バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

【スポンサーリンク】

『囚人リク』24巻のネタバレ感想。作者は瀬口忍。少年チャンピオン(秋田書店)で連載中のサバイバル漫画。

これまでのあらすじ

主人公は栗田陸。13歳の少年。正義感が強いせいで、鬼道院という警視総監に無実の罪を着せられる。そして懲役30年で刑務所に服役。しかも、その刑務所は「極楽島」とは名ばかりの極悪刑務所。そこで佐々木レノマたち仲間とともに脱獄を図る。

23巻までのあらすじとしては、その極楽島から脱出するものの、鬼道院の策略にハマり再び捕まってしまう。ただ極楽島に戻されることはなく、今度は「地獄島」という更に劣悪な環境の刑務所に入れられてしまう。そこで元極楽島の看守・原田と再び出会って仲間にしたところから。

地獄島の地獄

地獄島は刑務所とは言っても、地下で延々とトンネルを掘ってるだけ。まさに強制労働。極楽島では一応休憩時間はあって、仕事とは言っても軽作業。しかも看守が表立って暴力を振るうことはない。でも囚人たちは手錠をハメられることはない。

囚人リク24巻 地獄島
(24巻)
何故なら囚人がいざ暴動を起こせば、トンネル内の酸素を抜き取る。ちなみに通常空気中の酸素濃度は21%らしい。そして18%を切ると頭痛を覚えて、12%で吐き気、10%でチーン。

囚人リク24巻 地獄島の看守たち
(24巻)
看守から腐っててクスリ漬けの状態。鬼道院を神格化させて、まさにカルト信者的な様相。画像のコマは何故か食事中にバナナをグニューっと潰して、それを皮ごと食べてる看守。最高に気持ち悪い。

そもそも囚人たちは何故トンネルを掘らされてるのか?それが鬼道院がクーデターを起こすために必要。何故クーデターに繋がるかは不明ですが、その後にどういった使い方をするのか?
囚人リク24巻 鬼道院の暴虐
(24巻)
それが生き埋め。「奴らは今、己の墓穴を健気に掘っているのだ」という表情が悪魔。

実はココは鬼道院が日本のトップに上り詰めるために必要な資金を作り出してる島。前述のクスリは、もちろん市販薬のことではありません。自分の悪事に関わる証拠を全てを消すため、囚人たちをこのトンネルごと証拠隠滅。もっと言うと、看守ごと埋めるのかも知れません。

改めて言っておきますが、コイツが日本の警視総監。最近警官の犯罪が多いので、リアルでこんな奴もいそうですが(笑)

絶海の孤島ということですが…

ただ地獄島は「島」とは言っても、実は「島じゃない?」という展開。考えてみたら鬼道院の悪事をもみ消すだけだったら、島ごと燃やせばいいだけ。わざわざトンネルを掘るといった周りくどいことをする必要性がありません。

囚人リク24巻 田中のヒラメキ2
(24巻)
そこで革命戦士・田中はひらめく。「島ではない!ここは本土のどこかだ!」。トンネルはブツを運ぶための穴だった。鬼道院はトンネルという物的証拠とともに、囚人たちを生き埋めにしてもみ消そうとしてる。だから極楽島とは異なり、移動用のヘリなどを用意する必要がない。

逆に言うと、地獄島の位置を把握することが可能。外に出て景色を見れば、この場所が大体どこであるかを特定できるんじゃないかということ。そこで子供である主人公・リクがその役目を負う。場所さえ特定できたら、鬼道院の悪事を暴き追い詰めることが可能。
囚人リク24巻 地獄島を覆う屋根
(24巻)
ただ島には大掛かりな開閉式の屋根が設置されてる。昼間だけ屋根が開いてるものの、その間リクやレノマたちは当然トンネルという墓場の掘削作業。だから、どうやって夜間に屋根を開かせるかがカギ。

囚人リク24巻 田中のヒラメキ3オードリー春日
(24巻)
そこで田中が再びヒラメキを見せる。ただ若干オードリー春日にしか見えない。ジョジョポーズと同じで、こういうツッコミもやや無粋。ネタバレしておくと、掘削作業で使ってる土を運ぶ道具のパンクしたタイヤの集積場でボヤを起こす。煙がブワーッと舞い上がったら屋根を開かざるを得ないだろうってこと。

総合評価

極楽島からの脱獄が失敗したあと、この地獄島編が始まって「何だよ引き伸ばしかよー」と最初は若干萎えたんですが、この24巻を読む限りは鬼道院打倒のために『必要な一歩』だったと分かります。

考えてみたら海外に脱出してたとしても日本から離れたら、鬼道院を追い詰めることはむしろ困難になっていたかも知れないですから。その間に鬼道院がクーデターを起こして、日本が独裁国家になるのは目に見えてますから。逆に地獄島に送り込まれたことで鬼道院の喉元に直接切り裂けるチャンスを得る。

囚人リク24巻 天野渉
(24巻)
また天野渉という今までお荷物だったモブキャラが活躍。仲間全体の一体感も出て良かった。

◯展開★4◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4.5
◯おすすめ度…85点!!!!

『BUNGO-ブンゴ-』1巻のネタバレ感想。作者は二宮裕次。ヤングジャンプ(集英社)で連載中の野球漫画。

あらすじ

主人公は石浜文吾。幼い頃から一つのことに集中するとしすぎる傾向が強い少年だった。ある日、父親から野球のグラブとボールをプレゼントされる。そして球筋を父親にホメられたことから、その日を境に野球に没頭する。

BUNGO1巻 石浜文吾は壁当て
(1巻)
ただ野球とは言っても、壁当て。一人で黙々と庭に設置したコンクリートブロックにひたすら投げ続けた。小学3年生から約3年間。毎日欠かさずずっと。理由は住んでる町に少年野球チームがなかったから。

BUNGO1巻3ノダユキオ
(1巻)
そこでひょんなことから、ノダユキオという野球エリート少年と運命の出会いを果たす。主人公・石浜文吾は当然バッターを相手にした投球をした経験がないからホームランを打たれるものの、ノダユキオの腕は痺れてた。それだけ石浜文吾の球筋が力強かった。

物語はこの二人が中学生に上がったところから。何やかんやがあって、ノダユキオが所属する強豪・清央シニアに主人公・石浜文吾が加入。シニアってことなんで、ボールは硬式球。プロ野球や高校野球と同じ。

石浜文吾という野球少年の物語?

つまり漫画タイトルの『BUNGO』は主人公・石浜文吾の名前から来てます。言っちゃえば、『NARUTO』的なノリ。だから最新号まで読めてないので何とも言えませんが、若干他の野球マンガとは毛並みが違うのかも。

甲子園があります、そこをチーム全体で一丸となって目指します、一試合一試合丁寧に描写します…という泥臭い青春よろしく展開は意外に長期化せずに、基本的なベースは一人の野球小僧の成長物語や人生?だからリアリスティックに野球をとらえて、最終的にはプロ野球を目指す感じか。脇役キャラクターは若干弱い感じもしますが、主人公をゴリ押ししていくとしたらそれでもいいのかも。

例えば石浜文吾は壁当てを3年間続けてきたせいで、当然色んな弊害や支障をきたす。バッターを立たせて投げてないので、キャッチャーとの距離感も分からない。でもそういった弊害は軽くクリアしちゃう。ずっと右投げだったのに、実は左利きだったことも発覚したり、意外にあっさり成長しちゃう。

BUNGO1巻 石浜文吾の表情
(1巻)
正直そこら辺はどうかなと思ってしまいますが、石浜文吾のめげない姿勢。打たれても次は打ち取ってやるという前向きな姿勢。しゃべり方はアホそのものなんですが、そういうキャラクターは好感が持てました。この部分をどう活かして、どう読者に受け入れてもらえるかがカギか。

野球描写は上手い方

色んな野球マンガやスポーツマンガを読んでるのか、意外に野球描写は上手い。

BUNGO1巻 野球描写
(1巻)
例えば石浜文吾がボールを投げる描写では、ボールの球がコマからボインとはみ出したり、

BUNGO1巻 野球描写2
(1巻)
ボールを投げる瞬間の、指先から弾く感じであったり、「及第点」とか言ったら偉そうだと怒られそうですが、二宮裕次の経歴は知りませんが新人さん(?)にしてはしっかり読めるかも。

総合評価

ヤングジャンプでスポーツ漫画は珍しい気はします。まだ1巻しか読めてないので何とも言えませんが10巻ぐらいまでは連載が続きそう。そこそこ人気なのか編集部から意外にプッシュされてる雰囲気も。

BUNGO1巻 マコト
(1巻)
そういえばヒロインっぽいマコトという女選手が地味にウザい。石浜文吾は最初男の選手だと思ってたものの、ひょんなことで胸をもんだら…というありがちな展開。でもマコトはそこで女の部分が開花したのか、やたらと野球が上手くなるコツを石浜文吾に教えようとベタベタ。絶対コイツ付き合ったらめんどくさそうっていう(笑)

ちなみに昨日9月18日に2巻の電子版が配信済み。来月10月19日には最新3巻が発売されます。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…82点!!!!

ものの歩1話1
『ものの歩』1話のネタバレ感想をレビュー。作者は池沢春人。少年ジャンプ42号から開始した将棋漫画。


「ものの歩」のあらすじ登場人物

主人公は高良信歩(たから・しのぶ)。ただ何事をするにも要領が悪く、めちゃめちゃ勉強しても、滑り止めの私立高校にすら受験で落ちてしまうほど。

ものの歩1話 高良信歩
(1話)
理由は発達障害。何事をするにもキッチリこなさなくては気が済まない。例えば、時間の待ち合わせでも一秒単位。

また一見すると頭の回転が遅いように見えても、実は集中力が人一倍に高いだけ。だから集中したこと以外の情報が頭に入ってこず、世界の速度が速く回ってるように見える。そのため授業で先生に当てられても考えている間に、先生がしびれを切らして別の生徒に当ててしまう。だから人と会話するのも不得手で、友達関係でも上手くいかないことが多かった。

作中では「発達障害」というフレーズは使われてませんが明らかにそれっぽい病名なので、敢えてこの記事ではそういう表現を使います。

そして高良信歩は高校入学と同時に「かねや荘」という寮に下宿することになる。ただ「かねや荘」はプロ棋士を育成するための場所だった。だから寮生たちは全員プロ棋士の卵たち。ただ高良は将棋と出会うことで才能の片鱗を見せる。そこで高良は将棋を通して人間としても成長していくストーリー。


見せ場のコマが上手い

ざっくり言うと、見せ場が上手いと思いました。

ものの歩1話 見せ場
(1話)
高良が集中してる場面とかカッコイイ。

ものの歩1話 見せ場2
(1話)
将棋の才能を開花させ、初めて寮生たちに受けいられた時の、高良が見せた安堵の表情もグッとは来ます。

ただ構図がワンパターンすぎ。さすがに左からの角度が多い。いくらグッと来る表情を描けても、これじゃあ既視感が強すぎて絵的には長く持たないでしょう。特に将棋は代わり映えしない状態が続く競技だと思われますので、もう少し色んな角度が描き分けられないと厳しいかも。


主人公・高良のキャラクター性

あと気になってるのが、主人公・高良の見た目と性格が合ってるのかどうか。例えば高良は身長がかなり高いなど、一見するとただの体育会系にしか見えない。

漫画タイトルが「もののふ(戦士)」から来てるので、別に問題ないっちゃ問題ないんですが、これだといかにも将棋をしそうなナヨナヨした主人公がいざ将棋を打ち始めると「キリリッ」と変身するギャップ感みたいなんが作れないですよね。『ハチワンダイバー』のようにバチバチ殴り合ったりするんなら別ですが(笑)

だからといって標準の状態がカッコイイわけでもなく、弱々しいわけでもなく、フェミニンっぽいわけでもなく、明るい天然っぽさもないので、パット見のキャラクターだけで読者を引き付けるのは難しそう。

ものの歩の総合評価・評判・口コミまとめ


と何やかんや書きましたが、それでも及第点だったとは思います。将棋はマイナーかつ地味な競技ではありますが、一応マンガとしては読める内容になってます。何となくですが『3月のライオン』あたりを狙ってんのかなーとは推察されます。

もちろん少年ジャンプで掲載してるのでシンプルに「勝負」描写で魅せるんでしょうが、作者的には主人公・高良の成長物語をメインに描きたいのかなーと思ったりします。

ただ地味にツッコミどころは多い。例えば、あらすじで説明したように、高良は集中しすぎる能力のせいで何個か高校に落ちる。高良は第一志望の高校に落ちて、滑り止めの私立高校にも落ちたらしい。じゃあ、高良がこれから通おうとしてる千賀高校は第何志望の高校だったんだと。そんな高校に特進コースが何故あるんだと。

他にも会話が成立しなくて中学時代は友達関係を維持するのに困難だったかと思ったら、「かねや荘」の面々とは普通に会話が成立してたり、こういうちょっとした部分ではありますが『クロガネ』と同様にすぐ打ち切りコースにはならないと思いますが、やはり二桁の大台(10巻)という壁は厚いと感じさせます。

『ケンガンアシュラ』12巻13巻のネタバレ感想。原作はサンドロビッチ・ヤバ子、作画はだろめおん。裏サンデー(小学館)で配信中の格闘漫画。1巻から7巻は既にレビュー済み最新14巻は来月10月9日に発売。ちょうどジープレネゲードが日本初導入される時期。


これまでの展開

日本経済をウラで牛耳ってるのが「拳願仕合(けんがんじあい)」。大企業の会長が一人の格闘家を雇い、そして企業同士の名誉をかけて戦う異種格闘技戦。仕合で勝てば、企業の序列が上がり、様々な権益や権利を得ることが可能。つまり利益がガッポリ儲かる。逆に仕合で負ければ、企業の利益がダダ下がり。当然、拳願会トップの会長になれば、日本経済を牛耳ったも同じ。

そこで拳願会会長の座をかけた戦いが繰り広げられる…というシンプルイズベストな展開。主人公は十鬼蛇王馬(ときたおうま)。その十鬼蛇を雇用するのが、何故か冴えない一介のサラリーマン・山下。この二人が果たして会長を目指せるのか?!

更なる詳細はケンガンアシュラが面白い理由を考察したレビューを参考にしてみてください。


底知れぬバケモノ桐生刹那の覚醒

拳願仕合はトーナメント戦。展開も特に変化球はないので、一つ一つの試合が順序良く処理されています。今どき珍しいといえば珍しいですが、その一人の一人の選手が個性的。全試合をレビューすることはしませんが、4試合ほど。

まずは桐生刹那(皇桜学園グループ)。主人公・十鬼蛇王馬の因縁の相手。孤影流の使い手。日本から古くある柔術の一つ。

一方、対戦相手の二階堂蓮(白夜新聞)もこれまで拳願仕合の裏で暗躍してきた手練(天狼衆)。天狼拳の使い手。中国式拳法の一つで、高速移動からの攻撃が得意。

でも桐生刹那は、二階堂のそれを全て上回る。ゆら~りと移動してるだけなのに、高速移動の二階堂を圧倒。そして例の衝撃をねじり込む打撃を打つ。
ケンガンアシュラ12巻 桐生刹那にやられる二階堂蓮
(12巻)
二階堂のギュルンギュルンに負傷した左腕の描写は、思わず目を背けたくなるほど。一体どんな回転力を加えたらこんなんなんねんっていう。

ただ二階堂には秘策がある。それが超強力猫騙しからの、相手の耳に呪詛を吹き込んで催眠術をかけ、完全無防備状態からの発勁。ある意味、飛び道具以上の飛び道具。
ケンガンアシュラ12巻 桐生刹那の覚醒
(12巻)
でも結果、桐生刹那の二重人格(正確には素だそう)を呼び覚ましてしまう。これまででも強くて凶暴なのに、更に強烈な阿修羅が覚醒。当然二階堂が太刀打ちできるわけもなく、最後はねじり込む打撃を心臓に打たれる。ちょっとカッコいい曙的な倒れ方。

天狼衆の動きは今後も続くようなので、二階堂は今後も登場する模様。ただ桐生刹那のトラウマで廃人っぽい役回りになるのかも。


噛ませ犬・理人の足掻き

厳密には順序は逆ですが、続いて理人(りひと)と黒木玄斎との戦い。理人は主人公・十鬼蛇王馬と同じく因縁がある相手。ただ理人は噛ませ犬的な役割が強くて、黒木玄斎戦でもそれは変わりません。要はドラゴンボールでいうところのヤムチャ。最初はいかにも強そうなキャラで登場したものの、基本的に誰かに勝った試しがないw

特に対戦相手の黒木玄斎がめちゃめちゃ強い…という設定。例えば試合が始まるまでヒマなので、壁に仁王像を素手で彫ったりする。何巻だったかは忘れましたが、それを可能としてるのがめっちゃ堅い手刀。
ケンガンアシュラ12巻 黒木玄斎2
(12巻)
作中では「魔槍(まそう)」という表現。ファイナルファンタジーで例えるならグングニル、ドラゴンクエストで例えるならメタルキングのヤリといったところか。

ケンガンアシュラ12巻 黒木玄斎
(12巻)
ただ二人のそもそものポテンシャルが違うので、理人は黒木玄斎に何度もこんな風にこかされまくり。ハンターハンターでもヒョウのようなキメラアントが同じことされてブチ切れてましたが、これは格闘家としては屈辱的にも程がある。自分の豪快なハイキックが思いっきり空振るどころか、豪快に地べたを舐める。二人の動きの大小のギャップ感が良い。

ケンガンアシュラ12巻 理人の根性
(12巻)
でも意気込みだけは負けなくて、理人が見せる格闘家としての誇り・足掻きは胸を中々熱くさせます。もちろん結果は言うまでもありませんが。


弱者・金田の生き様

13巻では金田末吉(義伊國屋書店)が登場。対戦相手はタイのガオラン・ウォンサワット(八頭貿易)。色物選手を嫌っているので、純粋に強い正統派ボクサー。一方、金田は基本的に特徴がない選手。
ケンガンアシュラ13巻 金田VSガオラン
(13巻)
だから金田はガオランに近づくことすらできず、当然のようにガオランにボッコボコにされる。でもガオランは実力差がありすぎる故に、金田へ最後のトドメは刺さない。それにブチ切れたのが金田。

ケンガンアシュラ13巻 金田の叫び
(13巻)
「ふざけんなよ!手を抜いたのか?俺が弱者だから?」
「才能がないことなんて分かってんだよ!」
「どいつもこいつも勝手に決めつけてんじゃねえよ!」
「弱者が最強目指して何が悪いんだよ!?」


この心の底からの金田の叫びにガオランは心を打たれる。戦いの場での同情は侮辱でしかない、と全力で金田を叩き潰そうとする。前述の理人と同様に熱い展開。

ただこれは金田の計算も含まれてた。

金田は相手の動きを先読みするのが得意。それプラス古武術を併用することで、圧倒的なカウンターで相手を倒すことが可能。ガオランは最後まで攻めてこないが故に、そのカウンターがおそらく使えなかった。ガオランは本気を出すとは言え、やはり金田はもう打つ手なしと侮っているはずですから、それがどういった結果をもたらすのか?

この続きは最新14巻で。


解剖魔VS解体魔

以上の三試合は圧倒的な戦力差があるもの同士の戦いでしたが、一試合だけ拮抗した展開も。それが坂東洋平と英はじめ(はなぶさ・はじめ)の戦い。

坂東洋平は、日本犯罪史上稀に見る凶悪犯。名前も見た目も普通のエリート医学生だったものの、893事務所に乗り込んで素手で全員…しちゃった。坂東洋平は死刑が何度も執行されるものの、首に縄が全然締まらず失敗が続いていた。

ケンガンアシュラ13巻 英はじめ
(13巻)
一方、英はじめ(はなぶさ・はじめ)。これまで度々登場してる医師ですが、こちらも解剖マニアという筋金入りの変態同士。実はネタバレしておくと日本政府から送り込まれた暗殺者。坂東洋平を執行台ではなく、この拳願仕合で処理するように命を受けてる。

英はじめは見るからにヒョロそう。ただ動きはすばしっこい。そして最大の武器は経穴・秘孔を打つ。言っちゃえば、北斗の拳。これだと体格差は関係なく、相手の動きを制限して仕留めることが可能。

ケンガンアシュラ13巻 死刑囚・坂東洋平
(13巻)
ただ坂東洋平、全く意に介さず!!ケンシロウのように経絡秘孔を何個も突かれているものの、それがどうかしたの?状態。例えば、英はじめは首の経穴を突くものの、却って自分の指が折られてしまう。経穴付近は基本的に鍛えようがない。何故?!

ケンガンアシュラ13巻 死刑囚・坂東洋平2
(13巻)
それを可能としたのが、圧倒的な軟体体質。厳密には関節の可動域がハンパない。軽くグロ。だから英が首の経穴を突こうとした瞬間、坂東洋平が首の骨を後ろにギュイーンと曲げたのでへし折られた。この直後の坂東洋平のセリフが怖い。「悪いが私はころす以外の倒し方を知らないんだ」。

ケンガンアシュラ13巻 英はじめ2
(13巻)
でも英も負けてない。何故なら、体内に鋭利な刀を収めてる。しかも、これらは元々自分の骨。それを削って削って磨き上げた。一体何なんだ!?w

結果なんやかんやがあって、勝負自体は坂東洋平が勝利を収める。ただ英が体内に保有しているウイルスに感染したことで、坂東洋平は瀕死の危機。これぞ試合に勝って勝負に負けた状態。ただオマケページの説明を読む限り、どうやら坂東洋平はギリギリ耐え忍んで生き延びる模様。トーナメント自体には勝利してるので、今後も坂東洋平はなんとか試合に出るのかも?

総括


『ケンガンアシュラ』12巻13巻のネタバレ感想ですが、実力差があるもの同士の戦いが多かったかも。ただ実力差があるならあるなりに、むしろだからこそドラマみたいなんを描けてたかも。もちろん格闘描写も悪くなかったですが、少し趣向を凝らしてみました的な部分もあったのか。

ケンガンアシュラ13巻 乃木グループ会長・乃木秀樹1
(13巻)
乃木グループの初見泉(はつみ・せん)と義武不動産の千葉の戦い終わりでは、企業のトップ同士の争い・裏工作も垣間見れます。乃木秀樹がどんどん渋くなってるのは気のせいか。

ちなみに乃木グループ会長・乃木秀樹は主人公を拳願仕合に参加させるように仕向けた張本人。キャラクターが多い漫画でもありますので、たまにこうやって自分で説明もしておかないと忘れる…とか書いたら、またツッコまれそうですが(笑)

『マージナルオペレーション』4巻のネタバレ感想。原作は芝村裕吏、作画はキムラダイスケ。アフタヌーン(講談社)で連載中の戦争漫画。同名小説をコミカライズ化したものらしい。マージナルオペレーション1巻から3巻のネタバレ感想は既にレビュー済み。

あらすじ

主人公は新田良太。引きこもりがちのアラサー無職だったものの、ひょんなことから自由戦士社という民間軍事会社に入り、海外で傭兵として活動。中央アジアなどの紛争に加担。そこで子供兵を率いて指揮官として才能を開花。

マージナルオペレーション4巻 新田良太と子供兵
(4巻)
そして、その子供兵たちと共に日本へ帰国したところから4巻が始まります。

一応1巻から3巻のレビューでは好評価をつけた覚えがありますが、4巻ではちょっとツッコミどころが多かったので厳しめにツッコミます。パコパコ。

日本の公安関係は優秀?

主人公・新田良太は見るからに怪しい。実際偽造パスポートを使って新田良太たちは入国してる。日本から傭兵業界に入り込み、中東アジア・タジキスタンの紛争で反政府ゲリラに捕虜にされて消息不明になる。ただ1か月後、子供兵を大量に引き連れて、イランで拉致された日本人を救出。そして、そのまま日本へ帰国してきた。

そこで日本政府に属する公安関係が新田良太一味を尾行・監視。ただ警察関係ではないということなので、作中では明確に表現されてませんがおそらく内閣情報調査室や公安調査庁に属する職員。
マージナルオペレーション4巻 公安・伊藤幸恵
(4巻)
その公安職員の一人がドジでマヌケな伊藤幸恵。尾行があっさりバレるものの、ごまかし方が小学生。

でも伊藤の上司BBAは一応しっかりモノ。新田良太はBBAの尾行に気付いて、軽く挑発したことから二人は会話。「心はこの国以外にあって?」「貴方は日本国を守る力が存在することに気付いて?」などBBAは色々と詰問してくる。「偶然や敵の無能に期待しては国を維持できないと思っています」と新田良太は返答すると…
マージナルオペレーション4巻 公安
(4巻)
「どうかしら?それと接触した感想は?」と強烈なドヤ顔。

もうツッコミどころが満載。新田良太にガチで警戒してはいないとは言え、監視対象にガッツリと絡んでいく。このあとストーリーでは公安が新田たちに仕事を依頼(後述します)してくるわけですが、出会って数日で頼むか?という疑問も。

あと公安関係者とは言っても、所詮は公務員。こんな白髪のBBAがいるわけない。仮に定年の60歳を迎えてなかったとしても、上司が前線で活動することも有り得ない。むしろ白髪頭が目立って仕方がない。

ましてや仮に脆弱なBBAが敵に捕縛されたらどうするのか?ハンターハンターのビスケなどが典型ですが、マンガやアニメの中では「BBAは強い」のは定番。でもリアルのBBAはもちろん弱い。そこで公安の情報を知るために拷問をかけられる可能性も高いわけですが、そういった危険性が一切考慮されない。

もし敵が平穏無事で自分の身柄を帰してくれると思ってるとしたら、それこそ脳ミソお花畑。作中の新田良太のセリフを援用すると、「公安が監視してる敵は随分と奥ゆかしい破壊活動をしている」と言わざるを得ない(爆笑)

「研修所における初任者研修ではせいぜい面談の練習をするぐらい」
http://kimoota.net/psia-recruit/
そもそも夢見過ぎというか、例えば元公安調査庁で働いてたキャリア官僚の方のブログを見ると、最初の研修では「面接の練習」をしてるだけ。もはや「完全にお遊びレベル」という表現も。確かにマンガを読んでもお遊びレベルの域を出てないのが現状ですが(笑)

2014年公安調査庁採用パンフレット
http://www.moj.go.jp/content/000123095.pdf
例えば、公安調査庁のリクルート活動を見てみると、2014年版の公式サイトがアニメ臭全開。2015年版も似たようなアニメ風。大人気のトヨタ自動車やテレビ局、銀行での採用活動はこんなことしてないことからも、よほど人材が枯渇してることが分かります。

ちなみに公安は警察や防衛省などにも様々存在してるそう。そこで思い出されるのが、京都大学へ侵入…もとい潜入調査してた京都府警の公安課のお兄ちゃん刑事(実名は伏せます)。なんと無様にも学生に見つかって学長へ通報される。そして学長や教師たちに部屋で詰問されまくり。

そこで公安課のお兄ちゃん刑事が取った手段がLINEで上司に助けを求める。公安のお仕事はウラで監視すること。当然敵(笑)にバレちゃいけないですから、当然そのマヌケな刑事は捨て置かれるのかと思ったら、大勢の刑事たち(公安課以外の警官も?)がゾロゾロと大挙として京都大学へ乗り込む。おいおい、監視活動という建前はどこ行ってん?写真だけ見ると今にも抗争に参加しそうなヤクザ集団(爆笑)

要するに、公安さんは「茶番」という名の劇団員以上でも以下でもないのが現実でしょう。所詮は日本でデモをやってるヤツをパシャパシャとマスク姿で盗撮してるだけが関の山。そもそも女性職員はこんなに多くないでしょ。

日本は難民・亡命者を受け入れている?

まだまだツッコミは続きます。主人公・新田は子供兵たちに普通に生きてほしいと願ってる。そこで公安のドジっ娘・伊藤幸恵に日本に亡命(難民)できないかを頼む。

マージナルオペレーション4巻 日本は難民を受け入れてる?
(4巻)
でも伊藤幸恵は「この国には現在多くの人々が押し寄せてますから無理です。既に社会問題になってます」と拒否する。

そこで日本がどれだけ海外からの難民を受け入れているか見てみると、2014年では5000人以上難民認定申請を行ってますが、日本で難民として認定されたのはたった11人だけ。一時的な在留を含めて110人。

日本より小さいフランスでは年間数万人。最近はイスラム国の台頭でシリア難民が増えて、2015年はドイツだけで数万人規模が新たに難民を受け入れる予定。そこから更に増えてEU全体で16万人規模の難民を受け入れようという話も。

確かに既に大量の難民(もっと言うと移民)を受け入れている国々だったらまだしも、日本ではむしろ多くの難民は押し寄せてはいないのが現実。問題は問題でも、「難民を拒否してる」という日本政府・安倍政権の姿勢が問題という批判だったら成立しますが、原作者は一体何を根拠にこういうテキトーなことを書いてるんでしょうか?妄想だけでマンガを描くと恥をかく典型。

せめて主人公が強く否定するのであればまだしも、「そうでっか…」と何故か納得してすぐ引き下がる。これもイマイチ意味不明。

教祖と公安が仲良しこよし?

ここまで長ったらしく書きましたが、いよいよツッコミもラストになります。前述のように主人公・新田良太は公安のドジっ娘に仕事を依頼される。偽造パスポートを見過ごしてもらってるので、半ば強制的。その仕事内容が、ある新興宗教の教祖を護衛してくれというもの。

マージナルオペレーション4巻 武装カルト
(4巻)
ただ新興宗教とは言っても、手榴弾や改造銃を保持してる武装カルト集団。これに公安がお金を払って非合法活動をさせていた。でも信者は信仰心から活動していたものの、教祖だけは公安からたっぷりとお金をもらっていた。その事実が明るみに出ると信者がファビョーンと爆発して、教祖が狙われているという状況。

じゃあ何故公安が教祖を守るかというと、「警察に公安調査庁の存在・これまでの活動がバレちゃいけない」から。

武装カルトですから、どんな非合法活動かは何をか言わんや。ただ逮捕権もないのに、こんなことしちゃうのかよっていう疑問。それこそ派手な破壊活動をさせておいて、そのカルト集団を警察が把握していないということも考えづらい。むしろ警察が先に動いとけよって話。

「警察にバレちゃ困る」という理由や発想からして、自民党のネトウヨ武藤某氏のように実に利己的。そこには日本の治安という概念は一切ない。少なくとも、警察庁にも外務省にも防衛省にも似たような組織があって、「日本を守ってるのは私達(キリッ」とBBAが言ってるものの、実際は守備範囲が重なる「公安」同士で反目しあってるのが現実でしょう。

主人公・新田は「日本国に害をなす存在を共食いさせてる」と公安のこの作戦を評価。ただそこら辺の活動家や政治家の内ゲバを煽ってるだけならまだしも、新田良太たちも結局はこれから武装化するわけで、言っちゃえば公安がヤクザの抗争の火種を自ら作ってるようなもの。

最近、山口組の分裂騒動が世間を騒がせてますが、いくら結果的にお互いの勢力を潰し合えたとしても、街中でドンパチやられちゃ市民はたまったもんじゃない。

それを「日本の治安を守ってるのは私たちよ(キリッ」とアホ面でドヤってる公安が『国家天下』を語る滑稽さ。
マージナルオペレーション4巻 公安
(4巻)
前述の公安BBAのドヤ顔をもう一度貼っておくと「スパイごっこに酔いしれてるだけ」という表現がよく似合うと思われます。

総合評価

マージナルオペレーション3巻ぐらいまではフワッと読めましたが、4巻の日本編以降はうーん。海外での話だったら話半分で聞き流せますが、さすがに日本国内でとなると失笑が漏れることも。「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」という表現がピッタリ。

ゲート自衛隊』もそうですけど、「俺リアリストだから世界の現実語っちゃうぜ~」的なスタンスが要所要所で見えるのが痛々しい。ゲート自衛隊のレビューでは「フィクションやファンタジーにリアルな視点を持ち込むな」という擁護になってるのか、なってないのか分からないコメントも来ましたが、少なくともマンガの中では『これが現実(ドヤァ』とキャラクターが語ってはいるので、せめて作者本人の妄想はもっと抑えてところ。

この程度の子供だましだったら、大人しくテキトーにドンパチやってたら?っていうのが本音。

◯展開★3◯テンポ★3.5
◯キャラ★3.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…77点!!!!

『EGメーカー』全4巻のネタバレ感想。作者は酉川宇宙(別名・榎本ハイツ)。ヤングアニマル(白泉社)で連載中の仕事漫画。下ネタ多めなので嫌いな方は注意。

あらすじ

舞台はモミーデザインという中小ゲームメーカー。主人公はそこで働く新入社員・吉見優香。

ただゲームメーカーはゲームメーカーでも、ドラゴンクエスト8などで有名なスクウェア・エニックスといったコンシューマ向けメーカーでもなく、最近流行りのソーシャルゲームメーカーでもない。まさかの「Er0 G@me Maker」。つまりタイトルのEGはその略。もう多くは語りません。

つまり「つい最近まで純真無垢な女子大生がEGメーカーに入社してしまったら?」というお話。

揉まれて揉んで社会人として大きくなる

基本的には吉見優香の成長ストーリーが根底にあります。

EGメーカー1巻 大類芳樹
(1巻)
例えば、上司の大類芳樹はめちゃめちゃ厳しい。まさに仕事の鬼。むしろ趣味を仕事にしちゃった的な勢い。「てめえの血は何色だ!?」というフレーズをパロってますが、詳細は割愛。とにかくビシバシと部下を調教。それに耐える吉見優香。まさに社会の波のもまれて、色んなところが大きくなっていく展開。

吉見優香はとにかく真面目なので、いつ、いかなる時も仕事のことは忘れない。
EGメーカー1巻 合コンでも仕事熱心の吉見優香
(1巻)
それは男と合コンをしている時だってそう。上司・大類から電話で仕事のダメ出しを受けたら、それを思わず口に出さずにはいられない。むしろ女子は口に出される側か。

それも当然。アニメやゲームでも基本的に三次元のビデオと同じ。いわゆる「消し」が甘かったら怒られるというレベルじゃない。ちなみに自分の勝手なイメージかも知れませんが、何故リアルの3次元のよりモザイクが濃いめなんでしょうか?

ただヤル気はあっても技術が全く追いつかない吉見優香。プログラミングもダメ、ストーリーも作れない、音楽の素養も当然ない。できるのは着色ぐらい。ただ想像だけでは描写することはできない部分が、女性の体にはたくさんある!

EGメーカー1巻 吉見優香のアソコ
(1巻)
そこで吉見優香が取った手段が、まさかの、まさかの自分の色を参考にする!タハー!

場所は秘密です。ちなみに吉見優香が働くモミーデザインは「AF」を売りにしているメーカー。その箇所も自分のアレを参考にして描写したとか。ちなみに、この記事タイトルの「穴」はそういう意味です。

EGメーカーのお仕事内容とは?

そもそもEGメーカーにはどんなお仕事があるのか?

例えば原画を描く人がいる。いわゆる原画家。基本的にはアニメを作るのはメーカーさんの社員でも、その元となるキャラクターデザインを作るのは別。そこで作中で登場するのが「畜瓶次郎」。あえてフリガナは付けません。

ただ畜瓶センセーの原画を見て、吉見優香は疑問に思う。ブラのホックが少ない。実際に大きめのカップではホックが複数あるらしい。でも畜瓶センセーは意に返さない。何故なら、ホックが少ない方が男性は外しやすいから。
EGメーカー2巻 畜瓶次郎ブラホック
(2巻)
「作り手が描きたいものを(自分勝手に)描いてはダメ」
「ユーザーがカキたくなるような絵を描くのが原画家の仕事」
by畜瓶センセー
ちなみに手の位置とかをマジマジと見つめちゃイカンです。

EGは基本的にはシミュレーションゲームに近いそう。普通にアニメもあったりして、当然そのキャラクターに息吹を与える声優さんは必須。ただ新人声優はやらせてもらえないのか、ベテラン声優さんが多く起用されていたりする?

EGメーカー1巻 声優さん
(1巻)
だから例えば大島のぶ子という声優の「クチュクチュクチュ音」の出し方、その手練感がハンパない。普通は色んな道具を使うのかと思いきや、まさかの軽い自家発電。これじゃあ実際にやってんのと変わらなくね?

ただ画像を見てみると声優・大島のぶ子は軽く目が死んでる。「男はどうせこんなのが好きなんでしょ?」と斜に構えてる感じすらある。仕事がこなれてくると、どうしても新鮮味も薄れがち。そこでEGメーカーの音響担当社員・白井が注文をつける。「初めての女性がこんなにジュボジュボやるんかね?」。

…ってさっきの音は、まさかの初物女性キャラクターだった!!!もし初めてだと聞いてた女性がいきなりジュボジュボし出したら、男は間違いなく萎えるでしょう。
EGメーカー2巻 声優さん
(2巻)
白井の説得から声優として一番重要な場所に気付かされた大島は思わずショックを受ける。そして、「あの純粋で直向きな気持ち…どうして忘れてしまったんだろう…」と自分がまだウブだった頃のことを思い出す。

ただ残念ながら、大島の初体験はまさかの3人プレイ。しかも一人は黒人のボォブゥ。少なくとも、お前はハナから清純さは備わってなかっただろ!っていう。

後半は吉見優香がパパに自分の仕事がバレてしまう。ただ吉見優香は自分の仕事に誇りを持っているので、EGの良さをパパに知ってもらうためにどうしたか?
EGメーカー3巻 吉見優香パパすれ違いコント3
(3巻)
まさかの一緒にプレイ。しかも正座。かしこまるにも程がある。久しぶりにこんなシュールすぎる光景を見ました。もし手塩にかけて育てた娘にこんなんを要求されたら泣きますけどね。

ちなみに直前に行われる大類と吉見パパとのすれ違いコントも面白かった。4巻では吉見優香のひきこもりの兄をEGで救う的な展開?

総合評価

スポ根的にビシバシと主人公の女の子が鍛え上げられ、素直に成長していく姿は小気味が良かった。性格もポジティブで卑屈すぎない。社会に対する恨み辛みも少なく、全体的には好感が持てます。作者の画力も高く、その過程でしっかりサービス描写もあって(ヤングアニマルレベルだとやや物足りない感じもしますが)、個人的には意外に面白く読めました。

ただ残念ながら、既に今年8月に連載終了済み。来月10月に発売される最終4巻で完結するっぽい。ネタがネタなので取っ付きにくい読者も多かったんでしょうか。確かに大人向けDVDなどと違ってコスパが悪いので、実際に購入してヌキヌキしてる方は少ない?

また『バクマン。』のような漫画家の裏側を描いた作品が流行ったからといって、アニメやゲームの制作現場をネタにした作品が流行るとは限らない。何故なら、アニメやゲームは集団で作ってる。だから作り手の顔が見えづらい上、メインのキャラクターを誰に据えるかも難しい。読者の共感も分散してしまいがち。

定期的にこういう内容のマンガが発売されますが、そもそもマンガに興味があるからといって、イコールアニメやゲームにも興味があるとは限らない。少なくともアニメ作品には興味があっても、そこまで作り手に興味がない人が多いはず。それに現実では中国や韓国に外注してるケースが大半でしょうし。

だからマンガとアニメネタやゲームネタは意外に親和性ってないのかも?

◯展開★3.5◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4.5
◯おすすめ度…87点!!!!

『明智警部の事件簿』1巻のネタバレ感想。原作は天樹征丸、作画は佐藤友生。マガジンSPECIALで連載中のスピンオフ漫画。最新3巻は今月9月17日に発売されるのでレビュー。

あらすじ

いわゆる金田一少年の事件簿シリーズのスピンオフ。漫画タイトルからも分かりますが、主人公は明智健悟警部。メガネを掛けたイケメンエリート。自信家でイヤミな言い回しから、本編では金田一少年とぶつかることもしばしば?

明智警部の事件簿1巻 明智健悟と小林竜太郎
(1巻)
この明智警部がロス市警での研修を終えて日本に帰国後、小林竜太郎という部下を従えるところからストーリーが始まります。

ミステリーよりストーリー性がメイン?

明智警部はもちろん捜査一課に所属してるわけですが、何故か最初のストーリーは本屋の万引き少年の話。この不良少年の父親は貴島順一という保守系政治家。そこで権力をかさにやりたい放題。警察にも圧力をかけて、息子の不祥事をもみ消す。

明智警部の事件簿1巻 被害者
(1巻)
だから被害者の書店員は「あいつを捕まえることもできないんですか!?」と泣きながら、明智警部たちに訴えかける。警察は身内の警察官が不祥事を起こすと基本的には公表しないので、実際こういうことは多そう。

ただ話は万引きで終わらない。不良少年が今度は放火犯に仕立て上げられてしまう。
明智警部の事件簿1巻 万引き少年
(1巻)
頼みの綱だった父親・貴島順一も選挙が終わったという理由で見放されてしまう。まさに孤立無援。でもそこで手を差し伸べたのが明智警部。真犯人を見つけることで、不良少年の冤罪を晴らす。

だから犯人当てという王道ミステリーよりも、明智警部という一人の人間に焦点を合わせたストーリーもの。警察官・刑事としての本分や生き様を描かれてる。
明智警部の事件簿1巻 熱い明智健悟
(1巻)
不良少年が明智警部に悪態をついた時も、「悪事を悪事と知らない子供のやること。だからこそ罰を受けさせてやるのが大人の務め」と保守政治家の権力に屈した警察官の上司に対して反論したり、実はめちゃめちゃ熱い部分が見れる。クールさやキザっぽさばかりが目立つ明智警部ですが、もはや剣持警部以上の熱量。

総合評価

佐藤友生は、安童夕馬原作の『探偵犬シャードック』でも作画を担当してた方。だから本編『金田一少年の事件簿』の明智健悟よりルックスはカッコイイかも。女の子読者向け?ただ冷徹な推理力やクールさがウケてるキャラだと思うので、この明智警部の熱さは評価が分かれそうな気もしますが。

一方、相棒である小林竜太郎のキャラクターが悪い意味でパッとしない。もちろん明智警部より目立たせてはいけないものの、どこか光る何かは欲しい。髪型や身長といった部分でも違いは欲しいか。

明智警部の事件簿1巻 南条
(1巻)
2巻は読んでませんが、後半からはやや血生臭い事件も発生。南条という女の先輩刑事が未解決事件を捜査するものの、容疑者であり遺族の一人だった女性が転落して亡くなってしまう。そこから徐々に真犯人を追い詰めていくという展開。だから明智警部はウラから支えるサポート役w

ただ1巻に関して言えば、「明智警部の事件簿」より「明智警部の捜査日誌」という漫画タイトルの方が適切な内容。犯人当ての色彩は弱く、ミステリードラマだと「古畑任三郎」より「相棒」に近い。ミステリー漫画にこだわらなかったら、まずまず読めます。イケメンエリート眼鏡好きだったら一度は。

◯展開★3.8◯テンポ★3.5
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…81点!!!!

『亜人ちゃんは語りたい』2巻のネタバレ感想。作者はペトス。ヤングマガジンサード(講談社)で連載中の学園漫画。

これまでの経緯

主人公は高橋鉄男という男性教師。昔から亜人という存在に興味を持っていた。ただ亜人は希少で存在を見かけることが稀だった。でも赴任した高校で、次々と亜人(デミ)ちゃん達と出会うというストーリー。

だからタイトルの読み方も「デミちゃんは語りたい」。どうしてもついつい「あじんちゃん」と読んでしまうのは内緒。


雪女・日下部の悩みとは?

この2巻は雪女の日下部が活躍(?)。1巻では周囲を避けてる感じがあった日下部ですが、その悩みを主人公・高橋鉄男に打ち明けて、どう解決していくかというのが展開のメイン。

亜人ちゃんは語りたい2巻 雪女日下部1
(2巻)
じゃあ雪女・日下部がどういう悩みを抱えてるかというと、それが「自分がどれだけ危険か分からない」ということ。セリフだけ聞けば、それこそただの優しいバケモノにしか聞こえない。

一応雪女・日下部は中学時代は雪国の学校に通ってたので普通に過ごしてたものの、高校に進学すると同時に都会へ引っ越ししてきた。ある日、お風呂の中で考え事をしていると、湯船にまさかの氷がプカプカ。「ウ、ウチ、才能に目覚めてしもたん!?」という驚き。

そこで主人公・高橋鉄男が根ほり葉ほり質問をして解決方法を探っていく。湯船の温度は下がってないのに、何故か氷がプカプカ浮く…そこから名探偵コナンばりの名推理を導き出す。その過程は割愛しますが、要するに氷は「日下部の汗」だった。1巻でも氷の涙を流してましたが、その延長線上。

亜人ちゃんは語りたい2巻 雪女日下部2
(2巻)
でも汗は汗でも、冷や汗。ちょっとしたオヤジギャグ的なオチではありますが、人間ストレスが溜まると冷や汗をかくらしい。日下部の場合、慣れない土地に引っ越してきて、また一から人間関係(デミ関係?)を構築していくことが相当なストレスだった。

だから主人公・高橋が優しく諭す。「お前は人を傷つけるような亜人じゃない」と。それを聞いて安心した雪女・日下部は思わずポロポロと涙を流す。でも日下部は雪女だから涙は凍るはずでは?
亜人ちゃんは語りたい2巻 雪女日下部3
(2巻)
…と思ったら、あったかい涙は凍らない。なんというオシャレでキレイなオチなんだ!凍った涙はちょっとした伏線の一つだったのかも知れない。

でもラストは高橋鉄男が、日下部の「凍った冷や汗」を持ち帰ろうとする。理由が成分分析。どこまでも亜人馬鹿の高橋鉄男にデリカシーの文字はなし。配慮ができるんだかできないんだか。「さすがにセクハラです」と断固拒否する日下部。確かに実際の冷や汗はネバネバしてて、臭いもキツイらしい。女子は特に臭いには敏感なようですから、これはなんという羞恥プレイ。

高橋は「冷たいやつだなー」とボヤくんですが、日下部の「わたし、雪女ですから」という返しがベタで良かった。雪女であることにビクビクしてた日下部が吹っ切れて、一人の雪女として自信を持ったポジティブさが良かった。とりあえず1巻では少しギクシャクしたバンパイア・小鳥遊たちと仲良くなります。

亜人ちゃんは語りたい2巻 バンパイア小鳥遊だけ呼び捨て
(2巻)
ちなみに日下部も高橋鉄男のことが好きで、バンパイアの小鳥遊だけ呼び捨てで呼ばれてることに軽く嫉妬(?)を剥き出し。女性的には呼び捨ての方がキュンキュン来るもんなんでしょうか。

デュラハン町は意外と便利だぞ?

デュラハンの町京子の4コマ漫画も何個か掲載。目次に載ってないので多分描き下ろし?首と身体が終始分離されてるので基本的には不便。後述しますが、クラスで荷物運びを頼まれても片手は常に自分の首を持ってる状態だから(笑)

ただ描き下ろしの4コマ漫画を見て、「デュラハンめっちゃ便利やん!」と思った場面があった。
亜人ちゃんは語りたい2巻 デュラハン町は便利
(2巻)
それが見たいテレビがあるのに母親に用事を頼まれたとき、顔だけソファーの上に置いておいて、身体だけ頼まれた用事を処理しに行く。使い勝手良すぎやろ!

もちろん大人になればこういう場面は少ないし、最近のテレビは面白くないことが多かったりもしますが、例えばサッカー日本代表戦。不思議と緊張感からか、不意に尿意が襲ってくることもある。でもハーフタイムまで我慢してる人も多そう。でも顔だけテレビ画面の前に置いておいて、身体だけトイレに行かすことができたら、こんなに便利なことはない!(笑)

デュラハンネタはいろいろと考えられそうなので、今後も折を見ては登場しそう。高橋鉄男に呼び捨てで呼ばれた時に、赤面ならぬ首から火を吹いてる描写が笑った。地味にコエーよ。

ちなみにクラスで荷物運びを頼まれた時に、サキュバス佐藤先生が手伝ってくれる。このときにちょっとした恋バナをする二人。そこでデュラハン町がショートカットを好む理由も明らかに。
亜人ちゃんは語りたい2巻 デュラハン町の恋1
(2巻)
それが高橋鉄男に「おそろいみたいで良いじゃないか」と言われたから。厳密には髪の毛が長いと自分の頭を落としやすいからというのが一番の理由なんですが、なんなんだこのピュア感は!

亜人ちゃんは語りたい2巻 デュラハン町の恋2
(2巻)
それを聞かされた佐藤先生は嫉妬心から思わず足をバタバタ。自分がバージンなんバレまっせ!高橋鉄男との共通点を作るためにムキムキマッチョに鍛え上げないことを祈るばかり。

総合評価

相変わらず、コメディーというよりラブコメチックのキュンキュンさが強めなので女の子読者向けの内容かなーと。主人公ハーレムではありますが、全体的にはゆる~い空気感にホッコリ。雪女・日下部のクダリはドリカムではないですが「うれしはずかし」ワールド全開。

ただ1巻では「高橋鉄男がメインで語ってるだけ?」と書いた気がしますが、この2巻からは「亜人(デミ)が悩みを語る・相談する」というタイトル通りの展開やスタイルを作れていた気がします。だから青春要素が更に強めになってます。

高橋鉄男がやや理屈っぽいものの、結構良いことも語ってます(バンパイア小鳥遊ひかりの妹・ひまりとの回)。ただその直後に、小鳥遊ひかりから冗談で「センセー(高橋鉄男)におそわれちゃったよ~」とひまりにメールが来る。当然それを高橋鉄男に「何ですか?これ」みたいに見せつける。
亜人ちゃんは語りたい2巻 高橋鉄男固まる
(2巻)
当然、そんなこと見覚えもない高橋鉄男の表情がこれ。散々カッコイイことを言った直後だったので、ムダにハンパないギャップ感。こうやって世の中の男子は女子に冤罪を作られるんです!!!

2巻の後半では、何故か学校にクルスと宇垣という二人の刑事が登場。サキュバス・佐藤先生の知り合いらしい。さすがに学校と刑事は組み合わせとしてどうなん?果たして3巻では一体どういう展開が待ってるんでしょうか?

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★4.5
◯おすすめ度…86点!!!!

『トリコ』36巻のネタバレ感想。作者は島袋光年。少年ジャンプ(集英社)で連載中のバトル漫画。

あらすじ

主人公はトリコ。美食屋と呼ばれる食材(モンスター)を確保してくる達人。そして、天才的な食運を持つ料理人・小松との物語。美食會という悪の組織と対峙していたものの、そこへ謎の組織「NEO」が暗躍。人間界の食材は滅びかける。

そこでトリコたちは人間界を飛び出し、凶悪な八王が牛耳るグルメ界へ出発。アカシアのフルコース料理を探すたびに出る。最近までの展開としては、『ペア』と呼ばれる八王の一人・猿王バンビーナのタマタマをゲットしたところから。

トリコ36巻 ゾンゲと猿王
(36巻)
ちなみにゾンゲは猿王バンビーナとハッピーエンドを迎えます。パチパチ。

クロノトリガー的な世界観

そういえば最近DSの『クロノ・トリガー』というRPGゲームをプレイしました。

主人公・クロノがふとしたキッカケで時空を飛び越えるようになり、そこで自分たちの未来が終わりを迎えることを知る。そして中世に暗躍した魔王が創り出した「ラヴォス」が張本人だと分かるものの、実はラヴォスは6500万年前に地球に飛来した生命体だった。ラヴォスは地球の奥深くでエネルギーを溜め続けて、最終的には地球そのものを飲み込む。

この『トリコ』も同じで、地球に数億年前にグルメ細胞が飛来して、地球内部まで到達。そしてエネルギーを吸い続けて、地球を覆いかぶさるように成長。地殻変動や火山の噴火などは全て地球の旨味を引き出すための調理工程。
トリコ36巻 ニトロ=トロル
(36巻)
クロノ・トリガーのラヴォスではないですが、地球を料理してる存在がニトロ(ブルーニトロとレッドニトロ)。厳密にはグルメ細胞から産まれた怪物トロル。グルメ細胞の食欲が具現化した存在らしい。

『トリコ』は時間移動こそしませんが「隕石落下からのボスが地球を食べてる」というニュアンスはどちらも同じで、パクリと言ったらアレですが世界観が結構似てるなーと思いながらクロノ・トリガーで遊んでました。作者の島袋光年は色んな作品に良くも悪くも感化されやすい人なんだろうなと。

トリコ36巻 アカシアに潜む化け物グルメ細胞
(36巻)
ちなみにブルーニトロの目的は、アカシアの中に眠る最強のグルメ細胞。ブルーニトロは7人いて、地球のフルコース料理を担当(守ってる?)。そこで料理を用意し、アカシアに眠るグルメ細胞(食欲トロル)を復活させる的な展開。その日が「グルメ日食」。このアカシアのグルメ細胞がクロノ・トリガーでいう「ラヴォス」なのかも知れません。

トリコたちはバラバラに分かれる

ストーリーとしては1か月後のグルメ日食を阻止するために、NEOよりも先にアカシアのフルコースを集めなきゃいけない。そこでトリコたちは手分けして同時に集めることになる。

エリア6にある『アナザ』捕獲のために、小松などモブキャラたちが残り、肉料理『ニュース』捕獲のためエリア5に向かうのがゼブラとブランチ。デザート『アース』捕獲のためにエリア4に向かうのがサニーとライブベアラー。ドリンク『アトム』捕獲のためにエリア3に向かうのがココとタイラン。メイン料理『GOD』捕獲のためにエリア2に向かうのがトリコとスタージュンといった具合。

トリコ36巻 ジジ
(36巻)
レッドニトロであり金のシェフでもあるジジが仲間に加入。そこで小松たちと共に、世界一巨大な貝「ジャイアントシェル」内にあるブルーグリルという町へ行く。

トリコ36巻 十貝五人衆
(36巻)
そこには町を牛耳る十貝五人衆がいて、料理バトルが始まったりします。

ブルーグリルという町には食霊がたくさん登場。食霊はアナザがある「裏の世界」へ行く上では重要な存在。料理バトルをしていく過程でその方法を模索していくという展開。
トリコ36巻 ジョア
(36巻)
ジョアという敵がフワッと登場しては、フワッと消えていく。これも裏の世界へのチャネルを利用することで可能。

総合評価

設定の追加ばかりで理解するのがやや大変。メンバーを分散しすぎてもストーリーもやや希薄になりがちか。

トリコ36巻 三虎の伏線
(36巻)
最新話にも繋がりますが、ペアを食べた三虎が「真の敵」を理解したという伏線。真の敵とは言っても、元会長・一龍も指摘してましたがNEOしかいない。少年ジャンプ最新号を読むと三虎がNEOに乗り込み、アカシアのグルメ細胞が少し復活。そこへ再生屋・次郎や節乃が対峙…という展開。

だから最新号のトリコを読む限りはワクテカ。冨樫義博のマネをして下手な小細工をせず、昔の『たけし』の時のように脳筋バリバリ全開で、極端なことを言うと「勢いだけ」で作って欲しいなと思います。

◯展開★3.5◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…82点!!!!

『黒子のバスケ-EXTRA GAME-』1巻(前編)のネタバレ感想。作者は藤巻忠俊。少年ジャンプNEXTで連載中のバスケマンガ。タイトルの読み方は「エキストラ」ではなく「エクストラ」です。

あらすじ

『黒子のバスケ』のスピンオフということでもないですが、全国大会が終わった後の話。

「Jabberwock(ジャバウォック)」という世界的なストリートバスケットボールチームが来日。全員が18歳前後という若者ながら、超絶的なパフォーマンスとテクニックで観客を魅了。時にはNBA選手も翻弄するほどの実力チーム。

日本のストバスチーム「VORPAL SWORDS(ヴォーパルの剣)」と日米友好も兼ねた親善試合が行われる。ただ「Jabberwock(ジャバウォック)」の選手は素行がめちゃめちゃ悪い。日本の選手たちがとことん試合中にコケにされる。

そこで立ち上がったのが、キセキの世代+火神など。全国大会の因縁は一先ず置いておいて、帝光中学校時代以上の結束を見せる。そしてアメリカの「Jabberwock(ジャバウォック)」と対峙する…という展開。

ちなみにルイス・キャロルというイギリスの詩人をモチーフにしたチーム名。いわゆる、かの有名な『鏡の国のアリス』。そこで使われたナンセンスなポエム「ジャバウォックの詩」orジャバウォックという謎のモンスターと、その中に登場する剣「ヴォーパルの剣」の名前が由来のはず。

つまりキセキの世代という「ヴォーパルの剣」がアメリカ代表チームというモンスター「ジャバウォック」を打ち砕く、という意味が暗に込められてる。ネタバレという程でもないですが、キセキの世代チームが負けるはずがないということです。

アメリカチームがゲスい

とにかく「Jabberwock(ジャバウォック)」の選手がゲスすぎる。試合中にプレイでコケにするばかりか、直接的に「VORPAL SWORDS(ヴォーパルの剣)」の日本選手をなじってくる。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 Jabberwock・ナッシュ
(前編)
アメリカの主将・ナッシュ・ゴールド・ジュニアは「この国でバスケごっこしてる奴ら全員、今すぐやめるかしんでくれ」。まさかの日本国民全員を敵に回す(笑)

少年ジャンプでの連載じゃなくなったせいもあってか、この直後のナッシュのセリフもヒドい。あまり言語化するのもアレなのでざっくり要約すると、「お前らはサルと一緒に相撲がしたいと思うのか?」ということらしい。しかも「子供を連れて来いと言ったのは、サルの子供の夢を潰したかったからだ」と罵詈雑言が止まりません(笑)

だから来日しても、まずはキャバクラ通いで毎晩豪遊。誠凛高校の女子マネ・相田リコのパパがコーディーネートしてるんですが、全部自腹。美しきジャパニーズ接待!
黒子のバスケエクストラゲーム1巻 黒子の影の薄さ
(前編)
あまりにヒドい罵詈雑言だったので、黒子が豪遊中のキャバクラにまさか乗り込む。ただ影が薄すぎて相田リコパパが気付かないのはちょっと笑う所。この直後に黒子の「バスケをするのに資格なんていらない!」と言い放つ場面は見所。

最終的には他のキセキの世代たちもキャバクラに乗り込む。ただつい赤司は熱くなって「黙れ下衆が!お前たちこそ首を洗って待っていろ!明日は地べたを舐めさせてやる」といった汚い言葉を吐きかけたりもしますが、多分ご愛嬌。

でもアメリカ代表チームはめっちゃ強い。
黒子のバスケエクストラゲーム1巻 Jabberwock・ナッシュ1
(前編)
主将・ナッシュは背後からだけで、この威圧感。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 ジェイソン・理不尽なまでの天才
(前編)
ジェイソン・シルバーという2メートル超えの選手は、理不尽なまでの天才と呼ばれてる。素行もトップクラスに悪いんですが、いわゆる持って生まれた天賦の才を遺憾なく発揮。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 圧倒される紫原
(前編)
マンツーマンでマークをしていた紫原も思わず尻もちを付いてしまうほど。まさに「青峰以上のアジリティ、火神以上の跳躍力、紫原以上のパワー」という評価は伊達じゃない。果たして、こんな強力なアメリカ代表チームにキセキの世代たちは勝てるのか!?

キセキの世代同士が手を取り合う

試合展開は基本的にキセキの世代側(VORPAL SWORDS)が圧倒されます。いくら日本では他を寄せ付けないとは言っても、世界的には意外に大したことはなかった…ということはリアルの世界でもザラ。観客やサポーターの立場で何度失望感を味わったか数えきれません。

黒子のバスケ・エクストラゲームだと、ジェイソン・シルバーの圧倒的な身体能力と瞬発力。ナッシュ・ゴールドの圧倒的なパスセンス・パススピード。まさに為す術がない状態。
黒子のバスケエクストラゲーム1巻 火神と青峰
(前編)
でもそこをキセキの世代たちは連携プレイで展開を打開していく。1人で負けるなら、2人で対応しようということ。画像だと火神と青峰が二人でジェイソン・シルバーのダンクを防いでる場面。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 火神と黄瀬が同時にゾーン
(前編)
前編の終わり方としては、火神と黄瀬がダブルでゾーンを発揮。今度はコッチがジェイソンを翻弄しちゃうよーん?という煽り方で後編へ続きます。

だから試合展開としては、意外にリアリティーというか違和感は感じさせません。それだけ敵のアメリカ・ジャバウォックが強く描写できているということか、キセキの世代がしょぼく映るわけでもなくちょうど良い塩梅。ついこの間までは敵同士だった選手たちが手を取り合って戦う。これもマンガやアニメとしても王道の展開。

総合評価

「EXTRA GAME(延長戦)」というタイトルではありますが、試合自体にオマケ感はない。意外に面白い試合展開。長すぎず短すぎずというボリュームも良かった。キセキの世代が同じコートに同時に立ってるだけでも、ファン読者からしたら嬉しいかも。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 黒子のパス
(前編)
黒子のパス(イグナイトパス)のキレも増してる印象。波紋というのか、線の書き方が上手くなってるのかなと。

ただアメリカチーム「Jabberwock(ジャバウォック)」ですが、最近差別やヘイトに対して世界的に厳しいですから、実際こんな連中がいたとしたらバスケット業界から即退場させられてる気がしますが。実際プロレスラーのスタン・ハンセンがそれで解雇。しかもかなり昔の発言。日本でネットをやってると感覚がマヒしてしまいがちですが、いずれ日本もそういう世界的な流れに従わざるを得ないんだろうなーと何となく思った。

そういえば、この『EXTRA GAME』が連載してる「少年ジャンプNEXT」は隔月発行。4話分掲載されてることを考えると、後編の発売は来年2016年春頃かなーと予想してみます…ということで、2016年5月に完結となる後編のネタバレ感想はレビュー済み。もし良かったら読んでみてください。

◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…88点!!!!