏線などじゃなくて、シンプルなメッセージ性やキャラクターの心の叫びや葛藤が醍醐味だと思う。あまりシャレオツに斜に構えてる感じは評価としては低くせざるを得ないのかなーと。それがソラニンの採点にも反映させてます。

ちなみに旧ブログからの丸々移転ではなく、一から全部書きました。





◯展開★3◯テンポ★3.5
◯キャラ★3◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…77点!!!!

『ハガレン研究所DX』のネタバレ感想。作者は荒川弘。いわゆる『鋼の錬金術師』の公式ガイドブック。2004年発売の本らしいので単行本にしてみるとおよそ10巻目前後。だから序盤っちゃ序盤のほうで発売されたっぽい。

ガイドブック定番ネタ

公式ガイドブックということで定番ネタが基本的にはベースとしてあります。

ハガレン研究所DX 人気ランキング
例えば人気ランキング。月刊少年ガンガン誌上で募集した内容ですが、ランキングの中身を見てもド定番な順位。ただ載せてるのは二回目の人気投票ということで、ロイ・マスタングは前回に続いての2位だったそう。1位は文句なくあのキャラ。蓮舫的には「2位じゃダメなんでしょうか?」。

意外だったのは3位のリザ・ホークアイ中尉。一回目の人気投票では5位だったらしいですが、ロイ・マスタングの相棒という位置づけで人気も引き上げられたと予想。キャラクター作りでは「誰かとセットで」という売り込み方が効果的という裏付け。

ハガレン研究所DX 読者投稿
他にも読者投稿。2位だったマスタング大佐のファンの女の子が描いてるんですが、雨の日の無能っぷりを延々と語ってる。好きなのか嫌いなのかよく分からない。ただ女子的には男子の弱みにキュンキュン来るのかも。

スカーいじりがヒドい

他にも作者・荒川弘が読者の疑問に答えたり、月刊少年ガンガンで掲載したスピンオフ4コママンガが掲載されてたりするんですが、少数ページながらも描き下ろしマンガも載ってる。

「もしもあのキャラがこんなだったら?」というのがテーマで描かれてるんですが、とにかく荒川弘の悪ノリがヒドい。特にスカー。

ハガレン研究所DX スカーいじり2
スカーが携帯電話を買うんですが、まさか一人も友達がいない。絶対鳴らへんの分かってるのに、正座で鳴るのを待ってる光景が切ない。ちなみにこの直後に電話がかかってくるんですが、その相手もなんだかなーというオチ。しかも着メロがターミネーター。ぴったり合いすぎ!

ハガレン研究所DX スカーいじり3
主人公のエドがおトイレをしてる最中、そこへまさかの遭遇をするスカー。ただ放出してる最中だから、お互いすぐには対応できない。この絶妙な間が何とも言えない。

そしてこのまま何事もなく終わるのかな―と思ってたら…
ハガレン研究所DX スカーいじり4
放出し終わるとソッコー襲いかかるスカー!ただ手を洗えばいい問題なのかという素朴な疑問。雑菌程度だったら既に一瞬で分解してそうなぐらい、スカーは手練っぽい感じもしますが。そもそも荒川弘はオンナだから分からないんだと思いますが、常にブツを持ってないと放出できないわけでないんですけどねw

ハガレン研究所DX スカーいじり1
そしてスカーは荒川弘のアシスタントにもイジられる。確かにここまで大きい傷跡のカサブタだと痒みで夜もきっと眠れない。ただ傷が深そうだからガバっと剥いてしまうと大量に血が出そうで心配。このあとお師匠にベロっとめくられます。

ハガレン研究所DX イズミのラブコメ
他にもラブコメだったらという設定では、エドの師匠・イズミが登場。でも片手で巨大なクマを担いで走ってくる。食パン的なノリか!クマをどんな目的でどこへ一体運ぶ気だったんだと…。

総合評価

基本的に公式ガイドブック(公式ファンブック)については、あまり改めて評価する点も少ないんですが、何故なら本としての構成は常に定番化しちゃうから、後半の描き下ろしマンガが面白かったので旧ブログではレビューした気がします。ちなみに全て一から新たに書きました…ふぅ~。

ハガレン研究所DX
荒川 弘
スクウェア・エニックス
2004-09-30

◯展開★―◯テンポ★―
◯キャラ★―◯画力★―
◯おすすめ度…80点!!!!

『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』のネタバレ感想。作者は御手洗直子。pixivで連載してたウェブ漫画。ちなみにウィングスという出版社がコミック化したもよう。

あらすじ

内容は簡単に言うと、作者・御手洗直子が婚活サイトで現在の旦那さんと結婚するまでの過程が描かれてる。

タイトルにもありますが、作者の御手洗直子はBL漫画家。仕事として割りきってBL漫画を描いてるかと思いきや、ゴリゴリのBL好き。趣味を仕事にしちゃいましたという漫画家さん。

31歳BL漫画家の婚活 ホモ音頭
だから自身のTwitterでは壮絶的に気持ち悪いツイートを平気でしちゃう。おそらく日本の伝統文化にこんな陽気な伝統舞踊はないはず。特に仕事で切羽詰まると禁断症状が現れる模様。きっと性的不満な解消をするということではないはずですから、ちょっと男子的には理解不能(笑)

痛すぎる婚活者たち

このマンガのメインテーマとしては、「御手洗直子という一人のアラサー女子が何故結婚できないか?」について自虐的に悩む内容ではなく、婚活サイトに登録してる「痛すぎる婚活者たちを紹介」するような内容。

31歳BL漫画家の婚活 自称キング
例えば自称キングを名乗る謎の男性が登録してたりする。毎回会うたびにハイタッチしてきそうな雰囲気。でも武井壮が百獣の王を自称してたりするのを見ると、これはこれで完全にナシとまでは言えないのかもと思ったり。

31歳BL漫画家の婚活 身の程知らず2
完全な無職という方もいる。しかも正々堂々と「家事をやらせてもらいます!」宣言。ましてや既にバツ2。思わず御手洗直子も「働けや!」というツッコミ。ただ個人的にはこのオッサンは嫌いになれない。むしろ好きにしかなれない。

他にも明らかに肥満体型のくせに女性に対して容姿端麗を求める男性がいたり、逆に明らかに全てにおいて平凡レベルのくせに若くて年収が高い男性のみを求める女性もいたり、結構な大惨事。そりゃあ身の程知らずは結婚できねーよなーというオチ。

31歳BL漫画家の婚活 身の程知らず1
でも「何故婚活サイトに登録してるんだ!?」というぐらい、ハイソサエティーな面々も登録。会社経営でバリバリ海外を飛び回ってる女性だと、相手に年収2000万円以上を求める。でも婚活サイトに登録するより、普通に生活に送ってた方が出会えるんちゃうん?みたいな。作者の御手洗直子も思わず「一人でやっていけるやん」とツッコミ。

他には美術館をデザインしてるような大学教授とかも登録。あまりに経歴と職歴がすごすぎて、一般女性を逆に受け付けないオーラがハンパない。

年収1000万円超えの男は気をつけろ!

ただ理想高い系女子じゃなくても、やはり結婚する男性の年収が高いにこしたことはない。そこで御手洗直子が年収1000万円男子とデートする。

でもこれが見事に地雷。
31歳BL漫画家の婚活 年収1000万円超え男子1
いきなり出会った瞬間、元カノを「バカ女」呼ばわり。そもそも、元カレと別れた原因をいきなりズケズケ訊いてくるのもデリカシーがない。

他にもひどい会話があるんですが、御手洗直子の父親は公務員。それを聞いた年収1000万円男子は「公務員って給料安いですよねー」「でも頭の悪いおじさんもいて税金の無駄ですよねー」と、遠回しに父親批判。何がすごいのかというと、そこに悪意はない。

あまりにひどい会話が続いたので御手洗直子もキッパリ注意。
31歳BL漫画家の婚活 年収1000万円超え男子2
そしたら、まさか年収1000万円男子が動揺して震えだす。今までに誰かに注意されたことがなかったんでしょうか。メンタルが豆腐並。ただ生まれたての子鹿のようで、もはや愛おしい感情しか芽生えない。

その後も年収1000万円男子とデートを重ねるんですが、見事に問題児ばかり。敢えてその詳細は語りません。

総合評価

言っちゃえば「晒し」に近い内容なので、アプローチ的にはやや下品。作者の自虐も多いように少ないようなって感じで、既に婚活してる立場の読者はあまり良い気持ちはしないはず。作者はオタクを自負してても、いかにも見た目がオタク男子は毛嫌いしてますからね。

ただそれを考慮しても、キャラクターが濃い婚活者ばかりで笑える。本当にたくさんの職業の男性がいるので、男の俺が登録して出会いたいぐらい。世の中、色んなんがおるなーと。

また婚活サイトの雰囲気や仕組みも理解しやすいので、勇気が出ずに入会や登録するか迷ってる人には役に立つ。特に女性は不安だと思いますが、どういう流れで男性と知り合って出会うのか、またプロフィールを登録する際の注意点など勉強になると思います。

31歳BL漫画家の婚活 ダンナ
ちなみに作者・御手洗直子はBL耐性のあるオタク男子と見事にゴールイン。耐性ありすぎてるのか、HOMOアプリを嬉々として見せつけてくる。ただBLが好き=こういうことなのか?そもそもHOMOはカタカナで「ホモ」でええやん。

オチにかけては若干ノロケもあるので、婚活が上手くいってない方が読むと多少イラッと来るかも。


◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★3.5
◯おすすめ度…84点!!!!

『JA~女子によるアグリカルチャー~』全8巻のネタバレ感想。作画と原作は鳴見なる、アイデア協力は唐花見コウ。ヤングエース(角川書店)で連載してた農業マンガ。

ちょっと萌え系のジャンルも入ってて個人的には苦手な部類ですが、それでもキャラクターが立っててそこそこ面白かった。でもコマ割りや文字の大きさ含めて、全体的に読みやすくて空気感はゆるい。日常漫画にも近いんですがしっかり笑える部分があってオススメ。

あらすじ

主人公たちは野沢家という美少女四姉妹。東京から田舎の農村へ引っ越してきて農業にハマるというストーリー展開。

JA2巻/野沢ひなげし2
(2巻)
その中でも三女のひなげし12歳がメイン。ほのぼのした性格で、年齢が年齢だけにかなり語弊を海そうな言い方をしてしまいますが、「男読者が好きそうな女の子」という女の子。

キャラクターが個性的!

とにかく登場キャラクターの女の子たちがそれぞれ個性的で面白い。やはり主人公・ひなげしを含む四姉妹。

例えば、長女の社(やしろ)15歳は畑を耕すなど力仕事が得意。耕し終わると思わず薬師丸ひろ子バリに「快感」と吐息を漏らす。この社に限らず、とにかく頭の中は常に野菜作りのことがある。だから変なことでも喜ぶ。

あるとき牛舎に行くと牛さんが排泄口からボトボトとアレをひねり出す。それを見た社は…
JA3巻/野沢社
(3巻)
牛糞最高
年頃の女の子が発する言葉ちゃうやん。文字にするとエゲツナさが更に増す。確かに映像として若干気持よさそうに見えなくはないですが。

JA1巻/野沢りんご1
(1巻)
個人的にハマったのが、末っ子の野沢りんご6歳。小憎たらしいんですが可愛らしい。画像からも分かるように、ブリっ子キャラ。でも実際はものすごく腹黒。キャラクターとしてはセオリーで及第点。あと天才という属性も付いてるので、ストーリーには結構関与してくる。

JA2/野沢りんごとれんこんを取る機械
(2巻)
そしてあちこちでシッチャカメッチャカ大暴れ。キャラクターが明るくてノリが良い。3巻のクダリでは髪の毛のお団子ヘアを牛にムシャムシャ食われたり、小さい子供なのに一番扱いが雑。そういうのも結構笑えちゃう。

ただこんな個性的なキャラクターばかりだと漫画全体がワチャワチャしてしまう。そこを主人公のキャラクターの「普通性」が中和してくれる。濃い味付けばかりの料理を食べると変に味が残る。そこをお茶で一旦流し込んで、口の中をゼロの状態に戻す感じ。そういったキャラクター同士のバランスがちょうど良い。

野沢りんご6歳の表情が豊富!

でも個人的に一番ハマったキャラクターは四女のりんご。とにかく表情が豊富。

JA2巻/野沢りんご2
(2巻)
腹黒さ全開の表情だったり…

JA6巻/野沢りんご1
(6巻)
驚いた時の表情だったりこれだけで笑える。目の中が白くなるのはいかにもオタク的な表現ですが、描き慣れてる印象を与える。

りんご以外は少しおとなしめな姉妹が多い。そしてテーマが農業・野菜作り。本来であれば何でもない日常漫画の中に、コイツがいるおかげで漫画全体の躍動感やテンポ感、ちょっとした展開を生んでる。


総合評価

キャラクターの説明ばかりしましたが、野菜作りの楽しさもそれなりに伝わってくる漫画。上でりんごの表情だけを褒めましたが、もちろん他のキャラクターの表情の描写も上手い。だから野菜作り成功・失敗した時の、キャラクターの一喜一憂感がハンパない。

JA5巻/楽しくてやめらんねぇ
(5巻)
野菜作りが「楽しくてやめらんねぇ」というババアの描写。表情を見てるだけで、まさにそのセリフの真実性が伝わってくる。

JA5巻/耕うん機で喜ぶ
(5巻)
野沢四姉妹がわらしべ長者的なことをした回では、最終的に耕うん機にまで辿り着く。その時の嬉しそうな驚いた表情だったらない。近所の公園で遊んでたら、急にそこで本格的なプリキュアショーが始まったレベルの歓喜っぷり。

だから読後感も悪くない。読んでても気持ちが良い。萌え系漫画にありがちなセクシー展開もなく、性別問わず楽しめるはず。こういうマイナーで専門的なジャンルだと肩に力が入りすぎて、つい作者がマニアックな知識を披露しがち。自分の博識っぷりを披露したいのか知りませんが、そういうのはない。だからテンポ良く読みやすいのでオススメ。


◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★4
◆86点!!!!

『ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~』全4巻のネタバレ感想。作者は松山せいじ。月刊サンデーGX(小学館)で連載してた鉄オタマンガ。作者の前作『鉄娘な3姉妹』の続編らしい。

あらすじ

舞台は、私立百合ヶ咲女子高等学校。

ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~1巻3
(1巻)
主人公・日野はつねは、その入学式の日に能登まみこ、石塚まろん、鶴見はくつると出会う。その三人は鉄道部のメンバーで、そこから日野はつねの鉄オタライフが始まる…みたいな展開。

ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~1巻1
(1巻)
だからタイトルは、私立百合ヶ咲女子高鉄道部の略で「ゆりてつ」。

観光雑誌や行政パンフレット

百合ジャンルのマンガということで、展開は基本的にゆるい。鉄オタマンガということで、実際に色んな駅を巡る。北海道の秘境駅・小幌駅など。

ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~1巻4
(1巻)
だから駅弁やリアルな情報などが盛り沢山に掲載。

でもマンガ的な面白さはほとんどなかった印象。無料の観光雑誌や行政パンフレットを読んでるような気分になる。絵柄こそ可愛らしいですが、画力は至って平凡。同人誌の類いと割り切って読めれば、そこまで不快に感じさせないかも。

総合評価

このマンガとは関係ないですが、しかし何故リアルの鉄オタってあんなに醜悪なんでしょうか。昨年2014年末、東京駅100周年記念の限定Suicaが発売された。それに群がる映像はエグかった。こういう鉄オタが普段は「日本の鉄道は世界一!日本人のマナーは世界一!」とか叫んでると思うと失笑を覚えます。

ただ限定Suicaが買えずに、涙目で佇んでた長髪ロン毛のオッチャンを見たら、段ボールの中で佇む子犬を見てるようで庇護欲が少しだけ芽生えた(笑)
ちなみにこれが言いたいがため、旧ブログでは記事化したということは内緒。


◯展開…★2.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★3.5◯画力…★3
◯大人買い…★3
◯おすすめ度…73点!!!!

『永沢君』全1巻のネタバレ感想。作者はさくらももこ。20年ほど前にビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載されてた「ちびまる子ちゃん」のスピンオフ漫画。

言うまでもなくあの「永沢君」が今回の主人公。原作では小学3年生という年齢設定ですが、このスピンオフでは中学時代を描いてる。負のオーラが増しててなかなか地味に笑える。

思春期だよ永沢君

中学生の思春期真っ盛りということで、永沢君は結構イキったことをしまくり。

永沢君1巻パーマ当てる
例えばパーマを当てたらタマネギ臭がかなり増す。ちなみに左は卑怯者の藤木。やっぱり中学生になってもお互い仲良し(?)。つか藤木デコ広すぎ。

永沢君1巻思春期な永沢1
地味にナルシストな永沢は、いつも鏡で自分の笑顔をチェック。「日に日に俺カッコ良くなってるんじゃね?」というセリフは思わずイタタタ。しっかり後ろのアイドルのポスターと比較できてるはずなんですが。

永沢君1巻タバコを吸う永沢
他にも藤木と仲良くタバコを吸っちゃったり。

「え?火事のトラウマとか大丈夫なん?治ったの?」と思ってたら…
永沢君1巻容赦ない永沢1
他所の家が家事になろうが全然平気なんだ」と笑顔でめちゃめちゃ怖いこと言う。過去の火事のせいで人間としての心が死んでますやん。人間として大事なものを失ってますやん。

単刀直入だよ永沢君

やっぱり中学生になっても単刀直入な性格っぷりは健在な永沢。

永沢は藤木以外にも、デブの小杉と相変わらずつるんでる。でもある時、藤木だけが花輪くんに別荘に誘われた。それを知った永沢は藤木を卑怯ものと罵倒する。そして永沢は仕方なく小杉と一緒にサイクリング行こうとする。

でも小杉とその計画のことを楽しく話し合いをしてる最中に、花輪くんから電話。当時は携帯電話がないので、玄関前の黒電話のところに行く。そしてなんと永沢も花輪くんの別荘に誘われることになる。
永沢君1巻容赦ない永沢2
ただ部屋に戻ってきた瞬間、永沢はまさかの「サイクリングは君一人で行ってくれよ」と小杉をバッサリ。小杉も思わず二度見する勢い。さっきまで仲良く二人でサイクリング行こうと笑ってたのに、この意趣返したるやすさまじい。

永沢君1巻花輪くん
ちなみに花輪くんも同じ中学に通ってるっぽい。あんな豪邸に住んでる金持ちのくせに、私立の中高一貫校とかには通ってなかったっぽい。

また永沢はバリバリのヤンキーに向かって単刀直入にバッサリ。
永沢君1巻容赦ない永沢3
人生の転落の仕方を教えてくれよ」と、これでもかってぐらいの挑発。そら思っきり殴られるわ(笑)

しかもこのセリフに悪意がないんだからすごい。根っからの毒舌体質。他人に対する嫉妬や蔑み・見下しが身体に染み付きすぎてるからこそ、この発言。中学生で既にこの境地に達してるとは、ただただ恐怖しか覚えない。

あらすじ永沢君の後頭部

永沢君のルックスと言えば、やはりインパクトが強すぎるタマネギ頭。ただアニメでは後ろ姿の描写が少ない印象。おそらく多くの人は、同じように後頭部もチョロっとしか毛髪がないと思ってると思う。

でも、実は間違い。
永沢君1巻ラジオネームが卑猥・あと後ろ姿
結構がっつり髪の毛が生えてる。頭頂部のカタチも相まって、軽くダイヤモンド型。なんだろうこの微妙なガッカリ感。知らないままの方が良かった気がして仕方がない。

ちなみに画像の永沢は、ラジオ番組に投稿ハガキを送ろうとしてる場面。ペンネームが、まさかのキソタマネギ男。「フフフ面白いぞ」というセリフが切なすぎ。いかにも中二病的な黒歴史で、笑いを誘う。

永沢君=目暮警部=磯野波平!?

ちなみに『永沢君』は旧ブログで2014年7月頃に更新。キッカケは「ちびまる子ちゃん」のエンディングを何気なく観てたら、永沢君の声優は『茶風林』だったことを知ったから。この『茶風林』は名探偵コナンで言えば、目暮警部を担当してる。他にもサザエさんでは、波平。

思わず「マジか!?」と叫びそうになった。この声優さん多彩すぎやろ。いつ感想を書こうか悩んでたマンガではあるんですが、その時にピピンと来て思わず勢いでレビューしてみた。特に後悔はしてない。

総合評価

とにかく永沢のキャラクターが強烈。主人公として一巻まるまる登場するものの、飽きずに余裕で読める。むしろ二巻目・三巻目が何故発売されないんだ!?と憤りを覚えるレベル。スピンオフ作品としては余裕で及第点。永沢という選択が、まさに大正解だった。

例えば中学生という設定だからこそ描ける部分も多く、それが永沢のニヒルさとマッチ。高校生大学生社会人になった永沢も是非読んでみたい。人間としての屈折っぷりは、どこかで改善されるのかされないのか興味津津。

永沢君実写ドラマ劇団ひとり
ちなみに劇団ひとりで実写ドラマ化もされてたらしい(笑)
あの髪の毛を実写化するとただの凶器にしか見えないという。

永沢君 (IKKI COMIX)
さくらももこ
小学館
2013-04-30

◯展開★3.5◯テンポ★3.5
◯キャラ★5◯画力★3
◯84点!!!!

『青春離婚』のネタバレ感想。作者は紅玉いづき。最前線 (星海社)というサイトで配信されてた青春恋愛漫画。「青春離婚は面白いのか?」を考察してみました。


あらすじ

主人公は高校1年生の佐古野郁美(さこの・いくみ)。人見知り激しい根暗な女の子。入学したばかりということで周りに友達もおらず不安だらけ。誰かに話しかけるなんてことはできない。

青春離婚13P
(13P)
そして最初の自己紹介の時に、自分の真後ろに座っていた男子・佐古野灯馬(さこの・とうま)が同じ苗字だと知る。お互い珍しい苗字だったので担任の教師からは「親戚か?」「夫婦みたいだな」などからかわれる。

でもこれがキッカケで二人の距離が急速に縮まる。周囲からは二人が夫婦扱いされたりするものの、変に否定すると却って怪しいのでお互いに強く否定することはなかった。ただ結果として二人は微妙な関係が続いて、気付いた時には一種の「仮面夫婦」みたいな関係になってる。


距離感の縮め方が素敵

とりあえず前提として、佐古野灯馬も佐古野郁美も両思い。だから夫婦扱いされても拒否しない。ただお互いにそれをハッキリと表には出さない。

でも、奥手で根暗な佐古野郁美に対して、佐古野灯馬は自分から積極的に話しかけたりしてアプローチする。ただ佐古野灯馬も所詮は高校生だから恋愛経験も知れてるので、最終的な一線を超える勇気はない。だからいつまでも「冗談っぽい」仮面夫婦の関係が続いてる。

その佐古野灯馬の距離感の詰め方が素敵。例えば、「夫婦はデートしません」「(ノート)キレイだよ」というセリフをサラッと言い放ったり、強引ではないけど確実に自分の思いを遠回しに伝える。
青春離婚97P
(97P)
他にも「最近、奥さんが冷たい…な」とボソッと言ってみたり、冗談のトーンではない。

物語はスマホアプリを共同制作する中で、更に距離感が近くなっていく。まさに二人だけの秘密。
青春離婚45P
(45P)
クラスメイトにからかわれても、思わず指でシーとやってみる佐古野灯馬。二人だけの秘密感がヤバイ。むしろイケメンすぎへんか?という感じも。

オチも素敵

ただそのスマホアプリがキッカケで、二人の仲は急激に悪化する。佐古野郁美としては二人だけの秘密だったのが、灯馬はオープンソース化しちゃった。また佐古野郁美の親が離婚して苗字が変わったことで、それがとどめを刺すカタチで、二人の見せかけの夫婦関係が終わる。

ただ帰りのバスの中で、そのスマホアプリを見る郁美。そこには自分が作ったキャラクターが「いつも ありがとう。ずっと、好きでした。」の文字。そこで二人が両思いだったことを知る郁美。

最後は「灯馬さん、私達はきっと今日この日に離婚するのだ。」「そうしてまた最初から始めるのだ。」「青春を。恋を。」で終わる。結構後味が悪い喪失感が残るかと思いきや、後日談を含めて、後を引くようなまとめ方で読後感は良かった。


総合評価

『青春離婚』の感想としては、これぞ「高校生の恋愛」というピュアで清純さに満ちた内容で割りと面白い。

青春離婚78P
(78P)
肩書きだけで満足出来てるピュアさが初々しくて素敵。心が洗われる。また異性と少し砕けた会話するだけで何かを得た感じになれる年齢だからこそ、二人の関係性が歯がゆくてもどかしい。

ただ後日談を読むと、好きな人には自分の思いを素直に伝えられないのは、別に年齢を経ても変わらない。だからこそ、大人になっても青春は始められるという示唆も含まれてるのかも知れない。作者・紅玉いづきの絵こそ下手くそですが「ピュア」をしっかり表現できてるマンガで割りと面白い。

『芸人交換日記~イエローハーツの物語~』全4巻のネタバレ感想。月刊ヤングマガジン(講談社)で連載してた漫画。作画は東直輝、原作は放送作家の鈴木おさむ。嫁がお笑い芸人・森三中の大島ナントカ。

芸人交換日記1巻/カンニング竹山
(1巻)
そんな鈴木おさむが原作を書いてるせいか、作中にカンニング竹山が登場。コネを使ってる感はハンパない。

面白くはない

で肝心の内容ですが面白くはない。キングコングの西野と南海キャンディーズの山里がクソミソにこけおろしてましたが、少なくとも言ってること自体は間違ってない。

30歳を超えた売れない芸人コンビという設定なので、おそらく実際にこんな連中は世の中にあふれてる。ちなみにイエローハーツというタイトルは、漫画の中に出てくる芸人のコンビ名。

実際に放送現場で働いてる鈴木おさむが原作を考えてるので、またカンニング竹山もリアルに登場してることからも、読者としてはそこらへんのリアリティーを期待しがち。ただ陳腐で大げさな展開が目立つ。

例えば、主人公たち二人の過去。昔深夜のコント番組のレギュラーになって一度売れかけるものの、その番組がゴールデンに進出した時にイエローハーツだけ降ろされる。それにキレてテレビ局内でプロデューサー相手などに大暴れした…という過去を持ってる。

でも、これはない。せめて過去にこんなお笑い芸人がいたんならまだしも、さすがに中学生レベルの発想。

踏み込み不足のウラ事情

またそれっぽい芸能界のウラ事情的なことも一応書かれてはいますが、どれも踏み込み不足。正直素人でも何となく想像がつくレベルの範疇の記述しかない。だから「暴露系」として読むと間違いなく失敗する。

芸人交換日記1巻/日記
(1巻)
ストーリーも笑わせたいのか泣かせたいのかどっちつかずでピリッとしない。肝心の『交換日記』の部分も漫画の核としては弱すぎる。

普段お互いが日記を交換して、それが漫才のネタになるという設定。この発想自体は悪くないんですが、「日記のどんな内容がネタとして昇華されてるか」という部分が一切見えてこない。だから読んでても「おーッ!」とならない。考えてみると絵やコマとしてどう表現するのか、なかなか難しい設定ではありますが。

総合評価

肝心の「交換日記」という設定がしっかり活かせてたら全部丸く収まったんですが、内容的にはすごく薄っぺらい。

まだヤングジャンプで不定期連載してる芸人漫画『べしゃり暮らし』の方が、よっぽどゲスくてリアルな内容が書かれてて面白い。例えば楽屋で他の芸人の私物を盗んだりサインをネトオクで売ったり、結構リアルな描写で「おいおいそんなん描いて大丈夫?」と思わず心配になるほど。

キャラクターが漫画の中で始める漫才のネタの質も低くて、鈴木おさむの「一流放送作家らしさ」を終始垣間見ることができないのが残念。「本当にテレビの制作現場で働いてんの?」って感じ。もし才能がある一流放送作家が書いた、という言葉にダマされて期待して読むと失敗する。

芸人交換日記(1)
鈴木おさむ
講談社
2013-04-05

◯展開★2◯テンポ★3
◯キャラ★2◯画力★3.5
◯全巻大人買い★2
◯おすすめ度…65点!!!!

『とんぬらさん』全9巻のネタバレ感想をレビュー。作者はセレビィ量産型。掲載誌はコミックレックス。出版社は一迅社。ジャンルは青年コミックの動物ギャグ漫画。既に完結してますが、全巻まとめて面白いかつまらないか考察してみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は、とんぬらという猫。何故か、べらべら人語を話せる不思議な猫。そのとんぬらが、ある日、一之瀬雛乃・市乃・五月乃という三姉妹の家に転がり込んできたところからストーリーは始まります。

とんぬらは生意気で不遜。そして、ちょっぴりスケベ。三姉妹と一匹の猫によるドタバタコメディー+ちょいセクシーな内容になってます。


とんぬらさんは憎めない

とにかく、とんぬらさんは「お前は王侯貴族か!」というぐらいに態度が大きい。ものすごくナマイキで不遜。ただ一方ではムダに振る舞いは紳士的で丁寧な口調。そのギャップ感が面白くて憎めないキャラに仕上がってる。

序盤のストーリーはとんぬらさんを三姉妹が拾ってきて、母親・京乃に対して飼いたいと主張する。ただ母・京乃は反対。そこでとんぬらさんが交換条件で持ちかけたのが「自分のお腹を触る」権利。この時の態度がムダに腹がたつ。

とんぬらさん1巻/撫でないのか?

どうした?なでないのか?
上から目線のセリフは言うまでもなく、このポーズがまず物事を頼む態度ではない。そもそも交換条件で成立するような内容なのかと思いきや、あまりの柔らかさに母・京乃はメロメロ。結果とんぬらさんを飼ってもオッケーになる。この時の微妙にニッコリしてる、とんぬらさんの表情が腹立つ。

次女・市乃の女担任はネコが苦手。それに対してもとんぬらさんは…
とんぬらさん2巻/エスコート
安心するがいい、私が優しくエスコートしてやろう
エスコートされても嫌いなもんは嫌いなままやろ。ただ女性的には「優しくされたらなんでもオッケー」的なところがなくはない気がしますが。

基本的に全部上から目線。これを人間のキャラクターでやってしまうと好き嫌いはかなり分かれそうですが、ネコという設定で行ってるので嫌悪感は懐きにくい。結果成立してる笑い。

個人的に一番イラッと来たのが…
とんぬらさん1巻/肉球を触る権利を与えてやろう
肉球を触る権利をやろう」というセリフ。戦国時代の武将が「どこどこの土地の権利をやろう」的な雰囲気のセリフ。ただ実際めちゃめちゃ柔らく、これに触れてしまうとエライことになる。


驚異の肉球パワー!

とんぬらさん1巻/肉球
例えば次女・市乃が触ると思わずアヘアヘ状態。当然少し触れただけでこんな状態なので、その肉球で身体を全身洗ったりされるともうヤヴァイ。その画像は敢えて省略。

ちなみに猫と犬の肉球は微妙に違うらしい。猫は完全なすべすべ。犬はザラザラしてる。理由は犬の祖先であるオオカミが雪上で暮らしていたから、その名残が今日まで残っているそう。


紳士になにかエロい!

だから女の子たちのリアクションもちょいちょいおかしい。とんぬらさんをモフモフしちゃうときは、何故か常にラタイ演出。

市乃が風邪を引いた時は、自分の尻尾を冷えピタ代わりに使うとんぬらさん。
とんぬらさん4巻/1
でも何故かビクビク感じてしまう市乃。ただとんぬらさんに他意はない。あくまで紳士的な行動を取ってるだけにも関わらず、周りの女の子たちは何故か感じてしまう。とんぬらさんの「女泣かせな部分」ゆえ。

とんぬらさん9巻/1
この画像の場コタツの中で何をしてるんやっていうモゾモゾ。僕ちゃんピュアだから理由はわかりませんが、変態という名の紳士な笑いは女の子でもギリギリ許容範囲な下ネタかも。むしろ「動物あるあるネタ」を大げさにした感じがあるのかも。バター犬ではないけども。スカートに頭を突っ込んでペロペロしたり直接行動に出ることもありますが。


総合評価・評判・口コミ


『とんぬらさん』のネタバレ感想をまとめると、そこまで面白くないってことはありません。ただ後半の展開はやや失速気味。最終巻で作者もいろいろと回想してますが、とんぬらさんというキャラを活かしきれたとは言いがたいかも。

ちなみに、とんぬらさんには他に6人の生き別れた兄弟がいる。これも軒並み不遜。
とんぬらさん2巻/ナポレオン・デュークデュラル
華麗に馬を乗りこなしたり、お前はナポレオン・ボナパルトか!

ただ「7人兄弟だから何なんだ?」という話。かえって設定としての広がり・可能性を感じず、苦し紛れの悪手を選択した印象。同じようなキャラクターを何人(何匹)も登場させても、軸となる主人公・とんぬらのキャラが薄まるだけ。せめて全く異なる性格の大人しいネコだったらいざ知らず、全体的にウザさが増しただけ。