バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『魔人探偵脳噛ネウロ』全23巻のネタバレ感想をレビュー。作者は松井優征。掲載誌は少年ジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックのバトル漫画。今現在少年ジャンプで『暗殺教室』を連載してる作者。内容的にはややグロめ。


あらすじ物語・ストーリー内容

脳噛ネウロ17巻
(17巻)
主人公は魔界からやってきたドSな悪魔・ネウロ。ネウロが人間界で生まれた謎を貪り食らうというストーリー。その謎というのが、主に殺人事件の「犯人は誰か?」ということ。つまり推理要素も含まれているマンガ。

画像はテラというナルシスト。シックスという大ボスの一味。ネウロに負けそうになって自爆しようとするんですが、悪魔的な道具を使ってすぐには死なせない。そして、その時に苦痛にゆがむ自分の表情を無理やり見せてから逝かせるという仕打ちをしてる場面。まさにドSなネウロ。ちなみにネウロは悪魔なのな色んな仕打ち道具がある。

脳噛ネウロ12巻
(12巻)
序盤はオムニバス展開。見た目は普通の人間だった犯人たちが画像のように変貌。その中身がいちいちダジャレが利いててデザイン性にも富んでる。これがいわゆる「謎に毒されてる」状態。そしてネウロが金田一少年よろしく犯人をビシッと指摘してボコボコにした後、謎を吸いとってチャンチャンという終わり方。

ミステリー要素もありつつバトル要素もありつつという、まさに少年ジャンプ的な内容。


ヤコの成長ストーリー?

 脳噛ネウロ14巻/シックス
(14巻)
前述の『シックス』はこんな感じの風貌をした人間。ただコイツは「悪の定向進化」の究極系。定向進化とは、特別な能力だけ進化させ続けること。例えば、足が速い馬はそれだけを特化して進化し続けた。シックスの場合はそれが「犯罪」。両親の命の奪うのは当然で、悪い行為をやり続けて繁栄した人間一族の頂点。後半はシックスとネウロが対峙する。

ネウロからしてみると、シックスは意味もなくたちまちに人間を消してしまう。謎は人間が苦悩して葛藤するからこそ発生する。だから人間がこの世にいなくなれば「謎」も死に絶える。それがネウロには許せない。

だから人間には混沌な部分があるからこそ人間。だから人間は成長もできる。そういう哲学的な思想が根幹にあったりする漫画。つまり「成長ドラマ」的な要素も強い。作者の松井優征も最終23巻で述べてますが、悪魔ネウロが相棒の女子高生ヤコの成長を見守る的なことを終始意識して描いてたそう。ちなみに二人は序盤で探偵事務所を設立してる。

例えば6巻。ネウロは自立を促すためヤコ単独に事件の解決を託すものの、結果的にヤコは再び助けられる。そこでネウロはこんな発言をしてる。
 脳噛ネウロ6巻
(6巻)
貴様の日付は、いつになったら変わるのだ?

要するに、この日付とは一人前と半人前の境界線みたいなもん。ヤコは女子高生だから年齢的にはほぼ大人に近い。いつまでも子供だと自分を思ってたらダメだよという叱責であり応援。穏やかな表現の中にも厳しさが見て取れる。

一見派手派手しいバトルやネウロの強烈なキャラクター性に目が行きがちな漫画ですが、現在の『暗殺教室』に通じるものがこの時からある。思春期の読者が多いこともあり、そういう層に向けられた戒めであったり応援であったりというもの。努力をして成長していく様は、ジャンプのイデオロギーにも通じるものもある。


ストーリーの構成力

脳噛ネウロ23巻/あとがき3
(23巻)
ストーリー的にはよくまとまってた方かな。23巻のあとがきを読むと、もともと最初はどこで終わってもいいように1・2・3・7・10巻用の漠然としたストーリープランを考えてたそう。結果、人気が出たので最長の20巻分用のプランになったみたい。正直こんなこと簡単には出来ない。商品として成立した作品を作りたかったらしく、とにかく「終わらせ方」をかなり意識しながらネウロを描いてた模様。

だからオチも上手くてキレイにまとまってた。ネウロとしては人間界の謎を食いたい。ただ魔界に居続けないと、体力が激減して死にそうになる。じゃあ魔界に戻ればいいじゃんって話なんですが、人間界と魔界とでは時間軸が異なる。つまりヤコのいる日本に戻ってこれない可能性が高くなる。それまで毅然としてたネウロが初めて見せた人間らしい一面に、思わずウルっとさせられる。

そして魔界に戻ったネウロ。もう戻ってこないのかーという雰囲気を漂わせるだけ漂わせて、最後にバツンと人間界に戻ってきたネウロで締める。今後も続きそうな期待感・ワクワク感を持たせてくれて、本当に読後感が良い終わり方。

ファンが名残惜しむ気持ちは分からなくもなかった。ネット上ではもっとダラダラ続けて欲しいという意見が散見してた。でも個人的にはシックスというボスを倒した以上、これ以上はダラダラ続けようがなかったとは思う。


画力はいまいちですが…

でも難点を上げるとしたら、画力。自分が初めてネウロを読んだのは、15巻16巻のDRとの一戦。久しぶりに少年ジャンプを読んだというのもあってか、ネウロの第一印象が「ヘッタクソだなー」というのが正直な感想。絵柄の古臭さも相まってか、ジャンプも落ちぶれたなー…とすら感じた。

ただ改めて読みなおしてみると、見せ方が上手くて工夫されてる。例えば1巻だとハッキングする描写であれば、パソコンの中に腕をツッコんで警告画面を握りつぶして、セキュリティーを解除する様子を視覚的に表現してみたり、ネウロが天井からぶら下がったりしてる時の構図であったり。

脳噛ネウロ21巻/目次タイトル
(21巻)
他にも目次タイトルも独特。基本的に漢字一文字に自由に当て字を振る。基本的にタイトルはチェックしませんが、「目が止まる」工夫がされてる。マンガ雑誌は「パラパラ」としか読まないので、一瞬で読者の目を留めさせる工夫は肝要。こういうアプローチからも可能という発見。

ラストの最終回はこんな結末

『魔人探偵脳噛ネウロ』のオチは、最後に主人公・ネウロとシックスとステルス戦闘機の上で戦う。シックスは人間のくせにやたらめったらと強い。

そこでネウロは自分の命を賭して、絶対無敵の兵器を召喚。シックスの脳みそに直接魔力を送り込むことで、見事に撃破。この時のシックスの倒され方がステルス戦闘機を活かした大胆な描写でワロタ。瀕死のネウロは桂木弥子に別れを告げずに、そのまま消失。

そして3年後。桂木弥子が19歳。既に立派に探偵として活躍していた。でもいつも心の中にあるのがネウの存在。果たしてネウロは再び現代に戻ってくるのか?戻ってこないのか?という場面でラストは…という終わり方。いわゆる「私達・俺達の物語はまだまだ続くぜ」的な最終話で、読後感としては悪くありません。


総合評価・評判・口コミ


『魔人探偵脳噛ネウロ』のネタバレ感想をまとめると、絵柄にクセがあって最初は敬遠してたものの、いざ読み始めると意外と面白い。

ただ個人的にイマイチだと評価が低めなのは、あまりに主人公・ネウロが強すぎるという点。『暗殺教室』にも通じる点ですが、バトル展開でも展開が尻窄み。個人的には「どうせ勝つんだろ…」という冷めた見方をしてしまう。見せ場という点では強かったような弱かったような。

とりあえず確固としたイデオロギーを持った作者だということが伝わる作品。明確な狙いを持って描かれてるので、読者としてはすごく読みやすい。そして今現在連載してる『暗殺教室』も今後どうやって終わらせてくれるのか期待を持たせてくれる漫画ではある。

『石黒正数短篇集 Present for me』のネタバレ感想をレビュー。作者は石黒正数。掲載誌はコミックフラッパー。出版社は角川書店。


石黒正数の初期作品を収録

このマンガは石黒正数の初期に発表された読み切り作品を集めたもの。どれぐらい初期かと言えば、最古の作品だと2000年。Wikipediaを読むと石黒正数の連載デビューは2004年だそうだからそれよりも以前の作品も収録。

2000年の作品「ヒーロー」は、作者が大学生だった頃に書かれた作品。つまりほぼ素人だった時代の作品も収録されてる。言っちゃえば、漫画家からすると恥部。何故なら、それぐらい実力が未熟だった時に描かれたマンガだから。森薫の初期作品『シャーリー』もなかなかヒドかった。


一話一話のクオリティーは高い

じゃあ、石黒正数が昔どれぐらいの実力がヒドかったと言えば、実はそんなに低くない。むしろちゃんとオチもあって、起承転結がしっかりしてる。同じく短編集の『探偵奇譚』や『ポジティブ先生』でも言えるが、まさに読み切り短編マンガのお手本が詰まってる。

例えば、この短編集と同タイトルの「Present for me」という話。設定は、荒廃した未来の地球。そこで少女が朽ち果てたロボットを発見する。ただAIだけは生きてるので、少女と連携してロボットの体を直す。そして体が動くようになると、最後のバッテリーを振り絞ってロボットを何をしたか。

プレゼントフォーミー・サンタネタ1
少女にプレゼントを渡す。実はこの「ロボットがサンタ」だったというオチ。

プレゼントフォーミー・サンタネタ2布石
伏線もシレッと載せてて、それがトナカイの存在。場所が砂漠だったのでラクダが登場するかと思いきや何故かトナカイ。つまりここは元々雪国だった場所。

このオチも意味深。少女はずっと孤独に過ごしてたせいか、最後は友達が欲しいとロボットサンタにお願いしてた。あれ?でも最後にロボットが渡したのは、単なる箱。実はその箱にロボットを起動させるバッテリーが入ってた。

作者の石黒正数的には、「友達は自分で造る(作る)もの」という意味を込めたらしい。一瞬しんみりさせておきながら、最後の最後でしっかりホッコリさせるという小憎たらしさ。この話ではロボットしか話さない演出も悪くない。20ページちょっとのボリュームにドラマが詰まってて、ストーリーの構成力の高さが伺える。

2000年に始めて掲載された「ヒーロー」のオチも、結構良かった。悪の組織が解体して、世間に必要とされなくなった高校生ヒーローの話。悪の怪人は転職活動するは、いきなり自分は現実的な進路を迫られるは、主人公はもがき苦しむ。

ただこのままギャグチックに終わるかと思いきや、最後は何故かキュンキュンするような恋愛オチ。石黒正数の才能の片鱗を感じさせる。


一つのアイデアで展開させる力がすごい

ただ基本的にはギャグテイストな読み切りが多い。

例えば、「泰造のヘルメット」。オートバイのヘルメットを購入した女ライダーの話。
プレゼントフォーミー・ヘルメットネタ1
ただそのヘルメットが何故か観音開き。見ず知らずの通行人に馬鹿にされるはで、ブチ切れてそれを販売した店に乗り込む女ライダー。そして店主と一悶着。

プレゼントフォーミー・ヘルメットネタ2
でも、そこから店主が開発した色んなヘルメットがお披露目。画像のヘルメットだとパカっと開く部分に、被った人間の感情を表示させる機能が付いてる。この一つのアイデアを元に、どんどん展開していくギャグ漫画は個人的に好き。作者の実力も簡単に推し量れる。

最終的にパラシュートが飛び出るヘルメットを、店主自身がそれを被って体を張って実演。
プレゼントフォーミー・ヘルメットネタ3
ただ首がヤバイ状態。スッポンみたくなってる。ちなみにドラえもんのタケコプターも、リアルで作ろうとすると首がもげるんだとか。人間の体を浮かすほどの揚力を発生させるには、相当なエネルギーが必要らしい。

他だと、「ススメサイキック少年団」も良かった。超能力を開発された子供たちの話。ただ極秘の研究施設が事故にあって、自分たちだけが生き残る。コイツらの超能力がムダ過ぎて、全く役に立たない。ケンカしては仲直りを繰り返すクダリが、なかなかバカバカしい。

プレゼントフォーミー・超能力ネタ2
最後は島の近くを航行する巨大船を発見。今まで試したことがないテレパシーを使う。でもこの「助けてくれ」の「れ」の瞬間、その巨大船が大爆発。最後の最後まで役立たず。むしろ仲違いしてた割に、どんだけ相性ピッタシやねんという。

「なげなわマン」もオチは読めたが、それなりに。魔法少女ネタの「バーバラ」も、ありそうでない展開で悪くない。ややオチが弱かったが、釣られてこの魔法少女を少しカワイイと思った自分を殴りたい。やっぱりブスはブスや。


総合評価 評判 口コミ


短編集「Present for me」の感想をまとめると、一話完結の読み切りのクオリティーが高い。キャラクターや絵柄の地味さなどを除けば、石黒正数の実力の高さが伺えます。『探偵奇譚』や『ポジティブ先生』もそうですが、意外とプロの漫画家ほどパクりたくなるんじゃないかなーと思わせる出来栄え。

『それでも町は廻っている』などギャグ漫画家としてのイメージが強いですが、実はシリアスなマンガを描いた方が売れそう。ただ絵柄的にシリアスものは厳しい可能性もあるので、『外天楼』のレビューでも言及したかも知れないですが、石黒正数は原作者として活動した方が売れそう。

『テルマエ・ロマエ』全6巻のネタバレ感想。作者はヤマザキマリ。コミックビーム(エンターブレイン)で連載されてたSF歴史ギャグ漫画。阿部寛と上戸彩で実写映画化もされて話題に。ちなみに作者のヤマザキマリに対して原作料が100万円は少なくね?ということでも話題になった漫画。

あらすじ

主人公は古代ローマの浴場を設計する技師・ルシウス。ある日、浴場で寛いでいると溺れてしまう。ルシウスに命の危機が迫るものの気づくとそこは…
テルマエ・ロマエ1巻 ルシウス1
(1巻)
現代の日本の銭湯だった。タイムスリップのみならず場所も瞬間移動してる点にツッコミは不要w

テルマエ・ロマエ1巻 ルシウス2
(1巻)
銭湯の壁に描かれている富士山もイタリアのヴェスビオス火山と勘違い。確かに山の違いってほとんど分かりませんが、そもそも別に火山に驚く要素ないやん。世界中どこにだってあふれてるものなんだから。

当時の古代ローマは文明の最先端。ただ言うまでもなく現代文明の方が高度。だからルシウスはめちゃめちゃ驚愕する。古代ローマ人は自分たちの技術の高さを自負してる分だけ驚きにリアリティーがあって面白い。

そして再び古代ローマへ戻ったルシウスは現代文明の技術を取り入れた浴場を設計するんですが、その取り入れ方が絶妙に間違ってて笑いを誘うというマンガ。

タイムスリップした場所がヤバイ

その後は日本の温泉や一般家庭のお風呂にも、シリウスは色々タイムスリップしてくる。でも、ちょいちょいヤバイ。そもそも他人が風呂を入ってる最中に飛び出てくる自体がヤバイですが。お前はドラえもんののび太か!っていう。

テルマエ・ロマエ4巻 足湯
(4巻)
例えば、足湯。全身浸かってるときの表情がムダに凛々しすぎ。むしろお前の入浴法が間違ってるわい!的な勢いや迫力。ただまだ足湯はマシな方。

テルマエ・ロマエ2巻 ウォータースライダー
(2巻)
ある時にはウォータースライダー。しかもタイミングよく可憐な女子がドーン!タイミングの良さ!打ちどころが悪かったら下手するとあの世逝き。

というか、もはや湯じゃねー!プールがオッケーなら、そこらへんの池でもいいやん!
テルマエ・ロマエ2巻 バナナワニ園
(2巻)
ということで、次はまさかのバナナワニ園。もはや生存競争をかけた戦いを強いられる。怖すぎておちおちタイムスリップとかできない。このノリでいけば動物園とかでもオッケー。もしシャチやサメを飼ってる水族館だったらもはや逃げ場がねー。

ローマ風にアレンジ

ルシウスは当然日本の文化は知らない。そもそも当時の日本は縄文人がウホウホ言ってた時代。むしろ日本人がローマの文化の多くを取り入れたかったぐらい。

だから日本文化をルシウスは簡単にローマ風にアレンジしちゃう。
テルマエ・ロマエ1巻 浴衣の着こなし
(1巻)
例えば浴衣の着方が肩にかける感じ。ただ、これはこれでアリっちゃアリ。むしろ自然なぐらいで指摘されないと気付かない読者さんもいそう。

テルマエ・ロマエ3巻1
(3巻)
他にも温泉街の射的ゲームで手に入れた景品のヌイグルミを、ローマに戻ったら何故か「神」のように崇め奉る。ローマ風にアレンジとはやや違うかも知れませんが、そもそもヌイグルミかなり湿気るやん?1ヶ月2ヶ月もしないうちに原型を留めてないのは容易に想像がつきそう。考えてみるとローマ時代には合成繊維なんてないから分からないのも当然ですが。

テルマエ・ロマエ2巻 ラムネに指が抜けない
(2巻)
当然それぐらい日本文化に無知なので、ラムネソーダの瓶に指を突っ込んでしまう。中のビー玉を取ろうとしたんでしょうが見事に失敗。こそこそ隠れて困惑する姿が愛おしすぎる。さすが古代ローマ人でも「あ?なんか恥ずかしいことしてしまった」的なことは分かるんでしょうね。

総合評価

序盤はこういう小ネタなどで笑わせてくれたんですが、4巻以降はネタ切れだったのか、『テルマエ・ロマエ』の後半からは小達さつきという日本の女子大生との恋愛ストーリーが始まる。「もはや湯とか風呂とか関係なくなっちゃった」とまでは言いませんが、やや方向性が変わってくる。

別に笑える部分もあるので問題はないんでしょうが、この秀逸な設定を使いこなせたとまで言えるかはやや微妙。でも実写映画化のおかげがやはり人気マンガということで、月刊コミックビームではテルマエ・ロマエの続編が始まったとかないとか。

テルマエ・ロマエ2巻 コミック表紙
(2巻)
ちなみにコミックスの表紙が毎回古代ローマ像にふざけた格好をさせてて笑う。ただ肌色率(彫刻に肌色という表現も不自然か)が高めなので、一応Amazonは文字リンクだけにしときました。


◯展開★4◯テンポ★3
◯キャラ★3.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★3.5
◆84点!!!!

『ママはテンパリスト』全4巻のネタバレ感想をレビュー。作者は東村アキコ。掲載誌はコーラス。出版社は集英社。ジャンルは少女コミックので子育て・育児漫画。何となく全巻まとめて面白いかつまらないか考察してみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

『ママはテンパリスト』はエッセイ漫画なので特にあらすじもないんですが、簡単に言うと作者・東村アキコが29歳の時に子供を産んで育児に奮闘するという話。何事も初めての経験ばかりでテンパりまくりということから、このタイトルがついたっぽい。

だから東村アキコの子供・悟空(通称ごっちゃん)がメインの描写になります。
ママはテンパリスト4巻 ごっちゃんの叫び
(4巻)
ちなみに初めてお灸を受けた時のリアクションが、何故か王様的な目線の絶叫。お前どこでその言葉を覚えてん?という、幼児にありがちなネタが見事に凝縮されてるコマ。いちいちリアクションが突拍子もなくて面白い子供。


ごっちゃんというダンディズム

そのごっちゃんなんですが、実はムダに中身がイケメン。イタズラ好きでいつも母親の東村アキコを困らせてるんですが、それを自嘲的に東村アキコをフォロー。でもその時のセリフがムダにイケメン。

ママはテンパリスト4巻 ダンディーなごっちゃん
(4巻)
ママ…わるいこうんじゃったね!ごっちゃんってなまえの…わるいこうんじゃったね!
頬杖ポーズがムダに様になりすぎ。ちなみに親バカの東村アキコ的には、ごっちゃんをキムタクを重ね合わせて見てることが多め。

実際にごっちゃんは悪い子。
ママはテンパリスト1巻 ごっちゃん1
(1巻)
赤ちゃん時代にはトイレのタンクをザーザーに溢れさせてまさかの滝修行。全く微動だにせず慌てふためかない様たるや山のごとし!

ママはテンパリスト1巻 ごっちゃん2
(1巻)
かと思ったら、東村アキコのチチを飛びかかる様は風のごとし!さすがに赤ちゃんはこんな俊敏に動くとは思えませんが、まさにちょっとしたエイリアン。

ママはテンパリスト2巻 ごっちゃんの踊り
(2巻)
ただ基本的には可愛らしい幼児。意味不明なオリジナルダンスをよく踊る。画像では一応服を着てますが、ちょいちょい全部脱ぐ。ちっちゃなサクランボがポロリんちょしてることも多々。何故ちっちゃい子供はマッパ族になりたがるのか。

おそらく現在ごっちゃんの年齢は10歳前後だと思われますが、どんな感情でこのマンガを読むんでしょうか?自分だったら恥ずかしすぎて親を軽く恨むw


東村アキコ的叱り方

いくら可愛らしい言動が目立つごっちゃんとはいえ、あまりに言うことをきいてくれない。特に母親ということもあってナメられる。そこで東村アキコが取った手法が「鬼」。ありがちな方法論ではありますが、得体の知れない存在を持ち出してくることで幼児の恐怖感を煽る。

ママはテンパリスト2巻 だます東村アキコ
(2巻)
これが見事に成功。この時の東村アキコの表情が、まさに鬼そのもの。

考えてみると、幼児はこの世に生まれてたった数年。世の中や現実のことを「何も知らない」といってもいい存在。鬼の存在を否定するだけの知識も経験もない。小さい子供がブルブル震える姿は可愛らしくて愛おしくて滑稽で、まさに子育ての醍醐味。他人の子供にこんなことするわけにはいかないですからね。

それでも、どうでもいい言動を繰り返されるとイライラが止まらなくなる東村アキコ。そこでの最終手段が…
ママはテンパリスト2巻 ケツを噛む東村アキコ
(2巻)
まさかのケツを噛む!暴力に訴え出るという、何とも賛否両論ある行動。ただケツには生命に関わる重要な器官がないので、ここを攻撃するのは全然あり。日本に限らず、世界の先人たちは叱る時に子供のお尻を叩いた。実はかなり理が叶ってる叱り方。

そして、ごっちゃんはあまりに痛すぎて思考回路がおかしくなったのか、はたまた自責の念からかは分かりませんが、「もっと優しくかんでー!」と東村アキコに要求。確かに甘噛は気持ちいいもんですが、この年齢の幼児が知ってるとも思えないので、思わずクスっと来る。


総合評価・評判・口コミ


『ママはテンパリスト』のネタバレ感想をまとめると、育児経験のないオッサンでもごっちゃんのキャラクターが面白いので不思議と笑えました。育児マンガとしては異例の100万部を超えたコミックというのも頷けて、その実力が遺憾なく発揮されてる内容。

ただ東村アキコ的にはネット上の育児論争に巻き込まれたくないから、基本的には「ごっちゃんメイン」の描写に終始してるんですが、社会に対する不満もちらほら。
ママはテンパリスト1巻 おむつに対する不満
(1巻)
例えば、おむつは案外近場で売ってないらしい(都会限定?)。個人的には意外な事実。最近は中国人観光客が買い占めた…という話もありますが、実は昔からある傾向っぽい。

こういう部分も過去に育児を経験された方や現在バリバリ育児の真っ最中の方にも良いルサンチマン(不満解消)になりえて、またこれから育児を始めるママさんに役立つ情報もありそう。ちなみに旧ブログからの丸々移転した記事ではなく、改めて一から書き直しました。誰かホメて( ;∀;)

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★5◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…87点!!!!

『ソラニン』全2巻のネタバレ感想。作者は浅野いにお。ヤングサンデー(小学館)に連載されていた青春漫画。

あらすじ

主人公は種田成男。デザイン会社でフリーターとして働きつつ、ダラダラと目的意識もなくバンド活動を続けてた。一方、同棲してる彼女・井上芽衣子は社会人として働きつつも、現状のモヤモヤとした不安や焦燥感から将来を悲観してた。

そこである日、自分自身に対するイライラと重なって、目的もなく生きている種田成男に対して苛立ちをぶつける。実は二人は大学時代に出会ったキッカケは、まさに音楽だった。そこでくすぶってる種田を見るのは嫌だった。
ソラニン1巻 種田成男と井上芽衣子1
種田、本当は音楽をやりたいんじゃないの?

ソラニン1巻 種田成男と井上芽衣子2
でも種田は自分の才能にどこか限界を悟ってて、正当な評価を受けるのが内心怖かった。だからずっとグズグズと次の展開へ踏み出すことができなかった。ただ彼女・井上芽衣子の一喝で再びバンドマンという夢に突き進む。

そしてチャンスを一度掴むものの、アイドルのバックバンドとしてのデビューだった。一瞬悩む種田だったが、井上芽衣子が断固として拒否。
ソラニン1巻 現実にぶつかる種田
現実という壁に大きくぶつかる。かつて大好きだったバンドマンは普通のサラリーマンとして働いてて、その元バンドマンに「もっと現実を見ろ」と諭される。最終的に種田が選んだ道は、死。

まとめるなら、大きな夢は持ってるもののそれが十中八九挫折することが内心薄々気付いてるので、自分の才能の無さを知りたくない若者は本気で頑張ることはしない。でもいざ奮起して頑張ったものの、やっぱり自分の実力の無さをまざまざと見せつけられて、現実という壁の高さに打ちのめされて、最終的には死を選んじゃったストーリー。

最終的に同じオチや結末を選ぶ若者こそ少ないと思いますが、漫画家志望者でも実際こんな若者が大勢いるんではないでしょうか?だからこそ、もしかしたら共感を覚えた読者さんも多かったのかも知れません。

ストーリーはまとまってる

2巻というボリュームサイズですが一応ストーリーはこの中で完結してる。「夢は決して叶わなくても、ただそこに向かって走ってるだけで素敵やん」的な終わり方。若者のグズグズした心理描写を描くのも上手い。全巻大人買いの評価としては★4に採点してみた。

大人が忘れがちな「それ」というテーマは、どうしてもフワッとしすぎで難しいといえば難しいですが、個人的に特に感動も共感も覚えることはなかったですが、作者の目的や狙いは多分きっちり表現はできてそう。キャラに共感できる読者だったら、読後感はそんなにモヤモヤしないはず。

ただ強いて言うなら、キャラクターの視点があっちこっちと総花的に描いてるので、作品としてのインパクトは弱かった印象。最初は種田が主人公だと思ってたら、最終的には彼女の井上に移るわけですが、結果として誰に共感を覚えたらいいのか分からなかった。キャラクターという点ではやや弱め。そもそも種田が死を選ぶ理由も不明すぎて、5・6巻分ぐらいじっくり消費させても良かったのかなーと思います。

総合評価

とりあえず井上芽衣子という女がメンドクセー。種田をけしかけるだけけしかけておいて、種田の夢実現のハードルをどんどん高く上げていく。どう考えたって叶わない。そしてラストはしれっと「私夢に生きていくわよ!」という終わり方。一体コイツは何なんだと!

種田の死は井上芽衣子のフリに使われてるだけなので、ただただ種田が悲惨。ソラニンというのは「放置したジャガイモに生えくる芽が持つ神経毒」という意味らしい。まさにソラニンみたいな女。井上芽衣子に依存した結果、最終的に神経をやられて種田は…。

ちなみに、2013年秋ごろに旧ブログで『ソラニン』のレビューになります。ただけちょんけちょんに書きすぎてお叱りのコメントも頂いたので、今回は怒られない程度に大人しめに書いてみた。

どんなことを書いたかといえば、「青春マンガを読む読者もアホ」という内容。読者は関係ないだろという反論。確かにグヌヌ。現在では、その発言は前言撤回済み。ソラニン以降は青春マンガをたくさん読み増したので、それなりに面白い漫画も多いと気付いた。

ただやはり思うのは「青春マンガを熱さがあってナンボ」ということ。小手先の技術や周りくどい伏線などじゃなくて、シンプルなメッセージ性やキャラクターの心の叫びや葛藤が醍醐味だと思う。あまりシャレオツに斜に構えてる感じは評価としては低くせざるを得ないのかなーと。それがソラニンの採点にも反映させてます。

ちなみに旧ブログからの丸々移転ではなく、一から全部書きました。





◯展開★3◯テンポ★3.5
◯キャラ★3◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…77点!!!!

『ハガレン研究所DX』のネタバレ感想。作者は荒川弘。いわゆる『鋼の錬金術師』の公式ガイドブック。2004年発売の本らしいので単行本にしてみるとおよそ10巻目前後。だから序盤っちゃ序盤のほうで発売されたっぽい。

ガイドブック定番ネタ

公式ガイドブックということで定番ネタが基本的にはベースとしてあります。

ハガレン研究所DX 人気ランキング
例えば人気ランキング。月刊少年ガンガン誌上で募集した内容ですが、ランキングの中身を見てもド定番な順位。ただ載せてるのは二回目の人気投票ということで、ロイ・マスタングは前回に続いての2位だったそう。1位は文句なくあのキャラ。蓮舫的には「2位じゃダメなんでしょうか?」。

意外だったのは3位のリザ・ホークアイ中尉。一回目の人気投票では5位だったらしいですが、ロイ・マスタングの相棒という位置づけで人気も引き上げられたと予想。キャラクター作りでは「誰かとセットで」という売り込み方が効果的という裏付け。

ハガレン研究所DX 読者投稿
他にも読者投稿。2位だったマスタング大佐のファンの女の子が描いてるんですが、雨の日の無能っぷりを延々と語ってる。好きなのか嫌いなのかよく分からない。ただ女子的には男子の弱みにキュンキュン来るのかも。

スカーいじりがヒドい

他にも作者・荒川弘が読者の疑問に答えたり、月刊少年ガンガンで掲載したスピンオフ4コママンガが掲載されてたりするんですが、少数ページながらも描き下ろしマンガも載ってる。

「もしもあのキャラがこんなだったら?」というのがテーマで描かれてるんですが、とにかく荒川弘の悪ノリがヒドい。特にスカー。

ハガレン研究所DX スカーいじり2
スカーが携帯電話を買うんですが、まさか一人も友達がいない。絶対鳴らへんの分かってるのに、正座で鳴るのを待ってる光景が切ない。ちなみにこの直後に電話がかかってくるんですが、その相手もなんだかなーというオチ。しかも着メロがターミネーター。ぴったり合いすぎ!

ハガレン研究所DX スカーいじり3
主人公のエドがおトイレをしてる最中、そこへまさかの遭遇をするスカー。ただ放出してる最中だから、お互いすぐには対応できない。この絶妙な間が何とも言えない。

そしてこのまま何事もなく終わるのかな―と思ってたら…
ハガレン研究所DX スカーいじり4
放出し終わるとソッコー襲いかかるスカー!ただ手を洗えばいい問題なのかという素朴な疑問。雑菌程度だったら既に一瞬で分解してそうなぐらい、スカーは手練っぽい感じもしますが。そもそも荒川弘はオンナだから分からないんだと思いますが、常にブツを持ってないと放出できないわけでないんですけどねw

ハガレン研究所DX スカーいじり1
そしてスカーは荒川弘のアシスタントにもイジられる。確かにここまで大きい傷跡のカサブタだと痒みで夜もきっと眠れない。ただ傷が深そうだからガバっと剥いてしまうと大量に血が出そうで心配。このあとお師匠にベロっとめくられます。

ハガレン研究所DX イズミのラブコメ
他にもラブコメだったらという設定では、エドの師匠・イズミが登場。でも片手で巨大なクマを担いで走ってくる。食パン的なノリか!クマをどんな目的でどこへ一体運ぶ気だったんだと…。

総合評価

基本的に公式ガイドブック(公式ファンブック)については、あまり改めて評価する点も少ないんですが、何故なら本としての構成は常に定番化しちゃうから、後半の描き下ろしマンガが面白かったので旧ブログではレビューした気がします。ちなみに全て一から新たに書きました…ふぅ~。

ハガレン研究所DX
荒川 弘
スクウェア・エニックス
2004-09-30

◯展開★―◯テンポ★―
◯キャラ★―◯画力★―
◯おすすめ度…80点!!!!

『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』のネタバレ感想。作者は御手洗直子。pixivで連載してたウェブ漫画。ちなみにウィングスという出版社がコミック化したもよう。

あらすじ

内容は簡単に言うと、作者・御手洗直子が婚活サイトで現在の旦那さんと結婚するまでの過程が描かれてる。

タイトルにもありますが、作者の御手洗直子はBL漫画家。仕事として割りきってBL漫画を描いてるかと思いきや、ゴリゴリのBL好き。趣味を仕事にしちゃいましたという漫画家さん。

31歳BL漫画家の婚活 ホモ音頭
だから自身のTwitterでは壮絶的に気持ち悪いツイートを平気でしちゃう。おそらく日本の伝統文化にこんな陽気な伝統舞踊はないはず。特に仕事で切羽詰まると禁断症状が現れる模様。きっと性的不満な解消をするということではないはずですから、ちょっと男子的には理解不能(笑)

痛すぎる婚活者たち

このマンガのメインテーマとしては、「御手洗直子という一人のアラサー女子が何故結婚できないか?」について自虐的に悩む内容ではなく、婚活サイトに登録してる「痛すぎる婚活者たちを紹介」するような内容。

31歳BL漫画家の婚活 自称キング
例えば自称キングを名乗る謎の男性が登録してたりする。毎回会うたびにハイタッチしてきそうな雰囲気。でも武井壮が百獣の王を自称してたりするのを見ると、これはこれで完全にナシとまでは言えないのかもと思ったり。

31歳BL漫画家の婚活 身の程知らず2
完全な無職という方もいる。しかも正々堂々と「家事をやらせてもらいます!」宣言。ましてや既にバツ2。思わず御手洗直子も「働けや!」というツッコミ。ただ個人的にはこのオッサンは嫌いになれない。むしろ好きにしかなれない。

他にも明らかに肥満体型のくせに女性に対して容姿端麗を求める男性がいたり、逆に明らかに全てにおいて平凡レベルのくせに若くて年収が高い男性のみを求める女性もいたり、結構な大惨事。そりゃあ身の程知らずは結婚できねーよなーというオチ。

31歳BL漫画家の婚活 身の程知らず1
でも「何故婚活サイトに登録してるんだ!?」というぐらい、ハイソサエティーな面々も登録。会社経営でバリバリ海外を飛び回ってる女性だと、相手に年収2000万円以上を求める。でも婚活サイトに登録するより、普通に生活に送ってた方が出会えるんちゃうん?みたいな。作者の御手洗直子も思わず「一人でやっていけるやん」とツッコミ。

他には美術館をデザインしてるような大学教授とかも登録。あまりに経歴と職歴がすごすぎて、一般女性を逆に受け付けないオーラがハンパない。

年収1000万円超えの男は気をつけろ!

ただ理想高い系女子じゃなくても、やはり結婚する男性の年収が高いにこしたことはない。そこで御手洗直子が年収1000万円男子とデートする。

でもこれが見事に地雷。
31歳BL漫画家の婚活 年収1000万円超え男子1
いきなり出会った瞬間、元カノを「バカ女」呼ばわり。そもそも、元カレと別れた原因をいきなりズケズケ訊いてくるのもデリカシーがない。

他にもひどい会話があるんですが、御手洗直子の父親は公務員。それを聞いた年収1000万円男子は「公務員って給料安いですよねー」「でも頭の悪いおじさんもいて税金の無駄ですよねー」と、遠回しに父親批判。何がすごいのかというと、そこに悪意はない。

あまりにひどい会話が続いたので御手洗直子もキッパリ注意。
31歳BL漫画家の婚活 年収1000万円超え男子2
そしたら、まさか年収1000万円男子が動揺して震えだす。今までに誰かに注意されたことがなかったんでしょうか。メンタルが豆腐並。ただ生まれたての子鹿のようで、もはや愛おしい感情しか芽生えない。

その後も年収1000万円男子とデートを重ねるんですが、見事に問題児ばかり。敢えてその詳細は語りません。

総合評価

言っちゃえば「晒し」に近い内容なので、アプローチ的にはやや下品。作者の自虐も多いように少ないようなって感じで、既に婚活してる立場の読者はあまり良い気持ちはしないはず。作者はオタクを自負してても、いかにも見た目がオタク男子は毛嫌いしてますからね。

ただそれを考慮しても、キャラクターが濃い婚活者ばかりで笑える。本当にたくさんの職業の男性がいるので、男の俺が登録して出会いたいぐらい。世の中、色んなんがおるなーと。

また婚活サイトの雰囲気や仕組みも理解しやすいので、勇気が出ずに入会や登録するか迷ってる人には役に立つ。特に女性は不安だと思いますが、どういう流れで男性と知り合って出会うのか、またプロフィールを登録する際の注意点など勉強になると思います。

31歳BL漫画家の婚活 ダンナ
ちなみに作者・御手洗直子はBL耐性のあるオタク男子と見事にゴールイン。耐性ありすぎてるのか、HOMOアプリを嬉々として見せつけてくる。ただBLが好き=こういうことなのか?そもそもHOMOはカタカナで「ホモ」でええやん。

オチにかけては若干ノロケもあるので、婚活が上手くいってない方が読むと多少イラッと来るかも。


◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★3.5
◯おすすめ度…84点!!!!

『JA~女子によるアグリカルチャー~』全8巻のネタバレ感想。作画と原作は鳴見なる、アイデア協力は唐花見コウ。ヤングエース(角川書店)で連載してた農業マンガ。

ちょっと萌え系のジャンルも入ってて個人的には苦手な部類ですが、それでもキャラクターが立っててそこそこ面白かった。でもコマ割りや文字の大きさ含めて、全体的に読みやすくて空気感はゆるい。日常漫画にも近いんですがしっかり笑える部分があってオススメ。

あらすじ

主人公たちは野沢家という美少女四姉妹。東京から田舎の農村へ引っ越してきて農業にハマるというストーリー展開。

JA2巻/野沢ひなげし2
(2巻)
その中でも三女のひなげし12歳がメイン。ほのぼのした性格で、年齢が年齢だけにかなり語弊を海そうな言い方をしてしまいますが、「男読者が好きそうな女の子」という女の子。

キャラクターが個性的!

とにかく登場キャラクターの女の子たちがそれぞれ個性的で面白い。やはり主人公・ひなげしを含む四姉妹。

例えば、長女の社(やしろ)15歳は畑を耕すなど力仕事が得意。耕し終わると思わず薬師丸ひろ子バリに「快感」と吐息を漏らす。この社に限らず、とにかく頭の中は常に野菜作りのことがある。だから変なことでも喜ぶ。

あるとき牛舎に行くと牛さんが排泄口からボトボトとアレをひねり出す。それを見た社は…
JA3巻/野沢社
(3巻)
牛糞最高
年頃の女の子が発する言葉ちゃうやん。文字にするとエゲツナさが更に増す。確かに映像として若干気持よさそうに見えなくはないですが。

JA1巻/野沢りんご1
(1巻)
個人的にハマったのが、末っ子の野沢りんご6歳。小憎たらしいんですが可愛らしい。画像からも分かるように、ブリっ子キャラ。でも実際はものすごく腹黒。キャラクターとしてはセオリーで及第点。あと天才という属性も付いてるので、ストーリーには結構関与してくる。

JA2/野沢りんごとれんこんを取る機械
(2巻)
そしてあちこちでシッチャカメッチャカ大暴れ。キャラクターが明るくてノリが良い。3巻のクダリでは髪の毛のお団子ヘアを牛にムシャムシャ食われたり、小さい子供なのに一番扱いが雑。そういうのも結構笑えちゃう。

ただこんな個性的なキャラクターばかりだと漫画全体がワチャワチャしてしまう。そこを主人公のキャラクターの「普通性」が中和してくれる。濃い味付けばかりの料理を食べると変に味が残る。そこをお茶で一旦流し込んで、口の中をゼロの状態に戻す感じ。そういったキャラクター同士のバランスがちょうど良い。

野沢りんご6歳の表情が豊富!

でも個人的に一番ハマったキャラクターは四女のりんご。とにかく表情が豊富。

JA2巻/野沢りんご2
(2巻)
腹黒さ全開の表情だったり…

JA6巻/野沢りんご1
(6巻)
驚いた時の表情だったりこれだけで笑える。目の中が白くなるのはいかにもオタク的な表現ですが、描き慣れてる印象を与える。

りんご以外は少しおとなしめな姉妹が多い。そしてテーマが農業・野菜作り。本来であれば何でもない日常漫画の中に、コイツがいるおかげで漫画全体の躍動感やテンポ感、ちょっとした展開を生んでる。


総合評価

キャラクターの説明ばかりしましたが、野菜作りの楽しさもそれなりに伝わってくる漫画。上でりんごの表情だけを褒めましたが、もちろん他のキャラクターの表情の描写も上手い。だから野菜作り成功・失敗した時の、キャラクターの一喜一憂感がハンパない。

JA5巻/楽しくてやめらんねぇ
(5巻)
野菜作りが「楽しくてやめらんねぇ」というババアの描写。表情を見てるだけで、まさにそのセリフの真実性が伝わってくる。

JA5巻/耕うん機で喜ぶ
(5巻)
野沢四姉妹がわらしべ長者的なことをした回では、最終的に耕うん機にまで辿り着く。その時の嬉しそうな驚いた表情だったらない。近所の公園で遊んでたら、急にそこで本格的なプリキュアショーが始まったレベルの歓喜っぷり。

だから読後感も悪くない。読んでても気持ちが良い。萌え系漫画にありがちなセクシー展開もなく、性別問わず楽しめるはず。こういうマイナーで専門的なジャンルだと肩に力が入りすぎて、つい作者がマニアックな知識を披露しがち。自分の博識っぷりを披露したいのか知りませんが、そういうのはない。だからテンポ良く読みやすいのでオススメ。


◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★4
◆86点!!!!

『ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~』全4巻のネタバレ感想。作者は松山せいじ。月刊サンデーGX(小学館)で連載してた鉄オタマンガ。作者の前作『鉄娘な3姉妹』の続編らしい。

あらすじ

舞台は、私立百合ヶ咲女子高等学校。

ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~1巻3
(1巻)
主人公・日野はつねは、その入学式の日に能登まみこ、石塚まろん、鶴見はくつると出会う。その三人は鉄道部のメンバーで、そこから日野はつねの鉄オタライフが始まる…みたいな展開。

ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~1巻1
(1巻)
だからタイトルは、私立百合ヶ咲女子高鉄道部の略で「ゆりてつ」。

観光雑誌や行政パンフレット

百合ジャンルのマンガということで、展開は基本的にゆるい。鉄オタマンガということで、実際に色んな駅を巡る。北海道の秘境駅・小幌駅など。

ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~1巻4
(1巻)
だから駅弁やリアルな情報などが盛り沢山に掲載。

でもマンガ的な面白さはほとんどなかった印象。無料の観光雑誌や行政パンフレットを読んでるような気分になる。絵柄こそ可愛らしいですが、画力は至って平凡。同人誌の類いと割り切って読めれば、そこまで不快に感じさせないかも。

総合評価

このマンガとは関係ないですが、しかし何故リアルの鉄オタってあんなに醜悪なんでしょうか。昨年2014年末、東京駅100周年記念の限定Suicaが発売された。それに群がる映像はエグかった。こういう鉄オタが普段は「日本の鉄道は世界一!日本人のマナーは世界一!」とか叫んでると思うと失笑を覚えます。

ただ限定Suicaが買えずに、涙目で佇んでた長髪ロン毛のオッチャンを見たら、段ボールの中で佇む子犬を見てるようで庇護欲が少しだけ芽生えた(笑)
ちなみにこれが言いたいがため、旧ブログでは記事化したということは内緒。


◯展開…★2.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★3.5◯画力…★3
◯大人買い…★3
◯おすすめ度…73点!!!!

『永沢君』全1巻のネタバレ感想。作者はさくらももこ。20年ほど前にビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載されてた「ちびまる子ちゃん」のスピンオフ漫画。

言うまでもなくあの「永沢君」が今回の主人公。原作では小学3年生という年齢設定ですが、このスピンオフでは中学時代を描いてる。負のオーラが増しててなかなか地味に笑える。

思春期だよ永沢君

中学生の思春期真っ盛りということで、永沢君は結構イキったことをしまくり。

永沢君1巻パーマ当てる
例えばパーマを当てたらタマネギ臭がかなり増す。ちなみに左は卑怯者の藤木。やっぱり中学生になってもお互い仲良し(?)。つか藤木デコ広すぎ。

永沢君1巻思春期な永沢1
地味にナルシストな永沢は、いつも鏡で自分の笑顔をチェック。「日に日に俺カッコ良くなってるんじゃね?」というセリフは思わずイタタタ。しっかり後ろのアイドルのポスターと比較できてるはずなんですが。

永沢君1巻タバコを吸う永沢
他にも藤木と仲良くタバコを吸っちゃったり。

「え?火事のトラウマとか大丈夫なん?治ったの?」と思ってたら…
永沢君1巻容赦ない永沢1
他所の家が家事になろうが全然平気なんだ」と笑顔でめちゃめちゃ怖いこと言う。過去の火事のせいで人間としての心が死んでますやん。人間として大事なものを失ってますやん。

単刀直入だよ永沢君

やっぱり中学生になっても単刀直入な性格っぷりは健在な永沢。

永沢は藤木以外にも、デブの小杉と相変わらずつるんでる。でもある時、藤木だけが花輪くんに別荘に誘われた。それを知った永沢は藤木を卑怯ものと罵倒する。そして永沢は仕方なく小杉と一緒にサイクリング行こうとする。

でも小杉とその計画のことを楽しく話し合いをしてる最中に、花輪くんから電話。当時は携帯電話がないので、玄関前の黒電話のところに行く。そしてなんと永沢も花輪くんの別荘に誘われることになる。
永沢君1巻容赦ない永沢2
ただ部屋に戻ってきた瞬間、永沢はまさかの「サイクリングは君一人で行ってくれよ」と小杉をバッサリ。小杉も思わず二度見する勢い。さっきまで仲良く二人でサイクリング行こうと笑ってたのに、この意趣返したるやすさまじい。

永沢君1巻花輪くん
ちなみに花輪くんも同じ中学に通ってるっぽい。あんな豪邸に住んでる金持ちのくせに、私立の中高一貫校とかには通ってなかったっぽい。

また永沢はバリバリのヤンキーに向かって単刀直入にバッサリ。
永沢君1巻容赦ない永沢3
人生の転落の仕方を教えてくれよ」と、これでもかってぐらいの挑発。そら思っきり殴られるわ(笑)

しかもこのセリフに悪意がないんだからすごい。根っからの毒舌体質。他人に対する嫉妬や蔑み・見下しが身体に染み付きすぎてるからこそ、この発言。中学生で既にこの境地に達してるとは、ただただ恐怖しか覚えない。

あらすじ永沢君の後頭部

永沢君のルックスと言えば、やはりインパクトが強すぎるタマネギ頭。ただアニメでは後ろ姿の描写が少ない印象。おそらく多くの人は、同じように後頭部もチョロっとしか毛髪がないと思ってると思う。

でも、実は間違い。
永沢君1巻ラジオネームが卑猥・あと後ろ姿
結構がっつり髪の毛が生えてる。頭頂部のカタチも相まって、軽くダイヤモンド型。なんだろうこの微妙なガッカリ感。知らないままの方が良かった気がして仕方がない。

ちなみに画像の永沢は、ラジオ番組に投稿ハガキを送ろうとしてる場面。ペンネームが、まさかのキソタマネギ男。「フフフ面白いぞ」というセリフが切なすぎ。いかにも中二病的な黒歴史で、笑いを誘う。

永沢君=目暮警部=磯野波平!?

ちなみに『永沢君』は旧ブログで2014年7月頃に更新。キッカケは「ちびまる子ちゃん」のエンディングを何気なく観てたら、永沢君の声優は『茶風林』だったことを知ったから。この『茶風林』は名探偵コナンで言えば、目暮警部を担当してる。他にもサザエさんでは、波平。

思わず「マジか!?」と叫びそうになった。この声優さん多彩すぎやろ。いつ感想を書こうか悩んでたマンガではあるんですが、その時にピピンと来て思わず勢いでレビューしてみた。特に後悔はしてない。

総合評価

とにかく永沢のキャラクターが強烈。主人公として一巻まるまる登場するものの、飽きずに余裕で読める。むしろ二巻目・三巻目が何故発売されないんだ!?と憤りを覚えるレベル。スピンオフ作品としては余裕で及第点。永沢という選択が、まさに大正解だった。

例えば中学生という設定だからこそ描ける部分も多く、それが永沢のニヒルさとマッチ。高校生大学生社会人になった永沢も是非読んでみたい。人間としての屈折っぷりは、どこかで改善されるのかされないのか興味津津。

永沢君実写ドラマ劇団ひとり
ちなみに劇団ひとりで実写ドラマ化もされてたらしい(笑)
あの髪の毛を実写化するとただの凶器にしか見えないという。

永沢君 (IKKI COMIX)
さくらももこ
小学館
2013-04-30

◯展開★3.5◯テンポ★3.5
◯キャラ★5◯画力★3
◯84点!!!!