バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『長門有希ちゃんの消失』1巻から8巻のネタバレ感想。原作は谷川流、作画はぷよ。ヤングエース(角川書店)で連載中の漫画。いわゆる涼宮ハルヒシリーズのスピンオフで、『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』なんていうマンガもあります。

あらすじ

主人公はフツーの女子高生・長門有希。

長門有希ちゃんの消失1巻 長門とキョンの恋愛
(1巻)
同じ北高文芸部に所属するキョンという男子生徒に片思い中だった。ただ性格的には内気だったので、同居する親友・朝倉涼子などの支援を受けてキョンとの距離を縮めていく。特に大げさな展開は発生せずに、ひたすら普通のゆる~い青春恋愛ドラマが展開される。

長門有希は本編だと無表情かつ完全な無口というイメージでしたが、『長門有希ちゃんの消失』では普通の消極的な文化系の女の子として描かれてます。
長門有希ちゃんの消失3巻 いじめられる長門
(3巻)
キョンにゲームを取り上げられてオタオタする姿など、「負の部分」や「陰の部分」が魅力的なキャラとして知られてますが、長門有希の全く別の一面が垣間見れます。

一応スピンオフということで涼宮ハルヒなども登場するものの、ハルヒの扱いは完全な脇役。

長門有希の表情がかわいい

ストーリーとしては二人の関係は進みそうで進まない。その関係性に「二人のらしさ」が表現されてるんですが、だからこそ一巻ごとのネタバレをわざわざ事細かく説明する意味が無いので、『長門有希ちゃんの消失』の魅力としては主人公・長門有希の表情。結構コロコロ変わって面白いというか、愛しいというのか。

長門有希ちゃんの消失6巻 表情
(6巻)
感動してる表情は目がキラキラしてて可愛い。

長門有希ちゃんの消失8巻 表情
(8巻)
同じ感動してる場面でも、こちらはちょっとした宇宙人並に目が巨大化。ここまで大げさに表現されると少し怖いか。

長門有希ちゃんの消失4巻 行動
(4巻)
食パンをモチャモチャ食べてる姿はただのリス。

長門有希ちゃんの消失5巻 表情
(5巻)
「だが、断る!」。

ちなみに画像は裏・長門有希。途中でもう一人の自分が登場してシリアスな展開になるものの、最後は二人が仲良く「ウチらってキョン好きやもんねー!」的な友情を育んでて新鮮。普通は二重人格の設定では、表の自分と裏の自分がいがみ合ったりするもんですが、特に恋愛を軸に手を取り合うという流れは珍しい。

長門有希ちゃんの消失7巻 表情
(7巻)
キョンの指を寝ぼけ眼で咥えてしまったときは、顔面蒼白。目も焦点が全く合ってない。冒頭でも貼りましたが、長門とキョンの二人は付き合ってない段階でちょいちょいイチャコラしよる(笑)

長門有希ちゃんの消失7巻 表情2
(7巻)
嬉しそうな表情は立派なオンナ!メスのフェロモンが出とるんやで!

ハルヒの世界観を知ってる前提?

長門有希の表情からも分かるように、基本的にラブコメチック。ほっこり笑えるような展開が多い。一応ジャンル的には「ラブコメマンガ」に設定してるんですが、実は王道な恋愛漫画と思える純愛描写もある。

例えば、クリスマスの日。他の同級生たちと外に遊びに行く。そしてみんなが街中に設置されてる巨大なイルミネーションまみれのクリスマスツリーを眺めてる瞬間。
長門有希ちゃんの消失8巻 もどかしい二人の距離
(8巻)
実は長門有希だけはキョンをこっそり見つめてる。その視線にふと気付いたキョンが長門有希を見ようとたら、こそこそと長門有希は視線をクリスマスツリーに戻す。この「もどかしさ」は少女マンガにありがちな王道的なキュンキュン描写。実は女性読者も狙ってる?的な描写もチラホラ。

ただほぼ完全無口という長門有希の性格を知らないと、この進みそうで進まない関係性にはひたすらヤキモキするだけ。長門の別の一面を知ってるからこそ、本編の涼宮ハルヒという前フリがあるからこそ、この長門有希に対してキュンキュンという恋心を抱くんであって、だから逆に言うと、涼宮ハルヒの世界観を知らなかったら「どういうこと?」と首を傾げそうな危惧もある。

絵柄が安定しない

強いて気になる点を上げるとしたら、絵柄がコロコロと変わるということ。作画を担当してる「ぷよ」は決して画力がない漫画家さんではないと思うんですが、巻をまたぐ度に気付いたら絵柄がガラッと変わってることもしばしば。

長門有希ちゃんの消失8巻 絵柄が変わりすぎ
(8巻)
例えばこの画像だと決して悪い表情ではないものの、いかにもアニメチックな絵柄だったのが急に劇画チックに変わったりする。

でもこれが意図的に変えてるのか、画力が向上することで自然に変わってるのか、個人的には分からない。だからこそ無性に気になる。少なくともここに意味がないからこそ、変にマンガに集中できない面も。他人の作品を間借りしてる状態も勘案すると、意図的に絵柄を変えたりしてるなら止める方が無難。

総合評価

長門有希のキャラクターが魅力的に描かれてるスピンオフ。
長門有希ちゃんの消失1巻 行動
(1巻)
例えば、洗濯機の前でハネ踊る衣服を終始眺めてたり陰キャラ部分を踏襲しつつも、しっかり男の庇護欲をそそるような女子高生キャラに仕上がってる。

ちなみに自分も画像のように、冬の教室でお腹が弱いので目をつぶってシミジミと一人でストーブにあたってたら、周りに本気で心配されたのは内緒。チャイムが鳴って机に戻ると、「お前死んだらアカンぞ」と言われてビックリした。自分が思ってる以上に周囲からは本気で悩んでるように見られるので注意しましょう(笑)

あとは長門有希とキョンの関係性が爽やか。進みそうで進まない展開にヤキモキするものの、そういったゆっくりとした歩幅感だからこそ、既存の長門有希ファンも「二人が付き合う」というスピンオフ設定でも嫉妬しないのかも。また純愛というアプローチ面でも成功してるのかなと。たまに見せるトンデモないイチャコラには多少イラッと来ますが(笑)

採点的には長門有希ファン(涼宮ハルヒファン)だったらもう少し高得点になりそうだし、逆に涼宮ハルヒという世界観を知らなかったらもう少し低得点になりそうな気もする。自分はそのちょうど間あたりの点数を付けてみた。



◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★5◯画力…★3.5
◯全巻大人買い…★4
◯おすすめ度…84点!!!!

ToLOVEるダークネス出張読み切り
『ToLOVEる ダークネス出張版』のネタバレ感想。原作は長谷見沙貴、作画は矢吹健太朗。少年ジャンプ15年32号で掲載された出張読み切り。

あらすじ

主人公は結城リト。リトの家にデビルーク星の王女・ララが勝手に居候してきた。しかもララにはナナとモモという妹もやって来て、もうシッチャカメッチャカ。いわゆる、お色気展開がムダに発生する。そしてリトが片思い中の西連寺春菜もそこに巻き込まれ、もはや少年誌の域を超えちゃった漫画。

それが少年ジャンプ15年32号で出張読み切り版として復活。果たして内容はいかに!?

リトがスポンジになったら?

ストーリーの展開としては、ララの妹・モモが何故かボディースポンジになる機械を発明。
ToLOVEるダークネス出張読み切り2
案の定、主人公・結城リトがボディースポンジになってしまう。その後の展開は「まさに想像通り」の内容すぎて、思わずコーヒーが鼻から吹き出してしまうレベル。当然画像は省略。工口ブログを探せばもしかするとある?

例えば、泡というか湯気というか、その面積があまりに小さすぎ。「これ隠せてるの?」というレベル。ララに至っては脱ぐ場面では大事な部分を描いちゃう勢い。当然ボディースポンジになった結城リトは、ララや西連寺春菜のあんな所やこんな所へゴシゴシ。

さすがにジャンプスクエアからの出張ということで手加減した内容かと思ったら、読者をフルボッコ。思わず「ちょwwwおまwww」状態。あと何故かToLOVEるに感化されたのか、こち亀も何故かお色気展開が発生。麗子にあんな格好させちゃダメ(笑)

総合評価

ママンに見つかったら怒られる漫画第一位である『ToLOVEるダークネス』。故郷である少年ジャンプで読むとまた違った印象を受ける。

ToLOVEるダークネス出張読み切り3
出張読み切りでも内容が内容なんですが、ラストは編集者が「やれやれ…もっとやれ!!」という煽り文句。ジャンプ編集部、作画の矢吹健太朗、コイツら、百田尚樹並に全然みじんも反省してやがらねぇ!!

やっぱ少年ジャンプの編集長からして狂ってやがる!狂ってやがるーー!(藤原竜也風)
勇気と実用性を考慮して88点。おそらく『ToLOVEる』の次の新刊で収録される気がします。

◯展開…★3◯テンポ…★4.5
◯キャラ…★4◯画力…★4.5
◯おすすめ度…88点!!!!

『NARUTO-ナルト-外伝 七代目火影と緋色の花つ月』最終710話のネタバレ感想。作者は岸本斉史。少年ジャンプ15年32号で掲載。

無難にまとまったオチ

結論から言うと無難にまとまった感じ。

お互いが離れ離れになっていても、サクラとサスケは気持ちで繋がってると思ってるから大丈夫。でもその確証を知りたかったサラダがサスケに尋ねる。そこでサスケは答える。「お前がいるからだ…サラダ」。思わず涙を流すサラダ。そして、しばらく家族団らんの日々を過ごす。

NARUTO710話 サスケとサラダの親子愛1
再び二人が別れる場面では、サスケがサラダにデコツン。お前らカップルか!というイチャつき具合。きっと今年2015年の流行語大賞は壁ドンではなく「デコツン」でありましょう!

NARUTO710話 サスケとサラダの親子愛2
ラストはようやく三人で一緒に写った家族写真で締め。これぞハッピーエンドでちゃんちゃん!どんでん返しの展開があるわけでもなく、まさにソフトランディングっていう終わり方。

NARUTO710話 九喇嘛
写輪眼のチビっ子たちもひと波乱起こしそうでしたが、まさかの九喇嘛を目の当たりにしただけで震えあがるというしょぼさ。

総合評価

まさに無難という表現以外にしようがない。個人的には1話目のレビューにおいて「2巻分ぐらい続く?」と書きましたが、きっちり10話分コミック一冊分にまとめてきました。鳥山明の『宇宙パトロールジャコ』と同じく、いやむしろそれ以上に「映画の宣伝」のために書かれた、それ以上でも以下でもない内容。

NARUTO710話 映画ボルト告知
ただ8月7日公開の映画のために描かなかったナルトの息子・ボルトは、いずれ似たようなNARUTO外伝orスピンオフとして描かれそうな気もする。悪く言えば出し惜しみ感がにじみ出てて、ことあるごとに今後も復活するんじゃないでしょうか?

それっぽいバトル描写もしっかり描かれるなど、NARUTOファン読者は満足する内容かなー。この外伝のコミックスは映画公開直前の8月4日に発売だそう。全く商魂魂たくましいでっせ!


◯展開…★3.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★3.5◯画力…★3.5
◯おすすめ度…80点!!!!

『新コータローまかりとおる!柔道編』全27巻のネタバレ感想。作者は蛭田達也。少年マガジン(講談社)で連載してた格闘漫画。

あらすじ

新コータローまかりとおる柔道編3巻
(3巻)
主人公は新堂功太郎。鶴ヶ峰学園高校の4年生。ケンカもスケベ心も最強。極端流空手部主将を務めるものの、空手道場の敷地が第一柔道部に奪われてしまう。そこで新堂功太郎は極端流柔道部を結成。敷地奪還を賭けたトーナメント戦が始まる。

往年のキャラクターである応援団長・後百太郎や、新堂功太郎の彼女(?)渡瀬麻由美、そして今回からは新キャラクターである西郷三四郎や三船久美など個性的な仲間たちが登場。伊賀稔彦が率いる第一柔道部や監督・鮫島敏樹が率いる第十三ケンカ柔道部など、敵キャラクターも個性的。

お色気描写もたまーにありつつ、派手な格闘描写で楽しませてくれる柔道漫画。

格闘描写が秀逸!

とにかく格闘描写というか柔道描写が秀逸。

新コータローまかりとおる柔道編18巻 投げ描写
(18巻)
投げ描写だとブレ具合で動きを見事に表現。足の払いのスピード感が伝わってくるし、帯も右にフワッと流れることで全体の動きを細かく伝えてる。柔道着が掴まれてる感じも上手い。

新コータローまかりとおる柔道編21巻 押される醍醐の感じ
(21巻)
ブレ具合を巧みに使い分けることで、右側の醍醐が西郷三四郎に「グイッと押されてる」情報が一発で伝わる。厳密に言うと、西郷三四郎が醍醐のパワーを利用しながら、どんどん上下に揺さぶってる場面。そして西郷三四郎がこんな巨体相手に山嵐という技を最後にかけようとする。

新コータローまかりとおる柔道編20巻 柔道着を掴む感じ
(20巻)
柔道着を描写するのは簡単かと思いきや、実は結構複雑。相手に掴まれるエリの部分は言うまでもなく、そこからチラリと見える肌。また帯の周辺が面倒くさい。ギュッと締めた時のシワや揺れる帯など。

新コータローまかりとおる柔道編13巻 雑な柔道感
(13巻)
画像は後百太郎だと空手家出身ということもあって、基本的に投げ方が雑。でも「固さやぎこちなさ」みたいなのが忠実に表現できてて、それでいて迫力ある豪快さも両立させてるのがすごい。

あらすじでも説明したように第十三柔道部は「ケンカ」を前面に押し出してる。
新コータローまかりとおる柔道編19巻 天狗投げ
(19巻)
だから柔道は柔道でも危ない投げ方とかしよる。画像は醍醐の天狗投げ。目線の使い方が上手い。投げられてる側のどこを見ていいか分からない感じや、醍醐の床に叩きつけてやるぜ!と言わんばかりの下に向けられた視線。

新コータローまかりとおる柔道編22巻 蹴り描写
(22巻)
例えば柔道には必要な足の払い方も、ただの上段蹴り。ローキック(足払い)に見せかけてからの頭部に目掛けてのキック。このときの後百太郎の目線の使い方も何気に上手い。

実は「柔道」をテーマにしてる漫画ですが、作者・蛭田達也はどんな格闘描写を描かせても上手い。柔道部編以前には『コータローまかりとおる!』として59巻分ほど、ジャンルにとらわれずにオールマイティーな格闘場面を描いてたので、その経験値の高さは伊達じゃない。

流れるようなコマ割りを使った格闘描写はテンポ感が最強。柔道というジャンルを考えるとまさにピッタリ。漫画を読む上ではワクワクさせられる。

キャラクターが個性的!

あとはキャラクターが個性的。

第一柔道部の伊賀稔彦だと清廉潔白、多古清海だと熱いタコ、美杉留美子は高飛車なお金持ち。第十三柔道部だと監督・鮫島敏樹が極悪。
新コータローまかりとおる柔道編20巻醍醐
(20巻)
醍醐に至っては暴走列車。

最近の漫画家さんはムダに複雑な名前にしがち。それだけで読者に覚えてもらえると勘違いしてるんでしょうが、しっかり「名は体を表す」ようなキャラ名を作れてる。

また見た目の個性だけじゃなくて、喋り方とかを一つ取っても「この人だからこういう言動をするんだろうな―」としっかり納得させる。怒りっぽいキャラは怒りっぽく、熱苦しいキャラは熱苦しい、それぞれのカラーがしっかり見えるのでマンガを読んでても戸惑うことは少ない

特にトレードマークを作れてるのも大きいか。例えば、主人公・新堂功太郎だとお下げ髪がトレードマーク。尻尾のように自由自在に扱って戦ったり、ムフフなイタズラをしてみたり、あり得ないっちゃあり得ないんですが、良い意味でマンガ的な大げさ。

新コータローまかりとおる柔道編11巻太刀根コユリとレスラー久停
(11巻)
個人的にツボったキャラクターが太刀根コユリ。左の奴ですが、こんな見た目でも女の子。名前から何となく察してください。お前はヘビか?というぐらい長い舌を使ってペロンチョペロンチョ。リアルタイムで読んでたんですが、変な性壁が目覚めちゃって大変だった。

『新コータローまかりとおる!柔道編』は1990年代に連載されてたこともって、お色気描写もかなり多め。確かに今読み返してみるとギョッとする描写も合って、少年マガジンで連載されてたにも関わらずB地区も余裕で見えちゃいます。

新コータローまかりとおる柔道編18巻 海外版
(18巻)
『新コータローまかりとおる!柔道編』は韓国や台湾でも発売されてたらしく、ガッツリとそういったお色気描写は規制される。それを面白おかしく作者は伝えてるんですが、日本もいつの間にか気付くと台湾や韓国並に後退(追い付いてた?)という皮肉。

テンポ感ある展開

キャラクター作りにしても格闘描写にしても、あまりムダがない。またストーリーも脱線することが少なく、1巻から最終27巻までスラスラと全巻一気読みしてしまう。最近の漫画は「ムダ」を増やしてやっとページを埋めてる感じがありますが、それがない。

新コータローまかりとおる柔道編22巻 スッキリした醍醐
(22巻)
ストーリーとしても醍醐のクダリなど読後感が良い終わり方もする。おちゃらけた展開のまま終わるばっかりじゃない。

ただ後半はややバタバタとしてた感じ。醍醐がいる第十三柔道部で展開を引っ張りすぎて、肝心の第一柔道部が最後まで脇役に追いやられてたというか、最後の最後まで出し惜しみした結果、ちょっと中だるみ感がないと言えばウソになるか。

総合評価

あらゆる角度から楽しめる。キャラ良し、バトル良し、お色気良し、笑い良し、画力も高く、ストーリーもシンプルなのでポンポンと読める。後半の展開はやや失速気味だった気もしますが、本当に言うことがなく、これぞ商業漫画。

最近こういうマンガは少なく、むしろ下手に読者が妥協させられてる印象すら受けてしまう。笑いでも格闘描写(画力)でもお色気でも、何でも良いですが「読者が楽しめるポイント」を一つでも作って欲しいなーとつくづく思います。

特に格闘マンガということで、「必殺技」の使い方が効果的。山嵐、竜巻投げ、天狗投げ、どれも印象的な技ばかりで、この必殺技同士をぶつけ合うことで印象的なバトルを展開させられた。改めて格闘マンガというか、バトルマンガでは必殺技の存在が重要だと気付かされます。

ちなみに続編に当たる『コータローまかりとおる!L』は現在も作者・蛭田達也の病気で休載中だそう。この柔道編の後半はお色気展開がやや封印されてた感じですが、『L』ではガッツリと復活。テーマは「VSアメリカン忍者」ということもあって格闘描写も更に派手になってて面白かったんですが、ハンターハンターの冨樫義博と同じで復活する兆しが全くないのが残念(笑)



◯展開…★4◯テンポ…★5
◯キャラ…★5◯画力…★5
◯全巻大人買い…★5
◯おすすめ度…90点!!!!

『暗殺教室』15巻のネタバレ感想。作者は松井優征。少年ジャンプ(集英社)で連載中。


VS 浅野理事長

月を半分破壊。そして来年には地球そのものを壊すという予告した超怪物・殺せんせー。何故か椚ヶ丘中学校3年E組の担任として教師を務めることに。しかも生徒たちに自分を倒すことを命じる。ただ3年E組は究極の落ちこぼれが集まるクラスだった。果たして地球滅亡をできそこないの生徒たちが止められるのか?というストーリー。

15巻は椚ヶ丘中学校の理事長である浅野とコロせんせーの対決の続き。もちろんというか、殺せんせーが浅野理事長を圧倒。今にも倒されそうになった浅野理事長が最後に見たものは?


浅野理事長の過去

浅野理事長といえば冷酷で冷淡。ひたすら合理的に生徒たちをしごいていく人間だった。

暗殺教室15巻 浅野理事長1
でも最初は一教師として教鞭をとってたんですが、この頃が爽やかすぎて笑った。笑い方はゼッタイ「あはは」と笑ってそうなイケメン紳士。

暗殺教室15巻 浅野理事長2
ただ自分が育てた生徒が自ら命を絶ってしまう。その直前には楽しそうに二人で電話。それを見抜けなかった自責の念もあってか、そこからは生徒たちを愛するからこそ厳しく豹変。徹底的に子供たちをしごいて「弱くない生徒」を作ろうと固く決意する。こういった過去があったという話が延々と何話か続きます。

ラストは自ら死を選ぼうとする浅野理事長が切ない。そして、なんやかんやがあって改心する浅野理事長。似たもの同士の殺せんせーと実は馬が合う。「このE組を創りだしたのは他でもないあなた…結局昔描いた理想の教育を無意識に続けていたんですよ」という、嵐の二宮和也の声でムフムフ。

暗殺教室15巻 浅野理事長3
最後はいがみ合っていた息子とバチバチするものの、「私も成長を続けるからだ、教師として親としてね」というセリフがGood。全てを見抜いてた感があるコロせんせーも含めて、爽やかな展開すぎて多少イラッ(笑)


茅野カエデの復讐

前のE組の担当だった雪村あぐり。茅野カエデはその妹・雪村あかりだった。姉あぐりの復讐をするために、戸籍も偽装して、別人としてE組に潜り込んでいた。

暗殺教室15巻 茅野カエデ
そして殺せんせーと同じように、自分に触手を移植。これがめちゃめちゃ強い。当然のようにコロせんせーをフルボッコ。どんどん追い詰めていく。ただその強さと比例するかのように、自我は崩壊。自らの暴走を止めることができなくなる茅野カエデ。

その時の茅野カエデの脳みその中は「コロせんせー死んで」の連呼。ただ最後のセリフだけが小さく「たすけて」とある。この演出がベタだけど好き。

暗殺教室15巻 茅野カエデ2
ただ最終的には、渚という準主役級の生徒にチッスをされて正気を取り戻す。思わずメルヘンチックか!とツッコミそうになった。でもチッスの舌の絡み具合は「しみけん」並。ちなみに大人向けの男優さんの名前。一見するとイケメンだけど下半身が汚くて、女優の鼻を舐めまくるようなヤツ。

暗殺教室15巻8
そしてこの茅野カエデのクダリから、次巻、殺せんせーの過去が明らかになります。地味にフツーにイケメン。前述の雪村あぐりとの何があったのか?そもそもコロせんせーは何故殺せんせーになったのか?という謎が分かります。いよいよ物語も佳境?


総括

展開はベタ。でもベタベタすぎないのが松井優征の上手い所かも。浅野理事長のクダリだと、ひねた感じを残してるのも良かった。ただ茅野カエデの印象がほとんどなかった(というか女子キャラクター全般)ので、そこが脇役キャラとしてもう少し印象に残ってると意外感やドッキリ感があったかも。

暗殺教室15巻 桃太郎の劇
あと桃太郎劇のクダリ笑った。全然桃太郎が出てこねー!てか、苗字が「おばあ」ってなんだよ!箸休め的な意味でも良かった。

ちなみに暗殺教室 全21巻が面白いかどうかのネタバレ考察はアップ済み。

『海の御先』全15巻のネタバレ感想。作者は文月晃。ヤングアニマル(白泉社)で連載してたマンガ。

あらすじ

主人公は17歳の後藤凪(ごとうなぎ)。東京から奥津島(おきつしま)という島に転校する。そこで島で祀られている「龍神」に仕える3人の「巫女」と運命的な出会う。

海の御先5巻 左からそよぎ、雫、火凛
(5巻)
左から御剣そよぎ、鳴海雫、南雲火凛。島には海の御先に龍神が舞い降りて、奥津島の娘と恋に落ちるという神話があった。だから龍神の生まれ変わりの男が島に訪れると、巫女たちは龍神と一緒に添い遂げなければいけなかった。

そして実は龍神の生まれ変わりというのが、主人公の後藤凪。『海の御先』としては雫、そよぎ、火凛と一緒に学生生活を送りながら、最終的には後藤凪が誰をめとるのか?という話のマンガ。

3人の美少女巫女を楽しめる

『海の御先』というマンガの良さは、三人の美少女巫女を楽しめるという点にあります。鳴海雫、南雲火凛、御剣そよぎなど、各々が個性的。言っちゃえば、和洋中の料理を同時に楽しめるような感じか。主人公・後藤凪は龍神様の生まれ変わりなので、とにかくその三人に言い寄ってこられて、まさにハーレム状態。

海の御先11巻 そよぎとキス
(11巻)
ホンマお前ら何回チューすんねん!?ってぐらいチューしますからね(;´∀`)

海の御先6巻 火凛とそよぎにキスされる後藤凪
(6巻)
これぞ両手の花状態で裏山!!ただ最終的に3人のうちの誰かを選ぶということで、最後の一線は超えません。

可愛い表情や仕草に女性もキュンキュン!?

だからお色気一辺倒かと思いきや、むしろ純愛路線の方が色濃い。

海の御先7巻 凪に優しくされて泣く雫
(7巻)
例えば、主人公・後藤凪に優しくされて泣いてしまう鳴海雫。相変わらず優しくされて泣いてしまう女性の心理は分かりませんが、ただ泣き顔が上手い。それを見るだけでコチラもキュンキュンしちゃう。

ツンデレ気味の御剣そよぎは、自分の感情に素直になれない。もっと言うと、これまで男子を好きになったことが少なく、「恋愛」という感情を理解し制御する力が弱い。だから後藤凪に「可愛い」と言われただけでキュンキュンして、暴発しそうな感情を抑えようと身悶える。それぐらい普段から感情を抑えてる。

でも素直な御剣そよぎが好きと言われた瞬間は、こらえきれずに涙をツーと流す。
海の御先8巻 そよぎの切なさ
(8巻)
その時の「頭じゃ解ってるのに心が言うことを聞いてくれない」というセリフが切ない。女の子って本当にピュアな生き物なんだなーと。

以上の画像を見ていくと、絵柄的には一見すると真面目に思える。
海の御先9巻 雫の驚いた顔
(9巻)
でも実はかなりのデフォルメも効いた描写も多い。特に表情。

海の御先11巻 そよぎの泣き顔
(11巻)
ツンデレの御剣そよぎも、いつの間にか泣き顔の常連さん。

海の御先12巻 雫の嬉しい表情
(12巻)
後藤凪が好きすぎて悶える鳴海雫の「>」という目の表情は、いかにもオタク的な表現。少女マンガ的なキャラクターや心理描写と、男のオタクマンガ的な表現が見事にマッチしてるような漫画と言えそう。

オチがモヤモヤ

ただオチが微妙。ネタバレしてしまうと、主人公の後藤凪は最終的に誰も選ばない。もっと言うと、3人全員を選ぶ。このあまりに無難で、平和的な締め方が実に面白くない。一番ないわ~という終わり方で、いわゆるこれが悪手?

昇竜祭で鳴海雫が後藤凪と他二人の巫女を眠らせて、自分だけ命を絶とうとする。この場面が後藤凪と鳴海雫が、最初に出会った場面を想起させるほど似通ってる。最初は鳴海雫が後藤凪を助けたんですが、この場面では逆に後藤凪が鳴海雫を救う。

だから序盤のフリなどを考えても、後藤凪は鳴海雫を選ぶべき。期待してた分だけ肩透かし感は否めない。勇気を出して、最後に誰か一人を選ぶべきだった。

でも考えてみると、設定自体がかなり難しい。「誰かを最終的に選べ!」という前フリはストーリーをシンプルに読みやすくするものの、最終的に読者が納得するオチを持ってこなきゃいけない。言っちゃえばかなりマンガのハードルを上げるわけで、作者側からしてみたら結構なプレッシャー。だから良くも悪くも、最初に作った設定に最後まで振り回された感はあります。

総合評価

御剣そよぎ、鳴海雫、南雲火凛の3人の巫女キャラクターが良い。程よいお色気描写は男読者をトリコにして、切ない心理描写は女性読者をトリコにしそう。
海の御先14巻 雫
(14巻)
地味にセリフの質が高く、特にピュアな女性読者の心にはストンと落ちるものがありそう。

オチこそ微妙でしたが、ストーリーの軸こそシンプルだから比較的スイスイと読める。個人的には期待値が高かった分だけ採点は3・4点ほど低くしていますが、内容的には85点以上でもいいぐらいのマンガ。


◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★5◯画力…★4
◯全巻大人買い…★3.5
◯おすすめ度…81点!!!!

『宝石の国』1巻から3巻のネタバレ感想をレビュー。作者は市川春子。掲載誌はアフタヌーン。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックのファンタジーバトル漫画。面白いかつまらないか考察してみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

場所は未来の地球。主人公たちは不死の身体を持つ宝石たち。宝石とは言っても、見た目は完全な人間。おそらく年齢的には少年・少女の頃合い。だから普通に喋ることも可能で、それぞれの宝石の特色に合わせた戦闘能力を持つ。

宝石の国1巻 月人
(1巻)
何故、宝石たちが戦闘能力を持たなければいけないかというと、月から宝石たちを宝飾品にしようと「月人」が襲ってくるから。だから『宝石の国』という漫画タイトルからは想像しにくいですが、ジャンル的にはSFに近いファンタジーバトルマンガ。


宝石の特徴に合わせたキャラクター作り

端的に言うと、宝石を擬人化してる。だから宝石の特徴がそのままキャラクターの性格や性質に与えられてる。例えば、ダイヤモンドだと常にキラキラ光ってる。ただ硬度の硬さでいえば、ダイヤモンドよりもボルツが上回る。だからボルツの戦闘力はピカイチ。

他にもアンタークチサイトは冬にだけ起きる性質があるんですが、他の宝石たちは冬眠の入るのでいつも一人、この理由もシンプル。アンタークチサイトは日本語名で「南極石」という鉱物らしい。この南極石(アンタークチサイト)の特徴が20~30度という室温で溶けてしまう。南極でしか採取されない鉱物というまんまの意味。だから外気温が低い冬場でしか活動ができない。

正直、男の自分にはあまりピンと来ない部分も多いですが、女性は宝石が大好物ということで案外すんなり受け入れられそう。

宝石の国1巻 シンシャ
(1巻)
シンシャは呼吸をするように毒液を吐き出す。それが強力な武器になってるものの、だから宝石の仲間たちは誰も近寄らない。もはや敵の月人にですら見離されてる始末。悲しいかな、月人がよく襲来する虚の岬にいつもいて、逆説的に自分がさらわれるのを待っているぐらい。

ちなみに、メインの主人公は「フォスフォライト」と呼ばれる宝石。硬度的には柔らかく、ほとんど使い物にならない。ストーリーの大筋では、このフォスフォライトとシンシャの友情物語みたいなんが描かれてます。


幻想的な世界観に女性はハマる?

宝石の国2巻 世界観
(2巻)
海中世界の描写なども見ると、全体的には女性読者が好きそうな世界観。

宝石の国1巻 バトル描写
(1巻)

宝石の国3巻 バトル描写
(3巻)
バトル描写を取ってみても、キラキラ感といった見た目が重視されてるイメージ。アクションの派手さというより、シンプルに見た目の派手さや世界観の追求に重きが置かれてる感じ。もちろん派手ではある点では同じなんですが、男の漫画家が描くようなんとは若干テイストが異なります。

バトル描写として純粋に評価するのであれば、可もなく不可もなし。決して下手ではないものの、他の漫画を圧倒してるレベルでもない。ただ女性向けと散々言ってきたんですが、その割に「女々しさ」はない。過度な期待を抱かなければ、ゴリゴリのバトル漫画好きでもきっと満足はできるレベルかな。


宝石の情緒

ストーリーを更に補完しておくと、実は宝石も月人も元々は「人間」。

人間の魂が変化したのが、月人。人間の骨が変化したのが、宝石。ちなみに人間の肉が変化したのが、クラゲ。ストーリーの根底には示唆に富んだテーマが横たわってそうな印象。人間という生き物が別々に分解されても、また同じように戦いを繰り返す人間の不毛さやエゴを暗に批判してるのかも。

宝石の国3巻 アンタークチサイト
(3巻)
だから宝石たちも「身体に記憶が刻み込まれてる」という設定なので、自分の欠片を失うと記憶も消えちゃう。その設定を活かした展開であったり、ストーリーの切迫感を生んでる。

例えば主人公フォスフォライトが初めて冬から春の季節の移り変わりを体感する。そこで時間の流れの早さも体感。この直前では前述のアンタークチサイトが月人にさらわれてる。でも一向に取り返せないことに対する焦燥感に襲われる。
宝石の国3巻 フォスの目から涙
(3巻)
その時にフォスフォライトはポロッと合金の涙を流す。基本的に宝石は人間の骨だから、どちらかと言うと人間的な生理現象は起きにくい。そこで一瞬見せる「人間的な感情」は何かを予感させて、先生の「古代生物の欠陥でお前のせいではない」というセリフも切ない。

ただ体内から涙として合金を垂れ流すということは、当然その分だけ「記憶が失われる」ことも意味してる?
宝石の国3巻 シンシャを忘れたフォス
(3巻)
4巻に繋がるストーリーの前フリとしては、フォスフォライトが親友と思ってたシンシャの存在をいつの間にか忘れてしまってる。

人間的な感情を手に入れたからこそ、一方で人間として大事な何かを失う。「宝石の情緒」みたいなんが肉感的に描かれてて、また不器用すぎる存在が愛着心をわかせる。何とも言えない悲哀や虚しさは女性が好きそうかなと。


総合評価・評判・口コミ

宝石の国3巻 フォスフォライト覚醒
(3巻)
主人公・フォスフォライトは途中で白金などを吸収して急激に覚醒。これはオトコ的な王道バトルマンガの構図ではありつつも、背景としては宝石(キャラクター)の悲哀や悩みといった情緒や心理描写はどこか女性的な感性も垣間見れる。そもそも宝石を擬人化しようという着想自体が女性的。

「金剛先生」と呼ばれる和尚風のオッサンに尽くしてる姿も女性的な献身さが現れてて、金剛先生にハグされて満足する姿などはいかにも女性目線的。ちなみに金剛先生も宝石っぽく、人間がどうして宝石と月人などに別れたのかという過去を知ってそうな雰囲気。

何回書いたかは分かりませんが、笑いのシュールなノリとかも含めて女性が好きそうな漫画。バトル描写もそこまで熱苦しくはないので、バトル漫画嫌いでも読めるはず。

ただ面白いアプローチとは思いましたが、絵柄や設定で読者はかなり選びそう。個人的には思ったよりは良かったと感じましたが、「ココ!」というほどピピンと反応する部分もなかったので、採点的には実に中途半端な感じの点数にしてみた。

でも宝石はカラフルなので、アニメ化や実写映画化にしたら面白そう。宝石のパリンと割れる無機質な感じは3Dで表現したら見事にハマりそう。


『働かない二人』1巻から3巻のネタバレ感想。作者は吉田覚。くらげバンチで配信中の日常漫画。

あらすじ

主人公は「石井守(まもる)」という兄と「石井春子」という妹。ただ働きもせず学校にも行っていない、いわゆるニート兄妹。まさにニートオブニート。こんな二人が家の中で一日中グータラしてるだけの漫画。

だから行動範囲も極めて狭い。家の中とはいえ、基本的には兄・守か妹・春子の部屋。例えば、軽くトイレに行くだけで「帰り道を気をつけろよ」と守が春子に注意したりするぐらい。もちろん常に服装はスウェット。

つまり条件や設定的には展開を描くには制約が多いんですが、それでも展開自体は作れてる。それこそ良くも悪くもダラダラと読めてしまうマンガ。部屋の中で宝探しとか、ネタ自体は良い意味でしょうもない(笑)

就労する選択肢が清々しいほどに皆無

とにかく二人とも就労意欲が清々しいぐらい皆無。

働かない二人1巻 働こうとする兄1
(1巻)
ある日、兄・守が「働いてみようと思うんだ」と妹・春子に告げる。自分だけ置いてけぼりを食らうと不安になった春子はオドオド。でもそれを見て守はニヤリ。

働かない二人1巻 働こうとする兄2
(1巻)
冗談だよ!俺が働くわけないだろ(キリッ」とドヤ顔をかます。ダウンタウンの松本風に叫ぶながら「ウッソよねーん!」といった感じ。こんな冗談が通じるには「相当働く気がない」という前提が必要ですからね。というか、ウッソよねーん!と後から否定したら普通だったらドツかれる。

働かない二人1巻 就労意欲が全くない
(1巻)
だから朝起きた瞬間からソッコーでゲーム三昧。「ダメ人間ここに極まれりだなぁ」とかシミジミしてんじゃねーよ(笑)ちなみに朝起きるだけマシで、基本的に昼夜逆転生活を送ってて、朝になったら寝ることもしばしば。

妹春子がポンコツすぎて可愛い?

ただ兄・守は比較的優秀な部類で何故ニート生活を送ってるかは不明なんですが、とにかく妹・春子がポンコツすぎる。兄にしか心を開かないぐらいコミュ障であることは言うまでもなく、精神的にも幼稚ですぐ「う◯こ」みたいなワードを使いたがる。

働かない二人1巻 ドン臭い妹春子1
(1巻)
ある日ゲームをしてて、またこのときも体全体を動かさないとコントローラーで操作できない時点でポンコツっぷりがバレますが、途中で尿意を催す。わざわざ叫ぶ必要もないのに全力で叫んだのが悪かったのか、結構ガッツリ漏らす。まさにコップ一杯分ぐらい。だから下のシーツにも染みいる。

春子は鈍感だからチビっとだけだと思ってたがゆえに、その染みを兄・守に咎められた時のリアクションが…
働かない二人1巻 ドン臭い妹春子2
(1巻)
まさかの天井を見る。思わず「新喜劇の辻本茂雄か!」とツッコんでしまった。仮に天井から雨漏りしてたとしても、まずお前の頭にポタポタ落ちてるやろっていう。

働かない二人3巻 ドン臭い妹春子1
(3巻)
春子はポンコツすぎてスルメすら噛みきれない。何故いちいち体全体を動かさないと、一つの行動が取れないのか不思議。延々とクッチャクッチャ咀嚼運動した結果、春子にどんな顛末が待っていたかというと…
働かない二人3巻 ドン臭い妹春子2
(3巻)
まさかの足をつる。せめてアゴやん?いくら運動不足とはいっても上半身での疲れが下半身に来るという、どんな身体の構造をしてるんだろうか。

とにかく微笑ましいほど仲が良い

この妹・春子と兄・守の絡みが実に仲が良くて微笑ましい。

例えば、グーグルでお菓子のハニートーストを検索しようとした二人。当然春子はポンコツだから、守が検索。この時点で仲が良いことは分かるんですが、兄・守はそこでイタズラをひらめく。
働かない二人2巻 仲が良い二人1
(2巻)
「さあ見ろ」と言って見せたのがキモすぎる奇虫。「ハニートースト」と軽やかに小踊りしてからの「ギャー」がテンポが良い。

働かない二人2巻 仲が良い二人3
(2巻)
ただお返しとばかりに春子がハエを手で叩き潰した時には、外まで守を追いかけていく。どっちもしつけーなー。ムダすぎる執念。

働かない二人3巻 仲が良い二人
(3巻)
兄・守が首を寝違えて大人しくしてた時には「弱い!お兄ちゃんが弱い!」とデュクシデュクシを連続。お前は男子中学生か。他にも輪ゴムでお互いを狙い合ったり、つくづくしょうもない(笑)

でもゲーム合宿と称して、兄・守の部屋にお布団をワクワクしながら運んだり、本当に見てて二人の関係性がひたすら微笑ましい。しかも二人はそこそこ良い大人であるにも関わらず、悲壮感が一切漂ってないのが「平和だな―」と思わずお茶をすすりたくなる。

また兄と妹という近親設定だとムダにセクシーな展開に走りがちですが、そういうのが一切ないにも好感が持てる。妹・春子はムダに巨乳な設定なものの、終始スウェット姿なので一切ピクンとは反応しない。そもそも下ネタワードが好きすぎる時点で、一人の女性としては見れませんが(笑)

総合評価

二人のキャラクターにギャップがあって面白い。そして、ひたすらどうでも良いことで盛り上がるのが微笑ましい。ひたすら部屋の中でスウェット姿で兄妹がダベってるだけなんですが、それでも展開が作れてて3巻というボリュームでも飽きない。「働かないニート」という設定で父母キャラクターも登場するものの、悲壮感が微塵も感じられないのも良い。

下手にページを埋めようと、二人の過去や背景を作らずストーリー性に走らないのも良い。ただ、あとがきに載ってる幼少期時代のオマケ漫画を読むとポンコツの妹・春子のためにニート生活を付き合ってあげてる感がある兄・守。ラストにはきっとそういった過去と絡めたオチになるかと思いますが、でも本編ではそういう面を見せないからこそテンポ良く読めているのかも。

働かないふたり 1巻
吉田 覚
新潮社
2014-12-12


◯展開…★3.5◯テンポ…★4.5
◯キャラ…★5◯画力…★3.5
◯全巻大人買い…★5
◯おすすめ度…85点!!!!

『ヲタクに恋は難しい』1巻のネタバレ感想。作者はふじた。Pixivで配信してたオタク漫画。

あらすじ

主人公は桃瀬成海。26歳のOLであり生粋の腐女子。ひょんなことから新しい職場に転職した先に、昔に仲が良かったオタク友達・二藤宏高がいた。

ただ桃瀬成海は社内で自分がオタクであることを隠していた。これはヤバイ。とっさに機転を利かせて、その場からすぐ離れたものの…
ヲタクに恋は難しい1巻 二藤と桃瀬の再会
二藤宏高から去り際にまさかの「今度のコミケは参加すんの?」。このときの桃瀬成海の表情が「こいつ言いやがったな」という殺意というか愕然というか、なんとも言えない表情が笑う。別にオタク趣味に限らず、新しく作り上げた人間関係の中で「触れてほしくない過去」ってありますよね。単に根暗だったとかネアカだったとか、そういう類いでも何かイヤw

他にも同じオタク同僚・小柳花子や樺倉太郎とともに、隠れオタクとしての苦悩や日常がコミカルに描かれているラブコメマンガ。

最上位オタクたちによるラブコメ

『ヲタクに恋は難しい』という漫画タイトルですが、ここから想像されるのはいかにも「キモいルックス」のオタク。また異性に対するコミュニケーション能力も未熟だから、リアルに恋愛関係に発展することが難しい。ついこう考えてしまいがちなんですが、冒頭に貼った画像を見たら分かるように桃瀬成海は美女で、二藤宏高はメガネイケメン。

だから「オタク要素」以外の点では、むしろどちらもイケてる社会人。お酒は飲むし、タバコだって吸います。コミュ障でもないので過去に何人とも異性と付き合ったことがあって、当然色んなことは経験済み。いわゆる「典型的なヲタク」は一切登場してこない。

ヲタクに恋は難しい1巻 桃瀬はヲタ嫌い
むしろ桃瀬成海は「ヲタクなんてキメーから嫌だ!」と強烈な同族嫌悪。でも腐女子のルックスも大概ですけどね?もし鏡を持ってないなら佐川急便で送り続けてやるから、今すぐ住所教えろや!…とツッコみたくもなります(笑)

この設定をどう評価するのかということですが、個人的にはアリ。ここまでイケメン美女ではないにしても、世の中のオタクのほとんどは普通に日常を送ってる隠れオタク。普通に異性と付き合おうと思ったら、おそらく誰でも可能。だからこそ異性と恋愛関係に発展できないとしたら、まさに「オタク趣味」こそが原因ということですから。

これこそが真の意味で「ヲタクに恋は難しい」と言えます。また見た目のルックスが普通だからこそ、悲壮感が良い意味で漂わない。

やっぱりノリは痛い

とは言え、やっぱりノリは痛々しい。

桃瀬成海は彼氏ができるものの、前述の通りあまり長続きはしない。どうしてもオタク趣味(というよりBL好きの腐女子趣味)がバレて、一般的な男はそれを許容できない。そこで思わず二藤宏高がポツリ。
ヲタクに恋は難しい1巻 乙女ゲーの分岐
「乙女ゲーの分岐は間違えないのにね」。そして食い気味に来る「それな」がムカついて仕方ない。「それな」という、シンプルなタメ口っぷりと上から目線。このときの桃瀬成海の表情も憎たらしいったらない。何回見てもこの表情がヤバイ。女子を殴りたいと思ったのは久々。でもさすがにグーパンチはダメなので、チョップで桃瀬の額を割りてー!

美人だけど行動がウザいという点で、まさにしょこたん。

結局桃瀬成海はコミケに足を運ぶ。このときの「行こうか!会場(いくさば)へ!」とやる気満々なノリがウザすぎて仕方ない。本気と書いてマジと読むようなノリで、会場という書いて「いくさば」と読む。さっぶいなー(笑)

ヲタクに恋は難しい1巻 ノリがキモい2
当然会場に入ればテンションアゲアゲMAX。ジョジョ立ちとかいちいち鬱陶しいし、イケメン男装コスプレイヤーと出会って感涙。ちなみに男装レイヤーが、前述の小柳花子。

ヲタクに恋は難しい1巻 ノリがキモイ
その小柳花子と桃瀬成海がつるんで、お互いの彼氏同士に壁ドンさせて楽しむ。平然と隣でパシャパシャ撮影しまくってるものの、まさに腐女子以外に誰得?という構図。一般人が見たらケンカの一触即発状態にしか見えない。

一応お互いのオタク趣味は理解しつつも、やはり理解できない部分もある。いや、理解したくない部分もある。例えば、二藤宏高のフィギュア趣味。たまたま遊びに行った時に、桃瀬がそれを発見。
ヲタクに恋は難しい1巻 フィギュア
この時の表情が切ない。何故なら、桃瀬の胸はペッタンコだったから!どこに敵意を向けていいか分からず憎しみだけが沸き上がってくるといった感じか。ただ逆にペッタンコなフィギュアを所有してたら、それはそれで危険ですけどね(笑)

ちなみにオタク同僚・小柳花子はボイン。でもその彼氏の樺倉太郎はペッタンコが好きなので、オタク趣味がリアルで合致しない切なさも描写されてます。自分は胸があろうがなかろうが性別が女性だったら誰でもいいですけどね!…みたいなことを冗談で中学生の頃に言ったら、クラス中の女子から総スカンを食らった記憶。ちょっと仲が良かった女の子にも無視されてアレは切なかった(´;ェ;`)ウゥ・・・

セリフのwは必要か?

登場人物たちがオタクということで「www」という語尾が使われがち。小馬鹿にしたり、また自嘲気味に使われるネット用語らしく自分もたまに使っちゃうwww

ヲタクに恋は難しい1巻 セリフのwww
作中でも桃瀬成海が元カレにフラレたことに対して自嘲気味に「フラレたんゴwwwwww」と使ってる。確かに哀愁ただよう背景とともに「m9(^Д^)プギャー」という感情しか芽生えてきません。

ただ「www」がどうこうというより、縦書ゼリフにおいて縦向きのアルファベットは正直読みにくい。日本語は縦書き表示でも横書き表示でもしっくり来る言葉ですが、アルファベットはやっぱり横書きのみにしか合わない。

だからヲタ臭を出そうとするのは良いんですが、無理やり吹き出しの中には入れずにもっと別の表現を模索してもいいのかなと。作中でも既にありましたが、キャラクターの周辺に「顔文字+www」とかで基本的には十分。

総合評価

基本的に卑屈で性格が曲がってるものの、社会経験の乏しさから来る非常識さはなく、そこまで不快感には感じない。恋愛経験値が人並み以上ということもあって、露骨に稚拙な恋愛観が展開されることも薄め。

良い雰囲気になったら下着の色を気にするなど「大人同士の恋愛」が一応前提にあるので、そういう点でも大人の読者でも安心して読めるし新鮮っちゃ新鮮。オタクだからといって必ずしも「チビ・デブ・ハゲ」である必要はなく、性格が根暗である必要もない。だからオタクラブコメの新境地と呼べるマンガかも?

ヲタクに恋は難しい: 1
ふじた
一迅社
2015-04-30


◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★5◯画力…★3.5
◯全巻大人買い…★5
◯おすすめ度…86点!!!!

『東京喰種re』3巻のネタバレ感想。作者は石田スイ。ヤングジャンプ(集英社)で連載中のバトル漫画。前作『東京喰種全14巻』の続編。

あらすじ

主人公は佐々木琲世(金木研)。喰種一等捜査官。クインクスと呼ばれるクインケを移植した新米捜査官たち4人を育ててる。ストーリーはビッグマダムが主催するオークションに、その中の一人・六月透を潜入させた続きから。

東京喰種re3巻 ナッツクラッカー
このオークションには「ナッツクラッカー」と呼ばれるA級喰種が乗り込んでくるというウワサがあり、その駆逐を主な目的とした潜入捜査。ナッツというのは男のシンボル。それを壊すのを生きがいとしてるグールで、まさに男の敵!結論から書いておくと、意外にめちゃめちゃ強いらしい。

東京喰種re3巻 赫子を分離
赫子(かぐね)を分離させて地雷のように使うことが可能。相変わらず、赫子だのクインケだのという意味を理解してませんが。

滝澤政道無双!

ただこの3巻ではナッツクラッカーよりも、まずは滝澤政道。元々はCCGの二等捜査官で、鈴屋什造と同期だった男。

東京喰種13巻滝澤捜査官
(東京喰種13巻)
ただ「あんていく襲撃」時にはようやく自分の生死をリアルに生々しく感じて、あまりの恐怖からブルって涙を垂れ流してたヒヨワ男。

東京喰種re3巻 滝澤捜査官2
それが何故かグールになってCCGを襲ってくる。

東京喰種re3巻 滝澤捜査官4
しかも、めちゃめちゃ強くて、めちゃめちゃイカレぽんち。佐々木琲世(金木研)はそこそこ強いはずですが、ほとんと歯が立たない。「成功体オウル」どうこうという発言から、半喰種としての完成度は金木研より上っぽい。

東京喰種re3巻 滝澤捜査官3
ちなみに平常時だった滝澤政道がこんな風貌。爽やか系の優男。変わりすぎやろwww正直見てられない。「どうしてこうなった!?」というセリフはまさにこういう場面で使うセリフ。

滝澤捜査官はいつグールに?

そもそも滝澤政道はいつ喰種になったのかという疑問。

『東京喰種re』2巻のラストでは嘉納教授と一緒に登場してるので、滝澤は金木研と同様に喰種の内臓が移植されたはず。
東京喰種re3巻 滝澤捜査官4
隻眼という特徴からも金木研(佐々木琲世)と同様に人工的な半グールであることに違いはなさそう。「あんていく襲撃」時では見かけなかった気がするので、その時に戦闘には参加せずにCCGから逃亡して嘉納教授と知り合った?

そういえば「あんていく」の芳村の娘だか息子だかが「隻眼の王」という最強喰種。ということは滝澤政道が隻眼の王?でも随分前にCCGで教鞭を執ってる以上、年齢や時期的にその可能性は低そうか。「隻眼=半喰種=人工移植された人間」ということだったら、少なくとも芳村の子供は元々人間だった?

総合評価

相変わらずバトルシーンは圧巻。新しいキャラクターがテンヤワンヤしてるんで誰が誰かは不明ですが、「それっぽい」魅せ方は上手い。

逆に、相変わらずストーリーはよく分からんです。滝澤以前に主人公・金木研がどんな過程を経て佐々木琲世に変わったんだ?という疑問がまだ未解決。核心部分であろう嘉納教授周辺の展開がつかみどころがない。
東京喰種re3巻 佐々木琲世と金木研2
でも金木研と佐々木琲世の心の中でのやり取りは、今後ストーリーにおいて重要な働きをしそう。正直佐々木琲世のキャラクターとかもイマイチ分からないので何とも言えないですが、何となく「それっぽい」何かを描きたいのは分かる。

東京喰種re3巻 ヒナミ
あとヒナミって今気付きましたが、霧嶋薫香たちと一緒に母子を助けた時の奴か。佐々木琲世(金木研)のことを「お兄ちゃん」を連呼してるから、誰やねんコイツと思ってた。

ただ『東京喰種』を読み直しても、金木研のことを「お兄ちゃん」とはほとんど呼んでない。「トーカお姉ちゃん」は頻繁に連呼してるものの、そりゃあ分かるわけねーよ。せめて「金木お兄ちゃん」と呼んだ方が良くね?



◯展開…★3.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★4◯画力…★5
◯全巻大人買い…★5
◯おすすめ度…88点!!!!