バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『ワンパンマン』1巻から5巻のネタバレ感想。原作はONE、作画は村田雄介。となりのヤングジャンプで配信中のヒーロー漫画。10月10日にワンパンマンのアニメが放送されるらしいので改めてすこしまとめて感想を書いてみました。


サイタマという最強ヒーロー

主人公はサイタマ。これでも一応は人名。一見すると、どこにでもいるハゲ。ただ一つだけ違う点があった。

ワンパンマン1巻 趣味でヒーローやってるサイタマ
(1巻)
それが趣味をヒーローでやっていること。見るからに頼りなさそうなルックス。『ワンパンマン』の世界観を簡単に説明しておくと、日本が色んな怪人に攻められてくるものの、それをヒーロー協会に所属するヒーローたちが駆逐してくれてる。怪人たちの凶悪さは災害レベル(虎や狼など)で格付けされ、ヒーローたちも同じくランク付けされている。S級がトップで、A級、B級…といった具合に続いていく。

その中に勝手に野良ヒーロー的なことをしてるのが、今作の主人公・サイタマということ。改めて説明しておきますが、あくまで「サイタマ」は人名です。


凶悪すぎる怪人たち

怪人たちがバリエーションに富んでる。原作のONEのアイデアがすごいのか、それを体現してしまう村田雄介がすごいのかは分かりませんが、見た目からして凶悪醜悪そのもの。

ワンパンマン2巻 阿修羅カブト
(2巻)
例えば、2巻であれば阿修羅カブト。名前からして強そうですが、見た目は更に強力。名前から想像できるインスピレーションと見た目の感じが合ってるのも良い。

ワンパンマン5巻 深海王
(5巻)
5巻までなら深海王がとにかく強い。S級ヒーローでもほとんど歯が立たない。「一匹もぉおお、逃がさなぁぁぁい」とおネエ口調でキレられると無性に怖い。思わずお尻がキュッと締まっちゃう。

作画・村田雄介自体も描いていて楽しいようですが、何の労力も費やさない読者の方が多分楽しい。ワンパンマンの見所や醍醐味の一つと確実に言えます。

ちなみにヒーローたちも色んなヤツが登場しますが、どれも基本的に弱そう。サイタマを引き立たせるためでもあるんでしょうが、むしろ怪人たちより扱いが悪い。というか非力、脆弱そのもの。
ワンパンマン5巻 無免ライダー
(5巻)
例えば、無免ライダー。普通ヒーローといえばスーパーマンのように飛んでくるもんですが、まさかのチャリンコを立ち漕ぎ。でも無免ライダーは作者のお気に入りなのか、ちょいちょい無様ながらもカッコいい勇姿を見せてくれます。


一発で敵を倒しちゃうよ

でも何故色んな怪人が登場してくるかというと、サイタマが倒しちゃうから。しかも一発で!それがマンガタイトルになってる。つまりワンパンとは、まさにワンパン(ワンパンチ)のこと。

ワンパンマン3巻 トイレに走るサイタマ
(3巻)
例えば、ちょうどサイタマが尿意を我慢できずにトイレに駆け込もうとしてる最中でもワンパン。「ついで」にも程がある。もしこのあとトイレが満員だったら、おそらくガンガンとノックされるであろうトビラに思わず同情してしまいます。

要するにサイタマはこんな風貌ですが、とにかくめっちゃ強い。一応努力をして強くなった。ただ毎日腕立て伏せ、スクワット、上体起こしを100回、そしてランニング10kmしただけ。そこそこ健康になるだけ。つまりサイタマには孫悟空やルフィ以上の天賦の才が秘められていた。でもなんだろう…全然嫉妬できない。

最初は野良ヒーローだったサイタマも、3巻ではヒーロー試験を受けて、正式なヒーローとして活動する。そのヒーロー試験では驚異的な身体能力の高さを見せる。
ワンパンマン3巻 ヒーロー試験
(3巻)
垂直跳びでは天井に頭が突き刺さる。そこら辺もうちょい調整できんかった?みたいなね。これっていきなり強大なパワーを得て、「お…おれ…せ…制御できない」と暴発しちゃうヤツ。

ある時、そいつは地中深くを移動するモグラみたいな怪人と対峙。当然サイタマがめっちゃ強すぎるので逃げる。じゃあサイタマはその時にどういう行動を取ったのか?
ワンパンマン1巻 地中に潜るサイタマ
(1巻)
まさか地中深くを追いかける。モグラの専売特許をこんなに簡単に奪っちゃダメ。「見っけ」と言ってる時の表情が地味に怖い。軽くホラー。

最新刊でも敵としてすっかり定着してるソニック(怪人ではない)は、とにかくめっちゃ高速で移動してくる。異名も「音速のソニック」。ソニック自体が「音速」や「音波」という意味があるので重複してますが。でもサイタマの敵じゃない。
ワンパンマン2巻 音速のソニック
(2巻)
四方八方に動き回って撹乱作戦を取ってくるソニックに対して、サイタマは首の動きだけで対応。まさに最小限の動き。これぞエコ。ただやっぱり軽くホラー。

ワンパンマン1巻 何故か蚊は潰せないサイタマ
(1巻)
でもサイタマにも欠点があって、それが蚊だけは潰せない。実は最強だった蚊。もしかするとサイタマは視力が悪い?


圧巻のバトル描写

以上を見てもらったら既に気付いてる方も多いと思いますが、作画を村田雄介が担当してるだけあってバトル描写は圧巻。1巻から5巻までで一番強かった深海王との戦いを例に見てみます。

ワンパンマン5巻 深海王 速いは手書きの方が良い
(5巻)
前述の音速のソニック相手に対して、同レベルかそれ以上のスピードで迫ってくる場面。深海王をボヤけさせることで、よりスピードが出てる感を演出できてます。他にもこういうのがあって、例えばサイタマが最初に戦った相手がワクチンマン。見た目はピッコロそのもの。頭からはぴょこんと突起物が生えてる。でもよく見ると、その突起物がボヤけてる。つまり距離感をそこで表現してる。芸が細かい。

また深海王がS級ヒーロー・プリプリプリズナーと戦ったとき。ちなみにプリプリプリズナーもおネエ系。一般人を襲うわけにはいかない。そこで囚人相手だったら問題なくね?という浅はかな理由で刑務所に入ってるオッサン。それゆえに名前も「プリズナー(囚人)」。とはいえ一応S級だから実力は折り紙つき。

ワンパンマン5巻 深海王 跡がコブシ型の方が良い
(5巻)
でも深海王がプリプリプリズナーをボッコボコ。何故か、ちょっとガッツポーズしてしまったのは内緒。深海王の拳が全身にめり込みまくり。それだけ深海王の高速パンチっぷりが伺えます。強いて言えば、一つ一つの衝撃の跡が「拳型」だと良かったかも。

二枚だけしか画像は貼りませんが、毎回毎回、村田雄介の画力が出し惜しみなく発揮してくれてますので、本当にここだけでも十分読む価値に値すると思います。

総括

『ワンパンマン』1巻から5巻のネタバレ感想をまとめると、主人公・サイタマのキャラクターが良い。普通の細マッチョの兄ちゃんにしか見えないんですが、とにかくめっちゃ強い。だからといって、自らの強さをひけらかしたり、虚栄心に溺れることもない。ノホホンとした性格や程よい自制心っぷりが、逆にサイタマの精神的な強さを感じさせる。

ワンパンマン3巻 サイタマの特売日
(3巻)
ただスーパーの特売日にだけは執念を見せるというギャップ感。ここに多くの読者が惹きつけられているのかも知れません。

村田雄介が描く視覚的なカッコ良さに、ONEが紡ぐ間の抜けた笑いが見事にコラボレーションされてるヒーロー漫画。「となりのヤングジャンプ」では無料で配信されてるので気になる方は、そこで一度試しに読んでみるのも良いと思います。

ちなみにワンパンマンが面白いか考察したレビューはアップ済み。記事の構成は若干似通ってしまってますが、おヒマなら是非。

『れっつ!ハイキュー!』1巻2巻のネタバレ感想。作者はレツ。少年ジャンプ+で配信中の4コマ漫画。少年ジャンプで連載中のバレーボール漫画『ハイキュー!!』のスピンオフ。主人公は日向翔陽、影山飛雄。あらすじは割愛。

れっつハイキュー1巻 ニ頭身化する武田先生
(1巻)
バレーボール部顧問の武田先生は何故かニ頭身化して可愛くなってたりします。ただあまりに可愛くなりすぎたせいか、青葉城西監督にホッペをぷにぷにされまくったり、周囲からはイジられまくり。


原作を踏襲したパロディー

当たり前ではありますが、原作を踏襲した小ボケというかパロディーも多い。

烏野高校へ入学した当初、日向翔陽と影山飛雄は反目しあってた。でもバレーボールは組織スポーツなのでチームワークが大事。そこで原作では二人にチームメイトという自覚が生まれるまで部活を追い出される。そこをパロった場面では何故か二人は…
れっつハイキュー1巻 原作と同じクダリ
(1巻)
中国のお祭りでありそうな龍を一緒にドコドコやってる。主将の澤村は有無を言わさず体育館のドアを閉める。確かに連携感は演出できてますが…っていう。

れっつハイキュー1巻 原作と同じクダリ2
(1巻)
日向と影山が中学時代に初めて出会った場面では、何故か影山が白馬を連れている。解説するまでもないですが影山は「コート上の王様」という異名を持っていたから。それにしてもシュールな光景。しかも白馬は白馬で、オバハンとケンカしてるという。

結果的に二人は最強コンビになるわけですが、影山飛雄のトス(パス)は秀逸で、相方の日向翔陽は目をつぶっててもスパイクを打てるほど。そこをパロっている場面では…
れっつハイキュー1巻 目をつぶってもスパイクを打てる
(1巻)
何故か日向がその間にホットアイマスクで目を癒やしてる。入社7年目ぐらいのOLか!

他にも、敵である伊達工業の「鉄壁防御」だと、ボタン一つでガチの鉄の壁がコート内でせり上がってアタックを防ぐ…みたいなこともあります。だからスピンオフマンガではありますが、内容的にはかなりハッチャケてます。


悪ノリがすぎる?

ただ悪ノリがすぎる?と思うことも多くて、例えば日向翔陽。中学時代は正式な大会に出場したことがなかったためか、体育館内に漂うエアーサロンパスの臭いに興奮を覚える描写が原作1巻の一番最初にあります。

れっつハイキュー1巻 日向翔陽はサロンパス好き
(1巻)
でもこのスピンオフマンガでは、ただの変態。原作では緊張してる描写。

れっつハイキュー1巻 日向翔陽は臭いフェチ
(1巻)
そして臭いフェチ度合いも常軌を逸して、ゲロの酸っぱい臭いを回収して楽しんでる。

れっつハイキュー1巻 日向翔陽のゲロ・浦安鉄筋家族?
(1巻)
ついには自分もゲロを吐くんですが、それが大量すぎて家(体育館?)の中から溢れ出す。思わず『浦安鉄筋家族』を思い出してしまった。作者・レツは日向のことを嫌いとしか思えません(笑)

れっつハイキュー2巻 田中龍之介
(2巻)
田中龍之介は全身シャリシャリ化しちゃって、ただのモジモジ君にしか見えない。ちなみに「シャリシャリ=坊主頭」ってことなので、つまり田中の全身に体毛が生えてる状態。「スーパーシャリリンだー」と喜んでる日向翔陽ですが、冷静に考えるまでもなく、ひたすらキモい。さすがに手の平まで体毛が生えたらアカン。ま、田中の場合は原作とあまり変わらないか。

女子選手もたまに登場します。道宮だと「反省は試合が終わってから」と他選手を鼓舞しようと、顔をパンパンと叩く。相手に冷静にさせたい場合、実生活でもよく使われる手段ではあります。
れっつハイキュー2巻 道宮
(2巻)
でも道宮のパンパンがあまりにしつこいんで、他選手の顔がまさにパンパンに腫れ上がる。それこそパンパンしてる間に試合が終わってしまう。「まだ終わってない」とかSっぷりにも程がある。敵を利する行為としか思えず、これぞ獅子身中の虫。


プリンス及川だってフルボッコ!

青葉城西高校には及川徹というイケメン選手がいます。確か影山飛雄と同じ中学校で、プレースタイルは若干似てて王様タイプ。普段はひょうひょうとしてる感じではあるものの、いざというときは熱い。リアルでも女性読者のファンが多そう。でも、このスピンオフでは格好のイジられ対象。

れっつハイキュー2巻 及川1
(2巻)
いきなり及川の目が飛び出てる。女子にチヤホヤされてる及川の姿に嫉妬した、仲間の選手が岩を投げてくるという展開。イケメンが台無しというレベルじゃない。軽くホラー。

及川のクセは手をプラプラさせること。「余裕」という精神状態を視覚的に表現してる。指をポキポキ鳴らす的な演出の範疇。
れっつハイキュー2巻 及川2
(2巻)
ただ手をプラプラしすぎて、及川の腕がビロンビロンに伸びまくり。プラプラしすぎてこんなに伸びるんやったら、もうバレーボールとかやれへんやろっていう。スパイクを打つ度に、相手コートに腕が伸びていく。一体コイツの身体はどうなってんだと。

れっつハイキュー2巻 及川スルーされる
(2巻)
挙句の果てには、仲間の選手から総スルーされる。確かに、この茶目っ気たっぷりなポーズをどうツッコめばいいか分からない。口元が地味にハート型。でも動揺する仲間選手が落ち着いているので、一応は結果オーライ。


総合評価


期待せずに読み始めましたが、意外にそこそこ面白かった。83点という数字は、ギャグ+4コマということでこれでも高めの採点になってます。

コーチの烏養が何故かカラス天狗に変身したり、前述の通り内容はめちゃくちゃ。型にとらわれないにも程がある。前にBLEACHのスピンオフ4コマをレビューしましたが、それよりは面白かったかな。『進撃!巨人中学校』を読んでも、スピンオフはここまでハッチャけるぐらいでちょうど良いのかも。

ただ女性読者も多そうな『ハイキュー!!』ですので、そこら辺はどうしても賛否両論はありそうですが。ちなみに本編 ハイキューが面白いかどうかは考察済みですので、おヒマなら是非。

『暗殺教室』16巻のネタバレ感想。作者は松井優征。少年ジャンプ(集英社)で連載中の学園漫画。謎の凶悪生物が椚ヶ丘中学校3年E組の担任になった。しかも卒業までに倒さないと地球が爆破されてしまうというストーリー。


せんせーが先生になるまで

記事タイトルにもありますが、この16巻では殺センセーの人間時代が描かれます。

暗殺教室16巻 せんせーの人間時代
(16巻)
ちなみに人間時代はこんなにイケメン。画像にも書かれてますが、せんせーは元々暗殺者。しかも1000人切り程度では収まらないほどの実績多数…って実績とか表現したら変か。

ただ、せんせーも完全無欠ではなく、ある日逮捕されてしまう。厳密にはせんせーのミスではないものの、弟子だった男に裏切られてしまう。
暗殺教室16巻 死神
(16巻)
それが例の死神。13巻か14巻に登場したアイツ。実はせんせーの弟子だった過去を持つそう。その割に二人の中で「おまえ久しぶりやーん?」的な感じがありませんでしたが。ただ再登場するので後述します。

逮捕されたせんせーが行き着いた先が裁判所でも牢屋でもなく、国際研究機関。そこは天才科学者・柳沢誇太郎が働いていた。既に明らかになってますが、茅野カエデなどをせんせーのように触手化させた覆面野郎。

なんでも「反物質」とやらは、0.1グラムで核爆弾並みのエネルギーを放出するそう。ただ生産効率が非常に悪かったので、生命の中で反物質を生成させる研究を行っていた。つまり、せんせーに反物質を植え付ける実験を行った。結果、現在に至る。


雪村あぐりとの出会い

そこで例の雪村あぐりという女性教師と出会う。その雪村あぐりが、椚ヶ丘中学校3年E組の担任だった。何故公務員であるあぐりが柳沢の研究を手伝ってるかですが、二人はお見合い相手らしい。そこで雪村あぐりの父親が柳沢の下請け企業として働いてるから、立場的には柳沢が上なので雪村あぐりがこき使われてるカタチ。ま、深く考えたら負け。

ただ柳沢のしごきがヒドい。雪村あぐりの頭を何度も何度も叩く。そこでせんせーは「頭を叩かれると不都合でも?」と訊いてくる。その時の雪村あぐりのセリフがちょっと素敵。
暗殺教室16巻 雪村あぐりのセリフ
(16巻)
本職は教師ですから頭悪くなっちゃうのは困ります」。常に教師という仕事を向き合ってる真摯な感じが素敵。そんな雪村あぐりの姿勢に次第に共感…もっと言うとせんせーは惚れていく。

ある日、雪村イジメを見かねたせんせーが柳沢を失神させる。一応分厚い強化ガラスで隔てられているものの、衝撃波を飛ばした的な描写。
暗殺教室16巻 せんせーのセリフ
(16巻)
そして一言。「お互い本職をやるのが一番良い」とにっこり笑顔。これも素敵。恩着せがましくなく紳士的。


二人は恋に落ちるものの…

極限状況ということもあってか、二人は恋に落ちる。

暗殺教室16巻 せんせーと雪村あぐりの恋
(16巻)
前述のように分厚い強化ガラスで隔てられていますが、せんせーの触手が空気孔から取って、雪村あぐりの頬をなでる。ちょっとした幻想的な光景。ただ画像はせんせーが暴発する6時間前。結果的に、せんせーは自分自身の手で雪村あぐりをあやめてしまう。そこで自分が過去に起こした過ちの数々も含めて、強烈な後悔に襲われる。

「壊す力をどうして誰かのために使わなかった!どうして!どうして!」

そして瀕死の状態の雪村あぐりから「3年E組の生徒たちの担任をやってくれ」と頼まれる。せんせーと同じように、E組の生徒たちも闇の中にさまよっている。そこから救ってやってほしいと懇願される。一応この段階ではまだ人間のカタチを保ってるせんせーですが、直後に現在のフォルムに至ります。

触手がせんせーに「どうなりたいのか?」を尋ねてきたので、せんせーは答える。このセリフがなんか良い。
暗殺教室16巻 せんせーのフォルムの意味
(16巻)
弱点だらけで思わず殺したくなるほど親しみやすく、この職種に触れるどんな弱いものも感じ取れ、守れ、導ける、そんな教師になりたい」。おどけたルックスからは相反する優しさが秘められていた。また、せんせーの「あんさつ」という表現方法でしか向き合えない不器用さも切ない。

暗殺教室16巻 E組の決意
(16巻)
そしてストーリーは、渚などE組の生徒たちが「せんせーをどうすれば助けられるか?」を考えていく。せんせーの過去からの生徒たちの未来、そして選択が描かれていきます。

一応センセーの過去編はシリアスっぽいですが、コメディータッチな展開も。
暗殺教室16巻 ハニートラップ
(16巻)
雪村あぐりがパッツンパツンのボディコンスーツを着てきたときは、鼻の下が伸びまくり。意外に人間時代のときから、助兵衛さんだった模様。むしろ敵のハニートラップによく引っかかって来なかったな、と心配するレベル。

総括

ただいかにも終盤で来週再来週にも終わりそうな雰囲気ですが、意外にこれまでと変わらない日常的な展開がまだまだ続きます。作者・松井優征のことなのでリアルタイムの来年2016年3月に連載完結させてくる気もしましたが、今日発売の少年ジャンプを読んだら既にバレンタインだったので今年中には完結しそう。

個人的に16巻で気になったのは、「触手がせんせーに語りかけてきた」という点。せんせーが触手に願ったことで現在のフザケたフォルムに至ったわけですが、もし触手に意志があるとしたらせんせーが死ぬ必要性は必ずしも無い?松井優征は基本的にそつなくお話をまとめてくるので、それは悪く言うとヌルいんですが、「みんな幸せになってチャンチャン」というオチも有り得そう。そんな伏線臭がほのかにしました。

そういえば冒頭に説明した死神ですが、何号だったか忘れましたが柳沢に改造されて触手人間化されます。ただ展開がワンパターン化してるのは気になるところ。意外に敵というかハードルの作り方が難しいのかも。

ちなみに暗殺教室 全21巻が面白かったかどうかの考察記事はレビュー済み。

『食戟のソーマ』15巻のネタバレ感想。原作は附田祐斗、作画は佐伯俊。少年ジャンプ(集英社)で連載中のグルメ漫画。主人公・幸平創真が日本トップの料理学校・遠月学園に入学。そして一流の料理人を目指すというストーリー。詳しいことは食戟のソーマが面白いかどうかのレビュー記事を参照。


遠月十傑のお披露目


14巻では遠月十傑という遠月学園のトップ10人が初めてお披露目。全員の名前も顔も載ってますが、全部貼るのも色々アレなので割愛。

食戟のソーマ15巻 司瑛士2
(15巻)
ただ、その中でも更にトップである第一席・司瑛士は中性的でいかにも女子が好きそう。

食戟のソーマ15巻 司瑛士
(15巻)
ただ意外にもネガティブというギャップ感!!

主人公・幸平創真とバチバチなんかやり合うのかと思ったら、実は拍子抜け。お披露目だけで終わりました。とりあえず料理の腕を研鑽するためだったら、学園の予算をいくらでも使えるという権力があるっぽい。強い奴が更に強くなっていくという、社会の理不尽!現実!をまざまざと見せつけられました。


学園祭・月響祭とは?


そして遠月学園では学園祭が始まります。厳密には月響祭(げっきょうさい)と呼ぶそう。こちらもいろいろとえげつない。なんと月響祭に訪れるお客の数はなんと50万人!コミケか!と思わずツッコんでしまった。

ちなみに遠月学園はめちゃめちゃ広い。だから50万人以上ものお客を呼び込めるんでしょうが、「目抜き通りエリア」や「中央エリア」、「山の手エリア」の3つに場所は分かれるそう。「山の手エリア」は高級志向を狙ってて、さながら貴族しか入れなさそうな雰囲気。

生徒たちはその月響祭でお店を出すことで、実際お客さんを相手にする。そして実践さながら料理人としての腕を磨かされる。グルメ+学園モノでは「お金稼ぎ」というアプローチがどうしても少ない気がしますが、食戟のソーマだとそういうシビアな部分が多め。


十傑・久我照紀は中華の名人


もちろん主人公・幸平創真もお店を出すことになるんですが、そこで勝負を挑んだのが…
食戟のソーマ15巻 久我照紀
(15巻)
冒頭でも書いた遠月十傑の1人・久我照紀。中華料理を得意として、「食は広州にあり!味は四川にあり!」というのがモットー?

一方、幸平創真は威勢よく勝負を挑んだものの、「麻」も「辣」も知らない。これは中華料理のイロハ。麻がホアジャオの辛さ、辣が唐辛子の辛さだそう。大丈夫なのか?と思ってたら、案の定、お客が久我に奪われて全く来ない。

食戟のソーマ15巻 担仔麺で客集め
(15巻)
そこで幸平創真は台湾料理・担仔麺(たんつーめん)を無料で配って客集めをすることになります。

食戟のソーマ15巻 月響祭は赤字は退学
(15巻)
ちなみに月響祭で赤字を出したら退学に追い込まれる。幸平創真は果たしてこの難局を乗り越えられるのか?


食戟のソーマ15巻の総括

食戟のソーマ15巻の感想を言うと、特に見所はないっちゃない印象します。

何故なら、15巻では(というか最近?)、料理を食べた後のリアクション描写がほとんどない。つまりムフフな描写もない。50万人もお客が集まったら当然みんな服がはだけて、さながら乱痴気パーリーでも行われるのかと思いきや、至って真面目。

食戟のソーマ15巻 田所恵
(15巻)
大げさなリアクション描写だと、田所恵の火をボワーッと吹いた場面ぐらい。パロディーなんかもほとんどない。もちろん無くても読めてはいるので採点に大きく影響はありませんが、さすがに「なさすぎる」というのもいかがかと思われます。果たしてファン読者さんほど、どう思ってる?

食戟のソーマ15巻 人気投票
(15巻)
この『食戟のソーマ』15巻では人気投票の結果も掲載されてます。1位の幸平創真、2位の薙切えりなは順当だと思いますが、意外にタクミ・アルディーニが人気。田所恵あたりが妥当かなと思ってましたが、実は女性読者も多いのか。というか冒頭の十傑トップ・司瑛士もいずれランクインしてきそうな気配。

ちなみに本ブログはマンガおすすめ考察ブログ「ドル漫」に引っ越し済み。ドル漫では「グルメマンガおすすめランキング」も執筆済みなので、もし興味がある方はどうぞ。

『干物妹! うまるちゃん』6巻のネタバレ感想。作者はサンカクヘッド。ヤングジャンプ(集英社)で連載中のギャグ漫画。主人公は土間うまるという女子高生。誰もが認める才色兼備なものの、家の中ではグータラ三昧。そんなうまると兄タイヘイとの日常風景を描いたギャグ漫画。

お年玉は二度美味しい?

確か6巻は今年夏頃に発売された気がしますが、マンガの中の時間軸は「お正月」。そこで主人公うまるちゃんは兄タイヘイからお年玉をもらいます。ただタイヘイは寝ぼけてたせいで、うまるの友達にあげようと思ってた年玉をうまるに渡してしまう。

干物妹うまるちゃん6巻 お年玉1
(6巻)
一瞬動揺するうまるだったものの、自販機に例えて「よってこれはお兄ちゃん側のミス!」とガッツポーズ。「ぬわっしゃぁー」なんて叫び声はめったに使いません。

ただ徐々に罪悪感や常識的な良心がふつふつと湧いてくる。やっぱりダメだよ、ちゃんとお兄ちゃんに返そうという気持ちも芽生える。そこで冷静にタイヘイの意図を分析しだす。
干物妹うまるちゃん6巻 お年玉2
(6巻)
でも「最初から2つ渡そうと思っていたに違いない!」という結論を導き出す。とんだ迷推理。やっぱコイツアホ!時間差を作った渡す意味が分からない。夕方頃にサンタさんがやってきて、翌朝に再びプレゼントをもらうようなもん。もうドッキリ感がゼロ。

干物妹うまるちゃん6巻 お年玉3
(6巻)
もちろんオチは、やっぱりタイヘイにしばかれる。知らぬ存ぜぬのフリがあまりに下手くそすぎ。今どき口笛ってw

500円玉を使い切るのは大変だ

とはいえタイヘイも妹思いなので、全額を奪うことはしません。そしてタイヘイの同僚のボンバーなどからもお年玉をもらって、結果的にうまるは3万5千円ゲット。ちなみに余談ですが、年玉を上げる側になって心底思ったんですが、マジで知り合いや親戚の子供に金を上げたくねー!!!!せめて紙幣じゃなくて貨幣だろ…っていう。。。

それは置いとき、うまるは無駄遣いをしないために3万5千円を全て500円玉に両替。財布がパンパンになってしゃーないやろって気もしますが、それは全てブタさんの貯金箱へGO!思わず「偉いじゃないか」とホメるタイヘイ。

干物妹うまるちゃん6巻 貯金箱1
(6巻)
うまるはそれでシメタと思ったのか、ブタさんの貯金箱への寄付をキラキラおめめで無言の圧力。クレヨンしんちゃんか!ホメられたらお金を貰えると思ったら大間違い。確かに子供の無垢すぎる瞳ほど攻撃力が高い武器もないですが。多分こういうときはチューしようとしたら、大体の子供は逃げていきます。

干物妹うまるちゃん6巻 貯金箱2
(6巻)
ただ、うまるは欲望の赴くままに生きる流浪人。使いたい時には使っちゃう。「ぬわーっ!じれったい!」と思わせるほど一体何を買いたかったんでしょうか。あっという間に全額消費。ざっくり計算したら、3万円は500円玉60枚。これだけの枚数を使いこなすって、相当ハードル高いぞ(笑)

干物妹うまるちゃん6巻 貯金箱3
(6巻)
一応うまるにはまだ隠し金があって、その場所がただのデスノートの序盤のやつ。失敗したら1000円が燃えちゃうのリスキーすぎる。

静岡県まで同行する謎の行動力

ある日、タイヘイが静岡県浜松市まで出張へ行くことになる。何故急に登場したのかは不明ですが、きっと作者サンカクヘッドは取材旅行と称して遊びに行ったに違いありません(笑)

そして、うまるはタイヘイと一緒に浜松市まで同行。うまるの住居は多分東京なので、意外に静岡県とは近いっぽい。それでも出不精のヒキコモリのうまるからしてみたら、なかなかの長距離。

その理由が「静岡県名産のうなぎを食いたい」から。まさにTHE動機が不純!好きなアニメやマンガのためなら一切のためらいを厭わないオタク気質全開。

干物妹うまるちゃん6巻 静岡県浜松市へ出張1
(6巻)
でも最初タイヘイに同行を断られた瞬間の、ダダのこね方が効率的。しかも細かく見ると表情が変化。ムダに芸達者すぎんだろ。同じ場所をグルグル回り続けようと思ったら、体型がダルマでもないかぎり不可能。

一応うまるには同行した真の理由が他にちゃんとあって、それがタイヘイの恋愛が気になったから。上司・叶とどういう関係なのかを探りに来てた。健気な乙女心というのか妹心にキュンキュン?
干物妹うまるちゃん6巻 静岡県浜松市へ出張2
(6巻)
ただタイヘイに対する探りの入れ方が、まんま稲川淳二。でも全然怖くないっていう。むしろコッチが「おかしいなー怖くないなーなんでかなー」と聞き返したいぐらい。

総合評価

干物妹うまるちゃん6巻 金剛ヒカリ
6巻のラストでは金剛ヒカリという秀才が若干シリアスふうに登場。ちなみに、うまるは普通科のトップなんですが、金剛ヒカリは特進クラスのトップ。煽り感全開の大げさな登場ですが、7巻以降ではうまるとどんな絡み方をするんでしょうか?

その最新7巻は今月10月19日に発売される予定。



◯展開★3◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★3.5
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…86点!!!!

『左門くんはサモナー』1話のネタバレ感想。作者は沼駿。少年ジャンプ43号から始まった新連載漫画。

あらすじ

ヒロインは天使ヶ原桜(てしがわらさくら)。学級委員を務める優等生の女の子。名前からも分かるように優しい。社会科見学の授業でバスで移動中、クラスメートが気分が悪くなったとき、
左門くんはサモナー1話 天使ヶ原
(1話)
まさかのゲロを自分の手でキャッチ。そこから男子からは「マジ天使」や「確実に仏」と影で人気。

そして主人公はそんな天使ヶ原のクラスにやってきた、転校生・左門召介(さもんしょうすけ)。
左門くんはサモナー1話 左門1
(1話)
趣味はまさかの悪魔召喚。実際ことあるごとに色んな悪魔を召喚してくるわけですが、当然そんな左門は「良い人」は嫌い。

左門くんはサモナー1話 左門2
(1話)
だから左門が転校早々、天使ヶ原に対して「君みたいな人は大っ嫌いでさ」と宣戦布告。心の中で天使ヶ原に対して舌打ちした回数は100回以上。センセー、相当キレてます、この子。

左門くんはサモナー1話 左門3
(1話)
果たして、天使ヶ原は左門の魔の手から逃れることができるのか?…みたいな話。

天使ヶ原を欲望まみれにしたい件

ただ左門が天使ヶ原を直接的に攻撃するわけじゃなく、悪魔たちを使役することで天使ヶ原が自分の欲望剥き出しの行動を取ることを誘う。何故なら、左門は善人や偽善者が嫌いだから。

でも左門は何故か他の悪魔に嫌われていて、凶悪な悪魔が次々と襲ってくる。
左門くんはサモナー1話 天使ヶ原がピンチ
(1話)
すっかり左門にまとわりつかれている天使ヶ原は、哀れにも巻き添えを食らってしまう。まさにピンチ。そこで何故か左門が助けに来てくれる。あれ?天使ヶ原のことが嫌いだったんじゃ?

そう嫌い。だからこそ「天使ヶ原みたいな良い人がただの暴力で死んで何が面白い?」。「『好感』の持てる最低最悪の人間になってくれるまで死なせはしない」んだそう。性格が屈折して一周してるだけ(笑)

だから展開としては松井優征の『脳噛ネウロ』に近そう。まさに二人はヤコとネウロの関係性。左門は性格がネジ曲がっていて天使ヶ原をイジメつつも、実は最終的にいつも助けてくれる救世主は左門。画像にはありませんが、天使ヶ原に対する悪魔召喚とは違って、そういう場面で召喚する悪魔がめちゃめちゃ強い(笑)

2話では天使ヶ原の友達が悪魔の被害に合う。でも左門は「善意からの人助けなんて偽善の極み」と救ってくれない。ただ天使ヶ原が「自分が善人とかどうでもいい!それでも助けて欲しい!」と叫ぶ。そこで左門は「やっと欲が出たね」とニヤリ笑顔を浮かべる。

つまり天使ヶ原が欲望を出せば左門は喜んで助けに来るものの、天使ヶ原の欲望は所詮「善き欲望」なわけです。だから結果は「人助け」に繋がるオチになる。天使ヶ原が一見すると欲望剥き出しの人間に成り下がっていくのかと思いきや、むしろ真逆。左門の本心は読み取れませんが、周囲が幸せになるので読後感としては悪くない。

総合評価

最初は絵柄を見て期待はしてなかったものの、いざ読み始めてみると意外に面白かった。コマ割りや構図など含めても見やすくて、キャラの表情も実は豊かで立ち止まることは少なかった。「自分の欲望に従う=人助けに繋がる」というギャップ感ある展開を作れてるのも大きい。

今後はストーリー物として展開することもありそう。とはいえ基本はオムニバス展開が続くはず。作者・沼駿にどこまで引き出しというポテンシャルがあるのか、またそれをどの程度まで持続できるかにも寄りますが、きっと長期連載マンガになる可能性は秘めてると思いました。

◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯おすすめ度…86点!!!!

『魔法使いの嫁』3巻4巻のネタバレ感想。作者はヤマザキコレ。月刊コミックガーデンで連載中のファンタジー漫画。かつては月刊コミックブレイドで連載してました。いかにもマイナー雑誌で連載してるっぽいですが、それでも既に200万部突破してるらしい。

あらすじ

不遇の少女・チセが謎の魔法使い・エリアスに引き取られて、「魔法使いの弟子」として成長を遂げていくというストーリー。2巻までのクダリは、ある教会に現れた黒妖犬(ブラックドック)が人にあだなす存在か、エリアスとチセが調査しに行ったところから。

エリアスは人食い?

4巻ではエリアスの過去が少しだけ明らかに。過去が明らかになると言っても、エリアスは記憶喪失のような状態。思い出そうとして浮かんだのが「赤」というイメージだけ。

魔法使いの嫁4巻 リンデルとエリアス2
(4巻)
出会いはかなり唐突なものの、エリアスは魔法使い・リンデルの弟子になる。弟子とは言っても、エリアスとチセとの関係のようにかなりフランクな関係。

魔法使いの嫁4巻 リンデルとエリアス3
(4巻)
そしてエリアスは「にんげんを食べたことがある」という衝撃の告白。3巻でカルタフィルスという敵が「人の肉を得た化け物の分際で」と言ってたので、記憶は曖昧なもののエリアスには何か心当たりがある模様。

でもこういう前フリだと意外に「実はやっぱりそうじゃありませんでした」というパターンも多いですが。実は自分ではなく人間を食べたのは別人で、それを見た記憶と混同していたり、逆に自分が食べられた側の人間だったとか。

魔法使いの嫁3巻 ルールを曲げちゃいけない
(3巻)
「僕らだけは世界のルールを捻じ曲げてはいけないんだ」というエリアスの発言からも、過去に起こした罪悪感や自責の念の裏返しと何となく想像できます。

とはいえ、エリアス的にはチセに知られたくない記憶。ただ結果的に知られてしまう。前述にリンデルがチセに話してしまう。そこでエリアスはチセの記憶から消去しようと試みるも…
魔法使いの嫁4巻 チセがエリアスに抱きつく
(4巻)
チセは「大事な人の記憶だから要らなくないです!」とハグ。ラブラブじゃねーかコイツラ!!(*´Д`)

時間軸は意外に現代に近い?

そのチセは名前からも何となく分かりますが、日本人。正式な名前は羽鳥智世。このチセの過去が少し明らかになります。これまでは「母親に恨まれていた」ことぐらいでしたが、4巻では父親も登場。一家だんらんの光景が見れます。

魔法使いの嫁4巻 チセの過去
(4巻)
ただ昔の日本なのかと思ってたら、時間軸はバリバリ現代。智世という名前からして、そもそも昔ということはなかったか。電信柱や智世が背負ったバックのデザインとか見たら、まさに近現代。世界観がバリバリのファンタジーだったので、強烈な違和感。

この回想の直前にチセが杖を作るクダリがある。無事杖を作ることに成功するんですが、その杖を掴むと別世界へ移動、ネヴィンというドラゴンと再会。悩み相談に乗ってもらう感じになる。チセ的には母親にイジメられ、「産まなければ良かった」と罵られた過去やトラウマがどうしても抜け切れない。

魔法使いの嫁4巻 チセの母親
(4巻)
でもドラゴン・ネヴィンからしてみたら、母親はチセに当たりたくて当たったのではないとアドバイス。実際チセの母親はチセをあやめることはなく、最終的に自分で命を絶ったそう。チセは内心そのことに気付いてる素振りにも見えますが、言葉的には「分からない」と否定。

またチセが家族三人で団欒してた場面に戻ると、チセの母親が妊娠してた描写がある。チセに対しても「お姉ちゃんになるんだよ」と話しかけている。チセが疎ましがられてた理由は、この「妹」の存在に何か原因がありそう。

二人のなんとも言えない距離感

『魔法使いの嫁』の見所は、チセとエリアスの二人の距離感みたいなんが支持されてるのかなーと勝手に思ってます。基本的に二人は両思い。でも弟子と師匠という関係からか、恋愛関係には至らない。エリアスはエリアスで鈍感というか、自分自身の感情に気付かないor言語化できない。

魔法使いの嫁4巻 寂しいエリアス
(4巻)
でも「君がいないとなんだか家が寒いよ」と遠回しに君が必要アピール。他にも「チセがいないと部屋が物静かに聞こえる…チセはあまり喋る方じゃないのに」とか、お前ベタ惚れですやん。ただエリアス自身は特別な感情を抱いてないと思ってるのが、読者的には良いのかも。

前述の「エリアスが人食いだった?」というクダリでも共通の秘密を共有することは定番というか、お互いの関係を深めるのには効果的。たとえ良くない過去だったとしても、男は許されてる安堵感や母性愛を感じ、女は許してあげてる優越感や守ってあげたいという庇護欲が湧くのかも。

魔法使いの嫁4巻 幻想的な描写
(4巻)
また幻想的な世界観をしっかり描き続けることで、先程はチセが現代っ子だったのが強烈な違和感と書きましたが、そのギャップ感が良いアクセントとして機能してます。リアルの日常の延長線上にこういう世界があるんだよー、みたいなこと。だから女性が欲しがる「非日常的な何か」を生むことができてる雰囲気。

総合評価

『魔法使いの嫁』は新刊が発売される度に発行部数が増えてて、正直200万部も売れる内容とは思えませんが、多分それは自分が男だから。

魔法使いの嫁3巻 ブラックドック黒妖・ルツと契約
(3巻)
画像はエリアスと黒妖犬・ルツが契約を結ぶ場面ですが、いかにも女性が男性にしてほしそうな願望がチラ見えします。こういった細部の動作や仕草を見ていくと、きっと今後もじわじわと売れ続けるんだろうなと。自分もこれだけの印税が欲しいです。

魔法使いの嫁3巻 ジョエルと吸血鬼リャナン・シー
(3巻)
ちなみに5巻への展開を説明しておくと、3巻で登場した吸血鬼リャナン・シーが助けを求めてきます。リャナン・シーはジョエルという謎の爺さんのことが好き。画像は若かりし頃のジョエルがバラをふと見たら、リャナン・シー(透明化してる?)と偶然目が合ってホレてしまった場面。「ジョエルはもしかして気付いてる?」とも読み取れる表情に女性はグッと来そう。



◯展開★3.5◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…85点!!!!

『死刑執行中脱獄進行中』のネタバレ感想。作者は荒木飛呂彦。少年ジャンプなどで掲載された読み切りマンガを集めたもの。「死刑執行中脱獄進行中」「ドルチ」「岸辺露伴は動かない」「デッドマンズQ」の4作品が収録されてます。

牢屋から脱獄できない理由とは?

まずは「死刑執行中脱獄進行中」。

囚人27号という凶悪犯が裁判で判決が出た後、新しい牢屋に入れられるシーンから。ちなみに男は自分がウソを付くことはあっても、他人にウソを付かれることは大嫌い。

ただ自分が収容された牢屋は違和感だらけだったというもの。例えば、電灯は自分で点灯させられるようにスイッチがあった。疑問に思いながらも、点灯しようとした瞬間、大量の蜂に刺されてしまう。点灯して初めて気付くが、近くには何故かハチの巣がぶら下がっていた。

死刑執行中脱獄進行中1
看守に助けを求めて、男がうろたえていると再び違和感に気付く。牢屋の奥には高級マンションばりの小奇麗な部屋が用意されていた。当然ソファーや家具付き、テレビだってありますわよ。

そしてテーブルの上には魚のフライにスープといった刑務所飯も用意されていた。決して美味そうではないものの、不味そうでもない。腹が減っていた男は魚を食べようとした瞬間、魚の骨が仰け反って顔中に刺さる。その拍子に椅子が壊れて、椅子の破片が更に刺さる。

まさにふんだり蹴ったりといった具合に、男が囚人らしからぬ行動をするたびに、次々と男に不幸が舞い込む。最終的にはソファーのスプリングが全身に絡まり、高圧電流が流れそうになる。でも一応危機は乗り越える。

死刑執行中脱獄進行中2
そして男は壁に穴を開けることに成功。脱獄寸前まで行く。でも男は脱獄できなかった。何故か?

死刑執行中脱獄進行中3
男は穴から飛び出た瞬間、ギロチンの刃がストーンと落ちると考えたから。相次ぐ罠という罠のせいで疑心暗鬼が生まれ、男の心理状態は「逃げる」ことよりも「ダマされない」ことに比重が置かれる。男を「逃がせる」ように仕向けられてるのかと思ったら、精神的にガチガチに縛る。これを考えたやつ、とんでもないドエス。

結果、男は穴をひたすら見続けているだけ。しかも50年間。男は死ぬまで牢屋に居続けることになりそうですが、それに気付いていないのは自分だけ。未だに牢屋から脱獄する気マンマンというのが切ない。

まさに「脱獄進行中だけど死刑も執行中」という話でした。でも男は逃げなかったからこそ50年間も生きられたのかも知れません。ただ、これらが看守によって設定されたかは最後まで明らかになりません。そこは多少モヤモヤ。

故・吉良吉影のその後とは?

最後は「デッドマンズQ」。

電車内で新聞を読んでる兄ちゃんの隣で、それを覗き込んでる変な奴が主人公。でも兄ちゃんは怒りもしない。かと思ったら、本屋では雑誌からページをペリペリとめくる。でも店主は怒りもしない。あれ?コイツなんなん?
死刑執行中脱獄進行中 デッドマンズQ2
…と思ったら、壁をシュルシュルとすり抜ける。まさかの幽霊。ただどこへでもすり抜けられるわけではなく、相手が許可を出した場合のみ。だから一応声だけは発することはできて、他人と会話することは可能。

じゃあコイツが何をしようとしてるかというと、あと数日で時効を迎えようとしてる凶悪犯を仕留めようと画策してる。言っちゃえば、プロの暗殺者。ちなみにコイツは自分から他人は触れられるけど、逆に他人から触れられると体の一部を奪われる。その間に凶悪犯の飼い犬と一悶着あったりします。凶悪犯が今まさに時効を迎えようとした瞬間、コイツがどうやって凶悪犯の許可を出させたのか?というのが見所ポイントだったりします。

死刑執行中脱獄進行中 デッドマンズQ
そしてコイツが一体誰なのかというと、あの吉良吉影!第四部のリーゼント頭・東方仗助が主人公だったシリーズのボス。スタンドはキラークィーン。爆弾操作で攻撃してきたヤツ。ラストは「振り向いてはいけない小道」に引きずり込まれて死亡…と思われていたものの、吉良吉影は結果的に現世を彷徨っている模様。ただ吉良吉影は過去の記憶はすっかり失っています。だから舞台は同じ杜王町なのかも。

「デッドマンズQ」は3話分あって、時効のクダリが終わると「屋敷幽霊」編が始まります。その話は家自体が幽霊化してる家の話で、もともとは軍人が住んでいたものの、過去この屋敷幽霊の付近では大量の変死者。この原因を探ってくれという依頼を吉良吉影が受ける。

吉良吉影は無事、屋敷幽霊を発見。最初は家探しのように探っていたものの、タンスや戸棚を開けると何故か毎回のように卵がポロポロと落ちてくる。とっさの事で吉良吉影は対応しきれず、床に落として割ってしまう。特に意識してなかった吉良吉影だったんですが、これが罠。英語ではトラァップ!

死刑執行中脱獄進行中 デッドマンズQ3
卵を割ってしまうと、そこから謎の生物が生まれる。そして吉良吉影を最期まで排除するまで襲ってくる。果たして吉良吉影はこの謎の生物から逃れることはできるのか!?という展開。

総合評価

4タイトルしかないので、このレビューでは2タイトルだけ。岸辺露伴のネタは『岸辺露伴は動かない』にも収録された作品だったので割愛。しかし作者・荒木飛呂彦は吉良吉影も岸辺露伴も好きですよね。ジョジョリオンにも吉良吉影が登場しますが、一応別人。いわゆるパラレルワールド。でもこの読み切りは話の流れ的には本編の吉良吉影っぽい。

死刑執行中脱獄進行中 ダイ・ハード・ザ・キャット
残りの『ドルチ-ダイ・ハード・ザ・キャット-』のあらすじを説明しておくと、船が難破して遭難した男と猫ちゃんの話。猫の名前がドルチ。でも実はもう一人遭難者の女の子がいたんですが、男がヤッちゃった。しかも女の子を食べようと画策してた。

ただ船が浸水中だから、女の子の遺体は運悪くサメが食べてしまったので「猫 VS 変態男」のバトルが始まっちゃいます。とりあえず、ぬこ強ー!って話。オチを一言でネタバレするなら「フライング・キャット(前田敦子風)」。

10年20年以上前の作品ばかりですが、今読んでも古臭さはありません。絵柄も最近のに近い。吉良吉影や岸辺露伴といった名物キャラを知らなくても混乱なく楽しめます。ただ吉良や岸辺好きなら、おすすめできるスピンオフ。きっと10年後に読んでも古臭さはあまり感じないでしょう。



◯展開★4.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4.5
◯おすすめ度…85点!!!!

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』1巻のネタバレ感想。作者はオーサ・イェークストロム。自身のブログで公開していた4コマ漫画を角川書店が書籍化したもの。

スウェーデン女子から見た日本とは?

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻1
(1巻)
主人公はオーサ・イェークストロム。スウェーデン(ストックホルム)から日本へやってきた女の子…とは言っても、年齢はアラサー。3年ぐらい前に訪日したという設定。

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻2
(1巻)
オーサが日本にやってきた理由が、13歳の頃に母国スウェーデンで観たアニメ「セーラームーン」に衝撃を受けたから。

だから内容はエッセイに近くて、このオーサが送ってる日本での生活がメイン。ありがちっちゃありがちですが、日本とスウェーデンとの生活・国民性の違い、またその戸惑いや驚きをコメディータッチに描いたもの。それをブログへアップロードしたら人気が出て書籍化に至ったらしい。

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻 鯨肉を食う
(1巻)
オーサは果敢にもクジラの肉(鯨肉)を食ったりして、それをスウェーデンに帰国して母親に告げると、めちゃめちゃビビられまくります。

ネタはベタ

ウォシュレットに驚くクダリであったり、基本的にネタはベタ。

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻 コンビニおにぎり
(1巻)
コンビニおにぎりも正式な開け方に気付くのに半年以上もかかったであるとか、

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻 マンガのセリフ
(1巻)
「漫画のキャラクターの話し方は止めましょう」と日本語学校の教師からは注意されたり、目新しさや独自の視点はあまりなくて、オーサというキャラクターがウケてるのかなと思います。ブログやマンガ内でも顔出しされてるようで、実際にキレイなお方。

オーサは意外に下ネタ好き

このオーサは意外に下ネタ好き。

最初は日本女性の「あけすけ」な感じにビビッてたオーサ。何故なら日本女性はお淑やかなイメージがあったから。まさに大和撫子。でも実際に日本女性と接してみると、特に女性ばかりが集まる女子会では「陰毛処理してるかしてないか」というネタで盛り上がったりしてた。一応オーサはしっかり処理なされてる模様。機会があれば是非チェックしてみてください(*´Д`)ハァハァ

こんな日本女性に悪い影響を受けすぎたのか、はたまた眠っていたゲス根性が目覚めてしまったのかは不明ですが、オーサがぶっこんでくる下ネタが豪速球。いや、もうちょっと手加減しようよってレベル。

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻 ド下ネタ
(1巻)
男子留学生が女性講師からハンコをもらったとき、「先生のマ◯コはきれいですね」と言ってしまったと大爆笑。日本人だけに限った話とは思いませんが、ほとんど外国語が話せない外国人に対してエグい言葉を覚えさせることはありますが、それとは違って意味を知って発言してるんだろうからオーサもなかなかヤバイ。

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻 万年床
(1巻)
オーサは意外に部屋も汚らしくて、万年床をめくってみるとカビだらけ。お前は春香クリスティーンか!なんとなく下ネタぶっこんでくるのも分からなくはないです。

でも考えてみると日本の住宅事情がヒドい。賃貸アパートやマンションでも狭すぎる。あれこれモノを置いていったらどんどん積み重なっていく。だからと言って、すぐ捨てる場所やタイミングもない。結果ゴミ屋敷になっちゃうのも仕方ないと思わなくもないです。…とか必死に擁護しちゃうと、まるで自分の部屋がゴミ屋敷と自白してるようですが(笑)

オーサが外国人美女だからウケてる?

極端なことを言っちゃうと、「オーサが美女だからウケてる」という一言に尽きるかなーと。最近福山雅治が結婚して所属事務所の株価がドーンと下がりましたが、そういうのと同じでオーサが結婚しちゃうと人気がガクンと落ちそう。『中国嫁日記』のように最初から伴侶がいれば別なんでしょうが。

日本マンセー系とまでは言いませんが、ジャンルは若干ホルホル系の臭いはします。実際日本が好きだから来日されたんだろうから、そこにツッコミを入れても仕方ないですが、どうしても媚びてる感じは否めません。だから本人(またそのウラのいる人)がどういう意図で書いてるかは別にして、こういう本の主体はオーサというスウェーデン人よりも「日本」。外国人(単なるハーフ)に日本を褒めちぎらせるというテレビ番組も最近は多い。

あくまで外国人にチヤホヤされてる「日本」を読者は読んでるんであって、所詮オーサは「名無しの可愛いスウェーデン女性」としか認識されていない気がします。もっと言ったら可愛いスウェーデン女性に好かれてる日本カッコイイ、いや日本人である俺が好かれてるグヘヘ…みたいな感じ?

最近カナダ人のアニソン歌手がネットで不満をぶちまけてましたが、「日本はダメだ」みたいなニュアンスを書いただけでめちゃめちゃ叩いてくるネットユーザー(というかネトウヨ)も多い。

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻 人種差別嫌い
(1巻)
例えばオーサはマンガ内で人種差別反対と主張。スウェーデンでは外国人排斥を掲げる政党が日本の社民党並に議席を持ってるそう。でもそんなこと言ったら、日本のネット上の差別は世界ワーストじゃね?だからちょっとした表現や言葉一つで「反日扱い」される可能性はなくはないと思うので、危ういっちゃ危ういのかなと勝手に思ってます。

総合評価

キャラクターも可愛らしく、ネタもベタではありますがベタであるがゆえに安定感はあります。全体的にはブログ読者やファンの方が買ってるのかなーという内容。

ただネタ臭い話も多い。例えば下ネタの場面を振り返ってみても、「ハンコがきれい」ってどういう意味?何を思って男子留学生がハンコに対してキレイと言おうと思ったのかが不明。まだ「先生のマ◯コをください」とかだったら言い間違いとして成立してる気はしますが。

他にも、コンビニおにぎりのクダリ。オーサはおにぎりにハマって、その中でもツナマヨが一番好きなんだそう。納豆が嫌い。
北欧女子オーサが見つけた日本の不思議1巻 コンビニおにぎり2
(1巻)
ただ来日当初、オーサが日本語が堪能ではなく、おにぎりの具の名前が分からなかったそう。だからコンビニおにぎりを選ぶのにも、ロシアンルーレット的にハラハラしてたとう話があるんです。

でも「ツナマヨ」は簡単なカタカナの名前。むしろ一番簡単な名前と言ってもよく、そんなに選択に迷うほど難しかった?日本に来るぐらいだからカタカナぐらいは覚えてそう。この日本語力の低さがたった3年前。そんなオーサも今では漢字をブログやマンガの中で使いこなす。え?(笑)そもそも最近はパッケージに写真がプリントされてたり、コンビニおにぎりに納豆って売ってたっけ?という疑問も。

オーサが実母にくじら料理を食べたと報告したクダリも、なかなかウソ臭い。例えば現在では国際的な批判もあって、鯨肉は楽天やAmazonでは取り扱ってない。また鯨肉料理店を探すのも一苦労で、しかも価格は高い。ネットやテレビでワーワー騒がれてるほど、日本で鯨肉料理は浸透してないのが現状だから「鯨の肉を食べた」とサラッと言われても、なかなか信じがたい点はあります。

穿った見方をすればいくらでもできるわけですが、オーサが1人でマンガを描いているというより、背後に誰かがいて協力しながら(or創作しながら)作ってるかなーという気はしました。

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議<北欧女子オーサが見つけた日本の不思議> (コミックエッセイ)
オーサ・イェークストロム
KADOKAWA / メディアファクトリー
2015-03-06


◯展開★3◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…77点!!!!

『カラダ探し』1巻から8巻のネタバレ感想。原作はウェルザード、作画は村瀬克俊。少年ジャンプ+で配信中のホラー漫画。出版社は集英社ですが、エブリスタで配信してる同名の原作小説をコミカライズ化したマンガらしい。

今回は『カラダ探し』が面白いかつまらないか考察レビューを書きたいと思います。内容が結構怖いので苦手な方は注意。


あらすじ・ストーリー

主人公は普通の高校生6人。ただある日、遥という同級生に「私のカラダを探して」と頼まれる。でも言葉の意味を全く理解ができない6人。確かに遥は五体満足で普通に生きてるので、セリフと状況が合致してない。

そこで翔太という男子生徒がある怪談話を思い出す。それが放課後の校舎に現れる『赤い人』の話。『赤い人』を見た者は校門を出るまで決して振り返ってはいけない、もし振り返った者は肉体を八つ裂きにされて校舎に隠される。

そして八つ裂きにされた者は翌日みんなの前に現れて、自分のカラダを探して欲しいとお願いする。頼まれた側は拒むことはできない。カラダ探しの最中にも『赤い人』は現れる…というもの。つまり既に遥はこの世のものではない。

不気味なまま一日を過ごす6人だったが、深夜12時を迎えた瞬間、気付くと全員が校舎の外に集まっていた。そして、遥と思しき隠された肉体を全て見つけるハメになるものの、その間にも『赤い人』が襲ってくる。全ての体の部位を見つけるまで、延々と同じ日がループするという展開。


とにかく遥の表情が怖い

とにかく遥が怖い。肉体は一日で発見することは不可能なので、何回も何回も「昨日」という一日をループする。つまり毎日のように遥が「ワタシのカラダを探して」と懇願してくる。これが夜中学校へ強制的に集めるための一種の合図になってたりもします。

だから、みんな学校にいるときはビクビクしまくり。そこで明日香というキャラクターが教室で前の方に座ってる遥をチラッと見る。ちなみにクラスの同級生なので、こういう状況ではあっても一緒に授業を受けてる。
カラダ探し1巻 遥
(1巻)
そしたら遥は首だけグルンと曲げてコッチを見てくる。何回かあって、時には髪の毛がフワッと浮くぐらい勢いよく首を回す。コエーよ!!「だるまさんがころんだ」やったら絶対勝てへん。しかも明日香以外の生徒も教師も気付いてないのが尚怖い。

そこで6人は考える。遥が話しかけてくるから悪いんだ。つまり遥をヤっちゃえばいいんだ。そして翔太というキャラがその役割を負う。結果的には屋上で遥を…
カラダ探し2巻 遥
(2巻)
でも全然余裕で依頼しに来ちゃいまーす!全く焦点があってませんけど問題ナッシングでーす!

一応ループするとは言っても、肉体の一部を発見するごとに状況が少しだけ変わって、厳密には「昨日」ではない「昨日」が始まります。後述しますが『カラダ探し』はストーリー性もあって、意外に見所はホラー要素だけではありません。

だから今までは教室内で遥が「ワタシのカラダを探して」と話しかけてきたのが、ある時を境にパタッと止まることがある。じゃあ学校内で話しかけない日は、遥は一体どうするのか?
カラダ探し3巻 遥・布団の中からこんにちわ
(3巻)
布団の中から現れちゃいまーす!!THE神出鬼没でーす!あるキャラクターにはお風呂に入ってる最中に遥が登場することもあります。とりあえず黒目デケーよ、っていう。普通は黒目をデッカクしたら可愛くなるもんなんですけどね。


背筋が凍る赤い人との隠れんぼ

でも遥は所詮案内役に過ぎない。本番は学校内に隠された遥の肉体を探すこと。ただ前述のとおり、肉体を探してる間に明日香といったキャラクターを襲ってくる存在が「赤い人」。厳密には「赤い少女」。

カラダ探し1巻 赤い人
(1巻)
少女とは言っても、めっちゃ怖い。そして、めっちゃ強い。武器は持っておらず、ひたすら素手で引きちぎっていく。この「赤い人」は何か喋るわけではないものの、いつも同じ歌を歌いながら襲ってくる。この歌詞も怖い。一応この歌を歌い終わるとゲームオーバー。「口」の描写を見ると、やたらと楽しそう。

カラダ探し2巻 赤い人
(2巻)
キャラクターが部屋に閉じこもっていたとしてもすぐ発見して、ドアをガチャガチャやりまくり。コエーよ。やたらと身体能力も高いので全然逃げられる気がしない。

この「赤い人」も神出鬼没。基本的に走って襲ってくるものの、放送室の中の人が指示した場所へ瞬間移動することも可能。逆に言うと、放送室から流れてくる音声を頼りに「赤い人」の現在位置を把握することも可能。
カラダ探し2巻 放送室の中の人・伏線
(2巻)
じゃあ「放送室で喋ってる奴は誰なの?」というのもストーリーの伏線としてはあります。『カラダ探し』というゲームの首謀者に近しい人物であることに違いはなく、明日香というキャラクターは見覚えがあるという前フリもあるので、今後の展開には期待したい所。

カラダ探し2巻 赤い人・放送室
(2巻)
ただ放送室の中の人を暴こうとしたら、速攻で赤い人を背後に瞬間移動させちゃうわよ(笑)

赤い人はコッチが振り向きさえしなかったらしがみついてくるだけ(それでも怖いw)なんですが、振り向いたらめっちゃシバカれる。それにも関わらず、放送室の中の人は「振り返って確認してください」という無慈悲な命令を明日香に与える。

「赤い人」との鬼ごっこはひたすらスリリング。特別新しい設定を用意してるわけでもなく、展開としてありがちなものの、キャラクターたちの「追いつめられてる感」を描くのが上手い。遥も然り、怖い描写がシンプル。見開きページいっぱいを使った、顔ドーンとかヤバイ。あまり遥や赤い人をゴチャゴチャと装飾させてないのが良いのかも。


背景にある事件とは?

でも闇雲に襲ってくる→逃げる→探すという展開じゃなく、これらの背景には「ある事件」が関係している。

カラダ探し3巻 赤い人・小野山美子
(3巻)
それが50年前に起きた、小野山美子という少女が被害に遭った事件。誰が見ても赤い人が小野山美子。

この少女・小野山はバラバラにされて、その肉片は学校に隠された。でも実は奇怪な事件だった。犯人と思しき山岡泰蔵は知的障害者。しかも事件後に自分で命を絶った。動機や目的も不明。

そもそも小野山という少女がバラバラになったとしても、結果的に探してる肉体は遥のカラダ。整合性が取れない。世の中に対する復讐を兼ねてるのだとしても、ちょっと分からないことが多すぎる。それに放送室にいる人物が誰なのか?という疑問も解消されない。

カラダ探し4巻 健司
(4巻)
最新4巻では、仲間だった健司も「赤い人」化して襲ってくる。まさに四面楚歌状態。ただ二人はタッグを組むのかと思いきや、健司は赤い人にヤラれてしまう。だから赤い人化したとはいえ、健司は赤い人の仲間ではない。

この理由はまだ不明ではありますが、やはり小野山美子の事件が関係してる。犯人と思しき山岡泰蔵には、雄蔵という兄がいた。むしろ弟・泰蔵は温和な人間で、兄・雄蔵に毎日ひどく虐げられていた。だから兄・雄蔵に弟・泰蔵は暴行の末にころされ、小野山美子は偶然その場面を見た。結果、口封じのためにバラバラにされた。

つまり、兄・山岡雄蔵が全ての真犯人。そして、この山岡雄蔵が実は健司の祖父。だから健司が赤い人化して壊れたのも理由があった。だから上質なホラー漫画にありがちなストーリー性もあるので、意外にグイグイ読めちゃう。


総合評価


『カラダ探し』の感想をまとめると、とにかく怖い。むしろ「怖すぎる」のが欠点なぐらいで、小学生が見たらきっとトラウマモノ。遥は案内役は分かったから、いちいち登場するなと言いたい。わざわざ学校へ毎回連れて行ってくれる親切心が激しくウザい(笑)

だからと言って、意外にストーリー性やサスペンス要素があるので飽きずに読める。
カラダ探し3巻 八代先生
(3巻)
八代先生という謎の人物が絡んできたりもするんですが、誰が見ても遥と「同じ目」をしてる。果たしてウラで手を引いてる敵なのか?赤い人の謎を知る味方なのか?という前フリもベタ。それでも不思議に読めちゃう。

カラダ探しというゲーム性と謎解き要素が同時に進行してることが大きく、しっかりゴールに向かってる感じがイライラもやもやさせずに読める原因かなと勝手に推察します。

ただ7巻以降は第二夜・第二章が始まる。ネタバレしておくと遥のバラバラになったカラダを全部集めることはできたんですが、今度は森崎明日香が呪いにかかってしまう。そして森崎明日香のカラダ探しが始まる。相島美雪という新キャラと共に伊勢高広が…ってことなんですが露骨に引き伸ばし感が強い。最近の展開が少しダレて「つまらない」と思わなくはありません。