バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『ヲタクに恋は難しい』1巻のネタバレ感想。作者はふじた。Pixivで配信してたオタク漫画。

あらすじ

主人公は桃瀬成海。26歳のOLであり生粋の腐女子。ひょんなことから新しい職場に転職した先に、昔に仲が良かったオタク友達・二藤宏高がいた。

ただ桃瀬成海は社内で自分がオタクであることを隠していた。これはヤバイ。とっさに機転を利かせて、その場からすぐ離れたものの…
ヲタクに恋は難しい1巻 二藤と桃瀬の再会
二藤宏高から去り際にまさかの「今度のコミケは参加すんの?」。このときの桃瀬成海の表情が「こいつ言いやがったな」という殺意というか愕然というか、なんとも言えない表情が笑う。別にオタク趣味に限らず、新しく作り上げた人間関係の中で「触れてほしくない過去」ってありますよね。単に根暗だったとかネアカだったとか、そういう類いでも何かイヤw

他にも同じオタク同僚・小柳花子や樺倉太郎とともに、隠れオタクとしての苦悩や日常がコミカルに描かれているラブコメマンガ。

最上位オタクたちによるラブコメ

『ヲタクに恋は難しい』という漫画タイトルですが、ここから想像されるのはいかにも「キモいルックス」のオタク。また異性に対するコミュニケーション能力も未熟だから、リアルに恋愛関係に発展することが難しい。ついこう考えてしまいがちなんですが、冒頭に貼った画像を見たら分かるように桃瀬成海は美女で、二藤宏高はメガネイケメン。

だから「オタク要素」以外の点では、むしろどちらもイケてる社会人。お酒は飲むし、タバコだって吸います。コミュ障でもないので過去に何人とも異性と付き合ったことがあって、当然色んなことは経験済み。いわゆる「典型的なヲタク」は一切登場してこない。

ヲタクに恋は難しい1巻 桃瀬はヲタ嫌い
むしろ桃瀬成海は「ヲタクなんてキメーから嫌だ!」と強烈な同族嫌悪。でも腐女子のルックスも大概ですけどね?もし鏡を持ってないなら佐川急便で送り続けてやるから、今すぐ住所教えろや!…とツッコみたくもなります(笑)

この設定をどう評価するのかということですが、個人的にはアリ。ここまでイケメン美女ではないにしても、世の中のオタクのほとんどは普通に日常を送ってる隠れオタク。普通に異性と付き合おうと思ったら、おそらく誰でも可能。だからこそ異性と恋愛関係に発展できないとしたら、まさに「オタク趣味」こそが原因ということですから。

これこそが真の意味で「ヲタクに恋は難しい」と言えます。また見た目のルックスが普通だからこそ、悲壮感が良い意味で漂わない。

やっぱりノリは痛い

とは言え、やっぱりノリは痛々しい。

桃瀬成海は彼氏ができるものの、前述の通りあまり長続きはしない。どうしてもオタク趣味(というよりBL好きの腐女子趣味)がバレて、一般的な男はそれを許容できない。そこで思わず二藤宏高がポツリ。
ヲタクに恋は難しい1巻 乙女ゲーの分岐
「乙女ゲーの分岐は間違えないのにね」。そして食い気味に来る「それな」がムカついて仕方ない。「それな」という、シンプルなタメ口っぷりと上から目線。このときの桃瀬成海の表情も憎たらしいったらない。何回見てもこの表情がヤバイ。女子を殴りたいと思ったのは久々。でもさすがにグーパンチはダメなので、チョップで桃瀬の額を割りてー!

美人だけど行動がウザいという点で、まさにしょこたん。

結局桃瀬成海はコミケに足を運ぶ。このときの「行こうか!会場(いくさば)へ!」とやる気満々なノリがウザすぎて仕方ない。本気と書いてマジと読むようなノリで、会場という書いて「いくさば」と読む。さっぶいなー(笑)

ヲタクに恋は難しい1巻 ノリがキモい2
当然会場に入ればテンションアゲアゲMAX。ジョジョ立ちとかいちいち鬱陶しいし、イケメン男装コスプレイヤーと出会って感涙。ちなみに男装レイヤーが、前述の小柳花子。

ヲタクに恋は難しい1巻 ノリがキモイ
その小柳花子と桃瀬成海がつるんで、お互いの彼氏同士に壁ドンさせて楽しむ。平然と隣でパシャパシャ撮影しまくってるものの、まさに腐女子以外に誰得?という構図。一般人が見たらケンカの一触即発状態にしか見えない。

一応お互いのオタク趣味は理解しつつも、やはり理解できない部分もある。いや、理解したくない部分もある。例えば、二藤宏高のフィギュア趣味。たまたま遊びに行った時に、桃瀬がそれを発見。
ヲタクに恋は難しい1巻 フィギュア
この時の表情が切ない。何故なら、桃瀬の胸はペッタンコだったから!どこに敵意を向けていいか分からず憎しみだけが沸き上がってくるといった感じか。ただ逆にペッタンコなフィギュアを所有してたら、それはそれで危険ですけどね(笑)

ちなみにオタク同僚・小柳花子はボイン。でもその彼氏の樺倉太郎はペッタンコが好きなので、オタク趣味がリアルで合致しない切なさも描写されてます。自分は胸があろうがなかろうが性別が女性だったら誰でもいいですけどね!…みたいなことを冗談で中学生の頃に言ったら、クラス中の女子から総スカンを食らった記憶。ちょっと仲が良かった女の子にも無視されてアレは切なかった(´;ェ;`)ウゥ・・・

セリフのwは必要か?

登場人物たちがオタクということで「www」という語尾が使われがち。小馬鹿にしたり、また自嘲気味に使われるネット用語らしく自分もたまに使っちゃうwww

ヲタクに恋は難しい1巻 セリフのwww
作中でも桃瀬成海が元カレにフラレたことに対して自嘲気味に「フラレたんゴwwwwww」と使ってる。確かに哀愁ただよう背景とともに「m9(^Д^)プギャー」という感情しか芽生えてきません。

ただ「www」がどうこうというより、縦書ゼリフにおいて縦向きのアルファベットは正直読みにくい。日本語は縦書き表示でも横書き表示でもしっくり来る言葉ですが、アルファベットはやっぱり横書きのみにしか合わない。

だからヲタ臭を出そうとするのは良いんですが、無理やり吹き出しの中には入れずにもっと別の表現を模索してもいいのかなと。作中でも既にありましたが、キャラクターの周辺に「顔文字+www」とかで基本的には十分。

総合評価

基本的に卑屈で性格が曲がってるものの、社会経験の乏しさから来る非常識さはなく、そこまで不快感には感じない。恋愛経験値が人並み以上ということもあって、露骨に稚拙な恋愛観が展開されることも薄め。

良い雰囲気になったら下着の色を気にするなど「大人同士の恋愛」が一応前提にあるので、そういう点でも大人の読者でも安心して読めるし新鮮っちゃ新鮮。オタクだからといって必ずしも「チビ・デブ・ハゲ」である必要はなく、性格が根暗である必要もない。だからオタクラブコメの新境地と呼べるマンガかも?

ヲタクに恋は難しい: 1
ふじた
一迅社
2015-04-30


◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★5◯画力…★3.5
◯全巻大人買い…★5
◯おすすめ度…86点!!!!

『東京喰種re』3巻のネタバレ感想。作者は石田スイ。ヤングジャンプ(集英社)で連載中のバトル漫画。前作『東京喰種全14巻』の続編。

あらすじ

主人公は佐々木琲世(金木研)。喰種一等捜査官。クインクスと呼ばれるクインケを移植した新米捜査官たち4人を育ててる。ストーリーはビッグマダムが主催するオークションに、その中の一人・六月透を潜入させた続きから。

東京喰種re3巻 ナッツクラッカー
このオークションには「ナッツクラッカー」と呼ばれるA級喰種が乗り込んでくるというウワサがあり、その駆逐を主な目的とした潜入捜査。ナッツというのは男のシンボル。それを壊すのを生きがいとしてるグールで、まさに男の敵!結論から書いておくと、意外にめちゃめちゃ強いらしい。

東京喰種re3巻 赫子を分離
赫子(かぐね)を分離させて地雷のように使うことが可能。相変わらず、赫子だのクインケだのという意味を理解してませんが。

滝澤政道無双!

ただこの3巻ではナッツクラッカーよりも、まずは滝澤政道。元々はCCGの二等捜査官で、鈴屋什造と同期だった男。

東京喰種13巻滝澤捜査官
(東京喰種13巻)
ただ「あんていく襲撃」時にはようやく自分の生死をリアルに生々しく感じて、あまりの恐怖からブルって涙を垂れ流してたヒヨワ男。

東京喰種re3巻 滝澤捜査官2
それが何故かグールになってCCGを襲ってくる。

東京喰種re3巻 滝澤捜査官4
しかも、めちゃめちゃ強くて、めちゃめちゃイカレぽんち。佐々木琲世(金木研)はそこそこ強いはずですが、ほとんと歯が立たない。「成功体オウル」どうこうという発言から、半喰種としての完成度は金木研より上っぽい。

東京喰種re3巻 滝澤捜査官3
ちなみに平常時だった滝澤政道がこんな風貌。爽やか系の優男。変わりすぎやろwww正直見てられない。「どうしてこうなった!?」というセリフはまさにこういう場面で使うセリフ。

滝澤捜査官はいつグールに?

そもそも滝澤政道はいつ喰種になったのかという疑問。

『東京喰種re』2巻のラストでは嘉納教授と一緒に登場してるので、滝澤は金木研と同様に喰種の内臓が移植されたはず。
東京喰種re3巻 滝澤捜査官4
隻眼という特徴からも金木研(佐々木琲世)と同様に人工的な半グールであることに違いはなさそう。「あんていく襲撃」時では見かけなかった気がするので、その時に戦闘には参加せずにCCGから逃亡して嘉納教授と知り合った?

そういえば「あんていく」の芳村の娘だか息子だかが「隻眼の王」という最強喰種。ということは滝澤政道が隻眼の王?でも随分前にCCGで教鞭を執ってる以上、年齢や時期的にその可能性は低そうか。「隻眼=半喰種=人工移植された人間」ということだったら、少なくとも芳村の子供は元々人間だった?

総合評価

相変わらずバトルシーンは圧巻。新しいキャラクターがテンヤワンヤしてるんで誰が誰かは不明ですが、「それっぽい」魅せ方は上手い。

逆に、相変わらずストーリーはよく分からんです。滝澤以前に主人公・金木研がどんな過程を経て佐々木琲世に変わったんだ?という疑問がまだ未解決。核心部分であろう嘉納教授周辺の展開がつかみどころがない。
東京喰種re3巻 佐々木琲世と金木研2
でも金木研と佐々木琲世の心の中でのやり取りは、今後ストーリーにおいて重要な働きをしそう。正直佐々木琲世のキャラクターとかもイマイチ分からないので何とも言えないですが、何となく「それっぽい」何かを描きたいのは分かる。

東京喰種re3巻 ヒナミ
あとヒナミって今気付きましたが、霧嶋薫香たちと一緒に母子を助けた時の奴か。佐々木琲世(金木研)のことを「お兄ちゃん」を連呼してるから、誰やねんコイツと思ってた。

ただ『東京喰種』を読み直しても、金木研のことを「お兄ちゃん」とはほとんど呼んでない。「トーカお姉ちゃん」は頻繁に連呼してるものの、そりゃあ分かるわけねーよ。せめて「金木お兄ちゃん」と呼んだ方が良くね?



◯展開…★3.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★4◯画力…★5
◯全巻大人買い…★5
◯おすすめ度…88点!!!!

『アイアムアヒーロー』17巻のネタバレ感想。作者は花沢健吾。ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載中のゾンビ漫画。


これまでの展開

すごないマンガがすごい」から引っ越してきたので、簡単にこれまでのおさらい。

主人公は鈴木英雄。元漫画家。人類がゾンビ(以下ZQN)に襲われて比呂美という女子高生と一緒に逃げてる最中。16巻では同じ逃亡仲間の小田がZQN化。人間のままあの世に逝きたかった小田は、自らゴミ収集車の中に入る。そして…という衝撃的な終わり方をした後の話。

女性キャラクターがどうにかなる時は、作者の花沢健吾がリアルでオンナで嫌なことがあったとき。言っちゃえば、マンガに八つ当たり。小田の死に必然性をほとんど感じなかったので、小田をモチーフにしてた女性に花沢健吾はリアルで何かされたんでしょうか?(笑)

ただ後述もしますが、徐々にメインキャラクターが固まって集結しつつある。例えば17巻だと、鈴木英雄と同じ漫画家仲間だった中田コロリが登場。てっきりZQNの猛襲で食べられてたと思いましたが、ガッツリと生き残ってました。

だからストーリーを収束させていくにあたって、メインで活躍させるキャラクターが多いと連載するのがきっと大変。つまり作者的にメンドーだから現段階でキャラを削除しておくか…というノリも感じる。小田の死に意味があると信じたいですが、そこら辺は花沢健吾に期待してもダメなのかも知れない。


中田コロリの死亡フラグびんびん?

中田コロリは鈴木英雄よりも有能な漫画家。どんなマンガを描いても面白い。花沢健吾的に誰かモチーフとしてるマンガ家でもいるんでしょうか?

アイアムアヒーロー17巻 中田コロリ
ただし内面には問題を抱えてて、いわゆる変の態。身体もヒョロくて、いかにもオタク風。だから前述のように真っ先にZQNに食われてそうなタイプ。頭の片隅ではずっと気になってた。

でも実はグループ内ではリーダー的な扱い。「アサダ教」というチャラ男を頂点とした宗教的な繋がりで固まってたグループの中に入って、どんどん功績を上げていく。中田コロリの信念としては「とりあえず死なない」ことがあって、だから仲間の中では信頼されててカッコイイ風に描かれてる。

アイアムアヒーロー17巻 キズキ

アイアムアヒーロー12巻 キズキ
(12巻)
ストーリー的には12巻あたりで登場した女子高生・キズキが再登場。そのクダリでは一軒家に人間が集まって、周辺のZQNに怯えながらも暮らしてた。

そこで最終的に久喜第三中学校へ向かうものの、
アイアムアヒーロー12巻 江崎たかし(クルス)
(12巻)
その中の一人・江崎たかし(後のクルス)という引きこもりが半ZQN化してしまう。結果的には比呂美と同様に理性を保つことが出来て、クルスとしてリーダーを張る。そして東京へ向かおうとする場面で、このクダリは終了してた。

それが17巻に繋がってきた。キズキがいるということはクルスもいるということ。クルスはモブZQNたちを操作できる。ただキズキが「助けてくれ」と懇願してる状況を見ると、何かあってかつての仲間同士で不協和音が流れてる可能性が高い。

ちなみに12巻の終わりでクルス(江崎たかし)は橋の柱に「◯◯幕府」と描いてたんですが、その答えがこの17巻で分かる。それが「久喜幕府」。前述の中学校名を使った名前。ここに意味があるのかは不明ですが、続々とストーリーが徐々に収斂しつつある気配。

おそらく、この過程で中田コロリもきっと活躍するはず。ただ主人公・鈴木英雄がいる以上、そこを差し置いて活躍し続ける可能性は低い。しかも中田コロリは低能な鈴木英雄を尊敬してる節もあるので、「英雄しぇんしぇいは僕のヒーローでしゅ…(ガクッ)」と今から死亡フラグびんびんに感じるような感じないような(笑)


総括

正直アイアムアヒーローは話が展開する速度が遅い。むしろ厳密に言うとテンポ感が良いからこそボリュームが少ないように感じる。変にセリフやコマを詰め込んで描かないので、どうしてもページあたりの情報量が少ない。

だから、良い意味で読後感としては物足りなさを感じてしまって、またレビューする内容も実は多くはない。正直まとめて読まないと評価がしづらいマンガ。

印象的な部分があればそこを基準に採点してますが、それを列挙しておくと
アイアムアヒーロー17巻 戦闘型ZQNに罠
戦闘型ZQNとのバトルが良かった。どこにでもあるような会議イスを利用したトラップを使って、ZQNの進撃を弱める。こういうアイデアは好き。単に大雑把にドンパチやるよりかは、ありふれた道具を使って戦うというのが、こういうゾンビ漫画の醍醐味。

アイアムアヒーロー17巻 半ZQN?
あとストーリーにおいて補完しておくと、中田コロリ側にも半ZQNが既に存在。基本的に無口で喋らない。画像のようにZQNの血を浴びたので「え?コイツ大丈夫?組織が内部から破壊?」とガクブルしてたんですが、実は既にZQNに噛まれてる。そんで失った片足が生えてきてる。その足で思いっきりZQNを踏み潰してる画像。生きてる実感をそこに強く追い求めているのかも知れない。

人間側からしてみたら強烈な武器。比呂美も含めて、今後はどう展開に活かされていくのか。だから17巻も展開的にはまずまず。これからも期待できるとは変わらず思いますが、全体を評価するのはラストの大オチを見てからということ。

ちなみに面白いかどうか徹底考察したレビューもおヒマならチェックしてみてください。

『銀の匙-Silver Spoon-』13巻のネタバレ感想。作者は荒川弘。少年サンデー(小学館)で連載中の農業マンガ。

あらすじ

乗馬の北海道地区予選的なんの団体戦の続き。ほぼ一年ぶりぐらいの新刊ということで前回の内容はほとんど覚えておらず。とりあえずストーリー的にはなんやかんやがありつつも、八軒たち大蝦夷農業高校は全国大会に出場するという展開。

往年のひょうきん族?

全国大会に出場するために東京へ行く大蝦夷農業高校。一番初めに走るのは八軒。ただ最初こそ華麗に障害物を飛び越えるものの、オリンピックの垂れ幕に見とれててまさかの経路違反で見事に失格。馬術人口が少ないからオリンピックを狙えるかも…という会話に内心浮かれてた。

銀の匙13巻 全国大会で失敗する八軒
審判のダメポーズが往年の「ひょうきん族」を彷彿。笑顔が素敵すぎる。

そして八軒は前代未聞の255点という最大級の減点を食らう。当然、北海道へ帰ると八軒はネタにされまくり。
銀の匙13巻 南九条あやめのイヤミ
南九条あやめからは「お久しぶりね!二百五十五軒!!」と最大級のイヤミ。自称・作家の百田尚樹という男がいますが、ペテン師のように主張することがコロコロ変わる。そういう特徴から「嘘八百田尚樹」というアダ名が一部で付いてますが、ノリ的にはそんなんに近い?

銀の匙13巻 御影のカッコイイ乗馬
ちなみに御影の乗馬シーンはムダにカッコイイ(北海道予選)。

展開はアッサリ?

乗馬の全国大会然り、展開は結構アッサリ。作者の荒川弘は現在家族の看病のために、連載は『銀の匙』に限らず不定期連載中だそう。銀の匙に限って言えば前からかも知れませんが、だから展開を引っ張ることは薄め。

銀の匙13巻 味にシビアすぎる八軒
だから金華豚のピザとか作るクダリも意外にアッサリ。既に何度も作ってることも影響してますが、思わず教師が「やなガキに成長しちゃったなー」とボヤくぐらいムダにシビアに評価しちゃう八軒たち。死んだ目つきが笑った。可愛らしい子役がギャル系になってるとショックですが、ノリ的にはそんな感じ?

時期的にはそろそろ大学受験。
銀の匙13巻 オタクの西川一
西川一の東京の大学へ行きたい理由も下衆。ただ東京の大学や会社へ行きたい若者は、オタクに限らず、だいたいこんな理由なんでしょうが。

総合評価

相変わらず、銀の匙はストーリーの内容は特に面白いことはない。一話完結のオムニバスでもなければ、がっちりとしたストーリーものでもない。だから基本的に展開に唐突感があって、ストーリーを追うことができないので読みづらい。要所要所で見せるキャラクターのノリは笑えるだけ。この13巻でもそれは同じ。

ただ、ほぼ一年ぶりの新刊ということで、それだけ休載回数が多かったという裏返し。そのせいか特に展開が以前よりもアッサリしてる感じ。メインの軸以外はテキトーに消化して、時間的なことを考えると駒場一郎を会社に引き入れて、御影の大学合格うんぬんかんぬんをサラッと描いて、そろそろ締めに入るのかなーという印象も。

でも荒川弘は祖母が入院してた最中も、病室で漫画の原稿を描いてたぐらいの強者。だから家族の看病ぐらいで不定期連載になるもん?という素朴な疑問も湧く。『アルスラーン戦記』という連載も抱えてるので仕方ないのかと思いつつも、ここまで荒川弘が連載が不定期になるのは、それだけ旦那や子供といった本当に近い身内が重篤な病気になったんかなーと推察。



◯展開…★3◯テンポ…★3.5
◯キャラ…★4◯画力…★4
◯全巻大人買い…★3.5
◯おすすめ度…82点!!!!

『のぞえもん』1巻のネタバレ感想。作者は藤崎ひかり。コミックヘヴン(日本文芸社)で連載中の漫画。

あらすじ

主人公は、たかし。さえない高校生。ある日、目の前に40年後の自分であると名乗るオッサンが突然現れる。その未来の自分曰く、2013年12月9日に渋谷あすかが交通事故に遭遇して亡くなってしまうらしい。でもそれを食い止められることができたら、将来は「渋谷あすかと結婚」できるとのこと。

そこで未来のたかしは、自立型ロボットR-01のFR001-MKⅡ『のぞえもん』を開発。そのロボットを使って、現在のたかしと共に、渋谷あすかを襲ってくる数々の障害を打破させようと考える。
のぞえもん1巻 のぞみ
でも、いかにも頼りない幼女風。オツムもなんだか頼りなさそう。

のぞえもん1巻 脅威のパワー
ただいざという時には10トントラックだって破壊しちゃうんだZE!!

のぞえもん1巻 たかしと渋谷あすか
こんな二人がカッコ良く、ちょっと助兵衛に数々の困難から渋谷あすかを助けていく物語。

設定がぶっ飛び!

とにかく設定がぶっ飛んでる。

のぞえもん1巻 ヨダレを垂らすのぞみ
「のぞえもん」は頭がクルクルパーということで終始ヨダレを垂らしてる。それを主人公・たかしが拭いてあげる。そうすると何故か、下の方からお漏らし全開。それだけだったらまだしも、漏らすときに頬を紅潮させて軽く昇天気味。

一応ロボット(機械)という設定にも関わらず水漏れは一番タブーやん?という疑問は「実用性」という美名の下、完全に捨て置かれてる状態。そもそも「のぞえもん」は下は何もはいていないから、常にヒップがプリーンと丸見え状態。

正直これ以上は事細かく詳細に説明はしませんが、おそらくいずれどこかで問題になりそうな内容を多分にはらんでいるマンガ(笑)

だからこそ「笑い」に繋がってる部分も多いので設定に嫌悪感がない読者さんだったら、どちらの目的でも楽しめるようなマンガには仕上がってます。

展開としては読みやすい

ただストーリーは至ってシンプルで読みやすい。主人公・たかしが「のぞえもん」と共に渋谷あすかを数々の困難から救出するだけ。その過程でお色気描写が展開されるわけですが、これでもかというフルスイング。助兵衛な読者さんのお眼鏡にはきっと叶うはず。下手にストーリー性に意識しないのも良い。

のぞえもん1巻 ひかり
こういった可愛らしいキャラクターもこれから増えるみたいなので、女性読者さんにもきっと目の保養になるかしら。

総合評価

『のぞえもん』はコミックナタリーでおすすめされてた漫画。その記事を読む限りは、セクシーな内容だとは簡単に推察できた。とは言え、さすがにコミックナタリーで紹介してる以上、そこまで変なマンガではないと勝手に安心して読み始めた。

ただページを開いた瞬間からガッツリガッツリポンポコピー!肝心の行為をしてないだけで、青年マンガの枠を確実に超えている。想像以上にヤバイ内容で、もし自分が中高生だったら確実にベッドの下に隠してます。いや、それ以前に読んだ瞬間にヨユーで腰を抜かす。いやむしろ抜くでしょう(笑)

もし自分に中高生ぐらいの子供がいて、この『のぞえもん』を読んでいたら間違いなく怒鳴る。「おい!なんてマンガを読んでるんだ!?父さんにも読ませなさい!(*´Д`)ハァハァ」ときっと白い涙を流しながら天国にいる藤子・F・不二雄センセーに謝罪しそう。

できるだけ具体的な表現を控えて紹介しましたが、なんとなく伝わってると嬉しい。ということでAmazonのリンクも貼りません。とりあえず採点は実用目的で評価してみた。ちなみにタイトルは同じ幼児ロボ・コロ助の語尾を意識してみた。

◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★4◯画力…★4
◯全巻大人買い…★3.5
◯おすすめ度…84点!!!!

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』1巻のネタバレ感想。作者は浅野いにお。ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載中のSF漫画。正式タイトルが長すぎるので記事タイトルは省略してみた。みなさんがどんなワードで検索されてるかは分かりかねますが、この記事タイトルでもきっとヒットするはず。

あらすじ

主人公は東京に住む高校3年生の小山門出(こやまかどで)。母子家庭で育つものの、母親が若干精神的に不安定。

そして、もう一人のメインキャラはその親友・中川凰蘭(なかがわおうらん)。アダ名は「おんたん」。とにかく空気が読めない女の子。
デッドデーモンデデデストラクション1巻 中川凰蘭
例えば友達が腐女子だと分かると、それをクラス中で平気でバラしたりするなどトンデモ暴走ガール。『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』ではこんな女子高生たちの平和な日常が描かれています。

デッドデーモンデデデストラクション1巻 宇宙船
…と思いきや、実は彼女たちが住む東京の上空には常にあり得ない物体が鎮座していたという展開。東京はまさかの巨大な宇宙船によって侵略・襲来に遭っていた。ただ厳密には上空にUFOらしき物体が浮遊してるだけで、東京の街自体が侵略されてしまったわけではない。

デッドデーモンデデデストラクション1巻 UFOに石をぶつける
だから男子中高生がUFOに石を投げつけたりする。しかもUFOの動きが遅すぎてハトが止まったりしてる状態。少なくとも1巻の段階では、小山や中川などは平穏な日常を送れているのが現状。宇宙人に侵略されそうになるものの…という危ない均衡状態のまま、普通の女子高生たちが将来について思い悩む情景などが描かれてる。

JKメインなのか、SFメインなのかは不明

ストーリーの展開としては「何がメインか?」は1巻の段階では不明。

デッドデーモンデデデストラクション1巻 小山門出
例えば、小山門出の教師に寄せた淡い恋心や、中川凰蘭との女同士の友情などが描かれる。

デッドデーモンデデデストラクション1巻 オタク女子
小山や中川は典型的なオタク女子で、こういうワケの分からんセリフ回しなどを書かせるとムダにリアル。だからこそ読者としては好きになれるような?なれないような?好みがハッキリ分かれそうな気はする。

デッドデーモンデデデストラクション1巻 アイドル大葉
でも1巻のラストでは、小山門出が好きだった元アイドル・大葉が宇宙人として登場。この大葉は宇宙人の侵略で数年前に亡くなってて、何故生きてるの?という前フリで2巻目に続く。宇宙船から時折発せられる謎の言葉など含めて、どちらかと言うとSFメインでストーリーが進行していく気配もする。

福島原発事故をオマージュ?

ここであらすじを改めて更に詳細に説明しておくと、数年前の8月31日に東京へUFOが大量に攻めてきた。そこで翌日の9月1日に、在日アメリカ軍が新型爆弾「A」を東京に投下する。UFOの侵略を食い止めることができたものの、その結果として、そのAが撒き散らす「A線」という有害物質によって東京は汚染されていた。

ただし政府は人体に影響がないと説明するものの、小山門出の母親はA線に敏感になって東京を離れようとしたり、遠くから農産物を取り寄せたりする。そこで母娘同士で確執が芽生えたりするんですが、いわゆる放射能に対する反応のそれと同じ。

だから東京に鎮座するUFOは、ある意味、いつ発生してもおかしくない「大地震」のことを暗に指してる。前述の男子中高生がUFOに石をぶつけるなどナメた態度は、大地震や原発事故の恐ろしさを忘れて暮らしてる平和ボケ市民に対する皮肉めいたものも感じる。

とはいえ過敏にA線に反応する小山の母親を揶揄ってる部分もあって、スタンス的には現状ではどちらとも言えない。

総合評価

漫画のタイトル名を含めて設定は相変わらず奇をてらいすぎてますが、基本的にはスラスラと読める。でも正直どんな展開になるかは全く不明。

主人公の小山門出や中川が、どういうアプローチでUFOや宇宙人と向き合っていくのか想像がつかない。自衛隊がレーザー砲なんかを開発して宇宙船を破壊したりしてるので、浅野いにおがアクション描写に注力してる雰囲気もありますが、だからといって一介の女子高生たちがそこに加わってUFOに立ち向かうという展開は可能性として低そう。

福島原発事故をオマージュしてる部分もどう繋がっていくかも不明なので、1巻の段階では期待ができるか?期待ができないか?と問われても答えようがないのが現実かも。とはいえ痛い女子高生たちの会話と秀逸な画力だけでも読む価値はありそう。



◯展開…★3.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★4◯画力…★5
◯全巻大人買い…★3.5
◯おすすめ度…84点!!!!

忍のバン1話
『忍のバン(BAN)』1話のネタバレ感想をレビュー。作者は石沢庸介。別冊少年マガジン7月号から始まったバトル漫画。


「忍のバン」のあらすじ内容・登場人物

主人公は鬼庭卍(おにわばん)。本来は国を支える忍者。戦闘をプロとした御庭番隊。

でも日出流国(ひいずるこく)の君主・日出流烈が横暴。その圧政に庶民たちは苦しんでいた。特に「世継儀」という次世代の君主を決めるため、日出流烈たちの子供たちは莫大な軍資金が必要だった。更に庶民たちは高い税金をかけられ苦しむことになる。

忍のバン1話 敵 悪魔寺組
そして、五男・日出流海空がトップを務める悪魔寺組が、茶屋を営む江戸野花実が襲撃される場面からストーリーが始まります。


描き込みがすごい!

敢えて『忍のバン』で褒める部分があるとしたら、とにかく描き込みがすごい点。

忍のバン1話 描き込み
モンスターっぽい敵の毛並みのフサフサ具合とか、めちゃめちゃ細かい。人間の表情でもシワの描き込みが細かい。手抜き感一切なし。ペルシャ絨毯とかを見ているような気分。


キャラや設定がゴチャゴチャ

ただその反面というか、キャラクターが多くてゴチャゴチャしてる印象。

忍のバン1話 敵キャラ多い
冒頭でも書いたように日出流一家の跡目争いが勃発するわけですが、いきなりブワーッとキャラクターの詳細を書かれても覚えられない。ボスの手の内を明らかにするのも早い。

設定の詳細を初めから書かないという選択肢も重要。あれこれ書かれると「覚える」ことを強いられてる気分。でも結果そんな覚えられないので萎える。あとからアイデアを思い付くこともあるはずだから、最初はサラッとで追々説明したらいい話。

あとはストーリーの展開も意味不明。主人公・鬼庭卍は、敵であるはずの・日出流冥という六男に仕えてる。そしてコイツを君主にして、日出流国を平和な国にするのが鬼庭卍の役目。設定として分かりづらすぎ。

忍のバン1話 世継ぎの意味
それを終盤になって後付的に説明するってどうなの?日出流冥も最後の方にチラッと登場するものだから、いやお前誰やねんという話。鬼庭卍と冥がコンビを組んで戦っていくというストーリーなんであれば、茶屋の娘のクダリは必要ないぐらい。冥が脇役キャラにしか見えない。展開の作り方がイマイチ。


「忍のバン」の総合評価・評判・口コミまとめ


『忍のバン(BAN)』の採点こそ80点という点数にしてますが、絵がメインっぽい印象を受けるので早くも打ち切り臭はします。

人名、組織名が面倒くさい。何故ちょこっと変えたり増やしたりするのが意味不明。ムダにいろいろと考えちゃうんですが、キーボード―で打ち込むだけでどんだけ面倒くさいか。口で言うだけなら楽なんですが、ネット時代である以上、読者が文字として打つだろうという前提で名前を作るべき。この漫画家さんに限らずですが、いい加減、学習して欲しいと思います。

あと画力の評価が★4.5の理由は、これを継続的に維持できるのかはやや疑問だから。一話目が一番時間をかけられるので、それなりにクオリティーを高めることは可能。でもこれを維持できるかは別問題で、多くの漫画作品では時間に追われて雑になっていくのがお決まりですからね。

◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★3.5◯画力…★4.5
◯おすすめ度…80点!!!!

最近グーグル検索で死を連想させるワードで検索すると、悩み相談に乗ってくれる電話番号が表示されることが話題になってましたが、今回はおすすめの『鬱マンガ』BEST9をまとめてみた。まあ「憂鬱」になるマンガにオススメという表現もいささか変ですが、基本的には自分が過去にレビューしたマンガの中から選んでます。

1位はミスミソウ

ウツ漫画の一位は『ミスミソウ』。作者は押切蓮介。

舞台は廃校寸前の大津馬中学校。主人公は、その中学へ東京から転校してきた女の子・野咲春花。ただ閉鎖的な田舎社会だったせいで、野咲春鼻はイジメの標的にされてしまうというストーリー。

このイジメ描写がとにかくエグい。自分はネットで評判だったので読んでみた口ですが、その評判以上の内容でイジメの範疇を超えてる。何故ならそれが学校内だけでは収まらず、野咲春花の家族にも標的が向かう。

ミスミソウ1巻4
(1巻)
その結果、野咲春花の家がもやされる。でもここで押切蓮介のペンは終わることはない。

ミスミソウ1巻5
(1巻)
家族がどういう被害を負ったのかという描写もしっかり描く。野咲の妹はまるでハンターハンターでネテロのローズ爆弾でやられたメルエムを彷彿とさせる。漫画が発行された時期的なことを考えると冨樫義博がパクった可能性も。とにかくショッキング!

そして、野咲春花がクラスメイトたちに対して復讐に走るんですが、つくづく陰惨。唯一の仲間だと思ってたイケメンの相場くんもラストでは豹変したり、イジメに加担していた女教師のラストも救われない。最期は「誰もいなくなった」という表現がピッタリでまさに終始絶望。

個人的にはダントツ一位。個別記事で詳しくレビューするのがためらわれるほど。

2位が失踪日記

鬱漫画の2位は『失踪日記』。作者・吾妻ひでおの自伝マンガ。漫画家として働きすぎた結果、ガチでうつ状態になっちゃって現実逃避した色んなエピソードが載ってる。

ただ可愛らしい絵柄には反して、壮絶なエピソードばかり。酒へホームレスへ転落しまくり。淡々とした語り口やテンポ感から問答無用で体験の悲惨さが伝わってくる。ちょっとコメディータッチで仕上げようとしてる感じが、更に切なさを倍増させる。

3位は新ブラックジャックによろしく

三位は『新ブラックジャックによろしく』。佐藤秀峰が描いた医療マンガ。実写ドラマなどにもなって知ってる人も多いと思いますが、『ブラックジャックによろしく』の続編。

主人公は斉藤という新人医師。ストーリーは、その斉藤と赤城という看護婦との話がメイン。実は、その赤城は腎不全を患ってる。
新ブラックジャックによろしく8巻
(8巻)
そこで主人公の斉藤は自分の腎臓を移植させようと動く。

でも、その斉藤の究極の献身は「一体どういった感情から来てるものなのか?」という部分にストーリーの焦点が当たってる。一人の医師として斉藤は腎臓を移植したいのか、また赤城という一人の異性が好きだから腎臓を移植したいのか。斉藤の動機は純粋なのか?不純なのか?

だから最初は赤城は拒否する。究極の恩を売られることに躊躇をしつつも、「生きたい」という強烈な願望もあって、その狭間で揺れる。しかも、斉藤には皆川という付き合ってる彼女がいて、その制止も無視。この斉藤の暴走っぷりに色々と考えさせられる。

グロい描写やセリフはなにもないんだけど、気持ちがズーンと沈む。鬱は鬱でも、他の列挙したマンガとは次元が違う。深い鬱。この胸のゾワゾワ感は読まなきゃ分からない。ただオチは希望が見える少し明るい終わり方。

そういえば作者・佐藤秀峰が運営してるマンガサイトで、確か無料公開されてたはず。あれ?前のブラよろシリーズだけだったかな…まあ、いつかこの『新ブラックジャックによろしく』はレビューしたいと思います。

4位が不能犯

うつ漫画の4位は『不能犯』。作者は宮月新と神崎裕也。

主人公は宇相吹(うそぶき)と呼ばれる殺し屋。相手に思い込ませて洗脳することで、実際にそんな反応を起こさせる。例えば熱いだったら熱い、眠いだったら眠い…という具合に。

不能犯2巻1
(2巻)
基本的に宇相吹の対象となる奴はゲス。画像は円光大好きな刑事。

ただゲスとは言っても、心の弱さから来る下劣さということも多い。追い込まれて追い込まれて、また勘違いしたが故の殺意。だから全ての真相を知る宇相吹が事実を打ち明けたら、その復讐の連鎖が止まることも多い。

でも宇相吹は淡々と依頼を実行。
不能犯2巻2
(2巻)
だから被害者側(依頼者側)が最終的に救われることは少ない。実は「そこまで悪いやつじゃなかった?」というフリがあるにも関わらず、淡々と宇相吹の餌食になる。シンプルに救いがないマンガ。宇相吹の「愚かだね人間は」という締めのセリフで毎回終わるんですが、これが嫌な読後感だけを残す。

5位は空が灰色だから

5位は『空が灰色だから』。一話完結のオムニバス形式。独特の阿部共実ワールド全開で、主人公たちの多くはコミュニケーション障害。

不器用な生き方をシュールに描いてて、幸せになれないオチが切ない。またホラーマンガチックな展開もあって、その薄気味悪さもなんとも言えない。顔面が真っ黒になる表現とか、作者の病的な性質が現れてるとしか思えない。

6位は切子

ウツ漫画の6位は『切子』というホラーマンガ。作者は『ハカイジュウ』を連載してる本田真吾。

切子2
あらすじは、クラスのマドンナだった奥村切子の17回忌から場面は始まる。当時のクラスメイトたちが母校に同窓会的に集まるものの、そこへこの奥村切子が得体の知れない存在と成り代わって襲ってくるというストーリー。

切子3
設定では「マドンナ」のはずなんですが、画像を良く見ると切子の腕に変なアザがあることからも分かるように、一位の『ミスミソウ』と同じようにイジメ問題が関わってくる。

実は同窓会メンバー(主人公だけ?)の中では奥村切子が美化されてただけで、後々に明らかとなる切子のルックスが相当エグい。「ここまでヒドいルックスを描かなくていいやん」と思いつつも、それと同時に「こんなルックスだったらイジメられても仕方ない?」とも思わせるのが非常にイヤ。

だから『ミスミソウ』とは異なり、切子に対しては素直に同情できない部分がある。一読者として、また一人間としてイジメ問題に素直に立ち向かえない不甲斐なさを感じさせる。その点も含めての鬱マンガ。

最終的なオチは突拍子もない展開で終わる。『ハカイジュウ』でも作者・本田真吾が真剣に描いてる展開でもギャグに写ることが多い。でも『切子』はホラーというジャンルに救われてるのか、その奇想天外なオチが更なる恐怖感に繋がってる。

7位は葬送

『葬送~2011.3.11 母校がイ体安置所になった日~』が7位。タイトルからも分かるように、いわゆる東日本大震災で起きた被害を克明に描いてる。

津波に流されてボロボロになった遺体の状況など、テレビや雑誌メディアだと隠される部分も絵でしっかり表現されてる。一応全部事実ということで、結構気分が沈みがちになる。

ただオチは希望が見えるような終わり方だったので、順位的にはややランクを下げてみた。

8位は不安の種

8位はホラー漫画である『不安の種』。作者は中川昌亮。

不安の種3巻
(3巻)
とにかく絵的なインパクトがすごい。血が出たり骨が剥き出しになったりする展開的なグロ描写は描かれないにも関わらず、ひたすらジワジワ来る気持ち悪い画を描く。

画像だと見た目が人間っぽい女に見えますが、言うまでもなく明らかに人間のそれではない。いかにもグロい画像だったらすぐ目を覆えばいい話なんですが、一見すると「幽霊っぽくない?」とすぐ思わせない描写が憎い。変に目を留めさせて、じっくりと読者に凝視させる仕掛けがある。

また一話完結のオムニバス形式。しかもページ数も短いからテンポが良い。変にポンポンとどんど読みやすいという点でかなりテンションを下げさせるホラーマンガ。

9位は闇の声シリーズ

9位は同じくホラーマンガである『闇の声』。作者は伊藤潤二。

例えば、「グリセリド」という回では、一日中サラダ油を飲んでるような家族の話。
闇の声・グリセリド
兄貴は顔中ニキビだらけなんですが、画像は妹に対してニキビから思いっきりグニューっと体内の油を絞り出そうとしてる画面。説明を書いてるだけで萎えてくる。他にも世にも奇妙な物語で前田敦子が主役を務めた「自縛者」や、死刑囚が毎晩生霊となって遺族の前に現れるストーリーがあります。

ただ『不安の種』とランクに差がついたのは、見た目のグロさがシンプルに追及されてる点。どうしてもパッと見で「うわっ」となって読者は絵をじっくりと見ない傾向にあるのかなと。精神的にズーンと来る気持ち悪さで言えば、『不安の種』の方が上だと判断しました。

週刊プレイボーイ15年14号 伊藤潤二と楳図かずお
(プレイボーイ14号)
ちなみに作者の伊藤潤二は左の少し爽やかなオッサン。こんな人があんなグロテスクな画を描いてるとは全く想像できない(笑)

番外編に怨み屋本舗シリーズ

番外編としては『怨み屋本舗シリーズ』。作者は栗原正尚。ひたすらクズい人間が登場して、クズい言動を展開させるので、ずっと読んでるとテンションは下がる。

テイスト的には4位の『不能犯』と似てなくもないですが、こちらはややギャグテイストな雰囲気もある。どちらかと言えば、憂鬱というより不快さやイライラが勝る。また勧善懲悪というシンプルなスタイルも取っているので、ラストの読後感は良くも悪くも後を引かないということで、一応番外編にランクさせてみた。

漫画やコミックをレビューするにあって、最初にぶつかる問題が「記事タイトルの付け方」だと思います。自分も最初は苦労したものの2年以上ブログを続けてきた結果、レビュー記事タイトルの付け方は大体こんな感じでいいんじゃね?ということに思い至った。

そこで漫画に限ったことでもないですが、レビュー記事タイトルの付け方のコツを2つばかしまとめてみた。

マンガのタイトルを先に書く

基本的に検索する人は「マンガのタイトル」で調べる。だからレビュー記事のタイトルでは、マンガのタイトルを先に表示させた方が検索に引っかかりやすいはず。そして、タイトルの後ろにマンガの説明を持ってくる方が無難。

何故ならタイトルに「マンガの説明」も加える場合、どうしても記事タイトルそのものが長くなりがち。そうすると一見して記事の内容が分かりづらい。だから先にマンガのタイトル名を持ってきた方がパッとどんな記事が書かれてるかが伝わりやすいはず。

記事タイトルの差別化が難しくなる危険性

もっと付け加えるなら、マンガのタイトル名の直後に「評価or感想」という単語を付け加えるとなお良い。やっぱりその漫画がどんな評価や感想を持たれているかを検索で調べる人は多い。これは漫画や映画といった作品以外でも応用可能で、例えば家電製品などのレビューの場合は「使用感or評判」という単語を記事タイトルに加えると良い。

ただしこれにはデメリットもあります。

何故なら「マンガのタイトル+感想」があまりにパターン化されると、他のブログやサイトとの差別化が難しくなる。検索結果では表示できる文字数に制限があるので、極端なことを言うと表示される記事タイトルがみんな同じになってしまう。つまり訪問者の立場に立って考えたら「AというブログとBというブログの何が違うのか?」ということが分かりにくい。

また同じような記事タイトルを付けるライバルも現状でも多いので、その中から検索結果で上位表示されるのは必然的に難しくなる。結果的にアクセスの流入が増えるとは限りません。

だからこの記事タイトルの付け方だけが正しいわけではない、ということは常に覚えておきたいところ。

具体的なキャラ名などを使う

あと2つ目は基本的に抽象的なワードを使わない方がいい。何故なら、閲覧者側からは一体どんな内容の記事が書かれてるか分からないから。特に日記系のブログで多い。例えば「ヤッター!」という記事タイトル名だと訪問者からしたら「何が?」の一言。よほど有名な芸能人のブログでもない限り、ほとんどの人は興味がわかないはず。

例えばレビュー系ブログの場合だと、「大逆転の展開にハラハラ!」といった記事タイトルも一見訴求力は高そうですが、やはり誰の視点で?という部分が見えづらく抽象度はやや高め。

でもマンガの場合は、既に訪問者が知ってるワードが存在してる。最たる例がキャラクター名。例えば、ONE PIECEのエース。記事タイトルが「兄貴死す!?」よりも「エース死す!?」の方が読み手からは映像が見えやすく訴求力が高め。

むしろマンガには具体的ワードが多すぎるぐらいで、逆に漫画のレビューでキャラクター名を使わない方が難しいんですが、「キャラクターがどうなるか?どうするか?」といった説明内容のインパクトが大きければマンガのタイトル名よりも先に持ってきても良いと思います。ただし説明文でネタバレしすぎると批判もされやすいので注意。

まとめ

以上が記事タイトルのセオリーかつ王道的な付け方だと思います。検索からの流入を考えるなら、やはり具体的なワードを使うことを意識すればいいと思います。

この方法は他にも小説やライトノベルにも応用可能。でも、その場合は監督名や作家名を先に表示させた方が訴求力が高いタイトルになりそう。何故なら小説や映画はマンガとは違って、どうしてもその一作で完結することが多い。

だから作品名よりも、監督名や作家名の知名度の方が高かくなることもザラなので、その名前を記事タイトルに使った方がより効果的だと思われます。つまり映画やドラマのレビュー記事であれば、トム・クルーズといった俳優の名前を使った煽り方をした方が訴求力は高くなることもあります。

『アガペー』のネタバレ感想。作者は真鍋昌平。ヤングマガジン31号で掲載された読み切りマンガ。

ちなみに真鍋昌平は『闇金ウシジマくん』で有名な作者。ビッグコミックスピリッツは小学館だったはずなので、講談社に越境してきたカタチ。扉絵には「11年ぶりに戻ってきてくれた!」という見出しがあったので、ヤングマガジン的には喉から手が出るほど有名マンガ家の原稿が欲しいんでしょうね(笑)

あらすじ

主人公は「ノリちん」と「ひろたん」。
アガペー(真鍋昌平)ノリちん ひろたん
どこにでもいる(?)アキバオタクで、HELLパー(ヘルパー)というアイドルグループの柿沢あやかを応援してる。年間100回以上ものイベントやライブに通う、いわゆる「ドルオタ」。そんな熱心なオタクたちの悲しくも熱いオタライフが描かれてる。

見出しが「ヲタにもなれないフツーのキミへ!俺たちの本当の声を聞かせてやるよ!」。ふぅー最高にキモいぜー!!

不細工を描かせると天下一品

設定が設定なだけに、やはり見た目がアレっぽいキャラクターばかり。いやらしいぐらいにブサイクに描く。冒頭の画像も走り方がキモい。

「ひろたん」は親から受け継いだ遺産数千万円をFX取引で更にボロ儲け。だから毎回イベントに参加できたりもする。それを羨ましく思ってた「ノリちん」だったんですが、実は嘘。FXの意味すら理解してない。

アガペー(真鍋昌平)号泣するひろたん
それがバレてしまって虚勢を張る必要もなくなって、心の底からの本音を叫んでる時の「ひろたん」がエグい。何故ここまでブサイクに描く必要があるのか?まさに誰得やねん?

アガペー(真鍋昌平)11
でもラストの展開は少し胸熱。このコマだけ見ると、ただの阿鼻叫喚地獄絵図にしか見えないんですが、ヘルパーのイベントというかライブ感の熱さも手伝って、その一体感がちょっとカッコ良く見えてしまった自分が恥ずかしい。この混然一体さが妙な笑いも誘って、本当に何とも言えない気持ちにさせられる。

鬱っぽい展開は?

冒頭でも書きましたが、作者・真鍋昌平は『闇金ウシジマくん』で有名。旧ブログでは何冊かレビューしましたが、かなり鬱っぽくなる展開が多め。クズの性格や発言、転落人生をムダにリアルに描きすぎ。実際にはそんな体験をしたこともなく、また体験した人を見たことがあることも少ない気がしますが、自分にもどこかしらにこんな一面があるような気がしてゾッとする。

じゃあ、この『アガペー』で鬱展開が待ってるかというと…
アガペー(真鍋昌平)柿沢あやか
アイドル・柿沢あやかが今の仕事に思い悩む。後輩ばかりがチヤホヤされて、自分だけ全くプロデューサーに相手にされない。引退も考える。いくらオタクたちから搾取してるとはいえ、アイドルの手元に渡るお金は知れてる。貧乏生活。

アガペー(真鍋昌平)イケメン風オタク
そして、そんな柿沢あやかに付け入るかのようにイケメン風オタクが登場。このオタク曰く、これまで何人ものアイドルを食べてきたという武勇伝を自慢。「僕たちのアイドル・柿沢あやかがピーンチ!」的な展開。

アガペー(真鍋昌平)お互い仲が悪い?
しかも「ノリちん」と「ひろたん」は表面上こそ仲が良いんですが、実は仲が悪い?という展開も。『闇金ウシジマくん』ワールド的な陰鬱な空気感が充満していく。

ただ前述の通り、ラストのクダリは熱い。ライブイベントで「ノリちん」と「ひろたん」は盛りに盛り上がる。「やっぱアイドルのライブって素敵やん?ドルオタやめられへんやん?」という島田紳助ばりに友情を改めて確認しあう二人。

柿沢あやかもスランプを脱出。最高のライブを見せる。この時に端っこに立っている、プロデューサーが「敢えて辛く当たったんだぜー!俺の狙い通り、あやかは一皮剥けやがったぜ(ニヤリ)」というほくそ笑んでる表情がムカつく。

むしろ読後感的にはスポーツ漫画のそれを彷彿とさせるような清々しさがある。

総合評価

まあそこそこ面白かったですが、結局よく分からないマンガ(笑)
誰にも迷惑をかけてないクズがアイドル世界で輪廻している感じ?
ギャグテイストなマンガと思えばそこまで気にならない。


◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★4◯画力…★4
◯おすすめ度…82点!!!!