バズマン。

健全な漫画のネタバレ感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『さんかれあ』全11巻のネタバレ感想をレビュー。作者は、はっとりみつる。掲載誌は別冊少年マガジン。出版社は講談社。ジャンルは少年コミックのゾンビ恋愛漫画。アニメ化もされるなど意外に人気だったらしい。

2014年9月頃に完結したマンガではありますが、今更ながら面白いかつまらないか考察してみました。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は降谷千紘(ふるや・ちひろ)。ゾンビっ娘が大好きな男子高校生。愛犬ばーぶが事故死したので、生き返らせる蘇生丸を開発。

さんかれあ1巻 散華礼弥
(1巻)
それをお嬢様女子高生・散華礼弥(さんか・れあ)が間違って飲んでしまって、ゾンビ化しちゃう。それを主人公・降谷千紘が人間に戻すため画策する展開。だからタイトルの意味は『さんかれあ』はこのヒロインの名前。

さんかれあ2巻 散華礼弥
(2巻)
ゾンビ化しても意識はハッキリしてて、ムダにパワーアップ化しちゃう散華礼弥。

さんかれあ6巻 散華礼弥
(6巻)
散華礼弥のノホホンとしたキャラ性が良いのかなー。

さんかれあ11巻 散華礼弥
(11巻)
ただ意識は徐々に混濁していって、「食べたい」という衝動が抑えられなくなる散華礼弥…みたいな感じ。


展開はつまらない

ストーリーは基本的に退屈。ストーリーの軸は、散華礼弥を救う・ゾンビ化の謎に迫るってところなんだろうけど、なんか良く分からない。普通に日常生活を送ってたかと思いきや、ゾンビの研究所ZOMAに突入。でも、それもいつの間にかサラッと終わってたり、全体的にスッキリしない。

恋愛要素を前面に出したいのか、サスペンス要素を前面に出したいのか、うーん。言葉で色々説明しようとしすぎてて、それが設定の幼稚さを拍車をかけてるのかも。

あと主人公の「ゾンビっ娘」好きも意味が分からない。読者からしたら、共感はしづらい。


ラストのオチは良かった

さんかれあ11巻 散華礼弥 (2)
(最終11巻)
ただ最終回のオチはそれなりに良かった。「対比」を上手く利用した結末で、良い意味でショッキングな終わり方でした。

ただこのままショッキングな結末で終わるのかと思いきや、また最後の最後はハッピーエンドという振り回しっぷりは、うーん?個人的には、そのまましんみり完結させて良かった気もします。最初からコレを狙っていたんだとしたら、色んな遠回りが多かった気がします。


総合評価・評判・口コミ


『さんかれあ』のネタバレ感想をまとめると、さして面白くない漫画。「自分が当初予定してたよりもかなり長期連載になってしまった」と最終巻に作者談が載ってるんですが、その言葉を裏付けるようにダラダラ続いた印象。特に中盤以降は退屈でつまらない。本当に読めるのは最初と最後ぐらい。

セクシー描写もチラホラとあるものの、それは質量ともに中途半端。もっと6巻7巻程度のボリュームでコンパクトに展開がまとまってたら、もしかするとそこそこおすすめできたかも。

『石田とあさくら』全2巻のネタバレ感想。作者はマサオ。月刊ヤングキング(少年画報社)で連載されてたギャグ漫画。

あらすじ

主役は、アフロ頭のあさくら。そして、もう一人の主役はボウズの石田。石田はあさくらへが大好きで、愛情がハンパない。つまり、アッーーー的な設定。

でも残念ながら、あさくらはオッパオが大好き。それを知った石田は、「俺は嫌いだよ!オッパオってやつがさ!」と激怒。そんな素敵なすれ違いが切ない。

石田とあさくら1巻あさくらラブの石田
(1巻)
そして、何故か石田は将来あさくらとお花屋さんを開く夢がある。THE意味不明。

独特のカオスなノリ

だから、『石田とあさくら』の全体的なノリはカオスそのもの。

チャリンコが乗れない石田は、あさくらに手伝ってもらう。でも石田は運転がヘタクソで、自転車保険に絶対入っとけよ!と言いたくなるほど事故を起こしまくる。

その後、あさくらは仕方なく石田に三輪車をプレゼント。
石田とあさくら1巻三輪車をプレゼントされる石田
(1巻)
そしてオチは石田が恍惚の表情を浮かべて終わり。え?どういうこと?おそらく、あさくらのプレゼントだったら何でも嬉しいということでしょうか。もしくは「変なプレゼントしやがって、朝倉はお茶目だな」と微笑ましく思ってるんだろうか。

ある時、あさくらや石田が冬山で遭難。SOS信号ならぬSNS信号で助けを求める…ただ誰も助けが来ず、それから数ヶ月。
石田とあさくら1巻冬山遭難
(1巻)
気付いたら季節は春で、ぽかぽか陽気。んで、そのまま下山。ツッコミどころしかない。

トレース感もまた味

ちなみに、この『石田とあさくら』は、トレース(絵をパクった)しまくったことがバレて廃盤になったらしい。確かに言われてみると、全体的にキャラクターの動きやポーズはぎこちない印象。

石田とあさくら1巻トレースっぽい絵
(1巻)
怪我した老人を運ぼうとしたら、何故か石田が何人も背負った場面。笑えるっちゃ笑えるコマですが、パソコンでペタペタ貼り付けてるだけにしか見えない。物理法則が全く機能してない。

ただ、それはそれでアリ。全然重量感がなくて、平然としてる石田の表情がまた面白い。「絵のぎこちなさ」がカオスな世界観と合ってるのかなーと。

総合評価

『石田とあさくら』はギャグセンスが高い方。独特のテンポやノリにハマる人は多そう。

ただ惜しむらくは、作者マサオの普段の言動。ギャグ漫画だから、絵の下手さはウリになったりもする。現在少年ジャンプで連載中の『磯部磯兵衛物語』など。敢えて「自分は画力が高い漫画家」であることを誇示する必要はないジャンル。

でもネットで軽く調べる限りは、作者マサオは普段から「俺絵上手いぜ」的な振る舞いをしてたよう。そこを取り繕うとした様々な言い訳をした結果、アンチが激増した模様。個人的には、むしろトレースをウリにすりゃいいんじゃねーのかとすら思いますが。漫☆画太郎がまさにそんな感じ?


◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★3
◯大人買い★4
◯83点!!!!

『ヘルシング』全10巻のネタバレ感想をレビュー。作者は平野耕太。掲載誌はヤングキングアワーズ。出版社は少年画報社。ジャンルは青年コミックので吸血鬼漫画。とりあえず全巻まとめて面白いかつまらないか考察してみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

吸血鬼ヘルシング一族が100年間懸けて作り上げた最強アンデッド・アーカードが主人公。それがなんやかんやする話。リクエストがあったレビューしたマンガですが、個人的にあまり面白いと感じることはなかった。


アクション描写はそこそこ

敢えて良かった部分を挙げると『アクション描写』。

ヘルシング2巻/アクション
(2巻)

ヘルシング7巻/アクション
(7巻)
そこそこ魅せてくれる描写。作者・平野耕太が現在連載してる『ドリフターズ』にも繋がる「カッコよさ」みたいなんは豊富に描かれてる。


銃の描写はかっこいい


ヘルシング10巻/銃描写1
(10巻)

ヘルシング10巻/銃描写2
(10巻)
あとはヴァンパイアのマンガなのに、いやだからこそ?、銃描写が多め。色んなパターンの銃があって、なおかつ緻密にしっかり描き込みがされてるので「銃好き」読者にはオススメか。


コマ割りが単調すぎ

ただその「良かった」アクション描写も、ある一つのことで台無しにしてる。それが「単調すぎるコマ割り」。

ヘルシング7巻/単調すぎるコマ割り
(7巻)
基本的に「横長長方形」のコマが多い。後半になるにつれて若干マシになってくるものの、それでも全体的には多い小回り。これは現在連載中のドリフターズでも言える平野耕太の欠点。むしろ敢えて狙ってやってる演出かも知れないが、「ダイナミズム」という点でかなり欠損してる。

何故、いま進撃の巨人が売れてるのか?そういうアクション部分での大胆なコマ割り・構図も一つの理由として挙げられる。作者はもっと色んなマンガを読んで勉強した方がいいかも。一番学ぶ必要がないアメコミ要素を取り入れてしまった印象。


ストーリーの軸が分かりづらい

個人的に致命的だと思った部分が、ヘルシングは「一体何をして何がどうなるマンガ」なのかが読めない。

シンプルなストーリーの軸やゴールの設定が曖昧模糊としてる。それにも関わらずストーリーだけはずんずんと進行していって、読者としては置いてけぼり状態。自分の読解力がないだけかも知れませんが、主人公が誰かなのかすらイマイチ分からなかった。要するに展開やストーリーを作れない

現在連載中のドリフターズは内容がない割に読めるのが、おそらくそこら辺をシンプルに割り切ってるからかも。この『ヘルシング』では、変にストーリー性があるかのように装おうとしてる浅はかさすら感じた。

だから、しっかり「内容はない」と割り切って読んだほうが普通に楽しめて、そうすることで優れたアクション部分だけに感動できるはず。


総合評価 口コミ 評判


『ヘルシング 全10巻』の感想考察をまとめると、アクションと独特のアメコミ風(?)の絵柄が気に入れば買いかな。ただ連載が10年以上続いた割に、そこまで価値を見出すのは難しかったかな。ちなみに平野耕太ファンには独特なセリフ回しや名言がウケてるようです。

基本的に、ダラダラと長期連載が続いてるマンガでは「完結させたこと」自体に評価が集まりがちが、あくまでそれがプラスに働くのはリアルタイムで読んで焦らされた読者限定の話だと思う。

でも自分はリアルタイムで読んでおらず、一気に10巻分というボリュームを読みきった。良くも悪くも、マンガの中身以外での要素は評価に含まれない。だから少し辛口気味の考察レビューだったかも知れませんが、そこら辺を少し差し引いて考えてもらえるとありがたいかも。

『スイッチガール!!』全25巻のネタバレ感想をレビュー。掲載誌はマーガレット。出版社は集英社。作者はあいだ夏波。主演・西内まりやで実写ドラマ化もされてた模様。

『スイッチガール』の累計発行部数は650万部超えとめちゃめちゃ人気のラブコメ漫画。ただ内容は「少女コミック」とは名ばかりの下品さオンリーな内容w

そこで全巻まとめて面白いか面白くないか考察してみました。


あらすじ物語・ストーリー内容

あらすじを簡単に説明すると、主人公の田宮仁香(たみや・にか)はオンとオフが激しい女子高生。学校へ行くときは、読者モデル顔負け。ただ家に帰るとグータラ不細工に変貌。だから「スイッチガール」。

同じくオンとオフが激しいスイッチボーイの神山新(かみやま・あらた)と付き合う。そして初体験へまっしぐら!的な内容。ただ少女コミックの場合、メルヘンチックに描写されると思いますが、このマンガでは下痢で中断するとかザラ(9巻参照)。だからノリは男寄りに近そう。


下品描写がとにかく満載!

少女コミックということもあって、主人公・田宮仁香がオンとオフの生活を使い分けることで、展開としては王道的に笑わせてくれるマンガだと思い込んでた。

でもその期待は見事に裏切られて、とにかく下品な描写が満載。ホンマに少女マンガで連載してたんかよ!?と疑いたくなるぐらい。悪い意味で『ギャグの王道』を突っ走ってる。例えばオナラ、ウ◯コ、鼻水の類いがバンバン登場。

スイッチガール12巻オナラ
(12巻)
田宮仁香は女子高生のくせに、思いっきりブッ!あまりの勢いで、スカートも若干めくれ上がってる。主人公・田宮仁香の恍惚の表情も切ない。しかも透かしっ屁も平然とやってくる。

スイッチガール7巻鼻水飛ばし
(7巻)
田宮仁香は透かしっ屁の達人だから、鼻水だって華麗に飛ばしてくれる。

スイッチガール3巻鼻毛抜き
(3巻)
鼻毛も思いっきり抜いてきたり、最近の少年マンガでもここまで露骨なマンガは珍しいと思う。昔少年ジャンプで鼻毛真拳を扱うボボボーボ・ボーボボなんてのはいましたが。

スイッチガール9巻へそが臭い
(9巻)
他にもヘソが臭い描写とかあるんですが、さすがに男の自分としては「嫌悪感」の方が勝らなくはない。

スイッチガール5巻ムダに写実的
(5巻)
そしてムダに写実的な描写に変わる瞬間があって、それがまさに『ブサイク』という表現がピッタリ。自分の「男としてのライフポイントはゼロよ!」と叫びたくなる。

スイッチガール1巻田宮仁香
(1巻)
ちなみに主人公・田宮仁香は普段これだけ可愛らしい。オフしすぎやろ!っていう。川口春奈もこんなことをしてるかと想像すると、ちょっと生きる気力が…_| ̄|○ il||li

パロディーも多し!

下ネタが多いんですが、実はパロディーネタも結構多い。ただネタ元がやたら男向け。

スイッチガール8巻ドラゴンボールパロディ
(8巻)
例えば、同じ集英社ということでドラゴンボールの孫悟空。

スイッチガール14巻魁男塾のパロディー
(14巻)
魁男塾のキャラクターなどが頻繁に登場してくる。ただ今どきの女の子の誰が分かんねん!?という気がしなくもない。前述の悟空のクダリでは野村沙知代ネタも登場させるものの、良くも悪くも時代錯誤感がすごい。

まあ「画的に面白い」から女子読者的にもおそらくオッケーなんでしょう。こういう部分一つにしても、全体的なノリは男向けっちゃ男向けのような感じもする。


作者・あいだ夏波も身を削る!

主人公の田宮仁香がかなり下品なキャラクターですが、ただ何故か作者・あいだ夏波がたびたび作中に登場して、田宮仁香以上に下品情報をつまびらかに紹介してくれる。

11巻では、お風呂で爪を肌をボリボリすると垢が溜まる。それをダンゴ状にまとめて捨てるを繰り返してると暴露。まさに『誰得!?』状態。確かにやっちゃいがちだけど、男がそれを聞くとただただ萎える(´・ω:;.:...

お風呂ネタが好きなのか、お風呂に入ってるとお毛々が浮くことがある。それを防ぐため入浴前に、
スイッチガール6巻陰毛むしり
(6巻)
グワシグワシ抜いておきましょうと伝授。

よしんば浴槽外でやったとしても、浴槽から排水口に場所が変わるだけ。むしろモサッと溜まるだけで、どちみち陰毛の「見える化」は止まらんやろ。そもそも作者のこんな情報を教えられて、コッチはどうしたらええねん!?

一番キツかったのが17巻。トイレで行為を催した後、便器にこびりついた「大」の処理の方法を描写。まず20代30代であろう作者(女性)がウ◯コをしてるということを改めて知らされるor想像するだけでショックなのに、更にこびりついたソレを処理するなんて、世の中の男共に対してどれだけ強烈なトラウマを植え付けたいんだ!?(ヽ'ω`)


中古マンガは買うな!?

ちなみに作者・あいだ夏波の心の叫びが面白かった。

スイッチガール16巻作者の心の底からのお願い
(16巻)
それが「中古本は買うな!」という主張。正直ここまでハッキリ断言したマンガ家を自分はあまり知らない。読者からすると一応金を払ってんだから…と思わなくもない。

ただ読者の一部が何のためらいもなく「ブックオフで買って読みました(キャピ)」みたいな手紙を送ってくるらしい。読者層が低年齢の若い女の子が多そうだから仕方ないんでしょうが、やっぱり作者からしたら自分や出版社に一銭も入らないのはイライラするのも仕方ない。

それでも堂々と作中でこんな主張を展開してしまう作者もすごい。なかなか勇気があるというか挑戦的というか。ということでKindle版のアマゾンリンクをあとで貼っておきます。


総合評価 評判 口コミ


『スイッチガール』のネタバレ感想をまとめると、ここまで下品な少女漫画を自分は読んだことがありません(笑)

世の中から清楚な大和撫子が昨今消えてる理由は「100%このマンガに原因がある」とすら断言できます。周囲の下品なオンナ共は、間違いなく学生時代からこんな下品な少女コミックを読んでたはずだ。つまり「大和撫子消滅推進悪書マンガ」と表現しても構わない!つくづく連載が終了してホッとしてる自分がいます!

…というのは半分以上は冗談ですが、それだけ女性読者は面白いと思います。さしずめ作者・あいだ夏波は「女性版の漫☆画太郎」といったところでしょう。あまりに下品だから人は選ぶかもと思いましたが、普段から女の子たちは女子会できっとえげつない下ネタトークしてるんだから「つまらない」ってことはないはず。

だから多分全巻集めても後悔はしないと思う。ただし『新品 or Kindle』に限る!(キリッ) byあいだ夏波

でも逆に男の読者は読まない方がいい。100%オンナに対して幻滅すること請け合い。オンナの負の側面(というより単なる現実?)が描写されすぎて、今まで勃ってたものもタタなくなる可能性があります。面白い面白くない以前の話。もはや美少年の方が抜けるかも、と性嗜好が変わるレベルか(笑)

『蒼天航路』全37巻のネタバレ感想。週刊モーニング(講談社)で連載されていた三国志マンガ。作者は王欣太。

あらすじ

メインは主に曹操孟徳。ほぼ生まれてから死ぬまでの「一つの人生」を描かれてる。だから言ってしまえば、曹操孟徳のエピソードもの。

最初は「お?」みたいに思ったものの、最終的には良い意味で裏切ってはくれなかった。曹操孟徳の人生を描いてるマンガらしいから、最初は一見ストーリーマンガだと思った。でも違った。基本的に1巻2巻で完結するショートエピソード的なマンガ。主にそこが期待外れだった部分。

曹操孟徳を簡単に説明しておくと、性格は『かなりの鬼畜』で知られてるらしい。とにかく一つ一つのエピソード自体が衝撃的に描かれてる。だから逸話や伝記モノとして読むとそこまで悪くない。

例えば、8巻では曹操孟徳は敵軍の死体を大量に川に捨てる。結果、大きな川の流れが止まるっていう。まさに村ごと町ごとの皆殺し。あの南京大ギャク殺も真っ青。劉備玄徳同様、読んでて自分も思わず震えた。

でも一方ではルール遵守の鬼。序盤は「法律順守」を扱ったエピソードが多め。宦官(かんがん)という自分より目上の高級官僚に対して、夜に出歩いた罪で思いっきりケツを百叩きして殺しちゃう。死んだと分かった時は、「それでよし!」と爽快な笑顔。皇族を利用して皇帝に近づいたり、もうメチャクチャ。

ちなみに曹操孟徳の息子も凄くて、31巻ではトラを握力だけで殺しちゃう。刃牙シリーズの花山薫も真っ青ですやん。

曹操孟徳という人物

ただこの蒼天航路というマンガのAmazonのレビューをチラッと読んだら、「曹操孟徳の意外な一面を知れた」というレビューがあった。どうやら曹操孟徳は鬼畜なだけじゃないらしい。超が付くほどの『リアリスト』みたい。

情に厚いエピソードも?
蒼天航路7巻/黄巾賊を仲間に引き入れる曹操孟徳
(7巻)
例えば、青州黄巾党という敵軍の民衆たちを仲間に引き入れる。この何年か前、曹操孟徳は黄巾の乱という農民一揆で、親世代の黄巾族を駆逐してる。敵すらも魅了する懐の大きさ?

ただ国を大きくするためには人口が必要だから。あくまで曹操孟徳は、現実的論理主義者らしい。
蒼天航路26巻/才能があれば不逞な輩でも重用する
(26巻)
「唯才!」と言って、才能があれば不逞な輩でも重用しちゃう曹操孟徳。つくづく理に基づいて動いてるらしく、上記の南京大虐殺ばりの出来事も根底には「裏の意図」があったとか。

リアリストが行き過ぎて、モラルは大事と教えてる儒教を邪魔だから弾圧したりする。ここらへんは現在の中国共産党と通じる部分もあるのかも。ただ26巻では華佗(かだ)という世界初の全身麻酔を行ったとされる医者は、記録として医術を文章に残したがらない。儒教も儒教で、どうかと思ったり。

蒼天航路13巻/袁紹本初を挑発する曹操孟徳
(13巻)
たまに袁紹本初という敵大将をお茶目に挑発したりする場面もあるが、やっぱり基本的には打算と恐怖政治のオンパレード。

女子会トークのような展開

ただ歴史モノのマンガとして読むと、かなり微妙。何故ならエピソードが『断片的』。前後の繋がりがどうなってるかが、あまり見えてこない。急にエピソードが終わったと思ったら、次の新しいエピソードが始まってる。気付いたら、知らない間に曹操孟徳もオジサン・老人に老いてる印象。

三国志をよく知らない状態で読むと、かなり辛い。歴史モノとして欲しい要素の「連続性」みたいなんが弱く、情報を無機質に寄せ集めただけの「学校の教科書」を読まされてるような苦痛を感じた。

言ってしまえば、『女子会』トーク。話がアッチ飛んだり、コッチ飛んだり、ちょっと男には付いていけない。曹操孟徳が生まれてから死ぬまでを描いてるマンガですが、壮大な人生という「一つの物語」を感じることはなかった。幼稚園児の粘土細工。ブサイクなカタマリをそのまま無造作に貼り合わせてるだけ。美しくない。

逆に言えば、100巻分ぐらいのボリュームでもっと入念に描けばまた別の評価になったかも。もしくは、もっとエピソードを絞って、10数巻ほどに短くまとめてくれればスッキリしたマンガになったはず。37巻というボリュームはムダに短く、ムダに長かった。

飽きっぽい作者の影響

23巻で書かれてるが、作者の王欣太は飽きやすくて、そもそもマンガ嫌いだそう。プロットは浮かんだ尻から飽きるんだそう。そのあとがきを読んで、「じゃあ辞めちまえよ」とさすがに笑った。

だから、マンガのテンションが持続しない。「良いかも?」とせっかく感じてきたエピソード。このまま盛り上がっていくのかと思いきや、いつの間にか終わってて次の展開が始まってる。その展開とは、もちろん歴史的な事実・戦いのこと。

ただ歴史をなぞってるだけ。とにかく曹操孟徳が死ぬまで描くことしか眼中にないマンガ。全体的にフワフワしてて、あまり『物語性』を強く感じることはない。エピソードエピソードは確かに面白い部分もたまにあるが、それは「セリフだけ」で誤魔化されてるだけ。上記の曹操孟徳のコマ画像を見てもらったら分かるけど。

豊富なアクション

あとセリフ回しだけではなく、迫力があるアクション描写も結構豊富だからそれで誤魔化されてる。これも一応褒めてるつもり。

蒼天航路28巻/アクション
(28巻)
例えばこんな感じで「筆致に力がある」とでも表現すればいいのかな。ただイマイチ誰が、何の戦で戦ってるのか分からないことが多い。

このマンガの場合、多くはひとしきり新しいキャラクター(歴史上の偉人)がブワッと登場して戦って、最後に「◯◯年△△が起きた」みたいに説明する。全然話の呑めり込めないままゴチャゴチャ始まって、後でドヤ顔でキメ顔で作者だけ自己満足的にスッキリ。

だから言えることが、三国志について何一つ知識が身に付かない。

蒼天航路で学んだこと

とりあえず蒼天航路を読んで分かったこと・頭に残ってることを挙げるなら、「董卓(とうたく)、呂布(りょふ)、関羽雲長(かんう・うんちょう)、張飛(ちょうひ)がメチャクチャ強い」「宦官(かんがん)という官僚になるには性器を切断する必要がある」ってことぐらい。

(8巻)
蒼天航路8巻/ブチギレ状態の呂布
呂布は強いだけではなく、頭がなかなかイカレてる。董卓という暴政君主の部下だったにも関わらず、裏切ってそいつの嫁を寝取る。しかも董卓を最期は斬り倒す。基本何も考えてない武神。ただ最終的には、為政者として民衆たちのことを考えてたとかどうとか。

蒼天航路36巻/関羽雲長
(36巻)
ほぼラストの後半に至っては、関羽無双すぎてヤヴァイ。もはや関羽しか登場しない。曹操どこ行ってんっていう。

他だと天下三分(三国志という思想)を唱えたのが、諸葛亮孔明(しょかつりょう・こうめい)ということぐらいか。この人名も結構聞いたことはあるが、いまいち理解できそうでできなかった。

総合評価

総合評価としては、あらかじめ三国志の知識を持ってる人が読めば…という感じ。結局最後まで「三国志とは何ぞや?」という問いに自分で答えを出すのは無理だった。だから無垢な状態でこれを読んで、じゃあ三国志というジャンルにハマるかと言うと微妙。どこがどう面白かったか?人気だったのか?を言語化するのは自分では難しい。

ただ三国志は「キャラクター性」がウケてるんだと個人的には感じた。登場してくる歴史上の人物が、とにかく個性が強い。逆に言えば、それ以上でもそれ以下でもないんだろうなーと。でもマンガとしてのクオリティーが高くなれば、まだまだ三国志マンガが伸びる余地がある裏返しでもあるとも同時に思う。

蒼天航路(1)
王欣太
講談社
2012-09-28

◯展開★3.5◯テンポ★2
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い…★3.5
◯78点!!!!

『王狼』のネタバレ感想。原作は『北斗の拳』の武論尊。作画は『ベルセルク』の三浦建太郎。だから結構派手なアクションも満載。20年以上前に、月刊アニマルハウス(現ヤングアニマル)で連載されてたSF歴史マンガ。

ざっくり「義経=チンギス・ハーン説」を題材にした歴史ファンタジーもの。

アクションあり!

三浦建太郎が『ベルセルク』を連載し始めた頃に、ちょうど同時並行して描かれてた作品。だからベルセルクとテイスト的には同じで、主人公イバは荒々しいオトコ。

王狼1巻アクション2
とにかく剣を振り回す!

王狼1巻アクション1
イバは剣道の名手だから敵だってズバーン!

荒唐無稽だがロマンあり!

順序は少し逆になりましたが、あらすじを説明しておくと主人公・イバは日本の歴史学者。シルクロードを調査してる最中に忽然と姿を消した。イバの彼女である京子が捜索のためにシルクロードまで追いかけると、何故か京子がタイムスリップ。800年以上前の中国大陸へ。そして、そこには奴隷兵士として戦うイバの姿が…というSFチックなストーリー。

800年前の中国大陸といえば、モンゴル帝国が隆盛を誇っていたころ。もちろんモンゴル帝国の国王といえば、チンギス・ハーン。ただし、このマンガが発売された当時はジンギス・カンと呼ばれていたようで、作中では全て「ジンギス・カン」という表記が使われてます。ちなみに現在では更に改名されてチンギス・カンと呼ぶのが一般的だとか。この記事では便宜上、チンギス・ハーンという表記で統一します。

王狼1巻源義経=チンギス・ハーン
そして、そのチンギス・ハーンが実は源義経だったということが明らかになる。源義経が敗れた衣川の戦いは1189年、チンギス・ハーンがモンゴルで台頭し出したのが1190年前後。時期的には符合する部分があるっぽい。

王狼1巻武蔵坊弁慶
源義経の部下だった武蔵坊弁慶だって登場するぜよ!

だからストーリーの設定としては荒唐無稽っちゃ荒唐無稽。

人間ドラマあり!

ただ源義経の王に君臨する決意、王としてのプライド、イバと武蔵坊弁慶の友情、そして主君源義経に対する忠義との間で揺れる葛藤。イバの京子へに対する愛情。そういう色んな人間ドラマが、しっかり垣間見れる。

イバは源義経を倒して、尚且つちょうどグッドタイミングでタイムスリップの渦が発生。ただイバは悩む。もし自分がここで戻れば、歴史が変わる。未来で日本という国が、果たして存在するのかどうか分からない。そうすると自分の愛する妻の未来だって危うい。

そこでイバはモンゴル帝国に残り、自分がチンギス・ハーンとして生きることを決意。
王狼1巻主人公イバの息子がフビライ・ハン
そして息子をフビライ・ハンと名付け、日本にいつか帰すことを決意する。

だから物語的には、フビライ・ハンが主人公イバの息子。元寇は日本を攻め入るためではなく、実は二人の愛の結晶が祖国に戻ろうとしてただけ。事実が分からないだけに、ロマンも馳せる。

王狼1巻13悠久の物語、時を越えた

そして最後はイバが愛用してた剣道のお面のペンダントが、チンギス・ハーンの遺品として日本で展示される場面で完結。歴史は連綿と繋がってる事実に「壮大さ」を感じ、でもその根幹には愛する妻への「想い」がある。その対比やギャップ感が上手い終わり方。

でも唯一ツッコむとしたら、ラストのイバVS源義経戦でイバが「俺には剣道がある」と吠えるんですが、最後は思いっきりジャンプして源義経を倒す。「え?剣道ってジャンプしたっけ?」と地味に笑った。

総合評価

海外でチンギス・ハーンが源義経だったということを主張したら笑われるでしょうが、フィクション的には面白い。ものすごくコンパクトにキレイに1巻でちゃんと完結してて、めっちゃ読みやすい。読後感もそれなりに色んなもんが残る。

さすがに絵柄は古いものの、20年以上経った今でも内容は色褪せない。ガチガチの歴史漫画として読むとやや失敗するが、エンタメ作品としては面白い。歴史漫画に興味なくても是非…って感じか。

そういえばカバーには「巨匠と新鋭の最強コンビが放つ」と謳われてて笑った。当時から巨匠扱いされてる武論尊が今でも現役で活躍してるとかヤバすぎ。


◯展開★4◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯88点!!!!

『太蔵もて王サーガ』全8巻のネタバレ感想。少年ジャンプ(集英社)で連載してたギャグ漫画。作者は大亜門。

ジャンプ漫画をパロディーしすぎ?

基本的に色んな漫画をパロってるギャグ漫画。しかもナルトやONE PIECEなど基本的に大御所ばっか。ナルトでは螺旋丸を使ってみたり、ONE PIECEに至ってはチョッパーの口を自分の排泄口で表現するというサイテーさw

太蔵もて王サーガ5巻/ドラゴンボール
(5巻)
現役の作品だけではなく過去の作品も多数パロってる。画像のは明らかにドラゴンボール。もうブルマがどうのこうの言っちゃってるしっていうw他にも遊戯王など、逆に何をパロってないんだっていうぐらい多数で、他人のフンドシで相撲を取ってやろう感がハンパない。

荒木飛呂彦もサービスサービス?

中でも最たる例がジョジョ。

太蔵もて王サーガ5巻/空条承太郎
5巻だと普通に空条承太郎を登場させる。でも全然似てねー!

何故こんなにジョジョのパロディーが多いのかと言うと、この漫画の作者の大亜門とジョジョの荒木飛呂彦が交流があったらしい。今現在はどうかは知らないですがが、あとがきで荒木飛呂彦が主催のパーティーに参加したり、荒木の奥さんと仲が良かったそう。

単行本に最初に付いてるピラピラの帯にも「荒木飛呂彦」の文字を多用してみたり、ジョジョのネームバリューが最大限発揮されてるw

太蔵もて王サーガ5巻/荒木飛呂彦が描いたこの漫画の主人公
(5巻)
しまいには、荒木飛呂彦自身がこの漫画の主人公を描いちゃうっていうwww荒木が描けばギャグ漫画の主人公もめっちゃカッコよく見える不思議。何気にこれが一番笑ったかも。これぐらい仲が良かったのか、単純に荒木が一方的に好意を抱いてたのかは知らないが、大御所に取り入ると言ったら表現が無粋ですがある意味こういうのも才能の一つだと思います。

総合評価

で、肝心の中身を評価すると少し厳しいかな。まず冒頭シーンでつまづく。主人公のオニギリ頭は「異世界からやってきた」という面倒くさい設定。主人公の最初の登場シーンで異世界感を少し醸し出してるんんですが、それがほぼ1コマ。しかもそれがすごく分かりづらい。

その数ページ後に、女子生徒に土下座してゲスいことをお願いしまくるオニギリのコマがまるまる1ページ。どうしてもそこが一番印象が残る。その後にウダウダ長ったらしく説明されるので、マンガ自体にはすんなり入り込めなかった。そもそも全体的にセリフ量が多く読みづらく、シンプルさが足りないのは最初だけではなく、ギャグ漫画としては少し厳しいかな。

太蔵もて王サーガ1巻/ア◯ルから妖怪
(1巻)
あと内容的にもどちらかと言えば下品なので、男の子向けのギャグ漫画。他にも異世界の王子という設定なので妖怪の下僕を召喚する。ただそれが出てくるのが、自分の排泄口というw似たような漫画で銀魂がありますが、あれは一応見た目がマシ。だから下品な見た目のキャラクターが下品なことをすると、女の子読者は離れていくのかなと。

ジョジョ好きの人は集めてみてもいいかもね。


◯展開…★2.5◯テンポ…★3
◯キャラ…★3.5◯画力…★2
◯全巻大人買い…★2.5
◯おすすめ度…74点!!!!

『東京喰種JACK』のネタバレ感想。作者は石田スイ。少年ジャンプLIVEで配信されてた、『東京喰種(全14巻)』のスピンオフ漫画。この東京喰種JACKでは喰種捜査官・有馬貴将をメインに扱ってる。

あらすじ

前述の通り、メインキャラクターは有馬貴将。でもどちらかと言えば主人公は、誠清高校に通う「富良太志」という高校生。その高校へ有馬貴将が転校生として現れるところからストーリーが始まる。

東京喰種の本編はガッツリしたバトルマンガだから、そのスピンオフマンガということでゆる~い感じの青春学園マンガを勝手に想像。だから有馬貴将の「喰種捜査官になる前の話」が始まるかと思ってたら、
東京喰種JACK 有馬貴将
実は有馬貴将は高校生当時からバリバリの喰種捜査官。だから東京喰種JACKの展開としては、ほぼ本編と変わらずバトル描写が満載。ちょっと有馬貴将の意外な一面が見れるかと思いきや、基本的に本編と同じくクールボーイ。

東京喰種JACK ランタン
その有馬貴将と富良太志が「ランタン」と呼ばれる喰種と戦うというお話。

富良太志目線で読みやすい

本編の東京喰種とは違って、登場するキャラクターは少ないので、ムダに展開が渋滞することはない。基本的に富良太志と有馬貴将と、喰種のランタンのみ。だから対立の構図はシンプルで明確だから、本編の東京喰種とは違ってマンガとして読みやすくなってる。

東京喰種JACK ランタン オチ
「せっかく勉強したのになぁ…」というオチのランタンのセリフでは『喰種の悲哀』も表現できていて、ストーリーとしての完成度も高かった気がする。本編でもきっとこういう感じを描きたかったんだろうなと推察。

このランタンの正体は比較的誰かは当てやすいんですが、ただ展開のテンポ感に救われてる。「多分コイツかなー」と思った瞬間ぐらいにポンと答え合わせがされるので、良い意味で出し惜しみ感がない。

画が雑すぎる

ただ敢えて「東京喰種JACK」に敢えて一言言うとしたら、とにかく「絵が雑」すぎる。

東京喰種JACK 絵が雑
言っちゃえばネームや下書きレベル。無料サイトの少年ジャンプLIVEで公開したのを、そのまま掲載してる。

コマ割りも大雑把で大味。もちろんタブレットやスマホで閲覧するという前提で書かれてるんだと思いますが、それでもちょっと気になるレベル。もっと加筆があっても良かった気がする。

ちなみに「東京喰種JACK」は200円と激安。その「価格を考慮すると妥当」みたいな意見がAmazonでありましたが、だから何だよっていう。そんなこと言い出せば青年コミックは500円と高いですが、じゃあ400円ちょっとの少年コミックより絵がキレイなマンガばっかなのかって話。

そもそも残飯を売ってるんじゃないんだから、もっと価格が高くても良かった気がする。どうせ安く設定したって買わない人は買わないんだから。

バトル描写は相変わらず良い

ただその雑すぎる絵が、バトル描写では却って味になってる。

東京喰種JACK 絵が雑だがバトル多いので見れる2
動きのある画は上手い作者(石田スイ)だと思うので、ポンポンポンと読み進められる。

東京喰種JACK 絵が雑がバトル多い
有馬貴将の武器(カグネ)をパパっと取り出して掴むシーンはヤバい。

総合評価評判口コミ


画の粗雑ささえ除けば、東京喰種JACKで特に批判する点は見当たらない。むしろ本編の東京喰種より素直に評価しやすかった。良い意味で肩の力が抜けていて、本編の「あのキャラも…このキャラも」みたいにゴチャゴチャしすぎてないのが良い。

改めて思うのは、ちゃんと一つの展開を描き切ってから、次の展開を進めろよという感じ。マンガだからといって無限にページ数が用意されてるわけじゃありませんから。

あと今更ですが読み終わって思ったのが、富良太志って誰やねん(笑)
コンビを組んでる平子ナントカは最近覚えたんですが、最後まで誰か分からなかった。

『海猿』全12巻のネタバレ感想。作者は佐藤秀峰と小森陽一。1999年から2001年まで週刊ヤングサンデー(小学館)で連載。主演が伊藤英明で、フジテレビで実写ドラマ化もされましたが、海上保安官・仙崎大輔を主人公とした漫画。

人間ドラマが背景にある

既に実写ドラマや実写映画を見て、『海猿』という作品がどんな内容かを知ってる人も多そう。

海猿7巻アクション描写
(7巻)
やはり海猿(海上保安官)がテーマってことで、結構アクションめいた描写が多い。

海猿8巻アクション描写
(8巻)
佐藤秀峰の画力が相当高くて、ヘリの後ろ越しからの描写とかカッコイイ。

ただその圧巻のアクションの裏には、ちゃんと厳然たる人間ドラマが存在してる。
海猿8巻 生きもがく鼓動
(8巻)
主人公・仙崎大輔が目の前の事故現場で、救える命・救えない命という圧倒的な現実をまざまざを見せつけられる。でもそこで自分の無力感を知って色んな葛藤やもがきを覚えつつも、ひたすら「人間の命」に対する真摯な向き合い方はシンプルに熱い。

海猿11巻 生きもがく必死さ
(11巻)
アクションと人間ドラマが見事に融合。少ないセリフやコマ割りの見事さも相まって、実は『海猿』の原作漫画は実写ドラマや映画以上に鬼気迫るものがある。

圧倒的な表情力

海猿という漫画に思わず引き込ませるのが、キャラクターの表情力。

海猿10巻 生きもがく鼓動・必死さ
(10巻)
オデコや眉間のシワ、唇の形、細かい部分まで緻密に描かれてる。また一見するとキャラクターに華がないので写実的な印象を覚えるんですが、大袈裟すぎないレベルのデフォルメも効いてる。

漫画の「あるべき原型」がそこにはあるような気がする。セリフに頼らず、物語や感情を画力で伝えるのが、本来の漫画のあるべき姿。

容赦ない事故の現実

『ブラックジャックによろしく』でもそうですが、作者の佐藤秀峰は緻密な取材に基づいて漫画を描いてるそう。

海猿11巻悲惨な航空機事故2
(11巻)
だから事故現場は残虐なまでにリアル。その迫真性には、思わず吐き気や動悸すら覚えるレベル。画像は後半の飛行機事故の時のコマですが、飛行機内から見える月明かりがキレイすぎるが故に、見事な恐怖感を与える。

この時の機長が結構良いキャラクターしてるんですが、夜の黒い海上に飛行機を不時着させた後、
海猿11巻悲惨な航空機事故1
(11巻)
口の中から奥歯をヌチャっと取り出す。それだけ機長自身が歯を食いしばって力を入れていた、また飛行機事故の衝撃の強さを物語ってる証拠。

普通、こんな描写は一朝一夕の想像では描けないと思う。それをサラッと描く佐藤秀峰の憎たらしさったらない。この一コマだけでも佐藤秀峰の実力の高さが読み取れるんじゃないだろうか。

もちろんその見た目だけのグロさで終わってるんじゃなく、死とは何か?生とは何か?という強烈な問いかけが読み取れる。それが海猿という漫画の醍醐味。

総合評価

実写ドラマや実写映画で海猿を何度か観たことがあるが、その何十倍も漫画版の海猿は胸を打つ。ここまで漫画で表現できるスゴさに軽く感動を覚える。佐藤秀峰は漫画の天才。

ちなみに原作者の名前に小森陽一が並んでますが、佐藤秀峰的には「『アイデアや素材の一部を提供する=原作者』ではありません」とご立腹な様子。敢えて言う必要もないことだと思いますが、何故あんなにも私生活(漫画外)で物議を醸すんでしょうか?(笑)

あれでかなり損してる部分もあるよなー、と完全第三者の読者の立場でいつも勝手に思ってる。


◯展開★5◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★5
◯大人買い★5
◯95点!!!!

『孤独のグルメ』1巻のネタバレ感想。月刊PANJAという雑誌で、約20年前に連載されてたグルメマンガ。作者は久住昌之と谷口ジロー。最近この実写ドラマがなんか人気らしい。

ちょっと画像のサイズが重くなった気がするので、1.5秒ほど待ってからこの記事を読み始めると良いかも。

あらすじ

主人公は、井之頭五郎(いのがしら・ごろう)。独身中年。個人で雑貨輸入を営んでる(ただし店は構えてない)ので厳密にはサラリーマンではないですが、便宜上タイトルでは使ってみました。

その井之頭がご飯を食べてる描写に焦点をあてたグルメ漫画。言っちゃえば、独身の中年男が飯を食ってるだけの漫画。だからか、その井之頭が飯を食ってる描写が切ないぐらい哀愁が漂ってて、おそらく笑わせようとはしてないんだろうけど、何故か吹いてしまうような内容。

基本的に独り言

井之頭はずっと一人で行動してる以上、当然そこには喋る相手がいない。だから井之頭はどうしてもずっと独り言が多い。

孤独のグルメ1巻心の中で独り言1
例えば心の中で献立を組み立てていく。「よし今日はアレとコレを食べて…いやいやこの組み合わせは…」みたいなシミュレーションを延々と楽しんでる。

孤独のグルメ1巻心の中で独り言2
美味い焼き肉を食ってる時には「うぉぉ俺は火力発電所だー!」と心の中で一人盛り上がる。他にも心の中で一人ノリツッコミしてみたり、一人飯あるあると言えば一人飯あるあるですが、どんどん言葉が止まらない。そこまで料理を食べた感想を共感したいなら、思わず誰が誘えよって言いたくなる。

ある時には、さすがに心の中だけでは満足できなくなったのか、
孤独のグルメ1巻大きな独り言
普通にコンビニでベラベラ喋ってしまう。ここまで来ると怖すぎる。重度の病気。周りからすると「このオッサン何喋ってんねん」って話。

基本的に優柔不断

井之頭はずっと一人で行動してたせいか、性格的にはやや優柔不断。自分から何かを仕掛けることができない。

雑貨輸入を営んでるものの店を構えてないと冒頭で書きましたが、井之頭は心の隅では店を持ちたがってもいる。
孤独のグルメ1巻昼飯に悩んで夕方
そこで不動産屋を巡って物件を探してると、いつの間にか夕方の4時半。昼飯を食べるのを忘れるぐらいですから、どんだけ店を持ちたがってんねんっていう。

その後も何を食おうか延々と悩む井之頭。そして散々悩んだ挙句、選んだのが回転寿司。ただその回転寿司屋が繁盛してて、ガヤガヤと客の会話で店内がうるさい。だから自分の注文の声がなかなか通らない。
孤独のグルメ1巻回転寿司で声が届かない
そこでまさかの隣の主婦のオバちゃんに助けてもらう。「ふぅ…なんでこんな思いをしなきゃいけないんだ…」という井之頭の表情が切なすぎ。お前は中学生か。

他にも色々とドン臭い井之頭が可愛らしい。新幹線でヒモを引っ張ると温まるシューマイを購入した井之頭。ただ、それはものすごい臭が充満。
孤独のグルメ1巻ドン臭い井之頭
そこでパニクった井之頭はフタを閉めようとするも、指を軽くヤケド。思わずチュパチュパ。「ああダメだあ!もう取り返しがつかない」というセリフが可愛すぎて笑う。

基本的に切ない

だから基本的に井之頭のやることなすことに哀愁が漂いすぎて、『孤独のグルメ』はとにかく切ないグルメ漫画。

孤独のグルメ1巻公園で一人メシをほうばる井之頭
例えば、若者たちがバスケを楽しんでる公園で、一人で飯を黙々とカツサンドを食う井之頭。このギャップ感ある構図が泣けるぐらい切ない。「俺もバスケに誘ってくれよ―」という井之頭の声が思わず聞こえてくる。

さすがに寂しさでたまらなくなったのか、人間以外のモノで心のスキマを埋めようとする。
孤独のグルメ1巻サボテンを購入
ただ、まさかのサボテンを購入。楽しそうに嬉しそうに眺めてる表情が切なすぎる。せめて生き物のペットを買おうぜ。何故よりにもよって植物?しかもトゲトゲしいサボテン?誰か井之頭の深層心理を調べてあげて!(笑)

一人暮らしをしていると、無性にテンションが上がる時があると思います。井之頭はコンビニで不意にそれに襲われた。結果、めっちゃ大量に商品を買いまくる。
孤独のグルメ1巻切ない哀愁1
ただ帰宅して改めて大量の食料品を眺めてると、「俺…いったいなにやってんだろ」と気付く井之頭が泣ける。読者から言わせてもらうと、井之頭の人生そのものが「いったいなにやってんだろ」状態ですが。

総合評価

とにかく独身の中年の侘び寂びが描かれてるグルメ漫画。どんどん未婚世帯が増えてる現状、共感できるあるあるネタがふんだんに盛り込まれてるかも知れない。それが実写ドラマがウケてる理由なのか。

一人飯や便所飯という言葉が存在してるように、「孤独」を演出する点ではある意味「グルメ」は最強の組み合わせ。寂しさを通り越して、さすがに笑ってしまう。というか笑わなきゃ、もはや生きていけないレベル(笑)

画力は絵柄の古さを除けば、なかなか上手い方。料理描写も平均以上。実際の町並みも多く描かれてるので、おそらくリアルにお店は存在してそう。…と旧ブログで書いたら怒られました。作画の谷口ジローは画力に定評がある重鎮漫画家さんらしい。


◯展開★4◯テンポ★4.5
◯キャラ★5◯画力★4
◯全巻大人買い…★5
◯88点!!!!

『極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-』上下巻のネタバレ感想。原作は武論尊、原哲夫。作画はヒロモト森一。週刊コミックバンチで連載されてた漫画。

極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-2巻ジャギ
(2巻)
タイトルから分かるように、北斗の拳のスピンオフ漫画。言わずと知れた、ジャギが主役。とにかく不遇な人生を歩んでるというストーリー(笑)

ケンシロウへのコンプレックス

極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-1巻ジャギは拾い子
(1巻)
ジャギは拾い子。北斗神拳を受け継ぐリュウケンに拾われる。現在のいかついマスク仮面とは反して、当初は真っ当に育ってた。

そもそも「北斗の拳」というマンガのテーマは、その北斗神拳伝承者を決める争いが根底にある。ケンシロウやラオウなども、同じくリュウケンの養子。

ただその北斗神拳伝承者を決める争いに、ジャギの名前はない。そこでジャギは激しく慟哭葛藤。何故なんだと…。
極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-1巻ケンシロウに嫉妬
(1巻)
まだ兄貴的なラオウだったらいざ知らず、年端も行かないケンシロウに自分が負けてることに納得がいかない。そこからどんどん人格的にねじ曲がっていく。「兄より優れた弟など存在しない」という思い込みが生まれる。

リュウケンはジャギを愛するが故に…

ただリュウケンも意地悪からジャギを伝承者争いから除外したわけではない。むしろ自分の子供の中で一番ジャギが好きだからこそ、こういう争いに足を踏み入れてほしくなかった。つまり愛にあふれた親心から。

極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-1巻泣くリュウケン
(1巻)
その証拠にジャギの熱意に負けて伝承者争い候補にした時には、思わずリュウケンは涙する。それぐらいジャギのことは大事に育てたかった。

でもリュウケンの中では、最初から北斗神拳伝承者はケンシロウだけだと決めてた。ジャギは頑張れば自分が北斗神拳伝承者になれると信じてただけに、憎き弟に負けたことはショックどころではなかった。
極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-2巻ジャギに謝るリュウケン
(2巻)
リュウケンは親心に負けてジャギを伝承者争いに巻き込んだが故に、更にジャギを傷つけてしまった。ジャギに謝罪するも、ジャギの傷ついて腐った心は戻らない。

極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-2巻悲嘆にくれるジャギ
(2巻)
悲嘆にくれるジャギが、ただただ切ない。「自分が愛されていたからこそ…」なのに、そこに最期まで気付けない。

残酷なすれ違い

リュウケンが北斗神拳伝承者に巻き込んだクダリも然り、ジャギと愛する人とのすれ違いが残酷。つくづく何をやっても上手いこと行かない。

極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-1巻アンナ
(1巻)
アンナというジャギを愛してくれる、唯一の女性がいた。

でもケンシロウ打倒に燃えるジャギは、一向に目もくれない。核戦争後、世界はまさに世紀末。そこで初めてアンナの安否を気にかけるジャギ。ただその時にはもう遅い。弱肉強食の世界。アンナは無残にも暴力に散る。

大人になったジャギは、もはや「復讐心」しか残されてない。その後は仮面を被って悪行三昧。そして自分はケンシロウだと吹聴。自分のプライドを傷つけた弟を貶めるためには、どんなことだってやるようなゲスに成り下がる。
極悪ノ華-北斗の拳ジャギ外伝-2巻ジャギの目に涙
(2巻)
ただ内心はひたすら「虚しさ」だけを感じてて、仮面の下は泣いてる。これもただただ切ない。

最終的にケンシロウに殺されるジャギ。そこで初めて「生きる意味・意欲」を発見するジャギだが、もう遅い。何の成功体験も残せないまま、無残なまま死んでいく。何の救いもない。

こんな悲しい人生ってあっていいの?間違いなく鬱になれる。

総合評価

悪役は、悲惨な過去があってこそ悪役。だからこそ輝く。だからこそ好きになれる。ただここまで悲惨な末路が似合うキャラクターは、このジャギの他をおいていないかも。

現代人にも通じる悲哀がここにはある。親に愛されないと嘆いてる子供は多い。でも実はちゃんと親からは愛されてて、それに気付かないだけ。

だから不良など落ちこぼれほどに是非読んで欲しい。親に愛されないから非行に走るなんて、まさに不良少年そのもの。今の時期、まさに暗黒面に落ちちゃう青少年も多いんじゃないだろうか。その時にこそ、反面教師にできる部分も多そう。

やっぱ「素直さ」って大事やん。


◯展開★5◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い…★5
◯87点!!!!

『しばちゅうさん』全5巻のネタバレ感想。イブニング(講談社)で連載されてたギャグ漫画。三国志で登場する歴史的な偉人たちがめちゃめちゃイジられまくります。

あらすじ

主人公は、曹操の部下だった司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)。最終的には、晋という国を治めたそう。とにかく偉い歴史上の人物っぽいんですが、コイツがかなりコメディータッチで描かれてる。

司馬懿仲達はニート?

司馬懿仲達の性格はナマケモノだったらしい。今で言えば、ニートの類い。とにかく働きたくない。でも実力的には有能。

そこで天下の曹操に見初められて、部下になるように勧誘される。ガッツリそれを最初は断るものの、その方法が…
しばちゅうさん1巻仮病を使い司馬懿仲達
(1巻)
小学生並みの仮病を使う。一体、穴という穴から何が出てくるんでしょうか。それに百歩譲って正しいとしても、夜中限定なのでバッチリ昼間は働ける。

その言い訳が見透かされたかどうかは不明ですが、司馬懿仲達は半ば強引に曹操の部下にさせられる。でも、とことんヤル気がない。実際に史実でも戦争にはあまり駆り出されなかったようですが、もはや…
しばちゅうさん2巻自暴自棄な司馬懿仲達
(2巻)
「魏とか滅べばいいのにー!」とか言っちゃう。ちなみに魏という国は、曹操が治めてる国。夏休みの宿題を8月31日まで放置してた小学生が「学校とかほろべばいいのにー」とか言っちゃうノリ。

しばちゅうさん2巻シラミを食べる司馬懿仲達
(2巻)
しまいには、その布団にはびこるシラミを食っちゃったりする。『残念』とかいうレベルをもはや超えてる。

司馬懿仲達が不憫な件

そういう性格だからか分かりませんが、周りにやたらイジられる。ただそのイジられ方が、もはや常軌を逸してる。

しばちゅうさん1巻嫁にボコられる司馬懿仲達
(1巻)
自分の嫁さんからはドラクエで登場しそうな武器でドーン!

さすがの鬼嫁・北斗晶もここまではしない。司馬懿仲達も、何故か叫び声がサザビー。他にも曹操の息子・曹丕から事ある毎に思いっきりド突かれる。ただただ不憫すぎるんですが、司馬懿仲達の性格も残念すぎるので不思議と同情心はあまり芽生えない。

うそ臭い逸話もコミカルに

そして司馬懿仲達は殴られ続けた結果かは不明ですが、
しばちゅうさん1巻首が回転する司馬懿仲達
(1巻)
首がやたらグルングルン回る。

ただ「晋書」という歴史書によると、司馬懿仲達は実際に首が真後ろまで180度曲がったらしい。それをネタにしてる。これが事実かどうかはかなり疑わしいですが、だから余計にキモい。

日本の武将(もっと広く言えば、日本史全般)でも、こういう「ホンマかよ?」っていう下らない類いの逸話が多いイメージ。現在進行形だと北朝鮮の王様など、マンガにすれば結構面白いんだろうなーと思った。

曹操もイジられまくり

そして司馬懿仲達だけではなく、司馬懿が仕えていた豪傑な曹操もイジられまくり。曹操はめっちゃスゴい歴史上の人物と言われがちですが、それとは裏腹に実物はチビだったらしい。

しばちゅうさん1巻身長を気にする曹操
(1巻)
でも、まさかそれを帽子でカバーする。曹操のプライドがちっぽけすぎて泣ける。

しばちゅうさん2巻曹操
(2巻)
しかも司馬懿仲達並にド突かれて、すきっ歯状態。でも強がって、まさかの痛くないアピール。お前は地獄のミサワか。もっと怒れよ。

しばちゅうさん2巻関羽の首で殴る曹操
(2巻)
そして重用してた関羽が死んだ時には、その生首を振り回して大暴れ。最期まで哀れな関羽。

総合評価

『しばちゅうさん』の感想としては、三国志に精通してなくてもそれなりに笑えた。余白で軽く(たまにフザけた)説明もあるので、戸惑うことは少なかった。また少しだけ勉強にもなる。

三国志に詳しければ、更に笑えるのかも。ただ司馬懿仲達はマイナーな歴史上の人物っぽいので、どこまで歴史に精通してる人がいるのかはアレですが。


◯展開★3.5◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★3
◯全巻大人買い…★4.5
◯83点!!!!

『史上最強の弟子ケンイチ』全61巻のネタバレ感想。少年サンデー(小学館)で連載されてたセクシー格闘漫画。作者は松江名俊。「史上最強の弟子ケンイチは面白いのか?」を考察してみた。


あらすじ

あらすじは、タイトル通り。最強すぎる師匠たちに師事する弟子の話。
史上最強の弟子ケンイチ8巻白浜兼一
(8巻)
その弟子役である、主人公は白浜兼一。イジメられっ子の高校生。ただある日、最強すぎる格闘家たちが経営する「梁山泊」と呼ばれる道場に入門する。そして格闘技を極めていって肉体だけではなく精神的にも強くなっていく物語。だから漫画の展開としてはシンプル。

その最強すぎる師匠たちは。
史上最強の弟子ケンイチ17巻梁山泊の面々
(17巻)
とにかく空手(逆鬼至緒)から柔術(岬越寺秋雨)から中国拳法(馬剣星)、ムエタイ(アパチャイ)、忍術(香坂しぐれ)など幅広いジャンルの最強格闘家ばかり。

梁山泊トップ・長老の風林寺隼人に至っては、
史上最強の弟子ケンイチ12巻風林寺隼人が海面を爆走
(12巻)
海上を思いっきり爆走!風林寺隼人が自分の実力を0.0002%に抑えても、主人公の白浜兼一たちはほぼ歯が立たない。そんな感じの格闘漫画っす。


風林寺美羽などムチムチすぎる女キャラクター

史上最強の弟子ケンイチ33巻ムチムチすぎる女キャラクター
(33巻)
『史上最強の弟子ケンイチ』の特筆すべき点は、登場する女キャラクターがとにかくムチムチ。しかも、その上露出度が激しく、単行本にだけ描かれてるオマケページでは更に激しく曝け出させる。

史上最強の弟子ケンイチ43巻風林寺美羽のムチムチボディー
(43巻)
ヒロイン・風林寺美羽に至っては、露出度は低いものの、やたらピッチリすぎるコスチューム。全身スパッツ。しかもこの下に何も着用してないので、地区ポッチが浮き出まくり。少年サンデー冒険しすぎやろ!って感動を覚えるぐらい、しつこく描写。

普段はメガネっ娘でポニーテールで、っていかにも狙いすぎ。でも、そんな風林寺美羽がオジサンは大好きです!(;´Д`)ハァハァ

史上最強の弟子ケンイチ41巻セクシーすぎる格闘描写
(41巻)
だから格闘描写一つ取ってみても、「他の格闘漫画だったらおそらく隠すであろう箇所」が惜しげも無く描写。敵の攻撃で衣服が破けたり、しっかり『史上最強の弟子ケンイチ』は青少年が欲する部分を描く!その潔さたるや見事成り!


格闘描写も多種多様で豪快

じゃあセクシー描写に逃げてるかと言えば、そんなことはなく格闘描写はしっかり本格派。

史上最強の弟子ケンイチ24巻格闘描写
(24巻)
全然及第点の合格点。

史上最強の弟子ケンイチ30巻格闘描写(岬越寺秋雨)
(30巻)
めちゃめちゃ強い師匠(画像だと岬越寺秋雨)のバトルも多々展開されるので、結構飽きずに読める。そこまで強くない主人公の格闘描写だけだと、画的に物足りない部分もあったでしょうが。

史上最強の弟子ケンイチ41巻格闘描写(武器使用)
(41巻)
本当に多種多様な格闘技が登場する中、当然武器での戦闘もアリアリ。

史上最強の弟子ケンイチ40巻格闘描写(トラック上)
(40巻)
フィールドもトラックの上でバトルしてみたり、良い意味で「大げさ」な要素があって、『史上最強の弟子ケンイチ』は漫画としてちゃんと楽しめる。

格闘漫画の悪い部分って「リアルさ」を追求しすぎて、作品として小じんまりしがち。「もっとデフォルメや有り得ない展開があっても良いのに…」と思うことがしばしば。


ダラダラ読める格闘漫画

『史上最強の弟子ケンイチ』のテイストは、『タフ』をややコメディータッチに仕上げた感じ。

史上最強の弟子ケンイチ42巻少し変態の馬剣星
(42巻)
例えば、師匠の一人・馬剣星だとスケベ。シリアスな格闘描写や展開が続くかなーと思ったら、そういうコメディー要素が入ったりする。だから良くも悪くも緊張感が…ここらへんの「ゆるさ」は好き嫌いがやや分かれるかも。

また『タフ』でも言えるけど、敵キャラクターのデザイン・存在感が物足りないなど共通する部分も多い。ラグナレクや闇(YOMI)などいるものの、敵キャラが見えそうで見えない。だからダラダラ読めるものの全体的にメリハリがなく、あまり読後感としてはスッキリしない。

ここで改めて思うのは、非少年ジャンプの「敵キャラ作りの下手さ」を痛感する。主人公たちのキャラ作りを頑張っても、それだけでそのキャラクターは輝かない。もちろん白浜兼一は「殺さない」という一貫した主人公性があって悪くないが、魅力的な敵がいてこそ、主人公はもっと内なる輝きを放つんだと思う。

総合評価


『史上最強の弟子ケンイチ』のネタバレ感想ですが、画力やアクション、セクシーなどはレベルが高くて面白い。少年サンデーのレベルを考えたら「かなり面白い漫画」と評価しても良いんですが、もう少し突き抜けた部分も欲しかった。格闘描写にしても「松江名俊にしか描けない!」という部分は少なかった印象。

あと気になるのが60巻というボリューム。さすがにまとめ買いするには躊躇する人が多いはず。内容の面白さを考えたら40巻前後が妥当で、ダラダラと読めるからといって長続きしすぎても新規読者は参入しづらい。

ただ間違いなく言えるのは「少年誌でここまで地区ポチを描いた漫画は存在しない!」ということ。『ToLOVEる』に全然負けない水準。『史上最強の弟子ケンイチ』はそこの割り切りがあったからこそ、ここまで長期連載が続いたんだと思う。一貫して「漫画の狙い」を外さなかったのが、長寿の秘訣。既に作者の松江名俊は少年サンデーで新連載を始めてますが、未だに連載終了を惜しむ声もあるとかないとか。

『結界師』全35巻のネタバレ感想。作者は田辺イエロウ。掲載誌は少年サンデー。出版社は小学館。ジャンルは少年コミックの妖怪漫画。かなり前に日テレ系でアニメ化もされてて、個人的に少しハマったマンガでした。そこで今回は「結界師が面白いかつまらない」を考察してみました。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は墨村良守(よしもり)という結界師。代々受け継がれる職業であり、一族の息子。私立烏森学園に集まってくる妖怪を退治して、周辺の市民の安全を守ってる。
結界師15巻/結
(15巻)
こんな風に「結!」と叫ぶと周囲に立方体の空間ができて、妖怪が閉じ込められる。そして「滅!」と叫ぶと、その中の妖怪が消滅する。この良守が結界師として、また人間として成長していくような物語。


好感が持てる絵柄だが展開は陳腐

絵柄にはクセがなく、おそらく大体の読者は好感を持つはず。ただそれ以上に見た目が地味で、華もない。キャラクターデザインなどのアイデアが貧困。別に誰が誰か識別が混乱することはないが、全体として印象に残らない。新作のバードメンが特に顕著にヒドいが、良くも悪くも、「地味に上手い」という表現がまさにピッタシ。

ただストーリーも同じように地味。バトル漫画として評価するなら、見せ場・ヤマ場となる展開が少ない。まだ序盤は学園マンガ風の展開でそこそこ読めるが、『退屈』という影がコチラを少しチラチラ見やる。それもそれで読後感はスカッとしない。サンデー系全般のマンガに通じる話ですが、何故なら明確なオチがない。

そして後半になるにつれ、徐々にシリアスな展開(バトル漫画的な展開)が始まるんですが、それ如実に読むのが苦痛。本当に退屈。少年ジャンプの漫画のように「◯◯編」「△△編」という明確な区切りがないので、今読んでる場面の状況が不明。この展開が始まった・あの展開が終わったみたいなことが分からない。

この結界師もその御多分にもれず。ただ淡々とダラダラと描いてるだけで、良くも悪くも『波』がない。ワクワクさせられる展開がない。サンデー系全般の漫画家に言えるが、基本的にストーリーやプロットが作れない。だから全体として、残念ながら読んでて退屈。


能力設定の応用

冒頭で主人公・良守の能力を説明しましたが、この設定をフルに活かす力も作者・田辺イエロウには足りない印象。

結界師28巻/極限無想
(28巻)
ジョジョのスタンドのようなキャラクターを途中で出す。でもこの肩に乗っかってるキャラは、ほとんど活躍しない。バトル描写の時にコラボしたりして、新たな展開を作っていくんではないのか。ましてや自発的に喋ってるので、そこから面白いやり取りも生まれるはず。

結界師29巻/墨村良守
(29巻)
最終的には「結」という必殺技も使わず、オーラみたいなんまとっちゃう。HUNTERXHUNTERでいう『念』の類いではないので、そこから様々に派生することはない。NARUTOのチャクラの類いでもない。系統的にはドラゴンボールの『気』に近いが、だからと言って飛んだり跳ねたりカメハメったりはない。だから、むっちゃ地味。

というか、28巻の能力に目覚めたのに後半は主人公・良守がほとんど登場も活躍もしない。
結界師34巻/墨村正守
(34巻)
その代わりに活躍するのが兄である正守(まさもり)。この正守がメインでラストの結末までストーリーは進んでいく。一応最後らへんで主人公・良守は登場するものの、そのままフワッと最終話を迎えて終わります。

もっとズバズバーっと必殺技を出してラスボスを倒せばまだしも、主人公は「え?お前なんかしたっけ?」状態。最近のNARUTOで言えば、オビトのクダリを更に更にフワッとさせた感じ。なんかものすごく平和的に解決しちゃう。ラストのオチも然り、全体的にスカッとしない読後感の完結でした。


総合評価 評判 口コミ


『結界師』のネタバレ感想をまとめると、最初は面白そうに思えるんですが、いざ読み始めると意外につまらない。

もし少年ジャンプに掲載されていたら10巻程度で打ち切りされてるレベルか、頑張って20巻程度までかなーという内容。初連載時はアンケートで上位に位置するものの、失速感が読者に見抜かれてある時を境にグンと下がりそうな感じ。

少年サンデーだからなんとか連載できてたレベルで、画力に関してはプロ上位レベルですが展開力があまりない印象。作者・田辺イエロウの絵は上手いのでそこは十分満足できるんですが、やはり肝心のマンガ的な部分やストーリー展開に面白さが欠けます。