バズマン。

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『蜘蛛ですが、なにか?』1巻2巻のネタバレ感想をレビュー。作者はかかし朝浩(原作)と馬場翁(漫画)。掲載サイトはヤングエースUP。出版社は角川書店。ジャンルは少年コミックのファンタジー漫画。『蜘蛛ですが、なにか?』は絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

今からレビューする『蜘蛛ですが、なにか?』は同名小説をコミカライズ化したものなんですが、割りと面白かったので色々と考察したいと思います。他にもクルマブログ《くるまン》では「4代目アクセラのフルモデルチェンジ情報」、「レクサス新型LSのフルモデルチェンジ情報」も書いてたりするので自動車好きの方は良かったらどうぞ。


「蜘蛛ですがなにか」のあらすじ物語 ストーリー内容

主人公はどこにでもいる、さえない女子高生。休み時間には友達としゃべらず、居眠りをしているようなTHEスクールカーストの底辺。今日もまた何でもない学校生活を過ごしていると、国語の授業中に突如として天井がバリバリバリ。女子高生は激痛に襲われて意識を失う。

蜘蛛ですがなにか1巻 あらすじ1
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
そして気付いた時には、何故か異世界で女子高生は「巨大な蜘蛛」に転生してしまった。思わず「イヤァァアアア!ナンデ!?蜘蛛ナンデェェ!?」と絶叫。そりゃそうだ。せめて女子的にはハーピーやサキュバスあたりがお好みでしょう…ってそういう問題じゃないか。

それよりまず蜘蛛の戦闘力のなさが問題。森羅万象、卵をたくさん産む生物ほど一匹一匹の個体は極めて脆弱と決まってる。確かに見た目こそ女子とは程遠いが、中身の弱さという点で実は「蜘蛛」に転生したのはあながち間違ってない。

蜘蛛ですがなにか1巻 あらすじ2
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
何故なら女子高生が蜘蛛に転生した場所は奥深いダンジョン。いかにも凶悪そうなモンスターばかりがひしめき合う。たかだか蜘蛛ですら人間大サイズに巨大化されてるのに、鹿やコウモリがフツーであるはずがない。

蜘蛛ですがなにか1巻 あらすじ3
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
思わず「ホギャアア!!」とやっぱり絶叫。果たして、どこにでもいるうら若き(?)女子高生は
理不尽な弱肉強食のダンジョンで生き抜くことはできるのか?…という内容のストーリー。

つまり『蜘蛛ですが、なにか?』の設定はいかにもラノベらしい設定といったところで、何故いきなり唐突にファンタジーの世界に転生するんだ?みたいなツッコミをしたら負けです。『名探偵コナン』や『サザエさん』が一向に進級しないのと同じようなもんです。


蜘蛛の主人公のキャラクターが良いw

まず主人公のキャラクターが良い。あらすじを読む限り、どう考えても人間時代は陰キャラっぽい女子高生。当然圧倒的にピンチな状況が状況だけに、不平不満をウジウジタラタラ垂れるのかと思いきや全く真逆。

蜘蛛ですがなにか1巻 主人公 ノリが軽い
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
ウジウジするの終了!はい切り替えていこう!!」とまさかのアッケラカン。往年の子役マジシャン・山上兄弟ばりの美しい「はいっ」。お前どんだけポジティブ少女やねん。人間時代の根暗さはどこ行ったんだ。確かにスパイダーマンはスパイダーマンになったことで少し性格が明るくなった気がしますが、そんな感じ?

蜘蛛ですがなにか2巻 主人公 中二病全開のノリ
(蜘蛛ですがなにか? 2巻)
敵を目の前にして「ご名答…ようこそ私の結界へ…さあ殺戮の宴を始めようか」と自分の蜘蛛の糸を「結界」と表現するなど中二病全開。しかも画像は単なる妄想。弱いくせにイキってるのが、ちょうどいい感じにウザくていい。

蜘蛛ですがなにか2巻 主人公 バイオハザード パロディー
(蜘蛛ですがなにか? 2巻)
主人公がスキルアップして毒合成ができるようになった場面では、まさかのバイオハザードパロディー。他にも『BLEACH(ブリーチ)』の名言「なん…だと…」など、ノリが良い感じにしょうもない。しかし「なん…だと…」の汎用性の高さがヤバイですな。

だから主人公は見た目は蜘蛛そのものですが、中身はしっかりノンキな女子高生。一人きりの状況特有の変なキャピキャピ感もあって、このノホホンとした間の抜けた性格につい親戚のおじさん目線で応援したくなる。

ただ主人公はノリが軽いだけじゃない。

蜘蛛ですがなにか1巻 主人公 ギャップ感
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
強敵のモンスターや悪辣な環境に四苦八苦しつつも、しっかり「力強く生き抜こう」とするギャップ感が良い。主人公の「いらっしゃいませ!死ね!」という決めセリフもどこか女子的で良い。緩めるところは緩める、締めるところは締める。このことが展開にもメリハリをつけられてて面白い。

ちなみに「蜘蛛(くも)」と聞くと虫嫌いの方はどうしても敬遠しそうですが、フォルムやキャラデザ的には可愛らしさが6割7割を占めてるのできっと問題なし。また主人公のキャラクターや性格も相まって、そこまで苦手意識を持つ必要はなさそうです。


王道RPGゲームってレベルアップしてナンボやん?

『蜘蛛ですが、何か?』の設定は転生ものではあるんですが、世界観的にはどっかの「ゲームの世界」っぽい。

蜘蛛ですがなにか1巻 レベルアップ
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
だから主人公が敵を倒すとレベルアップしていく。面白くないバトル漫画にありがちな特徴だと、例えば変に出し惜しみ感が強すぎてなかなかキャラクターがレベルアップしないこともザラ。でも『蜘蛛ですが、何か?』はポンポンとレベルアップしていくので読み心地が良い。

本当にテンポ感が絶妙で、それがストーリーや展開にも勢いをつけてる。コンシューマーゲームやスマホゲームでもそうですが、やっぱりレベルが上がってナンボ、上げてナンボ。まさにゲーム的な王道の面白さがある。

またRPGゲームだとレベルアップしていけば、普通は必殺技や魔法やスキルを体得する。面白くないバトル漫画だとやはり必殺技が覚えにくかったり、スキルを覚えても結局使う機会がなかったり、といった特徴が見られます。

蜘蛛ですがなにか2巻 バトル描写 繰糸 一本背負い
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
『蜘蛛ですが、何か?』ではちゃんとスキルや必殺技、耐性が次の展開やバトルの中で活きる。画像は操糸(そうし)。糸の周りだけスクリーントーンを削ってるのがミソ。後述しますが『蜘蛛ですが、何か?』では作者・馬場翁が描くバトル描写も上手い。

蜘蛛ですがなにか2巻 スキルアップ 地龍アラバ
(蜘蛛ですがなにか? 2巻)
例えばボスクラスの地龍アラバを遭遇した場面では、主人公の「恐怖耐性スキル」がグングンと上がっていく。先程のレベルアップとは違って、まさに悲壮感あふれる連続スキルアップ。演出としても巧みで面白い。

だから『蜘蛛ですが、何か?』では淡々とレベルアップさせてるだけではなく、しっかり「意味のあるレベルアップ」を描写できてる。他にも深手を追って絶体絶命のピンチなものの、タイミング良くレベルアップしたことで負傷したダメージが修復されて形勢逆転するなど、ストーリーの中に必殺技やスキルも組み込めてる。

最初は弱い主人公が徐々に強くなっていく王道的な生き様やプロセスは、まさにゲームの中の勇者そのもの。主人公のキャラや性格の良さも手伝って、『蜘蛛ですが、何か?』は読み応えがあって面白い。「さえない女子高生」という設定だからこそ同世代の読者は共感を覚えて、そんな若者が「どうすれば生き残れるか」を必死に考えて生き抜こうとする様に中年世代の読者は思わず応援したくなる。若者が頑張ってる姿に中年世代はきっと触発されがち。


鑑定スキルがゲーム実況的な面白さをうむ

主人公は「蜘蛛」である以上、特に腕力があるわけではないので当然にして弱い。ましてや中身は女子高生ということからもお察し。

蜘蛛ですがなにか1巻 鑑定スキル
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
そこでスキルポイントを使って、最初に身につけたのが「鑑定」というスキル。これが地味に漫画全体の面白さを下支えしてる要素。蜘蛛は弱者だからこそ、周囲の状況把握が必要。でも画像のように最初は「石」は「石」とだけしか表示されない。洞窟内を鑑定しても「壁」だけ。

でも徐々に鑑定のスキルレベルがアップしていくことで、自分の個体の種別名は何なのか。ここは何と呼ばれている洞窟なのか。モンスターのレベルや強さも把握できるように成長していく。まさに「弱者だからこその戦い方」を成立させてるのが、この鑑定スキル。『蜘蛛ですが何か?』では制約の使い方も上手い。

ちなみに主人公の種族は「スモールレッサータラテクト」と呼ばれる劣化タラテクト種の幼体。色んな弱さが凝縮されちゃってるような種族(笑)

蜘蛛ですがなにか2巻 鑑定スキル ツッコミ
(蜘蛛ですがなにか? 2巻)
主人公は腕力こそないものの異様にスピードだけは速い。これも後々自分を鑑定して気付くんですが、まさかの「韋駄天(いだてん)」補正がかかっていた。スキルレベル×100の速度アップって、まさにチート級。思わず主人公も「はいいいいい!?何このトンデモスキル!?」と自分自身に驚愕。

だから徐々に情報が明らかになるたびに色々と面白いことも発覚する。そして、その中には主人公が知りたい情報もあれば、知りたくない情報もある。狩野英孝が女子高生を抱いてたとか、やっぱり自民党のパンツ大臣はガチ犯罪者だったなど。

蜘蛛ですがなにか1巻 鑑定スキル ツッコミ
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
例えば「悪食」という称号を獲得したときには、主人公は「やかましいっ!魔物しか喰う物ないんだよ!」とキレ気味にツッコミを入れる。これがさながら漫才のような掛け合いを見ているようで面白い。主人公は異世界の洞窟内で一人きりだからこそ、鑑定スキルがちょっとした「会話の相手」にもなってる(笑)

主人公の的確なツッコミセンスも相まって、一人でプレイヤー自身がゲームの展開や状況を解説しながら孤軍奮闘進行していく様は、さながら「ゲーム実況」を眺めてるような面白さがある。これが『蜘蛛ですが、何か?』という漫画を、不思議とダラダラと読んでしまう根源なのかも知れない。鑑定スキルが本当に良い味をもたらしてる。


「蜘蛛ですがなにか」のバトル描写が地味に上手い

あと『蜘蛛ですが、何か?』はバトル描写が地味に上手い。原作ラノベも設定やストーリーを推察する限りは面白そうだと思いますが、漫画版の場合は馬場翁という作者に救われている部分も多そう。

蜘蛛ですがなにか1巻 バトル描写1
(蜘蛛ですがなにか? 1巻)
毒ガエルと主人公が戦ってる場面は、様々な構図からダイナミックにとらえたバトル描写に仕上がってる。「見やすい」という点でも高評価。主人公のキャラの良さも手伝ってか、モンスターを倒すまでのテンポ感も見事。作者・馬場翁はこれから期待大なマンガ家さんの一人だと思います。

蜘蛛ですがなにか2巻 巣を使って戦う主人公
(蜘蛛ですがなにか? 2巻)
他にも自ら「巣」を作って戦うなどバトル展開の幅も広い。主人公の「新設計のマイホームで相手してやる」とクモーニングスターを大股でブンブン振り回してる絶妙なマヌケっぷりも、読み味としてはシリアスすぎないので良い。

蜘蛛ですがなにか2巻 アノグラッチ
(蜘蛛ですがなにか? 2巻)
『蜘蛛ですが何か?』3巻以降のストーリーをネタバレしておくと、主人公はアノグラッチと呼ばれる猿のモンスターに襲われる。個々の戦闘力がそこそこ高いくせに、知能もかなり発達してる厄介なモンスター。しかも仲間意識が強烈に強い。

だから画像は主人公が一匹アノグラッチを食い殺したことで、一斉に群衆化して襲ってくる場面。ダンジョンの天井に巣を張っていたものの、当然猿なんで余裕で何十匹と登ってくる。「頭いいならこんな蜘蛛一匹、獲物としては割に合わないって気付けよ」という主人公のツッコミが的確すぎて笑えました。

とはいえ、まさに「殺すか殺されるか二者択一でしか終わらない」という状況。しかもアノグラッチの上位種も加勢してくるなど、果たして主人公はどう生き延びるのか?!というハラハラ展開で終わってくれてる。『蜘蛛ですが何か?』はシリアスもマヌケな笑いもいける。


「蜘蛛ですがなにか」の総合評価 評判 口コミ



『蜘蛛ですが何か?』の感想を一言でまとめるとフツーに面白かった。新ブログ「ドル漫」で書いた「おすすめファンタジー漫画12選」にもランクインさせていただきました。

かかし朝浩の原作ラノベ版は読んでないので評価や論評は避けますが、コミカライズした馬場翁の手によって予想を超えた「視覚化」が体現されている気がします。もし他のマンガ家がコミカライズしてた場合、ここまで面白くはなってないはず。

『蜘蛛ですが何か?』はバトル描写だけではなく、本当に主人公が躍動的に動いてる。少しマヌケなドジっ子だけど、リアルでは根暗な女の子だけど、必死に力強く生き抜こうとする様はクモのフォルムなのにしっかり愛おしい

ラノベや小説のコミカライズ漫画と聞くと、どうしても原作の世界観などの説明に終始してる漫画も多いですが、しっかり面白いポイントのみをとらえて調理できてるので、『蜘蛛ですが何か?』は単純に料理(漫画)として美味しい(面白い)。

実際グルメ漫画要素もあって、どこか「ダンジョン飯」に近いテイストもある。色んなジャンルの面白さが絶妙なバランスで成立してるので漫画としてレベルが高い。まさに『蜘蛛ですが何か?』はコミカライズのお手本。良い意味で裏切られました。

『能面女子の花子さん』1巻2巻のネタバレ感想をレビュー。作者は織田涼。掲載誌はITAN。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックの学園ギャグ漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

『能面女子の花子さん』がそこそこ面白かったので考察してみた。『能面女子の花子さん』を購入する時の参考にしてください。ちなみに自動車ブログの方では「トヨタ・CHR vs ホンダ・ヴェゼル」や「ノートe-POWER vs アクア vs フィットHV」といった車種比較記事も書いてるので良かったらクルマ選びに悩んでる方は閲覧してみてください。


「能面女子の花子さん」のあらすじ物語 ストーリー内容

主人公は高校新一年生の泉花子。入学式で代表スピーチをするなど学業は優秀。ただ一点だけ他の生徒とは異なる部分があった。

能面女子の花子さん1巻 あらすじ1
(能面女子の花子さん 1巻)
それが能面を常時被っていること。ユーチューバーのラファエルか。しかも一番無表情のやつ。THE能面 of 能面。おそらく「お日柄もよく…」というセリフが一番似合わない顔ランキング1位。

能面女子の花子さん1巻 あらすじ2
(能面女子の花子さん 1巻)
とはいえ、花子はやっぱり女の子。全校生徒の前でのスピーチは緊張する。そこでこの気持ちを誰かと共有したいと考えるものの、クラスは「やけに静かなのよね」と花子。うん、100%、お前が原因や。

だから何故かムダにコミュニケーション欲みたいなんが強い花子。果たして花子はクラスメートと溶け込むことができるのか。友達ができるのか。そもそも花子は何故そんな能面をかぶっているのか!?という学園ギャグ漫画になります。

ちなみに能面とは、日本の伝統芸能である能楽や狂で使われる仮面・小道具のこと。花子が被っている能面は「若女(わかおんな)」と呼ばれるタイプ。若女は眉毛があるのが特徴で、眉毛が無いのが「増女(ぞうおんな)」と呼ばれるらしい。逆に言えば、ほぼ見た目の違いがない(笑)


能面女子のスクールライフとは?

『能面女子の花子さん』の見所は言うまでもなく、主人公・花子のキャラクターであり学校生活。ここを面白いと思えるかどうかがポイントになります。果たしてどんなスクールライフを送っているのか。

能面女子の花子さん1巻 通学時の電車の中
(能面女子の花子さん 1巻)
例えば電車での通学シーン。ただでさえ「能面をかぶった女子高生」というだけでも違和感だらけなのに、花子さんは何故か激しく横揺れる。ただただホラーすぎる光景に、思わず隣のOLもビビる。

一応、理由を説明しておくと花子さんは居眠りしてた模様。でも能面をかぶってるから、周囲が気付ける訳がない。それにしてもそんなに揺れるか?

能面女子の花子さん1巻 物憂げにふける若女
(能面女子の花子さん 1巻)
だから花子さんが授業中に外を物憂げに眺めてる場面も、焦点がまさに「こっち見んな」状態。読者をここまで堂々と睨みつけたことがある主人公もいないでしょう。ただ花子さんが考えてることは「あ、今変な鳥が飛んでた」。全然物憂げじゃねぇー。頬杖ついてまで考えることじゃねぇ。ややこしいんだよ。

そして他の生徒たちが考えてるのは、花子は能面をかぶっていて「どうやってご飯を食べるんだろう」という素朴な疑問。何もかもがすれ違ってる哀しい状態。ちなみに花子がどうやってご飯を食べてるかは本編を読んでてみてください。一応ネタバレは避けたいと思います。

花子は一日中能面を付けてるわけですが、能面の材質は木材。当然湿気などには弱い。ユーチューバーのラファエルもそうですが、絶対長期間マスクや仮面を着用してると口周りはゼッタイ臭いはず。じゃあどういう対策が必要か?

能面女子の花子さん1巻 若女 能面のスペア
(能面女子の花子さん 1巻)
それは予備の能面のストックを持ち歩くこと。画像は担任の女教師・北山が花子のカバンを持ち物検査した場面。

言うまでもなく、袋からいきなり能面が飛び出てくるインパクトがハンパない。講談社の編集者が逮捕されるぐらいのインパクト感。せめてギャグ漫画らしく「ババーン」みたいな擬音を付けて欲しい。無音でヌルっと、って恐怖でしかねーよ。推理漫画でいきなりタンスから死体が出てくるそれ。

でも能面のストックは一個や二個じゃない。花子が持ち歩く能面は大量。

能面女子の花子さん2巻 能面を干す
(能面女子の花子さん 1巻)
だからある日、花子は能面を大量に並べてひなたぼっこをすることも。ちょっとした呪いの儀式にしか見えない。少しでも近寄ったら生気を吸い取られそうで怖いです。考えようによっては単なるデスマスク。


この能面にしてこの能面あり?

そもそも花子さんは何故能面を常に被っているのか。出し惜しみしても仕方ないのでネタバレしておくと、そういう「能楽師の家系に生まれた」というだけ。

ただ泉家は実際に能楽をやるわけではないので、せめて「人前では能面を付ける」という家訓があるらしい。それを律儀に守ってる。じゃあ花子はいつから能面を付けているのか?

能面女子の花子さん1巻 小学生時代
(能面女子の花子さん 1巻)
まさかの小学生時代から能面を着用。花子の体の小ささも相まって、能面の存在感というか違和感がもっともっと増してるーーーー!!!

当然、能面を被ってるのは花子だけじゃない。泉家で代々伝わる伝統である以上、他の家族も能面を着用してる。

能面女子の花子さん2巻 泉の母親
(能面女子の花子さん 2巻)
例えば花子の母親に至っては「般若のお面」を被ってる。おそらく母親に一番被っててほしくない能面ナンバーワン。そして二人の対比もハンパない。圧もハンパない。どこのラスボスと中ボスだよ。花子の母親が持つ回覧板がちょっとしたデスノートにしか見えない。

まさに「この親にしてこの子あり」ならぬ「この能面にしてこの能面あり」といったところか。どっちも乳がデカいので、まさに遺伝子やDNAの力強さが読み取れます。

ちなみに花子の彼氏は、松田三郎という能楽師。どうやら「能面」という運命から、花子はどこまでも逃れられない様子。まあ考えてみると、能面をかぶった女子高生に好意を抱く男子はいないか。


意外と能面の表情が豊か?

『能面女子の花子さん』の売りは無表情の能面から繰り出されるギャップ感やミスマッチ感にある。当然その笑いを生み出すためには「能面の無表情感」が必要になってきます。ただ意外と能面から色んな表情を読み取れるのも面白い。

能面女子の花子さん1巻 若女 イエスオフコース
(能面女子の花子さん 1巻)
例えば、花子は英語を割りと話せるのか街中で声をかけてきた外国人観光客に対して、英会話のCMに出演してる石原さとみばりに「イエス!オフコース!」と答えてる場面。

もし花子が石原さとみの代わりにCMに出てたら、きっとJAROには抗議の電話やメールが殺到してるでしょうが、何故か能面をかぶってるのに不思議と「花子の爽やかな表情」が伝わります。

能面女子の花子さん1巻 意外と笑える笑顔
(能面女子の花子さん 1巻)
他にも花子のこの表情は嬉しそうに微笑みを浮かべてるようにも見えます。ある意味、こういった部分でも柔軟にギャップ感を作れてる。ここで笑いは生まれないものの、花子というキャラクターに深みを与えてるように思えます。

そう考えると、もっと漫画内では能面に自由に大胆に表情を付けてもいいのかも知れない。能面そのものが人の顔を模してるわけですから、意外と違和感は生まれないはず。


能面女子の花子さんの総合評価 評判 口コミ


『能面女子の花子さん』のネタバレ感想をまとめると、そこそこ面白かった。

やはり主人公・花子のキャラクターに尽きます。無表情の能面が生み出すミスマッチ感やギャップ感。そして能面さながらの強固なメンタリティーから繰り出される、花子の大胆不敵な行動の数々。はたまた「人間はやっぱり顔だよ」とか言い放つ何様感など、今までなかった設定ではありつつもしっかり一つの漫画作品に仕上げてる。

個人的には「嘘吹(うそぶき)」や「大飛出(おおとびで)」といった能面を根暗なキャラクターに着用させれば、もっと面白くなりそう。彼氏の松田三郎(さぶちゃん)は正直そこまで多用するキャラとは思えない。

だから、『能面女子の花子さん』はまだまだ面白くなりそうな余地は残すものの、正直その可能性を最大限まで引き出せてるとは言いがたいですが、それでもギャグ漫画ということで4巻5巻ぐらいまで続けば御の字か。きっと最後の最後、『能面女子の花子さん』は完結するまで花子の素顔は不明なままでしょう。

特に意味はありませんが、世界各国を漫画『ドラゴンボール』のキャラクターで例えてみました。


主人公・孫悟空はやっぱり日本

まずは日本人視点で語る以上、やはり日本は主人公の孫悟空にあたります。名前はいかにも中国人丸出しですが、そこら辺の細かいツッコミは華麗にスルーします。

孫悟空(日本)はやはり圧倒的に強いものの、敵に倒されてあの世へ逝ってみたり、息子の孫悟飯に実力では負けてみたり、意外に負け癖という実力という点ではやや疑問符がつくことも多い。日本経済も規模的にはトップクラスではあるものの、特別に最強(トップオブトップ)ではないことからも孫悟空にピッタリではないか。また「お人好し」の性格や国民性でも、まさに日本は孫悟空に似通ってる部分も少なくない。

孫悟空(日本)と血の繋がり(国旗)を感じさせるという点で考えると、さしずめ孫悟空の兄貴であるラディッツはバングラディシュがお似合いか。何となく語感も似てる気がしますが、きっと完全な気のせい。


クリリンはタイ王国

続いてタイ王国。やはりつるっぱげ頭は仏教徒の証ということで、クリリンを例えるならタイ王国がふさわしい。経済規模的にもまさに「可もなく不可もなく」という実力はクリリンそのもの。

同じく長い歴史を持つ皇室を抱える店で、まさに『ドラゴンボール』初期から繋がりがある孫悟空とクリリンのマブダチ感に通じるものがあります。


アメリカ合衆国は魔人ブウ

最近何かとお騒がせのアメリカ合衆国は、やはり『ドラゴンボール』内で一番強いキャラクター・魔人ブウがふさわしい。最初は敵同士だったけど、いつの間にかめっちゃ仲良くなっている点でも日本とアメリカの関係性にピッタリか。

また魔人ブウのオツムの弱さはトランプ大統領のそれと通じるものがあるでしょう。一応味方になったとはいえ、今後何をしでかすか分からない「読めなさ」という点で魔人ブウとトランプ大統領に共通する部分も多そう。魔人ブウの内なる悪魔は、さしずめ在日米軍あたりに例えるのが適切か。

カロリーが高い食べ物が大好きという国民性でも、やはりアメリカは魔人ブウそのもの。


中国は完全体セル

中華人民共和国こと中国は、やはり完全体のセル。孫悟空やベジータやピッコロなど全方位に敵に回すなど、とにかく悪役。そして様々なキャラクター(国)を倒しまくるなど、実際とにかく強い。ただ実力的(経済規模)には魔人ブウ(アメリカ)に甘んじてる点でも、中国はセルと共通してる。

しかもセルは相手を吸収して、自分の力を倍増させていく力を持つ。仮に『ドラゴンボール』の世界観であの時完全にセルが消滅していなければ、もしかすると魔人ブウ(アメリカ)超えもあり得たかも知れない。その底なしかつ無限大の伸び代という点では、まさに現在の中国経済を彷彿とさせます。「他国の領土や領海を吸収していく」という皮肉も込めたのは内緒。


インド共和国は孫悟飯

インド共和国は孫悟飯。孫悟飯は幼い子供時代から脅威の潜在力を秘めていて、いずれ中国を経済的に追い越す(セルを最終的に倒す)という点でも共通部分が多い。まさに若い人口がとにかく多いインド共和国と孫悟飯はピッタリ。

またカレーを主食とした「ご飯好き」という点でも、まさに孫悟飯そのもの(ここに来てまさかのダジャレ)。もちろん『ドラゴンボール』のストーリーの進行度合いによって、孫悟飯の年齢は変わるので細かいツッコミはやはり不要。


大韓民国はベジータ

大韓民国こと韓国はベジータ。いつも孫悟空(日本)の隣にいるイメージの強いことから、日本と韓国の地理的な関係も彷彿とさせます。

かつては孫悟空(日本)より圧倒的に実力(経済規模)が優れたものの、いつの間にか常に後塵を拝するようになった点で似てる。いつの間にかピッコロに抜かれてたなんてこともあって、ベジータ(韓国)の実力は孫悟空(日本)以上に意外とあれれ?

ただ韓国の経済規模はロシアなどをしのぐなど、やはり実力という点では世界トップ10に入るか入らないか程度で優秀な部類に入る。また2016年にストックホルム国際平和研究所が発表した世界軍事力ランキングでも、実は韓国は7位と戦闘能力(軍事力)でも上位から数えた方が早い。

孫悟空(日本)の後追い的に超サイヤ人になった(パクリ)ものの、それはベジータ(韓国)の潜在的な力があればこそ。他にも孫悟空(日本)と仲が良さそうで、意外と仲が悪い点でもベジータ(韓国)の関係性そのもの。ベジータの特徴的な髪型も、どこか韓国の男性アイドルグループの雰囲気と似てなくはありません。

ちなみにサイヤ人たちは惑星ベジータの前に、惑星サダラに住んでた。ただ内紛で惑星サダラは消滅してしまう。まさに韓国と北朝鮮の関係性や過去を彷彿とさせます。戦闘民族・サイヤ人という観点で考えると、意外と日本も韓国も攻撃性を秘めているので両者も共通。ある意味、同族嫌悪から来る仲の悪さか。

そして韓国がベジータなら、さしずめ北朝鮮はサタンか。名前からしておどろおどろしいものの、実力が伴っておらず弱い。またプライドだけは高く、完全体セル(中国)にも立ち向かおうとする無謀さを併せ持つのも共通してる。

果たしてサタン(北朝鮮)が現実世界で魔人ブウ(アメリカ合衆国)と仲良くなる日は来るのか!?


ロシア共和国は人造人間

2016年12月に安倍首相が北方領土を献上した、ロシア共和国は人造人間。

感情を持たない点で、まさにクール過ぎるプーチン大統領を彷彿とさせます。ロシアは地理的に中国と隣接しているなど、『ドラゴンボール』の世界観でも「セルと人造人間」の近いキャラクター同士の相関関係を感じさせます。

ロシア共和国はアメリカ合衆国(魔人ブウ)と肩を並べても良さそうな感じもしますが、意外と実力的(経済規模)には大韓民国(ベジータ)と同等程度とのこと。とはいえ、ドクター・ゲロの科学力の高さ(軍事力)はあなどれないので、いざという時の実力は「人造人間5体分の合算」程度を発揮するかも知れない。

そして、このロシアはタイ王国(クリリン)に観光目的(売春)で多く訪れているらしい(過去形?)。性別・立場こそ逆転してますが、まさに人造人間18号とクリリンが結婚した『ドラゴンボール』内の関係性そのもの。

そういう18禁的な意味で交差すると、日本(孫悟空)とタイ王国(タイ王国)がねんごろなのもうなずけます。もちろんBL的な意味じゃないですよ。この皮肉が伝わるかな。


その他の地域をたとえてみたぞ

ここからはその他の国以外の地域を『ドラゴンボール』のキャラクターで例えてみた。

まずは台湾(中華民国)。個人的にはトランクスに例えるのがベターだと思われます。台湾の経済規模はタイ王国(クリリン)より大きいものの、韓国(ベジータ)の半分以下しかない。だから経済規模を戦闘能力に置き換えて例えると、台湾は実力的にトランクスで例えると過大評価感がかなり強い。

それでもセル(中国)に一番苦しめられていた過去を持つという点で、やはり台湾はトランクスでしか例えられないでしょう。国という扱いを受けてない(未来からやって来た)というイレギュラー性も考慮すれば、台湾の実力のなさはさて置き、設定上は一番トランクスに近そうです。

そしてイスラム国は、さしずめサイバイマンといったところ。一匹一匹の戦闘能力は決して高くないものの、それでも「自爆」による破壊力は抜群。しかも喜んで命を捧げてくる狂気性は世界中が恐怖する存在。

また話が一切通じない and ワラワラと何匹でもわいてくる特徴でも共通する部分が多い。似たような『ドラゴンボール』のキャラクターにはセルジュニアもいますが、やはり実力的に過大評価感が強すぎるので個人的には却下。


ドラゴンボールのたとえまとめ


ということで以上、漫画『ドラゴンボール』のキャラクターで世界各国を簡単に例えてみました。有名すぎるキャラクターばかりなので画像は割愛。

別にどうでもいいっちゃどうでもいいネタで、特に記事化するつもりもなかったんですが、KAZUYAというネトウヨユーチューバーが動画内で『ドラゴンボール』で世界各国を例えてた。これがセンスの欠片もないしょうもない例えを全開。

例えば、韓国のことを「戦闘力5以下のゴミ」と表現してた。ただもちろん前述のたとえのように韓国はそこまで弱くない。ネトウヨ動画やネトウヨブログを読んでるとバカになるのは、そりゃあコンテンツ自体を作ってるヤツがバカなんだから仕方ないよなーと。

そこで悪い意味で触発されて、なんとなくノリで20分30分程度で書き上げました。少なくとも「戦闘力5以下のゴミユーチューバー」よりは、まともな例えができたというほんの少しの自負はあります。ちなみに『ドラゴンボール 完全版』全34巻のネタバレ感想はレビュー済みなので、後で興味がある方は良かったらどうぞ。

『進撃の巨人』が面白いか、つまらないかを考察してみた。作者は諫山創。掲載誌は別冊少年マガジン。出版社は講談社。ジャンルは少年コミックのでバトル漫画。『進撃の巨人 Before the Fall』や『進撃!巨人中学校』など様々なスピンオフや関連する小説も多数発売されてる人気漫画。この『進撃の巨人』だけで講談社はかなり儲かってるとのこと。

この担当編集者によれば『進撃の巨人』は25巻ぐらいで完結を迎えるかもってことですが、再びアニメの放送も決まったので面白いかつまらないかレビューしてみたいと思います。ちなみに王道おすすめバトル漫画はいずれ執筆する予定。



進撃の巨人のあらすじ物語・ストーリー内容

107年前、人類はナゾの「巨人」たちの襲来から身を守るため巨大な壁を作った。王都を中央として円形に作られた巨大壁は、順番に「ウォール・シーナ」、「ウォール・ローゼ」、「ウォール・マリア」。この3つの巨大壁のおかげで、生き残った数少ない人類は平穏な日常を再び謳歌することとなる。

しかし、そんな人類のうたかたの繁栄は突如として壊される。最も広大な範囲をカバーしていた「ウォール・マリア」が超大型巨人と鎧の巨人によって壊されたからである。逃げ惑う市民たちは、再び巨人の脅威を思い知らされる。人類の活動領域は「ウォール・ローゼ」内にまで狭まった。

5年後、壁外の巨人たちを駆逐する戦闘部隊・調査兵団に配属されたのが、主人公のエレン・イェーガー。その幼なじみのミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトの3人だった。エレンたちは5年前までは破壊されたウォール・マリア内で過ごしていた。

巨人たちへの復讐を誓うエレンたち…だったが、またしても超大型巨人が現れる。そして今度は「ウォール・ローゼ」がついに破壊された!次々と壁内に流入してくる無数の巨人たちは、再び絶体絶命の危機を迎える人類。

進撃の巨人2巻 気持ち悪い巨人
(進撃の巨人 2巻)
果たして人類は巨人に為す術があるのか!?巨人たちは何故人類を襲ってくるのか!?…みたいなストーリーの漫画。


巨人たちが絶妙にキモすぎる件

あらすじに貼った画像からも分かりますが、とにかく巨人たちが気持ち悪い。

進撃の巨人19巻 気持ち悪い巨人 マルコ
(進撃の巨人 19巻)
見た目がフツーの人間だからこそ、そのまま巨大化した時のキモさったらない。『テラフォーマーズ』とは違ってキャラデザが画一的ではなく、巨人たちは千差万別。ここにはストーリー的な理由も含まれてるんですが、『アイアムアヒーロー(花沢健吾)』のZQNと同じように、敢えて人間としての痕跡をちゃんと残した方が効果的に恐怖感を煽れるらしい。

進撃の巨人5巻 イルゼ・ラングナー
(進撃の巨人 5巻)
イルゼ・ラングナーという兵士が出会った巨人は、顔を近づけて鼻息荒くフーフー。巨人の攻撃方法からして不気味なんですが、パンチとかキックとか全くしてこず、人間をつかんでは「食べる」だけ。だからやたらと近付いてくる。

ここは割りと重要な場面で「え?どうゆこと?」と更にナゾが深まるんですが、イルゼ・ラングナーが追い詰められる描写も実に上手い。またキャラデザだけではなく、巨人の動き方も絶妙にキモい。

進撃の巨人5巻 気持ち悪い巨人
(進撃の巨人 5巻)
例えばサシャが追いかけられてる場面だと、何この巨人の走り方(笑)

ちなみに巨人たちには二種類存在する。それが通常種と奇行種。前者は行動を予測しやすく、動きものそのそと移動するだけ。奇行種は突然走り出したり木に登ったり、次の行動が読めない。

進撃の巨人11巻 気持ち悪い巨人
(進撃の巨人 11巻)
例えば、木の上で退避してる主人公・エレンたちに対しても、通常種は登れないくせに木の上に登ろうとしてくる。でも奇行種だけは地面で腕枕して寝転びながらジーっと眺めてくるだけ。もちろん虎視眈々とエレンたちを狙ってる。その知恵らしきものに言葉で表現できないキモさを感じます。

まだ巨人たちが「お前ら食ってやる」みたいな陳腐なセリフを吐いてくれた方が怖くない。終始無言でグイグイ迫ってくるから、意思疎通ができないことが恐怖でしかない。街中で見知らぬオッサンが突然近づいてきたら、男でも軽くビビりますがそんなどころの比ではない。


三次元的なバトル描写がかっこいい!

『進撃の巨人』はバトル描写・格闘描写が圧倒的。立体的なアングルから紡ぎ出されるそれは、まさに三次元的なバトル。

進撃の巨人1巻 立体的なアングルや構図
(進撃の巨人 1巻)
人類は立体機動装置を使って、自分よりデカい巨人たちに立ち向かう。例えば木々や家々にワイヤーを突き刺すことで、兵士たちは縦横無尽に動き回れる。このアングルや構図が立体的で見事。

ちなみに巨人の弱点はウナジ。というか、そこを攻撃しないと巨人は何度でも再生してくる((((;゚Д゚))))ガクブル

進撃の巨人2巻 頭の破片が飛んで来る
(進撃の巨人 2巻)
巨人は当然デカいので、その一部分が吹っ飛んできただけで大惨事。ウルトラマンの戦いではないですが、こういうアプローチもリアルさを生む。ただハンジというキャラが「切断された巨人の頭部は軽かった」みたいなことを前に言ってた気がするので、もしかするとこの場面は矛盾した描写?

進撃の巨人6巻 女型の巨人
(進撃の巨人 6巻)
女型の巨人が馬車に乗った兵士を蹴り上げるシーンは、めちゃくちゃシンプルだけどめちゃくちゃ残酷。背景には何でも描き込めばいいってもんじゃなく、この白地があるからこそ「蹴られた兵士の被害度合い」が伝わってくる。「パン」という擬音を選んだセンスもスゴい。

ネタバレしておくと、実は主人公・エレンは巨人化できる。そして「ウォール・マリア」を突破した巨人も実は…みたいな仕掛けもあるんですが、この巨人同士で戦うバトルが特に圧巻。

進撃の巨人11巻 エレンvsライナー1
(進撃の巨人 11巻)
エレンが一緒に落ちていく鎧の巨人に対して、思っきりパンチを食らわせるシーン。二コマでシンプルにドンドーン。ただ名前の通り、鎧の巨人は全身が硬質化されてるので、この時はエレンはダメージを与えられない。

進撃の巨人11巻 エレンの首投げ
(進撃の巨人 11巻)
そこでエレンがまさかの首投げ。鎧の巨人がフワッと浮いてる時の、手足がリアルすぎ。作者・諫山創は身体の描き方が上手くて、アスリートの引き締まった筋肉の特徴を見事に捉えてる。

進撃の巨人11巻 エレンvsライナー2
(進撃の巨人 11巻)
例えば、鎧の巨人に倒されて立ち上がる瞬間のエレンがカッコ良すぎ。腕の筋肉やキュッとした太ももなどが秀逸。手の開き具合も怒りに満ちていて、ジョジョ立ちのように一つの印象に残るポーズとして成立してる。マンガでは重要。『テラフォーマーズ』なんかだと指一本をおっ立ててるのが関の山ですからね。

また木々や草との対比など、見開きページ内にコンパクトにちゃんと収めてるのも見事。意外に難しいはず。エレンの表情を見せることで、未読の人でもどちらが敵か味方かも一目瞭然。心の底からのセリフも含めて、こんなに熱くなるシーンはなかった。個人的にお気に入り。

進撃の巨人18巻 猿型巨人
(進撃の巨人 18巻)
猿型の巨人というのもいるんですが、コイツが巨大な岩を持って投げるシーンもすごい。THE砲丸投げ。フォームがメチャメチャきれい。巨人にこんなことを「敢えて」させることで絶妙な違和感を生み、このインパクトは一度見たら読者は二度と忘れない。

進撃の巨人8巻 女型の巨人 アニ
(進撃の巨人 8巻)
街中でのバトルも圧巻。画像は女型の巨人。二コマ目に「女型の巨人の視線」を入れることで、読者にその視線の先に意識を活かせてるのも上手い。後述しますが、こういう一つの一つのさり気ないセンスが進撃の巨人の読みやすさに繋がってます。

進撃の巨人19巻 バトル格闘描写
(進撃の巨人 19巻)
19巻では再びエレンと鎧の巨人が戦った時も、エレンは思いっきり民家へ叩きつけつけられる場面が圧巻。当然家が破壊されただけで終わるワケはなく、続けざまにエレンをグイッと持ち上げてからのパンチを繰り出そうとする鎧の巨人。このテンポ感が見事。読者に余裕を与えず、なおかつ次のページをすぐめくりたくさせる。

作者・諫山創の空間を捉える力に秀でてて、またそれを操る描写力がすごい。映画のスパイダーマンが可愛く見えるほど、暴力的な構図とアングル。だからといって小奇麗にまとまってるワケでもなく、巨人たちのパンチは大ぶりだが、まさに無骨そのもの。まさに格闘バトルとはこうあるべき!と言わしめるほどの「粗暴」が詰まってる。

作者・諫山創はUFCという総合格闘技が好きらしく、その好きっぷりがよく伝わってきます。まさに好きこそ物の上手なれ。飛び道具一切なしで純粋な格闘描写だけで、ここまで読者を熱くさせてくれる漫画は他にない。かつてプロレスに熱狂した少年たちも、きっとこんな気持ちだったんでしょう。

『ドラゴンボール(鳥山明)』を筆頭に「巨大な敵は読者受けしない」と一般的に言われますが、そうじゃねぇっ!!『進撃の巨人』を読むと、単にそれは作者の腕がなかっただけってことが分かります。本当に肉弾戦こそ最強と言わしめてしまう「圧巻の面白さ」がここにはあるッッ!!!(テレ朝風)。


圧倒的な展開力にグイグイ引き込まれる

『進撃の巨人』は展開力も魅力の一つ。

斜め上を行くような展開が次々と起こる『HUNTERxHUNTER(冨樫義博)』とは違って、どちらかと言えば既にある謎が徐々に明らかになっていくプロセスを楽しむような漫画。でもその過程が間違いなく読者の好奇心を掻き立ててくれて、なおかつ終始張り巡らされた緊張感が堪らない。

進撃の巨人8巻 壁の中に巨人がいる
(進撃の巨人 8巻)
例えば「ウォール・マリア」といった巨大な壁の中には、実は巨人が埋め込まれてた。しかも死体ではなく、現在進行形でその巨人は生きている。これは一体どういう意味なのか!?

進撃の巨人14巻 リヴァイ レイス家
(進撃の巨人 14巻)
果たして、物語の鍵を握る「レイス家」とは一体どういう存在なのか?

こんな風に謎がどんどん現れるものの、解き明かされていくプロセスは丁寧そのもの。伏線の回収も比較的早くて(月刊誌だからそう感じるだけかも知れない)、読者は良い意味で考えるヒマを与えてくれない。言い換えると出し惜しみがない。そのことが更にテンポ感の良さに繋がってる好循環。

『進撃の巨人』には「透明の大きなストーリー」が一つだけポンと目の前に置かれてる。諫山創の頭の中で設定や世界観にしっかり確立されてるので、フワッとした描写や説明が少ない。だから読者が漠然とその透明なものを確実に把握できる。だから読者は安心して作者と一緒にゴールに向かえる。

それでいてストーリーも読みやすい。その大きな軸を元に展開されるので、読者はただ身を任せてるだけで済む。いわば流れるプールで浮き輪に入ってプカプカと浮いてるだけでいい。この読みやすさは、『ゴールデンカムイ(野田サトル)』に通じるものがある。

進撃の巨人15巻 王政を追い詰めるピクシス
(進撃の巨人 15巻)
また壁内では人間同士の対立もあったり、現実世界に近い権力闘争や政治闘争も繰り広げられる。画像は壁内を統治する王政を追い詰めていくピクシス司令。ネタバレしておくと王政を結果的に打破されるんですが、王政がいなくなっても現状が大きく変わるわけではない。そこでいかに市民たちを混乱させないかなど、展開の進め方にご都合主義や安っぽさが一切ない

当然『進撃の巨人』はオリジナルの世界観。そこに読者の興味を惹きつけるのは大変。最初から細々と説明されても付いていけませんが、焦ってブワーッと言葉で説明しがちな漫画が多いのが現実。でも大枠の世界観を説明してある程度理解させてから、小さな街中の細かい描写などを描くことで世界観に没入しやすくなってるのも素晴らしい。

『進撃の巨人』は別冊少年マガジンで連載されてますが、基本的に月刊誌は1話あたりのページ数が多く、どうしても全体的に間延びしがち。例えば同じく月刊連載だった『鋼の錬金術師(荒川弘)』ですら自分は感じた。

でも『進撃の巨人』はそういうのが一切なく、むしろ月刊誌のペースだからこその心地良いテンポ感がある。下手したら週刊連載だったら、ここまで人気が出てない可能性すらありそう。それほどに絶妙なペース配分。


登場人物の描写力や会話が上手い

また読者に対する煽り方も実に上手い。もう少し言い換えるとキャラクターを描写する力が高い。恐怖で理性を失った兵士や、各々の立場の人間の心理描写を表現するのが見事。

進撃の巨人8巻 アニ・レオンハート
(進撃の巨人 8巻)
例えば、アニというキャラクターが実は裏切り者だったと分かる場面ですが、その時に見せた表情がヤバイ。二コマ目に口元を持って来るセンス。またエレンたちの視線を見てみると、その場で両者が視線がぶつかり合ってるのが伝わります。これは敵同士だからこそ視線がぶつかる。こういう些細とも思えるキャラ描写がいちいち漫画の緊張感を生んでくれてる。

進撃の巨人10巻 ライナー ベルトルト 目線
(進撃の巨人 10巻)
他にも、ライナーが主人公・エレンに衝撃の事実を告白する場面ですが、背後にいるベルトルトの視線がポイント。「え?ライナー大丈夫?今言って大丈夫?」という不安すぎる表情が、事態を急激に悪化させる緊張感を煽ってる。またジッと見つめることでライナーに対する依存感や、ベルトルトの気の弱さも出てる。

あまりネタバレすると怒られるので控えますが、キャラクターの目線や視線の動きを使って読者を巧みに誘導してる。作者・諫山創の画力は低いと言われてますが、むしろ情報を的確かつ魅力的に表現するチカラは誰より抜きん出ている作者

例えばセリフ力もレベルが高い。キャラクター同士の会話も読みやすくて、一人一人が活き活きと輝いてる。シンプルかつハッキリとした言い回しで、端的に状況やキャラ自身の考えを伝えてくれる。セリフだけでもキャラの違いを認識できるほど。

だから別に新しく吹き出しを使って説明されなくても、読者はキャラクター同士の会話を聞いてるだけでストーリーの大まかな流れが把握できる。また高度な心理戦が展開される場面でも、いちいち淀みなく読める。こういったことも『進撃の巨人』のテンポ感の良さに繋がってます。

進撃の巨人18巻 リヴァイのセリフ
(進撃の巨人 18巻)
また時にはズバッと言い切る小気味の良さやセンスは、少年誌のクオリティーとは思えない。画像はリヴァイが上官のエルヴィンに忠告してる場面。普段は一応エルヴィンに従ってるリヴァイですが、だからこそ事態の切迫感も伝えるための役割も果たしてる。

進撃の巨人16巻 ケニー・アッカーマン セリフ
(進撃の巨人 16巻)
こういう些細な演出も心憎い。画像はケニー・アッカーマンの過去と現在を対比させてる。場面を切り替えるテンポ感が良い。画像は昔は意気揚々と悪どい計画を考えてたものの、いざ全く異なる現実を目の当たりにした時にケニー・アッカーマンは愕然としたところ。

キャラクターの特徴をしっかり捉えたセリフ回しは表情の上手さも相まって、キャラクターを個性的に肉付けしてくれて感銘や慟哭、共感といった感情の発露に一役買ってる。キャラクター間でポンポンとやり取りされる言葉のキャッチボールはそれだけで見応えがあり、ある種の「会話劇」としての面白さもある。だから、もし絵がついてなかったとしても『進撃の巨人』はグイグイ読めるでしょう。


進撃の巨人と東京喰種の違いはやはり?

そういえば『東京喰種』という漫画がありますが、実は『進撃の巨人』とほぼ同じ巻数。2016年4月現在、『進撃の巨人』は19巻まで発売されてて、『東京喰種』は一部が全14巻、二部が6巻まで発売されてる。

月刊誌と週刊誌という違いはあれど、もちろん両者とも爆発的に売れてる大人気マンガではあれど、『進撃の巨人』の発行部数は5000万部超に対して、『東京喰種』は2000万部超。どちらも更に発行部数を伸ばしてると考えられますが、少なくとも両者で約二倍の開きがあってそれが極端に埋まる可能性は低い。

もちろん『進撃の巨人』だって『東京喰種』だってキャラクターは面白い。バトル描写も面白い。両者とも序盤こそ画力にムラがあったものの、最近はブラッシュアップされまくってる。むしろ『東京喰種』の作者・石田スイの方が画力の向上は目覚ましい。

じゃあ「この発行部数の大きな差がどこで生まれるのか?」と考えたら、やっぱり「ストーリーや展開力」の差。『東京喰種』のストーリーには大きな軸がない。キャラクター描写や設定をベタベタと張り付けてるだけの、言わばハリボテ。新キャラが登場しては消えるの繰り返しで、自分は少し付いていけない。もちろん面白い漫画ではあるものの、大人読者はそこまで発狂できないのも現実。

ストーリーがダメすぎると途中で買うのを止める読者も多い。逆にストーリーが面白かったら1巻を購入した読者は漏れなく最新刊まで購入してるはず。『進撃の巨人』との発行部数の差を考えると、編集者や漫画家が思っている以上に「展開力の差」は大きいのかなと思いました。


進撃の巨人の総合評価・評判・口コミ



『進撃の巨人』の感想をまとめると、5000万部という発行部数は伊達じゃない。その数字に恥じないぐらい面白い。2000年以降に発売された漫画の中では、間違いなく3本の指の中に入る面白さ。

設定だけ読むと『進撃の巨人』は奇をてらってるだけの漫画にしか思えないんですが、中身はバリバリの王道。バトル格闘描写は面白い。主人公・エレンだけが変身できるというスペシャリティー感。弱者が巨悪に立ち向かっていくという、シンプルかつ痛快な読みやすいストーリー構成。それでいて謎が解消されては、新たな謎が浮かび上がっていく怒涛の展開。少年漫画とはいえ、このグイグイ感はしっかり大人でも満足できる力強さがある。

自分は『進撃の巨人 8巻』ぐらいから読み始めたんですが、ビックリしたのは想像してた以上に面白かったこと。何故周囲はもっとゴリ押ししてくれなかったの!?と内心キレてしまったぐらい。自分ですらハードルが上がった状態で読んでも面白かったのだから、おそらく大多数の未読の読者は想像以上に読まされてしまう漫画のはず。

だからちょっとそこのアナタ!黙ってさっさと『進撃の巨人』を読みなさいッ!!そして漫画を読んでから再度このレビューを読み直してもらえたら、また自分が書いたことに改めて納得してもらえるはずです。

『この世界の片隅に』全3巻のネタバレ感想をレビュー。作者はこうの史代。掲載誌は漫画アクション。出版社は双葉社。一見するとファンタジー漫画っぽいタイトルですが、ジャンルは青年コミックの戦争漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

この漫画を原作としたアニメ映画が割りと話題になってるらしいので、『この世界の片隅に』が面白いのかつまらないのか考察してみました。ちなみにおすすめ戦争漫画ランキングはいずれアップする予定。


「この世界の片隅に」のあらすじ物語 ストーリー内容

舞台は戦中(1940年前後の頃)を舞台にした広島県。主人公は水原すずというどこにでもいる少女。ボーっとした性格のせいで、たまにさらわれそうになった場面も。すずは絵を描くことが大好きな少女で、すくすくと成長した。

『この世界の片隅に』の物語は、すずが広島県・呉市に住む北条周作という男に嫁ぐ場面からストーリーが始まります。果たして戦争は広島県に何をもたらしたのか。すずという一国民・一市民に何をもたらしたのか。柔らかい絵と軽いタッチで「第二次世界大戦」の重い描写を描く。


戦時中のなにげない広島県の日常の中の異物

『この世界の片隅に』は戦争漫画ってことで悲壮感が溢れてるかと思いきや、むしろ主人公・すずののほほんとした性格と同様に、当時の広島県の何気ない日常や風景が主に描かれてる。

この世界の片隅に1巻 広島 風景描写
(この世界の片隅に 1巻)
例えば、すずが水原という男子生徒と一緒に地元の海を写生してる場面。画像は「絵の中にいる二人」演出してることもあってデフォルメ感が強めですが、ホンワカしたタッチと相まって「柔らかい世界観」が描写されてる。

だから『この世界の片隅に』を読み進めていくと「戦争」の二文字をつい忘れさせる。広島の町並みは平和そのもので、他にも井戸水から水くみする場面やお裁縫する場面など、そこには人々が確実に息づいていて経済活動を行ってる。

作者・こうの史代があとがきで「戦時の生活がだらだら続く様子を描くことにした」と語っているように、まさにのどかなシーンしかないと言ってもいいぐらい。絵柄こそやや独特なタッチですが、それでも広島県の呉市を様々な場所から丁寧に切り取ってくれてる。

ただその平穏な日常には確実に「戦争」という異物が存在してる。すずと周作が肩を寄せあって段々畑ところから海を眺めてる先には、世界一の戦艦とされた大和が浮かんでる。言ってしまえば「忘れさせる作業」があるから「思い出させる作業」が生きてくる。

この世界の片隅に1巻 修身 授業時間割
(この世界の片隅に 1巻)
すずが小学生だった時の授業の時間割には「修身」の文字。修身とは今でいう道徳の時間。1890年から1945年の敗戦まであって、かなり優先された授業の一つ。実際に修身で道徳心が養われていたとしたら、それこそ戦争に突入してるわけがないので、こういった過去から道徳の時間が現在も批判されることも多い。

すずが義母をダンナ・周作が通っていた母校の小学校に連れて行ってあげた時、周作の母が「ダンナが仕事を解雇されて大変だった」と思い出話を語る。戦前であろうが戦時中であろうが、戦後であろうが食い扶持がなくなることは一大事。

この世界の片隅に1巻 街中に大きな日の丸
(この世界の片隅に 1巻)
ただ大きな日の丸が幾つもはためく街中を背景に「それが大ごとじゃ思えた頃がなつかしいわ」と義母がポツリ。仕事がなくなることが些細に思えるぐらい、戦争は広島市民にとって大ごとになってしまったことを暗に皮肉ってる。日の丸はやはり「戦争」の象徴でしかない。小学校自体も尋常小学校から国民学校へ名称が変更されてるなど、より戦争を象徴するアイテムとして描かれています。

この世界の片隅に2巻 水道 軍優先
(この世界の片隅に 2巻)
すずが久しぶりに同級生の水原と再開した場面では、すずが「水道も断水ばっかりなんと。軍優先じゃけえね」とポツリ。戦争優先で市民生活が虐げられていたことが暗に伝わります。

この世界の片隅に2巻 竹槍
(この世界の片隅に 2巻)
竹槍を使って女子供たちが訓練させられる場面や、すずが子供を何人も産まなきゃいけないと語ったり、戦時中の空気感や市民たちがどう生きていたかの雰囲気が伝わってきて面白い。

この世界の片隅に1巻 建物疎開
(この世界の片隅に 1巻)
個人的に驚いたのは「建物疎開」。

自分の家を壊してどこか田舎へ疎開させられる。建物疎開の目的はアメリカ軍から空襲を受けた時、延焼しないように空き地を作らされていた。現代の価値観からしたらそんなことを強制させられたらたまったもんじゃないですが、それも「やむなし」と思わせる戦時中の空気の気持ち悪さが間接的に伝わってきます。


暴力が暴力に屈した8月15日

『この世界の片隅に』の最終回・結末はやはり終戦。ストーリーがそこへ向かっていくに連れて、空襲を受けるなど戦争がもたらす悲惨さも増していく。

この世界の片隅に3巻 径子の娘・晴美
(この世界の片隅に 3巻)
アメリカ軍が落とした時限爆弾に見舞われて、ずっと妹のように接していた義理姉・径子の娘・晴美が死んでしまい、同時にすずは右手を失ってしまう。それまでノホホンとした性格のすずや穏やかな風景がフリとして対比的に活かされて、より被害の深刻さが鮮明に写ります。

この世界の片隅に3巻 昭和天皇の玉音放送
(この世界の片隅に 3巻)
昭和天皇の玉音放送が流れた時も、すずたちはピンと来ない。これまで軍部やマスコミは散々と戦争を煽っていたわけですから、いきなり戦争が終わったと言われたところで理解できるはずもなく当然の反応。ここからは勝手に戦争を始めて、勝手に謝罪もなく無責任に逃げた軍部たちに対する批判も込められているのかも知れない。

しかも天皇の声もカタカナ表記で味気なく無機質。全く感情がこもっておらず、どこか天皇に対する批判も読み取れます。また玉音放送に対してすずたちは「まるで人間の声」といった反応を示すんですが、天皇は神と教わっていたためまさに「コイツ誰やねん」状態。戦前教育ってのが暗に崩れ落ちたことも示してる。

だから日本国民が天皇に陶酔しきっていたという指摘もありますが、当然それまで多くの国民は天皇の肉声を聞いたことがなかったので、実は天皇バンザイな愛国者ほど玉音放送にはピンと来なかったのかも知れない。

ただあくまですずたちの目線は「被害者側」の視点で描かれる。だから『この世界の片隅に』では日本の加害責任が言及されていないといった批判もあるらしい。確かに日本の戦争漫画や戦争映画は常に薄っぺらい被害者視点で描かれるばかりで、どうしても「加害者視点」で描かれることは少ない。

でも『この世界の片隅に』では一応「日本の加害者視点」で描かれてるのかなーと思わせるシーンが最後の最後であります。それが前述の玉音放送を聞いたすずが、「まだ左手も両足も残っとるのに納得できん」と外へ飛び出すものの、平和な空を見上げて「この国から正義が飛び去っていく」と崩れ落ちる。

この場面ではためくのが「太極旗(大韓帝国の国旗)」。まさに朝鮮民族や独立運動を象徴する旗。そしてすずは「暴力で従えとったということか」「じゃけえ暴力に屈するいうことかね」「それがこの国の正体かね」「うちも知らんまま死にたかったな」と泣き崩れる。

ここで作者・こうの史代が伝えたかった「暴力」の意味は、前述の「正義」という表現も加味すると、日本がアジア解放という美名の下で朝鮮半島などを武力で植民地化して支配した、という歴史的な事実を指してるのかなーと思います。暗に日本で現在も差別されている朝鮮人の怒りの発露を「太極旗」で表現してる。

日本は武力で世界やアジア諸国を侵略しようとした結果、アメリカという武力に逆にブチのめされたわけです。まさに暴力(日本)が暴力(アメリカ)に屈したのが8月15日。そういう点では「日本の加害者責任に触れている」とも言えます。

ただ残念ながら、それまでのストーリーで「朝鮮人や韓国人」が登場することはないため、まともな近現代史の歴史的な知識を身に着けてない限り、さすがに太極旗一つだけで日本の加害責任に強く触れて批判しているかといえば微妙。むしろ「唐突感」しか感じなくても仕方ないのかもしれない。

例えばポンコツユーチューバーのKAZUYAやネトウヨまとめブログを好んで見てるような連中だと絶対理解できないはず。いわゆる朝鮮人が戦後に日本を裏切ったー的なアホな切り口でワーキャー騒ぐのが関の山でしょう。実際にはそれまで朝鮮人は抑圧されてから黙ってたにすぎないわけですから。

もちろん『この世界の片隅に』は他の漫画や映画作品と比較したら、まだ日本の加害責任について触れてる作品なのかも知れませんが、これで十分読者に何か伝わって胸にストンと落ちるかと言えばやはり物足りなさも残るのも事実か。


「この世界の片隅に」の総合評価 評判 口コミ

『この世界の片隅に』の感想としては、古くさい絵柄から受けた印象には反して読み進めていくと意外と悪くはない

当時の広島県や呉市の何気ない日常や風景を素直に切り取っていて、戦争ものにありがちな大げさな脚色が薄く却ってそれがリアルに新鮮に写る。そこにさり気なく「戦争という悪」を放り込んでくる上手さもあって、この対比やギャップ感から描かれる戦前の日本の愚かさや戦争の無意味さが柔らかなタッチの絵柄から想像できないほど鮮明に伝わってくる。

どうしてもメッセージ性という点ではやや弱さや曖昧さは残るものの、日本国内における戦争漫画や戦争映画といったジャンルの特性を考えると『この世界の片隅に』にだけが別に取り立てて異質なものではなく、良くも悪くも政治性の弱さ・薄さとも好意的に解釈することもできて、そのことで却って幅広い読者に受け入れられる素地があるとも言えます。それゆえに産経新聞でも『この世界の片隅に』という映画をおすすめできたのか。

『この世界の片隅に』の発売年は2010年前後とやや古い作品ですが、最近アニメ映画が人気ということで戦争ものが好きな方にはおすすめしておきます。もちろんマンガマンガした面白さはないので注意したいですが、韓国やアジア、世界各国と「未来志向」で手を取り合おうとする中、日本が犯した過去の愚かな戦災について日本人全体が改めて学びたいところです。

『Spotted Flower』1巻2巻のネタバレ感想をレビュー。作者は木尾士目。掲載誌は楽園 Le Paradis。出版社は白泉社。ジャンルは青年コミックのラブコメ漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

今回も『Spotted Flower』が面白いのか、つまらないのかさっくり感想をレビューしたいと思います。


Spotted Flowerのあらすじ物語 ストーリー内容

Spotted Flower1巻 あらすじ1
(Spotted Flower 1巻)
主人公はどこにでもいる夫婦。冴えなさそうな眼鏡のダンナと、ちよい美人の奥さん。どうやら奥さんは妊娠真っ最中らしい。クリスマスのある日、身重の奥さんがダンナさんにプレゼントしたいという。

Spotted Flower1巻 あらすじ2
(Spotted Flower 1巻)
ただクリスマスプレゼントの中身がまさかの「18禁同人誌10点セット」。ダンナは見た目よろしくゴリゴリのオタク。奥さん的には「ふぅオタクって楽だわ」と余裕の笑み。でもダンナは既に何冊か持っていたというオチ。重度なオタクにも程があるやん。

こんな気持ち悪いオタク夫婦、いや厳密には奥さんは非オタでダンナだけがオタクのラブコメ漫画になります。果たしてオタクと非オタクは一体どういう夫婦生活を送っているのか?という内容のラブコメ漫画。

「妊娠」や「子育て」が一つのテーマということで、おすすめ国産ミニバン車ランキングソリオ vs ルーミー・タンクの比較フリード vs シエンタの比較といった自動車記事もどうぞ。自分は漫画以外にも自動車ブログ[くるまン]を運営してるんですが、単なるその宣伝ですので興味がない方はスルー推奨。


オタク男子と付き合うと大変?

主人公のダンナはオタク。妊娠中の奥さんは非オタ。当然色々と問題も発生。例えば最たる例が夜の営み。男側からしたらお腹の赤ちゃんが心配だったりして、あまり乗り気にはならない旦那さんも多いか。

Spotted Flower1巻 せめてAV1
(Spotted Flower 1巻)
ただ奥さん側からしたら妊娠したことで性欲も高まるとか高まらないとかで、そんなことねーよというかまびすしいツッコミも聞こえてきそうですが、『Spotted Flower』の奥さんは「まだこの子には何も分からないよ。たとえ中で出したってね」と乗り気。ダンナは思わずたじろぎつつも、ややムラムラ感がアップ。

Spotted Flower1巻 せめてAV2
(Spotted Flower 1巻)
それでもやはりお腹の赤ちゃんが心配なこともあってか、「確かにそーゆうエロゲーはあるけども」とヤル気はみなぎりつつも丁重にお断り。でも断る理由がまさかのエロゲー。思わず奥さんは「せめてAVとか言えよ」とダンナのオタッぷりに逆に萎えー。どっちにしても大概アレですけどね(笑)

挙句の果てにダンナは男の娘モノのエロゲーで一人で営んでる場面に遭遇する。いや正確にはダンナがなかなか勃たないので、奥さんが「最初から勃ってるときにハメればいいじゃない」とマリー・アントワネット的なノリでダンナにエロゲーをやらせるものの、まさかの男の娘モノだったというオチ。リアルだったら即離婚ものか(笑)

Spotted Flower2巻 男の娘モノ
(Spotted Flower 2巻)
しかも内容が更に「男の娘+妊婦モノ」という強烈過ぎるコラボだったので、非オタの奥さんは思わず「どーやって産むの?」と聞いてくる。いや、疑問のポイントそこかよ。確かにどうやって出産するのかも激しく気になりますが、まずはそもそもどこにどう着床すんねんって話ですわ。

もちろん二次元は二次元。ホリエモンのように実際の男の娘に手を出すオトコは少ないでしょう。いわゆる別腹ってヤツ。やはりいくら女装したところで骨格は男性ですから。そこでダンナさんはそこまでシたいのであれば、ってことで奥さんにある要求する。

Spotted Flower1巻 斑目晴信の性癖
(Spotted Flower 1巻)
それが「縞パン(しまぱん)」。ヤマザキ春のパンまつりで販売すれば、きっとオタク人気間違いなしの縞パン。きっと来年のフジテレビに女子アナウンサーとして採用されそうな縞パン。確かに綿の肌触り感は素敵。

ただ奥さんからしたらギョギョギョ。女性の立場で考えると「縞パンは子供が履くもの」というイメージが強すぎて、一番有り得ない選択肢なのかも知れない。

Spotted Flower1巻 大野加奈子
(Spotted Flower 1巻)
そんなこんなで奥さんがどうやってもダンナとパコれない日々が続くので、ある時に眼鏡のママ友に相談すると「女が本気で誘惑して落ちない男なんていないですよね?」とアドバイスを受ける。なんという大胆かつ妖艶なアドバイス。

何故妖艶さを感じるかと言えば、実は眼鏡のママ友は授乳中でB地区ポロリンちょ状態。画像だとうまく隠してますが、割りと『Spotted Flower』は露出度が高いシーンが多めな漫画になってます。だから『Spotted Flower』はもはや妊婦モノと言えないこともなく、一部では「気持ち悪い」といった感想や評価が下されてることも。

Spotted Flower2巻 出産場面
(Spotted Flower 2巻)
そして最終的に奥さんが出産する場面すら直接描かれる。もちろん局部は描かれてませんが、いや敢えて局部だけ描かないことでまさかの「髪の毛」だけで赤ちゃんを表現。あまりに斬新すぎる演出で思わず笑ってしまいました。むしろ読者側が「!?」を使いたいぐらいだ。演出としてはかなり面白く、マンガやアニメだけではなく実写ドラマや映画でも使えそうです。

でも確かにコレはキモいと言われても仕方ないか(笑)

赤ちゃんが生まれてくる場面を見てるってことは、当然ダンナは出産シーンに当然立ち会ってるわけですが、この直前にまたしてもオタク魂を発揮する。

子宮口と言えばエロ漫画でよく【子宮口押されて気持ちいい】とかゆー表現あるけど、そんなこと言ったら殺されるんだろうな」とかつぶやく。もしTwitterだったら間違いなく炎上してる発言ですが、さすがに陣痛で苦しむ奥さんが「聞こえてんぞキモオタ」と激しめのツッコミを入れる。実際、昔どっかの編集者が妊娠した女性のB地区が黒くてキモいとつぶやいたら、どっかの女性漫画家がブチ切れてて笑いました。

いやぁ、世の中の女性のみなさん、やっぱりオタク男と付き合うと大変らしいですYO。


登場人物はげんしけんのメンバーたち?

『Spotted Flower』はいわゆるオタク漫画の一種。主人公のダンナや奥さんのキャラクター名も一切命名されてないなど、なんとなく「一般オタクと一般女性の日常・妊婦生活」を描いてるのかと思いきや、全くの真逆。

実は『Spotted Flower』の世界観や登場人物は、先日全巻の感想を書いた『げんしけん』のスピンオフマンガと言われてる。

げんしけん9巻 斑目晴信と春日部咲
(げんしけん 9巻)
だからダンナは斑目晴信であり、奥さんは春日部咲のこと。斑目晴信はまだしも、春日部咲については髪の毛が変わりすぎて全く気付きませんでした。

漫画タイトルの『Spotted Flower』もまさに二人のことを指し示してる。具体的には「Spotted」が「斑の」という意味で、「Flower」が「花が咲く」という意味の動詞。筑波大学卒の作者・木尾士目のインテリっぷりが鼻につきますね。

Spotted Flower2巻 大野と春日部咲
(Spotted Flower 2巻)
先程登場した奥さんのママ友も大野加奈子。そりゃあ乳もデカいはずです。やっぱり大野加奈子はママになってもコスプレ好きで、その格好の餌食になってるのが春日部咲。

Spotted Flower2巻 波戸賢二郎
(Spotted Flower 2巻)
波戸賢二郎に至っては、プロのマンガ家として矢島美怜と共に大成してるものの、完全に胸がボインボイン!!!リアル女体化されとるーーー!!!女装の壁を余裕で超えてきとるーーー!!!ただ波戸賢二郎はポコチンだけはしっかり残してる模様。お母さんきっと泣いてるぞ。

だから波戸賢二郎と思しき女性というか男性というか何と表現していいか一瞬迷いますが、そのセリフを読むと「寄った勢いでこうなる前の僕を押し倒したくらいなんですから」と完全にあの場面を差してるとしか思えません。あのときは斑目にドギマギしてやがったくせに、しっかりドS嬢化してくれちゃってます。

もう少し『Spotted Flower』のストーリーをネタバレしておくと、一応波戸賢二郎と矢島美怜の二人は男女の関係になってイチャコラを全開。性別が相変わらずややこしいものの、波戸のアソコは残ってるので矢島美怜とパコパコ可能。『げんしけん』のラストだと矢島美怜は「自分の実力を認めさせて波戸の気持ちを自分に振り向けさせる」と決意してましたが、どうやら有言実行されていた模様。

ちなみにスザンナ・ホプキンス(スー)もちゃっかり登場してて、波戸賢二郎と矢島美怜との関係が続いてるっぽいんですが謎の爆乳化してて笑いました。さすがにいくらロリ体型だったとはいえ、年齢的には20歳前後で成長期は終わってるはず。一体何があった!?

だから『Spotted Flower』はツッコミどころ満載。斑目晴信は春日部咲にガッツリ振られて、スーと付き合った。波戸賢二郎と矢島美怜の関係こそ十分有り得る展開なものの、スーの爆乳化の件然り、基本的には「げんしけんの登場人物たちにこんな未来もあったかもねー」という内容。

つまり『Spotted Flower』はいわゆるパラレルワールド的なスピンオフ漫画らしい。


Spotted Flowerの総合評価 評判 口コミ

Spotted Flower 1 (楽園コミックス)
木尾士目
白泉社
2015-12-25

『Spotted Flower』は「げんしけん」のスピンオフ漫画としては面白い。だから逆に言えば、やはり『げんしけん』を読んだことがない読者にはおすすめしません。

どっかにいるかも知れないオタク夫婦の痛いエピソードに笑いつつも、単なる妊婦モノの類いかと思いきや最初読んでると不思議な既視感に襲われる。この違和感の正体が分かりそうで分からない(分かりたくない)まま読み進めていくと、徐々に「Spotted Flowerの世界観」が明らかになっていく様は心地良い。2巻で♀化したヤツが登場した時には思わず笑ってしまった。

ハッキリと最後まで登場人物たちが何者であるかを説明しないのが心憎い演出であり、『Spotted Flower』の醍醐味。スピンオフ漫画であるにも関わらず…という逆説的な攻め方が良い意味で面白いギャップ感に繋がってる。まさに「明言しない妙」といったところ。

『げんしけん』ファンにはおすすめの一冊。今後は笹原や荻上千佳、高坂といった主要な登場人物たちの動向も気になります。きっと社会人になった彼らの姿を『げんしけん』ファンの多くが見たいはず。

ちなみにパラレルワールドの「if」な世界観ってことですが、もう『Spotted Flower』の世界観が「正史(real)」ってことでいいんじゃなかろうか。

正直、高坂と春日部咲があのままゴールインするとは思えず、スザンナ・ホプキンスもクセが強すぎるので、そのまま斑目晴信と長期に渡って付き合えるとも思えない。設定をボヤかしてる以上、ぶっちゃけ今更どっちに転んでも問題ないわけだから、このまま『げんしけん』の続きとして書いても良さそう。社会人になって変に奇をてらってない分、『げんしけん』より読みやすいかも知れない。

日産の人気ミニバン車と言えば「セレナ」。2017年1月の新車販売台数ではプリウスやアクアなどを抜いて全体で2位の快挙を達成ました。今年2017年夏頃にはセレナe-POWER(イーパワー)というハイブリッドモデルも投入される予定であります。

日産セレナ ロバート秋山0
この新型セレナは少し前にお笑い芸人・ロバート秋山とコラボしていたらしい。このコラボCMがアホすぎて笑った。

ロバート秋山は昨年2016年から割りと「架空の人物」になりきったネタを発表していて、漫画関連だと『不滅のあなたへ』の作者・大今良時とコラボしたことは記憶に新しいです。

日産セレナ ロバート秋山1
今回の新型セレナとのコラボでは、ロバート秋山は元日本代表の「伊古部 祐斗」という役。ただ見た目の雰囲気からは、全くサッカーができる気配がない。実際サッカーボールもまともに蹴れない。秋山の手の感じがヒドい。女子か。

日産セレナ ロバート秋山4
でもある意味、ロバート秋山的にはそれが狙い。プロの能力が全く備わっていないくせに、ムダにプロっぽい発言をすることで笑いを取る。だからこのイケメンっぷりのギャップ感。ムダに雰囲気を出すのだけは上手い。

ロバート秋山の背後に日産セレナが映っていますが、一応日産の狙いも説明しておくと「自動運転技術」のアピールになります。詳しくは動画をご覧いただくとして、セレナが渋滞でも自動で停止走行ができることをロバート秋山はギャグに走る一方でしっかり宣伝の役割も果たしています。

ちなみにセレナに自動運転システムが搭載されてるグレードはお馴染みの「ハイウェイスター」。この新型セレナハイウェイスターの実燃費は既に記事化してるので、もしセレナの購入を考えてる方は御覧くださいませ。自動運転システムを起動させた状態でも実燃費は悪化しないのか?


肝心の新型セレナとロバート秋山のコラボCMがコチラ。動画時間が長いだけあってテレビでは流れないので意外と貴重です。いくらセレナの自動運転システムをアピールしたいとは言え、ロバート秋山は一体何回「直感」言うねんっていう(笑)

日産セレナ ロバート秋山5
そして実は他にもセレナとロバート秋山はいろいろとコラボ済み。どんだけ日産、ロバート好きやねんっていう。一番上の女装のヤツとか割りとヒドいwww

ちなみに、この日産セレナではありますが、既にホンダ・ステップワゴンと新型セレナとの比較記事
トヨタ・ノア・ヴォクシーと新型セレナの比較記事はアップロード済みなので、もしセレナに興味が湧いた方はチェックしてみてください。

『君の名は。』1巻2巻のネタバレ感想をレビュー。作者は新海誠(原作)、琴音らんまる(漫画)。掲載誌はコミックアライブ。出版社は角川書店。ジャンルは少年コミックのSF恋愛漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

アニメ映画『君の名は。』の興行収入はまさかの200億円を超える大ヒット。そこに便乗するといえば聞こえが悪いですが、既にコミカライズもされています。レビュー時点では全巻が発売されてませんが、そこで漫画版の『君の名は。』が面白いのか考察してみました。


「君の名は」のあらすじ登場人物 ストーリー内容

舞台は日本の田舎街の糸森。時期は1000年ぶりぐらいの大量に彗星が降り注ぐ1ヶ月ほど前。

主人公はその糸森に住む女子高生の宮水三葉(みつは)。スマホの電波ぐらいは通ってるものの、電車は二時間に一本しか来ない故郷に嫌気を指していた。そして親が町長であり、また代々続く宮水神社の跡取り娘として当たり前のように神事の執り行うなど、三葉は様々な田舎のしがらみに縛られていた。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ1
(君の名は。 1巻)
だから三葉は都会へ憧れを持っていた。いや正確には大都会・東京にしがらみがなく、自由に暮らしている男の子に「憧れ」や「うらやましさ」を漠然と抱いていた。三葉は友達と一緒に昼ごはんを食べていると唐突に「生まれ変わったら男の子になりたい」とポツリと口に出してしまうほど。

当然誰も相手にしなかったが、せめて夢の中だけでも三葉は自由に都会で生きたいと願った。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ2
(君の名は。 1巻)
そしてある日、その三葉の願いは叶う。東京に住む瀧(たき)という男子高校生の体と入れ替わってしまう。思わず股間をムギュ~。いや誰得やねん。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ3
(君の名は。 1巻)
最初は戸惑う三葉だったが、周りにあるのは自分が常々憧れていたものばかり。心躍る三葉はこの入れ替わりを存分に楽しんだ。果たしてコレは夢か現実なのか。三葉が起きると再び自分の体に戻っていた。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ4
(君の名は。 1巻)
しかし自分の腕には「お前は何なんだ」の文字。体の入れ替わりは夢ではなく、明らかな現実だった。当然、この文字を書いたのは三葉に入れ替わった瀧。最初は瀧も当惑したものの、この入れ替わりが頻繁に繰り返されることで徐々に現実を受け入れていく二人。

そして三葉と瀧はお互いスマートフォンやノートに「今日一日は何があったか」をメモすることで、奇妙な交換日記が始まる。果たして三葉と瀧が入れ替わったことになにか意味があるのか、果たして二人が出会うことがあるのか、といった内容のストーリー。


単に三葉と瀧が入れ替わるわけじゃない

『君の名は。』のあらすじやCMの告知だけ読むと、単に田舎の少女と都会の少年の体が入れ替わっただけにしか思えないんですが、実はそれだけじゃない。もし単にそれだけの仕掛けだったら、あそこまでアニメ映画がヒットしてるわけがない。

『君の名は。』のストーリーをもう少しネタバレしておくと、二人は徐々に惹かれ合う。瀧はバイト先の女先輩が最初は好きだったものの、会ったことがないからこそ三葉への想いを膨らませる。そこである日、瀧はスマホで三葉に連絡を取ろうとする。三葉は入れ替わりの過程で自分の連絡先を瀧のスマホに入力してた。

君の名は。2巻 電波が届かない
(君の名は。 2巻)
ただ何故か何度連絡しようとしても「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか…」と一向につながらない。最初は三葉が住む糸森が田舎すぎるからかと気に留めていなかったが、明らかに不自然。漫画版だとあっさり処理されてますが、きっとアニメ映画版だともう少し丁寧にネタフリされてるはず。

そして、ある時を境に二人の入れ替わりが起きなくなる。

君の名は。1巻 三葉 彗星 布石
(君の名は。 1巻)
その「ある境」とはあらすじでも説明した「大量の彗星」が降り注ぐ直前。もう少し具体的にネタバレすると、三葉が「いま瀧くんもこの同じ空を一緒に見てるのかな」と告げた直後あたりから、何故か体の入れ替わりが起きなくなる。これが『君の名は』のストーリーの大きな伏線・布石になってる。

君の名は。2巻 糸森町
(君の名は。 2巻)
何故なら瀧が糸森へ足を運ぶと彗星が降り注いで衝突した結果、糸森は完全に消滅してた。だから同じ時代に体が入れ替わっていたわけではなく、実は時間軸も絶妙にズレてた。なるほど、この仕掛けは面白い。ありそうでなかった。

もちろん『君の名は』のストーリーはここで終わらない。

君の名は。2巻 口噛み酒でもとに戻る
(君の名は。 2巻)
体の入れ替わりができなくなったものの、瀧は宮水神社に自らが奉納した口噛み酒を飲み干すことで再び三葉の体に入れ替わる。そして三葉たちを救うために瀧は動く。「好きな女の子を助けるために動く」という王道的な展開につい引き込まれる。

ちなみに漫画版『君の名は。』はレビューしてる時点で3巻以降は発売されてない。だから「えぇめっちゃ続き気になるやん」っていう物語の佳境で終わってくれてる。これだとアニメ映画版の『君の名は。』を観に行かざるを得ないじゃないか。角川春樹はなんという商売上手。


「君の名は。」の総合評価 評判 口コミ


『君の名は。』の漫画版は意外と面白かった。色んな評論家がゴチャゴチャ言ってますが、少なくともアニメ映画が人気が出たのもうなずけます

自分はこれまで監督・新海誠の作品は漫画でしか読んだことがなく、『秒速5センチメートル』などは大して面白くなかったので正直期待してませんでしたが、『君の名は。』は展開に山場がしっかりあってストーリーの軸もハッキリしてて読みやすかった。キャラも高校生ということで幅広い年齢層に受け入れられやすそう。

設定の仕掛けも意表を突いていて、王道要素にしっかり自分オリジナルの味付けもできて良かった。また伏線の張り方も自然でさり気ない。例えば、三葉が「来世で東京のイケメン男子にしてくださーい」と絶叫した場面がまさにそれ。

何故なら「来世」が訪れるためには、当然「一度は死ぬ」必要がある。だから瀧と入れ替わってる時点で既に「三葉の死」が強烈に描写されてしてしまってたわけです。この仕掛けが明らかになった瞬間は前述のように「おぉ!」ってなった。

漫画版の『君の名は。』を強いて批判するとしたら、アニメ映画版ほど描き込みはすごくないこと。もちろん及第点は余裕で満たせてるとは思いますが、話題になったアニメ版の映像のキレイさと比較すると見劣り感は否めないでしょう。絵重視の読者にはそこまでおすすめしません。

ただ、それでも思わずアニメ映画版の『君の名は。』を観たくなるぐらい面白かった。もしアニメ映画を何度も観たことがあるリピーターでも、しっかり満足できるクオリティーのはず。漫画版の『君の名は。』を読めば再び記憶がオーバーラップしてくること間違い無し。全3巻でおそらく完結するはずなので、サクッと楽しめる点でもおすすめか。

『先生の白い嘘』1巻から6巻のネタバレ感想をレビュー。作者は鳥飼茜。掲載誌はモーニング・ツー。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックのレ◯プを扱った漫画。AmazonのKindleでもダウンロード購入・試し読みが可能です。

『先生の白い嘘』の内容こそショッキングですが、別にB地区などが露出するようなこともないのできっと実写ドラマ化や実写映画化しやすいはず。おそらく『先生の白い嘘』は玄人好みの内容なので個人的に業界の方におすすめしておきます。

そこでいずれ実写化される日を願って超ロングパス的に、今回も『先生の白い嘘』という漫画が面白いかおすすめかつまらないか考察したいと思います。是非この感想レビューを読んで購入の参考にして下さい。

ちなみに本来は『先生の白い嘘』の記事はもっと早くに書き上げたかったんですが、おすすめの人気ハイブリッド車ランキング| くるまン。日産セレナの自動運転した場合の実燃費| くるまン。など自動車記事に時間が取られてしまって、ここまで遅れてしまいました。


ハングレ集団・DeNAが掲載した「先生の白い嘘」の記事が面白い

そういえば話がかなり脱線するのでスクロール推奨ですが、最近何かと悪い意味で話題のDeNAのスパムまとめサイト「puul」でも、この『先生の白い嘘』も記事化されてました。現在は公開停止中ですが、なかなかツッコミどころ満載。

DeNA puul パクリ 先生の白い嘘 イメージ画像
「orange」という馬鹿ライターが作ったゴミ記事を読んでると、初っ端の『先生の白い嘘』の登場人物の紹介に、まさかの「イメージ画像でお送り致します」から盛大に笑わせてもらいました。それこそ最初実写化でもされるのかと思ったら、全然関係ないモデルの女性(いわゆるフリー画像素材)。

どうやら主人公・原美鈴を説明してる場面らしいんですが、共通点はメガネだけ。せめて髪型をポニーテールにするとか、もっと似せたモデルを探してこいと。他の登場人物も全然似てないモデルの画像ばかり貼ってある。

案の定、DeNAはネット上から薄っぺらい情報をかき集めてるだけなので、『先生の白い嘘』について大した情報も書かれてない。コイツラはマンガの内容を読んでないのは当たり前。これで検索上位に表示されるんだから迷惑千万。

しかも随分前に自分が『テラフォーマーズ』が面白いかつまらないか考察したんですが、その記事のコメント欄にpuulの記事のリンクを貼りつけて「もっと勉強しましょう」と説教を垂れてきやがったDeNAのアホ社員がいました。

コイツのすごいところが、そのpuulの記事が俺の『テラフォーマーズ』の記事をそのままパクってるということ。さすがに爆笑しました。同人作家がオリジナル漫画を描いてる作者に「俺の作品をパクるなよ」と抗議してるようなもんですから。

たまに自分のブログに批判的なコメントも頂いたりしますが、それにしても俺の記事をパクッておいて俺に直接説教を垂れるかねと。もちろんそのコメントはすぐ削除しちゃいましたが、さすがにこんな堂々とした宣戦布告を初めて見ました。

meryやwelqなど、DeNAのような社会の何の役にも立ってないゴミ企業の社員が「先進的でクリエイティブな企業活動してます」とドヤ顔してるのが本当に失笑もの。所詮は渋谷ヒカリエで残飯と空き缶集めするしか能がない、ホームレスまがいの分際ですから何をか言わんや。

きっと横浜ハジシラーズ球団を運営する企業のことでから、いずれスパム記事を再掲載してくると想像されるので、それまでに自分が『先生の白い嘘』のまともな考察記事をレビューしたいと思います。伏せ字が多いのはご愛嬌。


先生の白い嘘のあらすじ物語 ストーリー内容

少し話が脱線しましたが、『先生の白い嘘』の主人公は原美鈴(はらみすず)。桜丘高校で働く24歳の女教師。見た目は地味で性格も内気だったため、生徒の誰もが原美鈴のことを恋愛に疎いと思っていた。ただ原美鈴は冴えない見た目とは反して、誰にも言えない過去を抱えていた。

先生の白い嘘1巻 あらすじ 原美鈴 レイプアングル
(先生の白い嘘 1巻)
それが初めて処女を喪失したのがレ○プだったということ。しかも相手は原美鈴の友人・渕野美奈子の彼氏である早藤。タイミングも美奈子の引っ越しを2人で手伝っている日に、美奈子が少しだけ外出した一瞬。実は早藤は処女ばかりを狙うレ○プ常習犯。

ただ原美鈴は早藤への憎悪を抱くというより、自分の弱さに幻滅した。そして「私が女のせいでこんな目に遭う」と自身の『女性という性別』に対する嫌悪感が増大していく。はてには原美鈴は「女性である自分を幸せにしていいはずがない」と強固な考えを築き上げる。

先生の白い嘘1巻 あらすじ 新妻祐希
(先生の白い嘘 1巻)
そんな原美鈴の前に現れたのが新妻祐希(にいづま)という一人の生徒。新妻はバイト先の社長の奥さんからホテルに連れ込まれて、無理やりセクロスさせられてしまう。そのトラウマから女性のアソコが怖くなり、男性機能が一切働かなくなった。

原美鈴は普段から生徒たちにやや下に見られていたが、「先生」という立場から優劣を比較しあう様をどこか冷めた目で見ていた。当然先生を演じるために、自らの感情を吐露する経験もなかった。

しかし、この時だけは違った。

先生の白い嘘1巻 あらすじ 原美鈴
(先生の白い嘘 1巻)
新妻に対して涙を流しながら「アンタが怖いのは女のアソコじゃない…男に生まれてしまった自分自身によ」と本音全開で問い詰める。

「アンタはホテルで男と女が平等じゃないって知ったのよ。女から正しさを奪って、女から自由まで奪ってしまえる不条理な力を持ってることを誰かに許されたいだけ。男であることを許してほしいだけ」。

「でも大丈夫。そのうちすぐ慣れる。これから沢山の女をみにくく汚して生きていくのだから。そういう風にしか男は生きられないの。そんなの誰も許してくれるわけがない」と辛辣そのもの。何故同じレイプ被害者であるにも関わらず、立場が男と女というだけでこうも反目し合うのか。

そこには男と女が生まれ持って抱える「性の不平等」があった。『先生の白い嘘』とはまさに「性差の絶対的不均衡」をテーマにした漫画になります。レ○プされた女性は一体何に苦悩し、どんな問題に直面するのか。性をめぐる罪と罰、許すべき傷と許されざる蛮行、ほじくられる過去と穴。セ○クスとは何か、人を愛するとは何か、女の価値とは何なのか。

被害者が抱える透明の傷跡が語りかける残酷な現実を深く描写した内容には、思わずムナクソ悪くなる部分も多くてやや閲覧注意ですが、色んな示唆に富んでる漫画でおすすめ。いわゆる「魂の殺人説」が事実なのかも含めて読んでみることをおすすめします。


「このマンガを読め!」でおすすめされた漫画

ちなみに『先生の白い嘘』は2015年に「このマンガを読め!」で8位に選ばれた漫画らしい。世の中には色んな漫画の賞レースがありますが、割りと有名な「このマンガがすごい」ではありませんのでご注意を。


エロいシーンが全然エロくない理由

『先生の白い嘘』ではレイフ゜描写にハッとさせられることが多い。

ただいかにも下世話なエ口漫画のように直接描写せずに、とにかく「男のヒドい描写」を間接的に描く。あらすじだと自分の股間から流れ出た血液越しに早藤の背中を描く。背中を描くことで主人公・原美鈴の孤立感が余計に際立ちます。

先生の白い嘘4巻 レイプ描写 原美鈴 早藤
(先生の白い嘘 4巻)
早藤の背中の別パターンですが、コチラは明らかにガッツリとハメてると思しき場面。原美鈴の「あれに捕らえられた私が幸せになっていいわけがないじゃない」というセリフが何とも印象的。

先生の白い嘘2巻 レイプ描写 原美鈴 早藤
(先生の白い嘘 2巻)
他にも原美鈴の髪の毛をブチブチ。改めて確認しておくと『先生の白い嘘』の作者・鳥飼茜は女性。男性マンガ家でも「髪の毛」というアイテムを使った人は少ないんじゃなかろうか。

先生の白い嘘1巻 原美鈴 レイプ 表情
(先生の白い嘘 1巻)
他にも被害にあった女性の「表情」も抜群。画像は原美鈴。ズレた眼鏡具合などもリアル。

先生の白い嘘2巻 早藤と山田玲菜 トイレで立ちバック
(先生の白い嘘 2巻)
山田玲菜という女性の表情もヤバイ。相手はやはり早藤という男。合コンで知り合ったSJの山田玲菜に対して、いきなり居酒屋のトイレで立ちバック。おいおいおい。文字にしただけでも割りと強烈。

女性はことごとく「暴れない」のもミソ。いわゆる「ワーキャー」と叫んだりしない。いざという時は「男の威圧的な暴力」に大人しく屈服するだけ。これが妙にリアルに映る。見事に女性の心情が投影されてるとしか思えず、嫌なゾクゾク感しか覚えない。

特に注目したいのが「鼻の穴」。意外と女性の恥部とも思える部位だと思うので、そこを惜しげもなく表現したがるのは女性マンガ家ならではの視点ではなかろうか。だから逆に言えば、漫画的にエロいシーンになるであろうエロいシーンはエロくない。鼻の穴なども、かえって男読者からしたら冷めてしまうシーンでしょう。


早藤という最強のクズ男

何度も既に登場してきた男が早藤(はやふじ)。この早藤がとにかくクズ。男の自分から見てもクズ。

早藤には美奈子という婚約者がいる。でも早藤が性のはけ口にしてるのは、美奈子以外の女性ばかり。この時点でなかなかのクズですが、美奈子が迫っても「疲れてる」の一点張り。

先生の白い嘘2巻 早藤 最低発言
(先生の白い嘘 2巻)
挙句の果てには「俺そういう迫られるとかされると余計に引く」とバッサリ。男でも同じことを言われると傷付くかも知れませんが、特に女性は勇気を出して自分から誘ったのにこんなこと言われたらトラウマものでしょう。

先生の白い嘘6巻 早藤イズム2
(先生の白い嘘 6巻)
前述の山田玲菜から別れのメールが来たときは、「うわキンモ!要らね」と連絡先を消去。「キンモ」っていう言い方が最高すぎます。作者・鳥飼茜がきっと自分が言われたら嫌なセリフをまんま早藤に言わせてる感があり(笑)

『先生の白い嘘』の最新ストーリーをネタバレしておくと、原美鈴と新妻という男子生徒が最終的に仲良くなる。あらすじでは対立してるかのように書きましたが、同じ傷を抱えてるからこそ徐々に理解し合う。これについては更に後述。

先生の白い嘘6巻 早藤イズム
(先生の白い嘘 6巻)
二人が仲良くしてる光景を見た我らが早藤はどうしたか。原美鈴と一度ハメドリした映像をチラつかせて「二人のプレイを見せろ」などと脅してくる。いわゆるリベンジポルノの最凶版。

他にも早藤は前述の山田玲菜を山へ捨てようとしたり、もう手がつけられない。「女なんかバカで口答えできないくらいがギリギリ相手してやれてんのに、余計な知恵つけて体は劣化ってソレどこに需要あんの?」など最低なセリフも満載。これを女性のマンガ家が考えてるってのがまた面白い。


女性キャラクターもクズばかりだが…

ただ早藤だけクローズアップしてみましたが、意外と女性もクズ。むしろ『先生の白い嘘』はそこがポイントになりそうな漫画。

先生の白い嘘5巻 山本玲菜
(先生の白い嘘 5巻)
例えば山田玲菜。SJ喪失が早藤の立ちバックだったわけですが、そこから何故か早藤にベタ惚れ。山を捨てられそうになった時には、首を絞められながらも「馬鹿かもしれないけど愛してるから」と涙ながらに好きでいさせてと懇願。最終的に山田玲菜は妊娠した早藤の奥さん・美奈子に中絶薬を飲ませようとしたりする。おいおいおい。

「お前ら女は全員馬鹿なんじゃねぇの?」「人間以下の扱いされてんのにヘラヘラ笑って済まそうとしやがって幸せだ?」「頭と腹ん中怒りと絶望で真っ黒なくせにそれでも自分だけは幸せなはずだってか?」という早藤の最低すぎるセリフも思わず腑に落ちます。

そもそも主人公・原美鈴からしてどうしようもない。何故ならSJ喪失後も早藤に何度も関係を迫られても拒否しない。

先生の白い嘘2巻 原美鈴の喘ぎ表情
(先生の白い嘘 2巻)
嫌がるどころかむしろ気持ち良い。表情からして紅潮しまくり。「アソコはやる気マンマンだよ-」とスマホでパシャパシャ撮影されても表情はあながち満更でもなかったり。

先生の白い嘘4巻 原美鈴 すぐ感じるー
(先生の白い嘘 4巻)
というか、すぐ感じちゃう。どんだけ敏感やねん。早藤に服をぐいっとされただけ。

先生の白い嘘3巻 無様な美奈子を見下す
(先生の白い嘘 3巻)
ただ早藤との行為は気持ち良いだけではなくて、原美鈴にとって行為そのものが早藤のお嫁さんであり、自分の親友である美奈子に対する「当てつけ」や「復讐」になってるから。

美奈子はいわゆるモテ女。ただ自分を引き立たせるためだけに、地味な原美鈴を隣に置いてた。このことが苦痛だったものの、皮肉なことに早藤に犯されることで立場は逆転し、「早藤に抱かれる女(原美鈴)」と「早藤に抱かれない女(美奈子)」という図式が完成。

原美鈴は美奈子を見下せる立場が与えられ、しかもこの上下関係を知らないのは美奈子だけ。そのことが更に原美鈴に優越感に浸らせる。「あの吐気がするような悪魔から、私は美奈子を見下す座席を与えられたのだ」というセリフが何とも印象的。


救いようがない女たちの快楽という膿

まさにクズ女ばっかり…と言いたいんですが、結局何が問題かと言えば「女のアソコはどうやっても気持ち良くできてる」ということ。誤解を恐れずに言いえば、どうやってもレイ○されたとしても女性のアソコは気持ち良くなるようにできあがってる。

先生の白い嘘1巻 早藤「何故逃げないの?」
(先生の白い嘘 1巻)
逃げないでそこに居続けたのはなんで?」という早藤のセリフにも代表されるように、少なくとも早藤の暴力的なセ○クスから女性たちの多くは逃れようとしない。それはひとえに「恐怖」で支配されてるというより「快楽」で支配されてしまうから。

先生の白い嘘1巻 原美鈴 自分のアソコに嫌悪感
(先生の白い嘘 1巻)
だから原美鈴も自分の股間を見ながら「最低死ねばいいのに」と、どちらかと言えば早藤というより自分自身(の股間)に敵意を向けてるのはそういう理由。『先生の白い嘘』の作中の表現を借りるのであれば、まさに「快楽という膿」があふれ出て止まらない。

普通は嫌いな食べ物を無理やり食べさせられたら、多くの人間は気持ち悪くて吐いてしまうでしょう。でも無理やり白い液体を体内にぶち込まれたとしても、残念ながら女性の体は強制的にそれを吐き出してくれるような仕組みにはなってない。

つまりセ○クスそのものに罪はなく、あくまで罪作りな存在は女性の体。だから原美鈴はいくら暴力的であっても、快楽を感じてしまう自分の肉体の理不尽さに罪悪感を感じる。また早藤はイケメンのエリートサラリーマンだけあってか、これまで男にモテなかった原美鈴からしたら「女性として求められる」ことに精神的に満たされてる部分も少なからずあって、そのことがよりいっそう悩ませる。

先生の白い嘘4巻 原美鈴 名言
(先生の白い嘘 4巻)
原美鈴が「暴力なんかじゃなかったら良かったのに」と新妻とのキスシーンで本音を語ってる場面からも分かるように、あくまで大きな違いは「プロセス」でしかない。サラッとヒドいことを言えば、結局入れちゃったら一緒。

『先生の白い嘘』を読むと女性の被害者が「自分自身を嫌いになるプロセス」がよく分かります。本来は唾棄すべき・批判すべき行為であるにも関わらず、被害者である自分自身が強烈な快楽を感じてしまう。そこに強姦という犯罪が圧倒的な矛盾を抱えてる。

男側が悪意を持とうが善意を持とうが、その行為そのもので得られる肉体的な快楽は同じ。きっと後者の行為の方がもちろん気持ち良いのでしょうが、それでも「セッ○スの本質」にグッサリと切り込んだという点で『先生の白い嘘』は価値がある。

世間が「犯して気持ち良くなる加害者」を批判すればするほど、被害者は同じように「侵されて気持ち良くなる自分自身」に対して強烈な自己嫌悪や罪悪感が生まれる。これだとどうやっても自分自身を嫌いにならざるを得ない。レ○プも単なるエッチと同じに過ぎず、もし「気持ち良くなることが悪」なのであれば加害者も被害者も同様に罪。

それゆえに何故「愛した上で抱いてくれなかったのか」という強い後悔が女性の中では生まれるものの、つまり裏を返せば「白」で傷付けられた傷は同じ「白」で塗りつぶす以外に方法がない。結局セッ○スで傷ついた穴は、愛あるセック○で埋めていくしかない。

もちろんそんな簡単な話ではなく、そこに気付けない、あえて気付こうとしない被害女性も多い。そこで何の対策もしようがなく、女性は更に苦しんでいくという負のスパイラル。

先生の白い嘘4巻 早藤 妊娠 ゲロ
(先生の白い嘘 4巻)
ただ逆に早藤にとってはセッ○スは暴力の手段・女性を屈服させるためだけのツールに過ぎない。だから美奈子が妊娠した時に恐怖感や強烈な拒否感でえづく。白い液体に愛が込められてようが愛が込められてなかろうが、問答無用で「神聖な赤ちゃん」が作られてしまう。

セッ○スは「極めて単純化されてしまう快楽」であるがゆえに、いかに人間が人間を愛することが重要かってことを作者が問うてるような気がしました。では早藤は一体どんな過去やトラウマを抱えているのか?…というのが『先生の白い嘘』の最終ゴールに向かうストーリーのカギと言えそうです。


先生の白い嘘の名言

「逃げないでそこに居続けたのはなんで?」「暴力なんかじゃなかったら良かったのに」などサラッと本質を付いてくるキャラクターのセリフが多いので、ここからは『先生の白い嘘』の名言を簡単にまとめてみました。

まずは早藤の名言。

「もしこれが暴力だったら傷付くのが誰か自分が一番わかってんじゃん」
「ホントは暴力された女になんか成り下がりたくないだけなんだろ?」
「私は求められた女なんだって思い込めば楽になれる」
「暴力も愛も自分の思い込み次第って」
「女ってそういうエゲツない生き物だろ」

(2巻)

「与えられたものが何であれ死守しようとする」
「たとえそれが暴力だとしても強欲に幸せであろうとする」
「そのためなら自分を捻じ曲げてでも掴もうとする」

(5巻)

早藤が自分が犯した女性たちに対して吐きかけたセリフ。もはや自分を逆に詰ってほしいと言わんばかりの逆ギレ的なセリフですが、女性の愚かしさを痛烈に批判してる名言ではなかろうか。

他にも三郷佳奈(ミサカナ)という女子生徒は、実の兄から昔イタズラされていた。そのことで男全体に対する復讐心を目覚める。ミサカナは美女だから男が寄ってくるものの、中途半端に焦らしては最後まで行為をさせない。

ミサカナにとって「自分の処女を守ることが復讐」という位置づけになってて、そこで出た名言が「アンタ達全員コントロールしてやる。今度は私の番よ」。何とも弱々しいそれが女性の置かれてる立場の弱さも彷彿とさせて泣かせます。

先生の白い嘘3巻 ミサカナ 名言
(先生の白い嘘 3巻)
他にも「買うのはアンタたち男でしょ?一生に一人のお嫁さん。新品の方が高く売れるに決まってるじゃない。私のこと中古にしちゃったら、その責任取れないでしょ?」という名言は、男が読むと思わずグサッと刺さります。

悲惨な強○被害がクローズアップされてる漫画ですが、実は『先生の白い嘘』の本質的なテーマは「じゃあ女性の価値とは一体何なんだ?」ということを問うてる内容と言えます。

他にもそれが分かる名言が、『先生の白い嘘』2巻。美奈子と一緒に合コンに行った原美鈴は、当然冴えない格好から男たちから「ないわー」と陰口を叩かれる。そこで出た名言が、やはり「女の価値とは何なのか?」という本質をついた名言。

「私には最初から選択権さえ与えられていない」
「見も知らぬ男に、ある日、突然値札を付けられる」
「ある日突然、見も知らぬ男に何食わぬ顔で強奪される」
「それが底値で買い叩いたものであろうが、あるいは強奪したも同然であろうが」
「価値なんてあってもなくても同じこと」
「何度も何度も買い叩かれては擦り切れる」
「いつからかその擦り傷にはこの世で最も醜い膿が溜まるようになった」
「【快楽】という膿があふれてしまう」


この名言で伝えたいことは『先生の白い嘘』で一貫して描かれている、結局は「男の価値観」で「女の価値」が決まってくる現実に対する痛烈な皮肉。性行為にしてもそこに愛があろうがなかろうが、女性は平たく快楽を感じてしまう。つまり女性の意思は後回しで、結局男性の意志だけが最終的に物を言う。その男だけに与えられた圧倒的な「主導権」に対する批判や絶望が込められてる名言でありましょう。

この変えようがない厳然たる現実に向き合って絶望を抱くか、大人しく現実から逃げて幸せであろうと思いこむのか。『先生の白い嘘』を読んでる限り、女性たちに残された道はこの2パターンしかない。ストーリーとしては、登場人物たちがそれぞれの女性が傷付きつつも自問自答しながら、それぞれの幸せや自分の存在のあり方を模索していくわけですが、じゃあ「女性にとっての幸せとは何か?」も色々と考えさせられたりもします。


先生の白い嘘の総合評価 評判 口コミ


『先生の白い嘘』の最終的な評価感想としては、正直何とも言えないです。これを面白いと言ってしまうと、正直人間性が問われそうで怖いです。それだけ女性の心の傷をグリグリとほじくり返す描写が上手く、まさに「レイ○被害」の本質に切り込んだ漫画と言える気がします。

普通であれば殴られたら殴り返せばいいんですが、「殴り返す」という行為は結局は「自分も相手も気持ち良くなる行為」にしかならない。つまり強姦で女性が傷付けられたとは言いつつもそこに大きな矛盾を孕んでて、女性にとって復讐の方法は現実的に何も用意されてない

だから冒頭で問いかけた疑問に答えると、つまらないマスコミは強姦を「魂の殺人」などと煽ったりしますが大きな間違い。むしろ女性の魂はビンビンにイキイキしてる。ただ亡霊のように魂が歪んで地縛霊のように、ずっとそこにとどまっている状態。つまるところ「価値観が壊れる」といった方が表現としては適切でしょうか。

実際『おそ松さん』というアニメが好きな「下痢ラ豪雨」というツイッターアカウントの持ち主は、割りと大きなレ○プ事件の被害者だったらしいんですが、そのことがキッカケで色んな男に股を開く女性に悪い意味で開眼したらしい。「下痢ラ豪雨」はかなりクレイジー女性なので、詳細を知りたい方は勝手にググってください。

こういった被害の本質を理解してアプローチしなければ、現実の被害者女性も救われないことが分かります。要は被害女性が「暴力の被害だけに合ってる」という発想そのものが大きな「白い嘘」。だから漫画タイトルの『先生の白い嘘』の「白」は言うまでもなく「男の精液」のことを指してるのだと考えられます。

先生の白い嘘6巻 早藤の暴力トラウマ
(先生の白い嘘 6巻)
『先生の白い嘘』の最新刊をネタバレしておくと、ついに早藤が暴走。

これまでの感想を読んでも分かるように、どこか女性に怯えていた早藤。レ○プにしても「女性より優位の立場に立つ」という手段でしかなかった。必要以上に女性を貶めるという背景には、早藤の過去に何かがあった。きっと『先生の白い嘘』7巻以降は「男の弱さ」みたいなもんも描かれるのかも知れません。

でも個人的には原美鈴も早藤も全員救われないまま完結を迎えて欲しい。それでこそ胸糞漫画ってもんでしょう。以上、高畑くん、おときたくんに是非おすすめしたい漫画『先生の白い嘘』の感想レビューでした。

『ハンターハンター(HUNTER X HUNTER)』1巻から32巻のネタバレ感想まとめ。作者は冨樫義博。少年ジャンプ(集英社)で一応連載中。

何故「一応」と書いたかといえば、長期の休載に入っては連載再開を繰り返す典型的なマンガだから。気付けばハンターハンターの連載からそろそろ20年が経とうとしている現実に軽い恐怖を覚えますが、それでも根強い人気を誇るバトル漫画。

いつ完結を迎えるのかは作者・冨樫義博もおそらく分かってないと思いますが、最近また連載が再開したってことで「HUNTER x HUNTERはそこまで面白いのか?」という考察記事をレビューしてみた。


ハンターハンターの命名理由

ちなみに『HUNTER X HUNTER』という漫画タイトルですが、作者・冨樫義博に収集癖があったから。自分が欲しかったものをゲットした時の快感がたまらなかったので「ハンター」を題材としたマンガをを随分前から書きたかったそう。

じゃあ何故二回連呼してるかというと、作者・冨樫義博が当時テレビに出ていたダウンタウンの浜田が「なんで2回言うねん」とツッコミを観たから。そこでインスピレーションがビビビと来たらしい。確かに1990年代を振り返ると、松本は好んで二回同じフレーズを繰り返すボケを連発してました。この話は6巻のオマケページを参照。

しかし未だにダウンタウンはテレビに出ていますが低視聴率の惨敗っぷりはエグい。よく平然とテレビに出ているな~と感心すら覚えますが、面白くないお笑い芸人が面白くないテレビと共に落ちぶれていくのはある意味自然でお似合いであります。


NAVERまとめの考察記事は完全アウトじゃね?

ハンターハンターに関する考察はネット上に溢れかえってるんですが、特に酷いのがNAVERまとめ。犯罪企業のLINEが運営するスパムキュレーション。

ハンターハンター考察 NAVER1
(NAVERまとめ)
何がヒドいのかというと海外で違法アップロードされた画像をそのまま使ってる。「日本語ではありませんが」という部分は爆笑するところ。堂々と違法行為を行っているハンターハンターの考察記事を書いたのは誰なのか。

ハンターハンター考察 NAVER2 逮捕しろよ
(NAVERまとめ)
それが「Quoll-x-llv」という方。集英社さんは対応しなくていいのでしょうか。自分以外も含めて健全なブログを書いてる人たちのやる気を奪うだけです。他のまとめブログもそうですが、コレを認めたらもはや何でもありですよね?


HUNTERXHUNTERのあらすじ物語・ストーリー内容

主人公は少年のゴン。孤島・くじら島で生活していたが、父親・ジンは死亡し、ミトという女性に育てられた。しかし、ひょんなことからゴンの父親・ジンが世界有数のプロハンターであり、現在も生存している事実を知る。そしてゴンはジンに会いに行くため同じくプロハンターを目指す。

ハンターハンター15巻 ゴンとキルア
(ハンターハンター 15巻)
数々の困難がゴンを待ち受ける中、キルアやクラピカ、レオリオといった仲間たちと共に乗り越えていく。果たしてゴンはプロハンターになれるのか?無事父親であるジンに会うことはできるのか?…みたいなあらすじのバトル漫画。画像は左がゴン、右がキルア。腐女子の方は変な妄想しちゃいけませんよ。


圧倒的なネーム力

『HUNTER X HUNTER』の面白さや醍醐味は、やはり展開力やネーム力。『進撃の巨人』さながら、次の展開が気になってページをめくる手が止まらない。

もちろん奇想天外なだけでは読者は付いていけない and 付いていかない。でも『ハンターハンター』の場合には展開に納得感があって「そーきたかー」「ここでそれが来る?」としっかり唸らせてくれる。ストーリーの下地に大きな話の軸がしっかりあるので、いきなり場面転換が起きても混乱しない。

「展開が読めない=ストーリーが分かりづらいだけ」で終わってるマンガも多い中、読みやすくてハラハラした展開を作れるのはすごい。やはり分かりやすいストーリーの上で予想外の仕掛けが待ってるのが大事。言うのは簡単でも、これをできてる作家さんは少ないでしょう。

また伏線も堂々と張ってる。14巻でグリードアイランド編の「ニッグ(NIGG)」など、読者の目の前にはっきり置かれているのにそこに気付かない。むしろ、堂々と置かれてるからこそ読者が気付きづらい。まさに大胆不敵。作者が隠そうとするあまり読者は覚えておらず、いざネタばらしされても驚かないという伏線はダサい。

しかも、その伏線が読者を騙す引っ掛けってだけでなく、次の展開へと繋がる仕掛けになってるのがすごい。グリードアイランドだとアカンパニーからのカイト、キメラアントという存在も暗黒大陸編に繋がる壮大なアイテムでした。作者・冨樫義博はストーリーの動線の作り方や誘導の仕方が巧み

バトル描写については後述しますが、冨樫義博は画力も高い。キャラクターの表情の描写力もストーリーの読みやすさに貢献してて、例えばキャラの目線がどこに向いてるか、誰がどこを見ているか、一体どういった感情を抱いているのかが一目瞭然。

もちろん当たり前の部分でありますが、キャラクターの行動や言動が視覚的に分かりやすくなるだけで、次の展開や話の流れを読者はスラスラっと読める。基礎的な画力レベルは見た目の派手さだけを生むわけじゃありません。


心理描写を展開の中で活かす

ハンターハンター30巻 メルエムとコムギ
(ハンターハンター 30巻)
また作者・冨樫義博はキャラクターの描き分けや心情描写も巧みで、そういうのを大オチに持って来ることで感動にも繋がる。画像のキメラアント編のメルエムとコムギの最期の一局は泣けました。だから読後感は余韻アリアリ。

ハンターハンター24巻 敵同士で対立
(ハンターハンター 24巻)
他にも敵同士内での対立があったり、ドラマとしてしっかり面白い。画像の少女・コムギは盲目なんですが、「軍儀」というボードゲームのプロでもある。このコムギを敵の王・メルエムは気に入ってる。ただコムギとメルエムが近づけば近づくほど、本来メルエムが持っている圧倒的な悪意や狂気が薄れていく。

そのことに対して、メルエムの部下・シャウアプフが一方的にコムギを敵視してる。シャウアプフはBLマンガを彷彿とさせるほど、王・メルエムに心酔に近い忠誠を誓ってるので、このもどかしさに四苦八苦する。こういったキャラクターの相関関係や心理描写を巧みに展開の中で生かしてる。

ハンターハンター28巻 イカルゴの男気 敵キャラもイケてる
(ハンターハンター 28巻)
またイカルゴというキメラアント(敵)は男気に溢れてる。主人公・ゴンやキルアたち側に付いてキメラアントを裏切るんですが、自分の生き様を優先させる姿勢に読者は共感を抱きます。むしろ敵キャラだったからこそのギャップ感に惹かれる。

ハンターハンター32巻 パリストンとチードル心理戦
(ハンターハンター 31巻)
ハンターハンターの会長選挙では、海千山千たちの知略謀略が複雑に交錯したバチバチの頭脳戦が展開されます。各々のキャラクターが個性を出しつつも、それらがストーリーの中でちゃんと回っていくのはすごい。

画像上の十二支ん・パリストンは悪魔的な頭脳の持ち主で、性格は祭り好きのチャランポラン。だから思考パターンが読みづらく、選挙では余裕しゃくしゃくで詰将棋を展開。逆に画像下の十二支ん・チードルは同じく頭脳派ですが、性格はクソ真面目。だからこそ思考が読まれやすい。対照的な二人の心理戦はチードル不利かと思われてたんですが、フタを開けてみると実は…みたいなオチが待ってます。

ちなみに、この会長選挙の裏では第三者のイルミとヒソカたちが暗躍。そしてキルアはゴンの復活を孤軍奮闘で模索する。しかもゴンの復活が会長選挙にも大きな影響を与えてて…という展開は見事。精緻なプロットを織り成すだけではなく、それとは相反する大胆な展開力でストーリーを進めて、同時に複数のキャラクターを見事に使いこなす操作性にプロの漫画家さんはきっと嫉妬で狂ってしまうでしょう。


飽きさせないバトル

とはいっても『HUNTER X HUNTER』はバトル漫画。肝心のバトル描写が面白くなくっちゃ意味がありません。結論から書くと、バトル描写も面白い。読者を飽きさせない工夫が随所に見られます。

ハンターハンター21巻 キルア vs シュート バトル描写
(ハンターハンター 21巻)
キルアとシュートのバトル。シュートは複数の手を操作できる念能力者なんですが、それをキルアがヨーヨーを使って見事にさばいてる場面。どうしてもゴチャゴチャしがちなシーンだったりしますが、キルアをしっかり中心を据えて見やすい。描くところは描いて、描かないところはちゃんと描かない。またキルアが焦点を合わせず周辺視野で対応してるのがリアル。

ハンターハンター21巻 シュート高速移動 表現に挑戦
(ハンターハンター 21巻)
同じくキルアとシュートのバトルですが、シュートが先程の手をオトリにしてキルアの前にスンッと現れた場面。擬音は「ガガガ」とか「バーン」とかってのが多いですが、素直に「速い!!」。まさかの文章による擬音。作者・冨樫義博は大御所のくせに、こういった新しい表現にちょくちょく挑戦して既成概念にとらわれないのが好感を持てます。

ハンターハンター2巻 ヒソカ vs レオリオ 構図
(ハンターハンター 2巻)
また構図もワンパターンじゃない。画像はヒソカにぶん殴られてるレオリオ。

プロの漫画家といってもピンきりですが、画力に長けた人でも苦手な構図や好きな角度やアングルがある。どうしても長く続けているとワンパターンな画になりがち。だから毎週毎週こんなことは無理だとしても、要所要所に光る構図を一つでも二つでも見せることで読者に与える印象は違います。

ハンターハンター27巻 メルエム vs ネテロ 構図
(ハンターハンター 27巻)
画像はメルエムに立ち向かっていくネテロ会長ですが、こちらは魚眼レンズ的な構図。奇をてらってるだけではなく、しっかり見やすさは損なわれてない。お互いの目線が合ってるのが分かるってのもポイントかも。

ハンターハンター31巻 ヒソカのバンジーガム
(ハンターハンター 31巻)
コマ割りも工夫されていて読者を飽きさせない or 作者・冨樫義博の挑戦心が読み取れます。コマ間は必ずしも空けなくても、それなりに見やすくできます。画像はヒソカが「バンジーガム」という念能力使ってゴトーのコイン攻撃を防いでる場面。


見せ場としての必殺技(念)

先程から「念」というフレーズを使ってますが、『HUNTER X HUNTER』の中だけで使われるいわゆる「必殺技」の類い。バトル漫画では「必殺技(念)」はやはり欠かせない大事な要素であります。

簡単に言うと「オーラ(生命エネルギー)」を使って攻撃したり防御したりするのが念。「纏」や「練」や「絶」など色んな修行がありますが、メインは「発」。「発」には強化系や変化形、特質系など様々なタイプがあって、ここがいわゆる「必殺技」になります。

ハンターハンター18巻 ゲンスルーのリトルフラワー
(ハンターハンター 18巻)
画像はゲンスルーの念である「リトルフラワー」。自分の手で掴んだものを爆発させられる能力。

ハンターハンター9巻 クラピカの念 チェーンジェイル
(ハンターハンター 9巻)
クラピカの念である「チェーンジェイル」。鎖を具現化させて、それを鞭のように攻撃したり、相手を捕縛できたりする。

どちらも見せ方が上手い。効果線の使い方はシンプルで見やすく、ポージングもカッコいい。これぞ見せ場としての必殺技。更に念をかっこ良く発動させた後に必殺技名をバーンと持って来るのがまた男心をそそらせます。

ハンターハンター11巻 団長クロロの念・必殺技
(ハンターハンター 11巻)
クロロの念である「スキルハンター(盗賊の極意)」

ハンターハンター27巻 モラウの念 ディープパープル
(ハンターハンター 27巻)
モラウの念である「ディープパープル」。

ハンターハンター27巻 キルアの念 疾風迅雷
(ハンターハンター 27巻)
キルアの念である「疾風迅雷」。

ハンターハンター28巻 パームの念 暗黒の鬼婦人
(ハンターハンター 28巻)
パームの念である「暗黒の鬼婦人」。

定番すぎる演出ではありますが、いや定番な演出だからこそ、読者のテンションは上がります。こういう一つ一つの見せ場が展開にアクセントを生む。念能力のネーミングセンスもあって、基本的に既存の単語を上手に組み合わせてるだけなので覚えやすい。また能力の内容と合った名前なのでシックリ感がハンパない。

ハンターハンター23巻 オロソ兄妹 ダツdeダーツ
(ハンターハンター 23巻)
念能力のアイデアもまた幅広い。画像はオロソ兄妹の「ダツdeダーツ」という念能力。オロソ兄妹は遠く離れた場所でダーツをしてるだけなんですが、画像のキルアの身体とリンクしてる。だから攻撃は完全不可避。

念能力は様々な「制約」を設けることで能力を引き上げることが可能。オロソ兄妹の場合はダーツの矢を外すと「死」が待ってる。これぞ能力バトル漫画だよなー…と感動することもしばしば。

ハンターハンター27巻 メレオロンの透明化
(ハンターハンター 27巻)
しかも「念」という必殺技も展開の中で活かしてるのがすごい。画像はメレオロンの透明化(実際は存在を気付かせないだけ)ですが、この念能力がなかったら次の展開は生まれない…みたいなことが多々ある。

他にも例えば、メルエムの「吸収する能力」とシャウアプフの「人の心を読み取る能力」を見事に融和させて、これが最後の大オチに繋がってる。当然付け焼刃的なストーリーを進めていたら、こんな所業は行えない。


キャラを出し惜しまない冨樫の姿勢

一般的な漫画家ほど自分が作ったキャラクターを大事にして愛でる傾向があります。結果、無難な扱い方に終始することが多い。ただ『HUNTER X HUNTER』ではキャラクターを大胆に壊す。そして、とことんイジり倒す。

ハンターハンター18巻 ゴンが右腕を無くす
(ハンターハンター 18巻)
ゲンスルー戦では主人公なのにが、ゴンが左手を吹き飛ばされたりする。

ハンターハンター25巻 ネテロ登場 まさかのタイミング
(ハンターハンター 25巻)
ハンター協会の会長・ネテロの表情は、どちらが悪役か分かりません。この時のネテロの登場も意外感があった展開で素晴らしかった。

ハンターハンター28巻 ネテロの醜悪極悪表情
(HUNTER X HUNTER 28巻)
更に話が進むと、ネテロ会長の背後にドクロマーク。完全なる極悪すぎる表情。間違いなく味方ではないと断言できるほど醜悪で悪魔的。もちろんこの時のネテロの犠牲がなければ、次の大きな展開へは進めないんですが。

ハンターハンター28巻 シャウアプフの恍惚
(HUNTER X HUNTER 28巻)
敵のシャウアプフに至っては、この恍惚の表情である。一周回ってただの悪ノリとしか思えませんが、何度もしつこく繰り返さなかったら問題ないのかなーと。

だからといってキャラクターを大事にしなけりゃ良いってもんではない。例えば『神様の言うとおり』や『テラフォーマーズ』のように無闇矢鱈にキャラクターを死なせたところで、読者は何のショックも感銘も受けない。やはりキャラクターに愛着を持たせた上での「死」や「壊し」。この落差に読者の心は動く。

以上をトータルすると、冨樫義博には常に「読者を飽きさせない」という意識が随所に見られます。その貪欲さ足るや、男子中学生の性欲並であります。是非マンガ家さんの卵も見習うべきでしょう。


連載→休載→連載再開→休載…の繰り返し

ただ『ハンターハンター』のダメな部分を強いて挙げるとしたら、冒頭でも触れましたが休載がとにかく多い。もう少し正確に言うと、休載期間がえらく長い。最近の『ONE PIECE』のようにたまに休載するとかってレベルではなく、お前は『こち亀』の日暮熟睡男(ひぐらし ねるお)かッッ!ってぐらい一度休載すると連載が再開するまでに年単位の時間を要することも多い。

『HUNTER X HUNTER』の連載開始からそろそろ20年が経とうとしているのに、まだ32巻しか発売できてない時点でお察し。普通だったら60巻70巻ぐらい発売されててもおかしくないですからね。今回の連載再開にしても、一体何度目のそれか分かりません。面白いマンガだからこそ、このの繰り返しに読者は精神的なストレスがたまります。


ハンターハンターの総合評価 評判 口コミ



『HUNTER X HUNTER』の考察レビューをまとめると「面白い」の一言バトル描写良し、キャラクター良し、展開良し。ムダに休載してるだけあります。総じてレベルがトップクラスに高い。少年漫画ではありますが、老若男女問わず買って損はしないでしょう。

ストーリーの流れに淀みがなく分かりやすい。だからといって、大人でも満足できるような展開の振り回し方をしてくれる。叙述トリックといえば大げさですが、読み手をダマスのが上手い。ものすごい頭が良い人が作った面白いネタを、ものすごく話術に長けた人が面白おかしく話してるみたいな感じ。序盤の展開こそフツーですが、徐々にボルテージが上がっていく。

マンガの中に「光るもの」が一つでもあれば、読者はそのマンガに期待感を持てる。その期待感は「面白さ」と言い換えることもできて、それが長期連載に繋がっていく秘訣だと思います。ただ『HUNTER X HUNTER』はそれが一つ二つどころではない。『HUNTER X HUNTER』は読者があれこれ言わなくても、コッチの要求以上のことを毎回提供してくれるので安心感がハンパない。

やはり強いて言えば、読者には忍耐力が求められること。「漫画家は連載して当たり前」という価値観が作者・冨樫義博にまともに通用すると思ったら、とんでもないストレスを抱えてしまいます。冨樫義博ッ!頼むから『HUNTER X HUNTER』を絶対に完結させてくれッッ!(笑)