バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『キングダム-KINGDOM-』39巻のネタバレ感想。作者は原泰久。ヤングジャンプ(集英社)で連載中の歴史漫画。中国の始皇帝が主人公。


加冠の儀とは?

舞台は紀元前の中国・秦という国。主人公はそこの少年王「嬴政(えいせい)」。後の始皇帝となる男。そして、もう一人の主人公は「信」という少年兵。現在では5000人の兵士を従える隊長。詳しいあらすじはキングダムは面白いか?という考察記事を参照。

ストーリーは嬴政が真の大王となる儀式「加冠の儀」が行われている最中、部下であった呂不韋がクーデターを企てる。ただ自分は表舞台には出てこず裏で糸を引いて、嬴政の母とロウアイという男に反乱を起こさせる。そして反乱軍が加冠の儀が行われている咸陽(かんよう)にまさに向かっている中、果たして政はこの難局を乗り越えられるのか?という展開。


蕞に潜む10000の軍隊

反乱軍が前触れもなく襲ってきたものの、政には隠し玉があった。

キングダム39巻 一万の隠した軍隊1
(39巻)
それが蕞(さい)に隠していた1万人あまりの軍隊。蕞とは咸陽にある一番重要な都市。何故1万もの伏兵を用意できていたかは後に明らかになります。

キングダム39巻 一万の隠した軍隊2
(39巻)
しかも川を渡ってやって来る。そして主人公・信たちはそのまま咸陽へ向かう。確かに馬で行軍するよりかは、川で近道した方が早いかも。

キングダム39巻 一万の隠した軍隊3
(39巻)
ただ反乱軍たちは上陸させまいと盾を持って対抗。まさに船側の矛VS陸側の盾!信たちはどう盾に対して対応したかは実際に読んでください。

一見すると政や信たち側に有利に見える展開ですが、やはり状況は不利。何故なら直前に信たちは魏という国と戦っていて、戦力が既に分散してる状態だったから。呂不韋が放った「この呂不韋が反乱を成功させると言っておるのだ、ならば成功するに決まっておろうが!」という不遜なセリフが現在の戦況を表しています。


呂不韋と政の争いの結末!

でもキングダム39巻のメインは咸陽での戦いではなく、主人公・政と呂不韋が最終決戦。まさに二人のガチンコ勝負が行われます。

キングダム39巻 始皇帝が呂不韋に宣戦布告
(39巻)
政は「いかなる言い逃れも許さず!必ずお前まで罪を波及させ大罪人として処罰する!」と宣戦布告。これまで呂不韋は裏工作を行って政を襲撃したものの、ことごとく失敗してきた。ただ政は政でノラリクラリと交わす呂不韋を追い詰められないで苦虫を噛み潰していた。でも、今回ばかりは違うという壮絶な決意が現れた、トゲトゲしいセリフ。

キングダム39巻 昌平君が呂不韋を裏切る
(39巻)
その覚悟を示すかのように、呂不韋に仕えていた昌文君が裏切り者だったことを自白。つまり昌文君が公に政側に就いた。ちなみに昌文君が政のスパイとなって、呂不韋が反乱軍を使いクーデターを起こすことを政に暗号文で教えた。それが前述の蕞に隠した1万人の伏兵のクダリに繋がる。

キングダム39巻 昌平君に強がる呂不韋
(39巻)
呂不韋は最初は少し動揺を見せるものの、これ以上ダメージ(更なる裏切り者が出ないように)を広げないように「この呂不韋という人間の強大さは一切揺らぐものはない」とドヤ顔で強がる。

オッサンの強がりほど痛々しいものもないですが、現代風に言い換えるなら「全然ビビってないんですけどー?つか知ってたしー!むしろ何でもっと早く俺様から離れなかったんですかー?プゲラ」といった感じ。「装飾は所詮装飾、その一つが身から剥がれ落ちようと問題ナッシング」らしい。

人間の本質とは?

展開としては、「天下とは何か?」みたいなことを語り合う。ややもすると退屈な口ゲンカに見えなくもないですが、壮大なロマンと思想を持ち寄った二人だからこそ見せる言葉のぶつけ合いには見応えがあります。

キングダム39巻 始皇帝が呂不韋を挑発
(39巻)
最初は政が呂不韋の挑発に対して「何をもって中華統一を狂気と断ずるのか?まずはお前の言葉で明らかにしろ!上辺の中傷では俺の夢には通じぬぞ」と応戦。言葉が力強くて好き。呂不韋はこれまで本心を見せてこなかったので、その急所をズバリ突く応答でもあります。

呂不韋は今回もノラリクラリと交わすのかと思いきや、しっかり自分の本心・情熱・展望を吐露。
キングダム39巻 呂不韋は金で天下統一
(39巻)
「貨幣制度が天下を作った」と元商人らしい発想を展開。要するに「お金を操って天下を統一する」と主張。人々の欲望はお金で操ることが可能。つまりは天下だってお金次第で統一することだってできる。

それでは人間の欲望が全てという醜悪な世の中になってしまう、と政は反論。
キングダム39巻 呂不韋「国民の血を流しちゃダメ」
(39巻)
でも呂不韋は「為政者は国民に血を流させてはなりませぬ」と反論。要するに「戦争を第一手段とする世の中よりマシじゃボケー!」ということ。絶賛支持率が降下中の安倍総理に聞かせたい読者も多そう。これまで呂不韋は比較的徹底した悪役だったもの、むしろ主張を聞いている限りはシンパシーを感じてしまうことも。

てか、そもそも戦を起こす「人間の本質」って何なん?という論点に移る。戦争を語ってこそ、人間を語れる。人間を語ってこそ、平和を語れる。

呂不韋は言うまでもなく人間の本質は「我欲」。仲間のために戦う、復讐のために戦う、どれもが正しい。それが人間。だから戦争はなくならない。でも政は反論する。そういった「凶暴性も凶悪性も人間の持つ側面だ、だが決して本質ではない」。じゃあ政が考える人間の本質とは何なのか?
キングダム39巻 始皇帝「人間の本質は光」
(39巻)
それが「光」。果たして、どういう意味なのか。その答えは最新40巻で。

ちなみに、リアルの始皇帝(政)は歴史的には凶暴で残忍だったらしい。だからまさかの青臭さ全開の答え。ヤングジャンプは毎週読んでないので政がどう答えるのかは知りませんが、キングダムの最終的なオチがどうなるんでしょう。このまま政こと始皇帝が聖人君子のまま終わる?史実通りに始皇帝がしっかり鬼畜な人間として描かれるなら「政VS信」なんていう展開も?

総括

キングダム39巻は政(始皇帝)と呂不韋のバトルがメイン。10月半ばに発売の最新40巻で決着が付くはず。政は呂不韋を言い包められるのか?また呂不韋の仲間も含めた、周囲の人間の支持を取り付けられるのか?この程度で躓いていたら中華統一は夢のまた夢ですからね。

そういえば38巻では政のママン(太后)がメインだったものの、39巻ではすっかり空気化。ありゃ一体何だったんだ?と思ったりしましたが、政の演説が呼び水となって太后がひと波乱を起こしそう。むしろ呂不韋を最終的に追い詰めるための、何らかの働きをしてくれそう。

◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★4.5
◯おすすめ度…87点!!!!

『東京喰種:re』4巻のネタバレ感想。作者は石田スイ。ヤングジャンプ(集英社)で連載中のバトル漫画。前作『東京喰種』全14巻は既にレビュー済み。

これまでの経緯

喰種(グール)という謎の捕食者が人類を襲ってくる。そこでグールを捕獲する警察組織がCCG。主人公はそこで捜査官として働く佐々木琲世(ささきはいせ)。でも実は金木研という元半グール。

とりあえず3巻で行われた人間オークション掃討作戦の功績が認められて、それぞれの捜査官たちが昇格。佐々木琲世は上等捜査官へ。不知と米林が二等捜査官へ。ウリエと黒磐、六月が一等捜査官へ。鈴屋什造と和修の息子が特等捜査官へ。22歳での特等捜査官の任命は有馬貴将以来らしい。他にもゴチャゴチャとモブキャラがいますが割愛。


月山習がルー大柴化してる件?

月山習に使用人として仕えてるカナエが、ロゼヴァルト家の生き残りだったことが発覚。ロゼヴァルト家は前述の和修の息子がドイツ時代に壊滅させた喰種一家。本名は既に載ってたので察しが付いた人も多そう。

東京喰種re4巻  月山習の過去
(4巻)
ただ運良くカナエだけは生き残っていたらしく、何故か日本の月山家に引き取られる。画像はその当時の回想シーン。だからカナエは拾ってもらった恩義を未だに強く感じている。なお昔から月山習はうざかった模様。

使用人であるカナエだけは登場したのに、月山習がしばらく出てこなかったのは、主人公・佐々木琲世こと金木研が亡くなったと思っていたから。すっかり廃人化してた月山くん。そういえばCCGが「あんていく」を襲撃。大規模な戦闘が前シリーズで勃発したんですが、そこへ参加させまいと、金木研を止めようとするものの月山は惨敗。「いかないでくれないか」と泣き落としにかかるも失敗したのが思い出されます。

でも女カメラマン・堀ちえのアドバイスもあって、カナエが佐々木琲世の写真を渡す。
東京喰種re4巻 ハブられる月山ルー大柴1
(4巻)
そしたら喜びのあまり、いきなり車イスで駆け出す。セリフは「ルン」と読むのか「run=走る」と読むのか知りませんが、童謡「雨ふり」のピチピチ チャプチャプ ランランラン♪のメロディーが頭の中で勝手に流れました。

東京喰種re4巻 ハブられる月山ルー大柴2
(4巻)
そして勢い余って、佐々木琲世(金木研)の目の前で盛大に転んでしまう。これは無様。自分も中学時代、好きな女の子の前でチャリで盛大にコケてしまいました。だが、これで良い!醜態を晒してこその月山!

とりあえず月山習は復活。スポンジぐらいに吸収が速い。どんだけ単純なヤツやねんと思ってしまいましたが、それだけ愛のパワーはすごいということ。でも久しぶりに見たせいか、なかなか面倒くさい。佐々木琲世が公園で一人で読書してる最中に、偶然を装って話しかける。状況的に既にちょっとキモいですが、月山習は好きな小説家の話を持ち出すことで「金木研」の記憶を呼び起こそうとする。

ただ金木研だった時とは異なり、佐々木琲世になってからは考え方や小説の読み取り方が変わってしまう。だから最初想定してた問答とは違ったので、困惑する月山習。そこで「hey hey why?」「be cool 僕」とお前はルー大柴か!とツッコんでしまった。いや、どっちかというとレイザーラモンHGか。いずれ月山習は海パン一丁でカネキくんを誘惑しだすかも知れません(笑)

というか、旧「あんていく」のメンバーは金木研が佐々木琲世化してる事実は知ってた。ある意味それは周知の事実化してたと思ってた。だからルー月山だけ知らなかった理由がイマイチ解せませんが、コイツだけハブられていたとしたら色々と悲しすぎんだろ!!!

そういえば月山家は喰種一族だっけ?ということは月山パパ・観母(みるも)も戦闘に加担してきそう。しかし、どんな名前なんやねん。また変な名前を開発したねって感じ。名前だけ見たら「ミルモちゃん」と思わずちゃん付けしたくなるんですが、ガッツリ髭面。しかも不安になると外に吠える。こえーよ。

あと月山家は東京都内に住んでるくせにムダに豪邸すぎ。ちびまる子ちゃんの花輪くんか!目立ってしゃーないやろっていう。


月山家を殲滅セヨ!

ストーリーとしては、「この月山家をCCGが潰す」という展開。

月山習は重度の引きこもりみたいになってたので、エサという名の人間を使用人・カナエが次々と捕縛していった。CCG内ではどんどん市民が誘拐されてる現状を重く受け止めて、
この首謀者であるグールを「ロゼ」とCCG内で名付けていた。言うまでもなくロゼヴァルト家から来ていて、つまり、月山家がほぼターゲットロックオンされてる状態。

東京喰種re4巻 キジマ准特等捜査官
(4巻)
そこで登場したのがキジマという准特等捜査官。月山家の使用人を一人捕まえて拷問。その映像をネット上にアップして挑発。カナエや月山習をおびき寄せようと画策。自分が真っ先に命が狙われる諸刃の刃的な方法ではありますが、既に顔がボロボロになってるので「別に…by沢尻エリカ」状態。

東京喰種re4巻 宇井郡と富良大志
(4巻)
キジマの上司は宇井郡(こおり)という特等捜査官。また面倒くさい名前。ランク的には有馬貴将と同レベル。まだバトル描写はないものの実力的には?そして、その有馬と同級生だった富良大志もしれっと登場。『東京喰種JACK』を参照。

佐々木琲世のバトル描写

カナエは佐々木琲世と月山習が二人で会えるように、アオギリの樹に依頼して佐々木琲世の部下たちを襲撃。怪我させたらしばらくは入院するだろ的な?

東京喰種re4巻 佐々木琲世のバトル描写
(4巻)
その襲撃時には佐々木琲世がいたものの、圧倒的!月山たん、更にアンタの手には負えなくなってるよ、時には諦めも肝心やで。そういえば「喰種は傷つくほど強くなる」らしいですが、まさに金木研のことを指してるんでしょうか…とふと思った。

東京喰種re4巻 ウリエ100%2
(4巻)
一方、佐々木琲世の部下・ウリエは筋トレしまくってた。しっかりちゃんと活躍します。

東京喰種re4巻 ウリエ100%
(4巻)
そのおかげで、なんとウリエ100%化に成功した模様!!

東京喰種re4巻  米林才子が食われる
(4巻)
ただ米林才子だけは食われそうになる。コイツ何なん?って感じですが、いずれ覚醒するための前フリか。そして謎の「指三本の男」に救われるものの、指三本のヤツって誰かいたっけ?はてさて。

とりあえず、しばらくストーリーは月山習がメインになりそう。

◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…84点!!!!

『ゴールデンカムイ』4巻のネタバレ感想。作者は野田サトル。ヤングジャンプ(集英社)で連載中。面白いかどうかの考察記事も参照してね。詳しいあらすじもそちらを読んでください。


二瓶鉄造死す!

3巻から登場した二瓶鉄造。コイツも死刑囚の一人で巨大なクマをも倒す粗暴さ。
ゴールデンカムイ4巻 二瓶鉄造1
(4巻)
そこでアシリパが飼いならす最後のニホンオオカミ・レタラを狩ろうと襲ってくる。「獣と獣のコロシアイよ」と高鳴る胸はボッキング状態。このセリフは捕らえたアシリパの「レタラが人を噛みころして地獄に落ちてほしくない」という願望に対する答え。「安心しろ、人間なんぞにそこまで価値はない」というセリフもなんか良かった。

そもそも二瓶がアシリパを捕らえた理由が、レタラをおびき寄せるため。
ゴールデンカムイ4巻 レタラ
(4巻)
二瓶の思惑通りレタラが襲ってくるんですが、このときの見開きページを使った描写がヤバイ。目線の軌跡で二瓶の銃に狙われないように、激しく横にも動きながら迫ってる感じも表現されてます。

ただレタラは最後のニホンオオカミではなく、他にも家族がいた。そこでメスのニホンオオカミが最後二瓶のとどめを刺す。そして二瓶は一言「やっぱり女は恐ろしい」。

ストーリーとしては、主人公・杉元が二瓶の皮をそぐ。そして二瓶と少しコンビを組んでいた元第7師団・谷垣が毒矢にやられたので、アシリパが住んでいたアイヌの里で治療を受ける。


土方歳三 VS 鶴見中尉!?

アイヌの金塊を狙ってるのは、鶴見中尉が率いる第7師団だけではなく、新選組の土方歳三のグループもいる。史実では1869年の戊辰戦争で亡くなってますが、1905年の日露戦争後まで生きていたという設定。だから齢は70歳前後。でもめっちゃ強い。

ゴールデンカムイ4巻 土方歳三VS鶴見中尉
(4巻)
和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)という愛刀を銀行から取り戻した直後、鶴見中尉と初めて邂逅。ちょっとした応戦止まりではありますが、これからの展開を期待させます。

ゴールデンカムイ4巻 鶴見中尉、旅順攻囲戦
(4巻)
そして鶴見中尉がアイヌの金塊を狙う目的も明らかに。それがそれが「日本(北海道)に軍事政権を樹立」すること。そのためにアイヌが遺した75トン(2万貫)という莫大な金塊が必要。金額にすると8千億円。ちなみに北海道の一般会計予算が約2兆5000億円。

鶴見中尉は日露戦争で行われた旅順攻囲戦が深いトラウマになってる。旅順攻略では陸軍大将がアホだったせいで、肝心の旅順要塞の攻略を念頭に置いてなかったそう。だからそこで戦友たちが無駄死にという名の多大の犠牲を伴った。鶴見中尉は仲間の遺体を盾にしつつなんとか制圧に成功したものの、無謀な作戦で本意ではなかったが故に、自分こそが日本のトップに立つことを決意する。馬鹿げた発想ではありますが、一貫した固いイデオロギーではあります。

一方、土方歳三は蝦夷地(北海道)をアイヌ民族たちと共に独立させるのが目的。まさにイデオロギーとイデオロギーのぶつかり合い!そこに主人公・杉元たちは割って入るカタチですが、果たして勝利することはできるのか?

だから記事タイトルでは「三つ巴」と表現してみましたが、ただ主人公・杉元と行動を共にしてる、白石という元脱獄犯が土方歳三に捕まってしまう。そこで杉元の存在を暴露。どうやって開放されたのかは不明ですが、白石は土方歳三グループに擦り寄ってそうな雰囲気。これから白石は間者(スパイ)的な役割をしつつ、頃合いを見て杉元と土方歳三を近づけるのかも。どういった構図になるかは不明。

ゴールデンカムイ4巻 牛山1
(4巻)
ちなみに白石を結果的に捕まえるのが、牛山というクマのような柔道家。雰囲気からも分かりますが、やっぱりめっちゃ強い。「よぉ…」と声をかけられても、もはや逃げるしかない。白石は元脱獄犯なので、スルッと簡単に逃げおおせることが可能。

ゴールデンカムイ4巻 牛山2
(4巻)
ただ逃げても逃げても追いかけて来るしつこさ。白石は馬のケツを叩いて牛山を襲わせるものの、片足でドンと蹴り上げて体重1トン以上はある馬をこかす。ヤベー!


オソマが大好きなアシリパちゃん

今回もアシリパの表情がやたらとウザいです。二瓶戦後に鹿肉の鍋をみんなでつつく。最初アシリパは味噌をウ◯コ(オソマ)と思っててやたらと拒否してたものの、3巻で初めて食って味噌の旨さを知る。

どうやらアシリパは味噌に病みつきになってる模様なんですが、過去の発言が発言だけに自分からは「食いたい」とは言わない。
ゴールデンカムイ4巻 アシリパ1
(4巻)
だから「杉元…この鍋にまた…オソマ入れなきゃいいけど」と、やたらチラ見してくる。上島竜兵「押すなよ!」ばりの露骨なフリ。しかも何故不敵な笑み。相変わらず、こういったときに浮かべる表情が腹立つ。

そして大人の杉元は仕方なく味噌を入れてあげるんですが、
ゴールデンカムイ4巻 アシリパ2
(4巻)
「ええー?またか杉元ぉー、お前は本当にオソマが好きだなぁー」と、さも杉元が食いたいようだから私も食ってあげるわよと言わんばかり。「たっはー」じゃねーよ。何この陳腐なコント?という杉元の表情が切なすぎる。

そもそも女性ってまず「私はヤリたくないけど…」という前置きを作りたがるイメージ。「ヤダヤダ、絶対変なことするでしょ?」「カラオケするだけ!マジで!大丈夫だから!」「えー……うん…じゃあカラオケだけなら…」。でも20分後ぐらいにズコバコやっちゃいまーす!カラオケしたかったらビッグエコーにでも行っとけよ!って話ですが、この一種の通過儀礼みたいなんって一体何なんでしょう?

とにかく幼い頃から面倒くさい女性の片鱗を見せるアシリパちゃんでした。

ゴールデンカムイ4巻 アシリパ3
(4巻)
そういえばアシリパは巨大なワシに連れ去られそうになるものの、頑として無表情。ここはもっと騒げよ!状況的に一番無表情やったらアカンやろ!「え?巨大なワシに掴まれると、これぐらい浮いて当然ですけど?知ってますけど?」的なノリ。

実際、ワシはヤギや牛を掴んで地面に叩き落として食うこともあるそうだから、みなさん注意しましょう。


総括


二瓶鉄造は良いキャラしてましたが、残念ながらフェードアウト。というかアシリパが従えてたニホンオオカミ・レタラは半野生だったんですね。何じゃそりゃ。代わりと言ってはなんですが、二瓶鉄造の狩猟犬が仲間に入ります。

ストーリーとしては、「ヤン衆」というニシン漁のための集まった季節労働者が漁場でどんどん犠牲になってる。その裏で暗躍してるのが辺見和雄。例の地図を示した刺青が掘られてる脱獄死刑囚。
ゴールデンカムイ4巻 辺見和雄
(4巻)
一応金塊探しの目的もあるようですが、基本的に性的に気持ち良いからやってるだけ。どこ光らせてくれてんねん。また変なキャラが登場しよります。漁場ではアシリパの親戚たちも働いてるので、クジラを食べるのも兼ねてそこへ行こうとなる。アシリパあたりが狙われそうか。

ちなみに海岸に辿り着いた瞬間の三人が、ただのキャピキャピの女子大生。トーキョーブックマークの広告にでも載ってそうな絵面。

『テラフォーマーズ』14巻のネタバレ感想。原作は貴家悠、作画は橘賢一。ヤングジャンプ(集英社)で連載中のSF漫画。

あらすじ

20世紀の人類は火星へ移住するため、コケとゴキブリを大量に放った。しかし時は経ち西暦2599年。火星で待っていたのは、進化した二足歩行で歩くゴキブリだった。地球に謎の病原菌が流行って、その原因がゴキブリだと分かる。そこで再び火星に向かう。ゴキブリたちと戦うため、虫の遺伝子を取り込んで強制的に進化させた人間がバトっちゃう漫画。

いろいろあって「九頭竜」という宇宙船が火星に到着して、中国から何故か刺客が送り込まれる。ゴキブリを操作するカイ(アリタケ)などがいます。その間にもゴキブリたちが襲ってきて、てんやわんや。とりあえず「フロンティア・スピリット」という救助艦に乗り込むため海へ向かってる感じ。

アシモフが見せた使命感 in 火星

とりあえず火星での話。九頭竜組が襲ってきて、主人公・膝丸燈たちがとらわれる。

テラフォーマーズ14巻 ミッシェル
(14巻)
ただミッシェルはなんか生きてました。メスのフェロモンをプンプン醸しだして、膝丸燈だけ脱出させます。でも内心乙女のミッシェルは涙目。ミッシェルの乙女の涙を見た、アシモフが「歳相応の顔つきになったじゃねーか」と興奮。

テラフォーマーズ14巻 アシモフ
(14巻)
アシモフはカッコイイところを見せようと九頭竜にブチ切れ。そして九頭竜たちをフルボッコ状態にします。これぞ悲しきオッサンのTHE下心パワー(冗談)

テラフォーマーズ14巻 チャツボボヤの爆将軍
(14巻)
九頭竜たちにはチャツボボヤという虫の能力を持った爆将軍とかいます。臓器などを出芽させることが可能で、腎臓や胃を一個潰したところで何の影響もございませんわよ奥様オホホ的なキャラ。でも指が一本無くなっても痛いことは痛いし、破傷風にでも感染すれば命の危険もありますので、あんま意味がない能力っちゃ能力。別に2個あるものが1個に減っても大丈夫ってわけでもないので。

テラフォーマーズ14巻 一致団結
(14巻)
とりあえずタコの能力を持ってた劉を含めて、敵も味方も一致団結という展開。もちろん言うまでもなく、全然状況は改善されてもいないし、火星から逃げ出す準備は全然進んでません。

ゴキブリが見せた適応感 in 地球

13巻の終わりで明らかになりましたが、実はゴキブリたちは既に地球に潜んでいた。
テラフォーマーズ14巻 バグズ一号
(14巻)
バグズ一号に乗ってゴキブリたちが地球に飛来した10年前に、アメリカやロシアはそれを撃ち落としていたものの、実は同時に気球程度の大きさの繭が同時に海深くへ着水していた。そこに「奴ら」が潜んでいた。だからゴキブリたちはすっかり地球の生活に馴染んでる。

テラフォーマーズ14巻 地図をチェックするゴキブリ
(14巻)
ゴキブリは地図だって普通に読めちゃいまーす!

テラフォーマーズ14巻 スーツを着るゴキブリ
(14巻)
ゴキブリがスーツを着て飛行機をハイジャック!「ども!ちーっす」じゃねーよ。飛行機がこの直後に艦隊にズドーン。多分作者は『亜人』でも読んだのかも。

テラフォーマーズ14巻 喋れないゴキブリ
(14巻)
でもやっぱり「じょうじょうじ」しか喋れませーん!ここまで地球の生活に馴染むぐらい知能が発達してるなら、いっそ普通に喋ったらいいんじゃね?(笑)

テラフォーマーズ14巻 雑魚キャラの方々
(14巻)
こちらが救世主っぽく現れた雑魚キャラのみなさんです。基本的に強いメインキャラクターは火星で現在ゴキブリたちと鬼ごっこしてるはずなので、こいつらに今更何ができるんでしょうか。「いっちょもんでやりますか!」と意気込んでらっしゃるんですが、全然ワクワクしませーん!普通に兵器を使って戦った方が良いだろっていう。

総合評価

ミッシェルとアシモフのドラマはまあまあ良かった。敵味方を超えた一体感や絆はベタ。

ただ実は地球にゴキブリたちが既にいたという設定も、まず膝丸燈たちが火星から帰還した後にやればいいのに。問題が何も解決してないのにゴチャゴチャするだけ。何故中国の九頭竜たちが襲ってきたのかも未だによく分からない。そもそもバグズ一号にゴキブリの死骸があったんなら、わざわざ火星に行かなくて良かったんじゃね?

それに地球でも同じく、ねずみ算式にゴキブリが増えていくわけです。でも結局、「どうやってゴキブリを全滅させるか?」という根本的な解決方法(ゴール)が一切提示されてない。せめて方向性ぐらいはゴールに向かってればいいんですが、意味のないキャラクターが意味のないバトルで死んでいくだけ。白兵戦で一匹一匹潰していったとしても、その間にゴキブリは更に増えていくわけです。まさにノーテンキもいいところ。火星だったら物資的な理由で条件が制約されるのも理解できますが、敢えて肉弾戦に絞る理由が分かりません。

他にもツッコミたいところはありますが、このへんで。

◯展開★3◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…83点!!!!

『悪の教典』全9巻のネタバレ感想をレビュー。作者は鳥山英司(作画)、貴志祐介(原作)。掲載誌はgood!アフタヌーン。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックのサスペンス漫画。最終9巻は今月頭ぐらいに発売されました。

伊藤英明で実写映画化もされたんですが、元AKB大島優子がそれを観て大嫌いだと豪語した作品。果たして悪の教典は面白いのか、つまらないのか考察してみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

舞台は晨光(しんこう)学院町田高校。主人公はそこに務める英語教師・蓮実聖司(はすみ せいじ)。32歳と比較的若くてイケメンなので、特に女子生徒たちからは慕われている人気教師。愛称はハスミン。また教師としても有能で学校が抱える様々な困難を解決する能力にも長けている。

ストーリーは問題児学級2年4組の担任を蓮実が任されたところから始まる。初っ端から脳筋丸出しの体育教師・園田が生徒をボコってしまった体罰問題にとりかかる。しかも被害生徒・鳴瀬修平の親は弁護士。園田は園田で昔気質のイデオロギーを持っていて、謝罪する気はサラサラない。そこで悪戦苦闘するものの蓮実はなんとか問題解決に成功する。

悪の教典3巻 蓮実聖司
(3巻)
蓮実はとりわけ支配欲が強く、全ての物事が自分の思惑通りに進むことに一種の快楽を感じている。気分が良くなると、三文オペラの「殺人物語大道歌(モリタート)」を口笛で口ずさむクセがある。

悪の教典3巻 安原美彌
(3巻)
安原美彌という不良女子生徒とはネンゴロな関係になったり、

悪の教典2巻 蓮実聖司が久米を脅迫
(2巻)
久米という同性愛教師に対して恫喝まがいのことだって平気で行う。久米は前島という男子生徒とネンゴロだった。でも蓮実は安原美彌とネンゴロなわけで、まさに自分のことは棚上げ。

果たして、ハスミンこと蓮実は問題生徒たちを更生させられるのか?そもそも晨光学院町田高校で一体何を目論んでいるのか?


ハスミンという人気教師の裏の顔

蓮実の目的はいまいち不明ですが、3巻を参考にすると「この学舎に俺だけの王国を…理想郷を築いてやろう」とのこと。だから自分にあだなす存在は潔癖なほど徹底的に排除する。その方法が放火や事故死に見せかけるなど、手段は厭わない。

結果、釣井という関西弁の教師に目をつけられる。釣井は蓮実の過去を調べていくと、以前に赴任した高校で不審な死を遂げた生徒が何人もいた。更に過去を掘り下げると経歴がうさん臭い。そこで警察にまで足を運んで蓮実の過去を調べ出す。また早水というエリート生徒に怪しまれ、やはり釣井と同じ「蓮実が怪しい」という結論に至る。運良く、それを察知した蓮実は、「鉄は熱いうちに打て」とばかりに躊躇なく彼らを排除。

蓮実の裏の顔は究極的なサイコキラーだった…という話。

ただ蓮実が不穏分子として排除していく数を増やすと、徐々に歯車が狂い出す。ユートピア崩壊のトドメを刺したのが、前述の安原美彌というネンゴロになった女子生徒。蓮実はちょいちょい自分の家に連れ込んではチョメチョメしてたんですが、少し前に排除した早水のスマートフォンを部屋で発見してしまう。女性はすぐ男性の余計なものを発見しますよね(笑)

でも安原美彌は偶然見つけただけに過ぎず、ハスミンを警察に通報する気はサラサラなかったことは後に分かりますが、それでも蓮実からしてみると「ユートピア崩壊の芽」は一刻も早く排除しておく必要がある。しかも安原美彌を排除した直後、更に他の女生徒に勘付かれてしまう。どんどん状況的に追い込まれていく。

悪の教典6巻 蓮実聖司
(6巻)
そこで蓮実が選んだ最終手段が、クラスの生徒たちの殲滅。卒業は卒業でも人生からの卒業。「死体を隠すには死体の山を築けばいいだけ」のことらしい。葉っぱを隠すには山の中的な理論。蓮実が何を持ってるかで、この後の展開は何となく察してください。

蓮実がエリート生徒・早水を抹殺した時に放ったセリフが、「しかし俺はX-sportsの愛好家と同じでやれると確信できれば最後までやり切ることができるんだよ」「途中でためらうとかえって危険だけど、思い切って突っ走れば案外走り切れるものなんだ」。まさにこれを象徴する大惨事が待ってます。


これぞグロすぎるサイコサスペンス!

序盤の展開は、ひたすら蓮実が学校の諸問題の解決に取り組んでいるだけ。だからややもすれば焦れったい。でも言うまでもなく、あくまで前フリ。ハスミンがブチっと覚醒した6巻以降の展開は、まさに怒涛。

蓮実の能力や頭脳は優れているというだけではなく、問題解決にあたっては徹底的に手段を厭わない人間性であることを読者に丁寧に印象付ける。一見すると、単に誠実な教師にしか見えない。でもそれ故に後の起きる惨事では、「生徒の卒業」という究極の問題解決が最後の0人までリセットされるまでは終わらない、という恐怖感に変わる。

最初の犠牲者は安原美彌と思いきや、結果的に亡くなってない。ただ屋上から蓮実が突き落とされてしまう。でも屋上から蓮実が降りてくる場面を見たのが、永井あゆみという女子生徒。ざっくり言うと口が軽い。
悪の教典6巻 ハスミンのパワー
(6巻)
永井あゆみを「卒業」させたときの、ハスミンのパワーがえげつない。まさに「ゴキッ」という音が開始の号砲に聞こえなくもありません。

ここから「狩る側」と「狩られる側」の構図が生まれる。蓮実は冷徹かつ狡猾。徹底した完璧主義者で、生徒たちを一人たりとも逃さない。学校には防犯システムが完備されてるので、その監視カメラを使って生徒たちがどこにいるかを全て把握。そして一人一人を着実に仕留めていく。蓮実が追い詰めていく感じ、生徒たちが追い詰められていく感じがハラハラドキドキ。

悪の教典7巻 廊下が長い
(7巻)
例えば学校の廊下って実は異様に長い。「走っても走っても向こう側に辿り着けない」と焦りまくる女生徒の心理状態が切ない。当然蓮実はライフル銃を保有してるので、ちょっと走ったぐらいでは蓮実のロックオンからは逃れられない。

とは言え、狩られる側も指をくわえて待ってるだけじゃない。
悪の教典6巻 園田
(6巻)
前述の体罰問題を起こした体育教師・園田は、蓮実がライフル銃を持ってようが関係ないほど強い。散弾銃を食らっても、そこそこ余裕。蓮実をボコボコにしてやんよ状態。蓮実も思わず「UFC(格闘技団体)へ行け!」と心の中でツッコむほど。

でも最後は神様は蓮実に微笑んでしまう。まさにクマのような園田がどうやって倒されたかは、実際に読んでみてください。

悪の教典7巻 高木翔
(7巻)
生徒の中にはアーチェリーの名手(高木翔)などがいて、蓮実に立ち向かっていく。後半になってくると「学校立てこもり犯ってハスミンじゃね?」という意見も出てくる。実際、監視カメラの映像を確認できる部屋で蓮実の凶行を目の当たりにした生徒もいる。

でもやっぱり蓮実の頭脳と躊躇なき判断が勝ってしまう。前半部分で「蓮実の人柄の良さ」が散々描写されてしまっているので、いざ蓮実が疑わしいと思った所で判断が鈍ってしまう。

例えば久米先生とネンゴロだった前島雅彦という生徒。さすがにハスミンが怪しいとは分かってるものの、「犯人は久米先生なんだよ」というブラフに動揺。最終局面で蓮実を良い所まで追い詰めるものの、まさに口八丁手八丁で形勢逆転。
悪の教典9巻 前島雅彦をダマして撃つ
(9巻)
「君が一番よく知っているはずだろう?久米先生は他人を傷つけられるような人じゃないって」と前島の判断ミスと愛する久米先生を疑った詰りと共に、即座にドン。このムダすぎるテンポ感。いかに蓮実に躊躇がないかを象徴してる場面だと思われます。

でも同時に楽しんでる側面も読み取れます。例えば、偏差値が高く東大志望の渡会健吾を仕留めるとき。渡会は東大に入りたかった。ただ蓮実はその夢は叶わないとノンノンノン。「You were going to enter Todai (トーダイ)? But, you are going to Die! (トゥダイ)」とニッコリ笑顔で発砲。

訳すと「東大へ入りたかったの?しかし、君はこれから死ぬんだぜ」みたいなこと。トウダイとトゥダイを掛けてるわけですが、単なるオヤジギャグ。おもろいネタ思い付いた!みたいなドヤ顔を蓮実はかましてます。


最終回・最終話はどんな結末なのか?

悪の教典9巻 卒業サプライズ
(9巻)
最終的に残念ながら、蓮実の卒業サプライズは成功。おめでとうじゃねーよ。40人全員のクラスメートたちは人生から卒業しています…

…と言いたいところですが、こんな惨事の中を2人の生徒だけが生き残ることに成功。生徒の名前まで書いてしまうと、どの場面でどう切り抜けたかというトリックが想像できてしまうのでネタバレは控えます。まさか生きてるとは思わなかったので、コイツラが登場したときは普通にビックリしました。ただ蓮実はやはり口八丁手八丁、彼らが生き証人として追い詰めることは叶わず。

悪の教典7巻 伏線
(7巻)
このままモヤッとしたオチで終わるのかと思いきや、実はこの場面が伏線となって蓮実を逮捕させることに成功。友達の命を救いたいという純粋な思いが、最後に蓮実に止めを刺したというオチは素晴らしい。ある程度の知識は必要なものの、何故AEDが蓮実を追い詰めることになるのか考えながら読むのも一興。

ただ裁判後の描写も描かれます。そして蓮実はやはりここでも口八丁手八丁で罪から逃れることに成功。要するに刑法39条。責任能力がない人には罪が問えない。基本的に心神喪失者に対しては減刑か無罪。結果懲役25年の判決が下って、蓮実は医療刑務所に収容される。そして時間がおそらく流れて数年後。ラストの大ゴマは街中で不敵な笑みを浮かべて立っている蓮実の表情で終わる…この後味の悪さからかアマゾンレビューでは酷評されてました(笑)

ちなみにアホなマスコミや一部ネットで散々煽ったりされてますが、こういった判決を勝ち取るのは現実的に難しいので、リアルでは蓮実の思惑通りにはいかないでしょう。


総合評価・評判・口コミ


これぞサイコサスペンス。大島優子がゲボを吐いたのも頷けるぐらい、直接的なグロ描写は少ないものの悪趣味っちゃ悪趣味な内容。生徒たちを仕留めるたびにカウントダウン。「あと4人かぁ…」と呟きながら、また口笛でモリタートを口ずさみながら、読者もただそれを無抵抗で眺めていくしかない。見た目のグロさはそこまで強くないものの発想が気持ち悪くてエグい。かなり不謹慎な作品ではありますが、こういう作品を書きたがってる人も実は多そう。

テンポ感も◯。原作小説のボリュームが、確か上下巻だけ。だから変に展開を引っ張ったりしないのが良かった。全9巻と大人買いしやすい巻数ですので集めやすいはず。

蓮実は安原美彌を突き落とす直前、一瞬ためらう。蓮実にも罪悪感らしいものがあって、体が硬直して動けなくなる。だから最後は蓮実は改心して…という展開も期待させるんですが、最後の最後まではハスミンはハスミン。

あと動機も後付っぽい。いずれ安原美彌や他の女生徒に見つかってなくても、蓮実は同じことを実行したに違いない。9巻では小学生時代の蓮実が描かれるものの、ニターッという表情が如実にそれを物語ってます。蓮実は生まれた瞬間からサイコパス。

欲を言えば、生徒たちの見た目に高校生特有の「幼さ」があれば良かったかも。年齢を重ねていくと、そこら辺のコンビニでたむろってる高校生が年々おぼこく見えてくる。「幼さ=無垢感・無力感」だと思われるので、狩られる側の生徒たちにそういうのがあればハスミンの鬼畜っぷりがより際立ったかも。

◯展開★4◯テンポ★4.5
◯キャラ★5◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…90点!!!!

『BTOOOM!-ブトゥーム-』18巻のネタバレ感想。作者は井上淳哉。月刊コミックバンチ(新潮社)で連載中のサバイバル漫画。1巻から14巻のネタバレ感想は既にレビュー済み。

これまでのあらすじ

対戦型ネットゲーム「BTOOOM!(ブトゥーム)」が世間では人気だった。主人公はそのゲームのトップランカー・坂本竜太。ただひょんなことから孤島に強制連行され、ゲームと同名の殺人サバイバルゲームを強いられる。期限内に同じく強制連行された人間からチップを奪い集めないと…。BIMという様々な爆弾を使ってお互い戦う。

17巻までのストーリーは、坂本竜太と幼なじみだった織田信隆が、昔の仲間・沖田総介とチームを作る。しかし急造チームは結束がもろく、早くも崩壊しつつあった。焦る沖田、失望する織田。果たしてこのチームの行く末は?ちなみに沖田総介は完全なオネエキャラ。

織田信隆の信念の拠り所とは?

結論から書いちゃうと、沖田が作ろうとしたチームはさっそく崩壊。織田信隆は見かねて一人で飛び出る。

二人はいわゆるチーマーやチンピラといった類いの不良少年だった。当時は織田信隆のカリスマでチームが結束できていた。でも織田がチンピラ生活を送っていたせいで、織田のお母さんはストレスで失明しちゃう。実際ストレスで耳が聞こえなくなったり、こんなことあるそうです。そして織田は母親のためにチームを脱退。その後、カリスマという大黒柱を失ったチームは崩壊。

だから今回も昔のように織田がカリスマを発揮して結束しようと持ちかける沖田。沖田は「あなたにもう一度光を見せてほしいの」と懇願。でも織田からしたら光どころか、母親が失明して闇に転落。当時の記憶は悪夢でしかない。しかも島から脱出できる期限は、あと一日だけ。クリアできるのもたった3人。チームを作り上げるだけの猶予はない。

当然、拒否する織田。当然、反目する沖田。当然、二人はBIMバトル。沖田の「まさか、また、私から去っていくつもりなの?」というセリフがなかなかキモい。仮に沖田を完全な女として見れたとしても、なかなか痛いセリフ。

ただBIMバトルの経験値が異なる二人。案の定、織田が沖田を撃破してチップを獲得する。
BTOOOM!18巻 沖田総介
(18巻)
そして沖田が織田にやられるシーンが、やっぱキモい。BIMには色んな種類があって、画像の場面はスイッチで起爆するタイプのBIM。ハートが撃ち抜かれた状態。

しかも沖田が走馬灯のように織田について語る。
「本当の私に目覚める引き金を引いたのが織田信隆だった」
「ずっと織田信隆に抱いてた気持ちは恋だった」
「私の死があなたの生に繋がる…それだけで…しあわ…」

もっと思い出すことあるやろ。やっぱキメー(笑)

でも、こんな故・沖田くんに残念なお知らせがあります。
BTOOOM!18巻 織田信隆ディスイズマザコン
(18巻)
お前が愛した織田信隆はただのマザコンでした!ベロベロバー!
待ってなよ母さん…すぐに帰るからさ…」と西部警察の大門ばりのグラサンをかけてますが、これは織田のママンがかけているグラさんと同じ。まさかのグラサンのペアルック!!!遠く離れていても気持ちは一緒だよ、母さん的な?

その後、有名アダルト女優に色仕掛けの攻撃を受けるものの、織田は断固としてそれを拒否。
BTOOOM!18巻 織田信隆ディスイズマザコン2
(18巻)
だってママが僕の帰りを待っているから(キリッ!!!
女優さんの「くやしい…自信なくすわ…」というセリフが切なすぎる。キモさという点では、何気に沖田の比ではなかった織田くんでした。チャンチャン。

カンフー女・三田村

「BTOOOM!(ブトゥーム)」を運営してるのが、ティラノスジャパンというゲームメーカー。ただ「リアルBTOOOM!(テミスプロジェクト)」を影でバックアップしてるのがシュヴァーリッツ財団という黒幕。

BTOOOM!18巻 三田村お前は民主主義
(18巻)
その中からティラノスジャパンに派遣されてた三田村という秘書がいたんですが、18巻では本性を表す。画像のコマを見た瞬間、思わずシャンプーのCMか!とツッコんでしまった。

ちなみにシュヴァーリッツ財団と反目してるのが、コミンテリアという共産主義組織。基本的には資本主義の転覆を目論んでるそうですが、その延長線上にシュヴァーリッツ財団の打倒があるっぽい。そこで実働的に動いてるのが、主人公・坂本竜太の叔父・中岡慎一。途中から坂本竜太の父も参加。もちろん坂本竜太は孤島に連れて来られてるので、そういった事情は一切知りません。

だから三田村は「資本主義に挑戦するヤツは許すまじ!」と、中岡慎一などをバッタバッタと倒していく。
BTOOOM!18巻 三田村2
(18巻)
坂本竜太の父に対しては、まさかのドロップキック!!思わず『ミスミソウ』のそれを思い出したのは自分だけ?

しかも逃げ回る坂本パパに対して、背後からドロップキックをかまそうと思ったら、三田村は相当なスピードと勢いで飛びかからないと不可能。しかもヒールを履いて行うんだから、三田村の驚異的な身体能力の高さがこのコマだけで伺えます。

…というか三田村は資本主義に挑戦するヤツは許さないと言ってるんですが、そもそもお前は民主主義に挑戦してるだろ!っていう(笑)

BTOOOM!18巻 ザビエラ
(18巻)
ちなみにゲーム内ではザビエラというゴスロリ女が刺客として送り込まれます。

BTOOOM!18巻 ザビエラのドローン
(18巻)
何を武器として襲ってくるのかといえば、最近話題のドローン。これに銃をくっつけて、遠隔操作でバンバンバン。縦横無尽に動きまくり。BIMで攻撃されそうになっても、羽根をBIM側に向けて難を逃れる。さすがにダイナミックすぎるやん。

総合評価

沖田や織田といったキャラクターはネタとして面白かった。この点数だから面白くないってことではないですが、BIMバトル描写は少なかったのでやや控えめに採点してみた。

BTOOOM!18巻 坂本竜太のパパの勇姿
(18巻)
ちなみにブトゥーム18巻のストーリーとしては、坂本竜太パパが一矢を報いる。オッサンの家族を思う気持ちに胸熱。結果、中岡慎一が遺した映像を全世界に配信。そこでシュヴァーリッツ財団という黒幕の正体、また現在進行形で行っている悪事が世界中にバラされる。だから展開的には形勢逆転の様相。ドローンのザビエルといった新キャラ登場など島内ではまだまだ苦境ですが、一応ストーリーとしては佳境に入りつつあるのかも。

BTOOOM!18巻 坂本竜太精神崩壊中
(18巻)
とは言え、主人公・坂本竜太は絶賛精神崩壊中。リアルとゲームの区別がついてない状態。つまりこのままの状態でリアルの生活に戻れたとしても、まさに元の木阿弥。引きこもっていた過去と何ら変わらない。坂本を正常に戻すにはきっとヒミコが活躍するんでしょうが、また少女神・輝夜の存在など、地味に消化しなきゃいけない要素も残されてます。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…83点!!!!

『囚人リク』24巻のネタバレ感想。作者は瀬口忍。少年チャンピオン(秋田書店)で連載中のサバイバル漫画。

これまでのあらすじ

主人公は栗田陸。13歳の少年。正義感が強いせいで、鬼道院という警視総監に無実の罪を着せられる。そして懲役30年で刑務所に服役。しかも、その刑務所は「極楽島」とは名ばかりの極悪刑務所。そこで佐々木レノマたち仲間とともに脱獄を図る。

23巻までのあらすじとしては、その極楽島から脱出するものの、鬼道院の策略にハマり再び捕まってしまう。ただ極楽島に戻されることはなく、今度は「地獄島」という更に劣悪な環境の刑務所に入れられてしまう。そこで元極楽島の看守・原田と再び出会って仲間にしたところから。

地獄島の地獄

地獄島は刑務所とは言っても、地下で延々とトンネルを掘ってるだけ。まさに強制労働。極楽島では一応休憩時間はあって、仕事とは言っても軽作業。しかも看守が表立って暴力を振るうことはない。でも囚人たちは手錠をハメられることはない。

囚人リク24巻 地獄島
(24巻)
何故なら囚人がいざ暴動を起こせば、トンネル内の酸素を抜き取る。ちなみに通常空気中の酸素濃度は21%らしい。そして18%を切ると頭痛を覚えて、12%で吐き気、10%でチーン。

囚人リク24巻 地獄島の看守たち
(24巻)
看守から腐っててクスリ漬けの状態。鬼道院を神格化させて、まさにカルト信者的な様相。画像のコマは何故か食事中にバナナをグニューっと潰して、それを皮ごと食べてる看守。最高に気持ち悪い。

そもそも囚人たちは何故トンネルを掘らされてるのか?それが鬼道院がクーデターを起こすために必要。何故クーデターに繋がるかは不明ですが、その後にどういった使い方をするのか?
囚人リク24巻 鬼道院の暴虐
(24巻)
それが生き埋め。「奴らは今、己の墓穴を健気に掘っているのだ」という表情が悪魔。

実はココは鬼道院が日本のトップに上り詰めるために必要な資金を作り出してる島。前述のクスリは、もちろん市販薬のことではありません。自分の悪事に関わる証拠を全てを消すため、囚人たちをこのトンネルごと証拠隠滅。もっと言うと、看守ごと埋めるのかも知れません。

改めて言っておきますが、コイツが日本の警視総監。最近警官の犯罪が多いので、リアルでこんな奴もいそうですが(笑)

絶海の孤島ということですが…

ただ地獄島は「島」とは言っても、実は「島じゃない?」という展開。考えてみたら鬼道院の悪事をもみ消すだけだったら、島ごと燃やせばいいだけ。わざわざトンネルを掘るといった周りくどいことをする必要性がありません。

囚人リク24巻 田中のヒラメキ2
(24巻)
そこで革命戦士・田中はひらめく。「島ではない!ここは本土のどこかだ!」。トンネルはブツを運ぶための穴だった。鬼道院はトンネルという物的証拠とともに、囚人たちを生き埋めにしてもみ消そうとしてる。だから極楽島とは異なり、移動用のヘリなどを用意する必要がない。

逆に言うと、地獄島の位置を把握することが可能。外に出て景色を見れば、この場所が大体どこであるかを特定できるんじゃないかということ。そこで子供である主人公・リクがその役目を負う。場所さえ特定できたら、鬼道院の悪事を暴き追い詰めることが可能。
囚人リク24巻 地獄島を覆う屋根
(24巻)
ただ島には大掛かりな開閉式の屋根が設置されてる。昼間だけ屋根が開いてるものの、その間リクやレノマたちは当然トンネルという墓場の掘削作業。だから、どうやって夜間に屋根を開かせるかがカギ。

囚人リク24巻 田中のヒラメキ3オードリー春日
(24巻)
そこで田中が再びヒラメキを見せる。ただ若干オードリー春日にしか見えない。ジョジョポーズと同じで、こういうツッコミもやや無粋。ネタバレしておくと、掘削作業で使ってる土を運ぶ道具のパンクしたタイヤの集積場でボヤを起こす。煙がブワーッと舞い上がったら屋根を開かざるを得ないだろうってこと。

総合評価

極楽島からの脱獄が失敗したあと、この地獄島編が始まって「何だよ引き伸ばしかよー」と最初は若干萎えたんですが、この24巻を読む限りは鬼道院打倒のために『必要な一歩』だったと分かります。

考えてみたら海外に脱出してたとしても日本から離れたら、鬼道院を追い詰めることはむしろ困難になっていたかも知れないですから。その間に鬼道院がクーデターを起こして、日本が独裁国家になるのは目に見えてますから。逆に地獄島に送り込まれたことで鬼道院の喉元に直接切り裂けるチャンスを得る。

囚人リク24巻 天野渉
(24巻)
また天野渉という今までお荷物だったモブキャラが活躍。仲間全体の一体感も出て良かった。

◯展開★4◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4.5
◯おすすめ度…85点!!!!

『BUNGO-ブンゴ-』1巻のネタバレ感想。作者は二宮裕次。ヤングジャンプ(集英社)で連載中の野球漫画。

あらすじ

主人公は石浜文吾。幼い頃から一つのことに集中するとしすぎる傾向が強い少年だった。ある日、父親から野球のグラブとボールをプレゼントされる。そして球筋を父親にホメられたことから、その日を境に野球に没頭する。

BUNGO1巻 石浜文吾は壁当て
(1巻)
ただ野球とは言っても、壁当て。一人で黙々と庭に設置したコンクリートブロックにひたすら投げ続けた。小学3年生から約3年間。毎日欠かさずずっと。理由は住んでる町に少年野球チームがなかったから。

BUNGO1巻3ノダユキオ
(1巻)
そこでひょんなことから、ノダユキオという野球エリート少年と運命の出会いを果たす。主人公・石浜文吾は当然バッターを相手にした投球をした経験がないからホームランを打たれるものの、ノダユキオの腕は痺れてた。それだけ石浜文吾の球筋が力強かった。

物語はこの二人が中学生に上がったところから。何やかんやがあって、ノダユキオが所属する強豪・清央シニアに主人公・石浜文吾が加入。シニアってことなんで、ボールは硬式球。プロ野球や高校野球と同じ。

石浜文吾という野球少年の物語?

つまり漫画タイトルの『BUNGO』は主人公・石浜文吾の名前から来てます。言っちゃえば、『NARUTO』的なノリ。だから最新号まで読めてないので何とも言えませんが、若干他の野球マンガとは毛並みが違うのかも。

甲子園があります、そこをチーム全体で一丸となって目指します、一試合一試合丁寧に描写します…という泥臭い青春よろしく展開は意外に長期化せずに、基本的なベースは一人の野球小僧の成長物語や人生?だからリアリスティックに野球をとらえて、最終的にはプロ野球を目指す感じか。脇役キャラクターは若干弱い感じもしますが、主人公をゴリ押ししていくとしたらそれでもいいのかも。

例えば石浜文吾は壁当てを3年間続けてきたせいで、当然色んな弊害や支障をきたす。バッターを立たせて投げてないので、キャッチャーとの距離感も分からない。でもそういった弊害は軽くクリアしちゃう。ずっと右投げだったのに、実は左利きだったことも発覚したり、意外にあっさり成長しちゃう。

BUNGO1巻 石浜文吾の表情
(1巻)
正直そこら辺はどうかなと思ってしまいますが、石浜文吾のめげない姿勢。打たれても次は打ち取ってやるという前向きな姿勢。しゃべり方はアホそのものなんですが、そういうキャラクターは好感が持てました。この部分をどう活かして、どう読者に受け入れてもらえるかがカギか。

野球描写は上手い方

色んな野球マンガやスポーツマンガを読んでるのか、意外に野球描写は上手い。

BUNGO1巻 野球描写
(1巻)
例えば石浜文吾がボールを投げる描写では、ボールの球がコマからボインとはみ出したり、

BUNGO1巻 野球描写2
(1巻)
ボールを投げる瞬間の、指先から弾く感じであったり、「及第点」とか言ったら偉そうだと怒られそうですが、二宮裕次の経歴は知りませんが新人さん(?)にしてはしっかり読めるかも。

総合評価

ヤングジャンプでスポーツ漫画は珍しい気はします。まだ1巻しか読めてないので何とも言えませんが10巻ぐらいまでは連載が続きそう。そこそこ人気なのか編集部から意外にプッシュされてる雰囲気も。

BUNGO1巻 マコト
(1巻)
そういえばヒロインっぽいマコトという女選手が地味にウザい。石浜文吾は最初男の選手だと思ってたものの、ひょんなことで胸をもんだら…というありがちな展開。でもマコトはそこで女の部分が開花したのか、やたらと野球が上手くなるコツを石浜文吾に教えようとベタベタ。絶対コイツ付き合ったらめんどくさそうっていう(笑)

ちなみに昨日9月18日に2巻の電子版が配信済み。来月10月19日には最新3巻が発売されます。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…82点!!!!

ものの歩1話1
『ものの歩』1話のネタバレ感想をレビュー。作者は池沢春人。少年ジャンプ42号から開始した将棋漫画。


「ものの歩」のあらすじ登場人物

主人公は高良信歩(たから・しのぶ)。ただ何事をするにも要領が悪く、めちゃめちゃ勉強しても、滑り止めの私立高校にすら受験で落ちてしまうほど。

ものの歩1話 高良信歩
(1話)
理由は発達障害。何事をするにもキッチリこなさなくては気が済まない。例えば、時間の待ち合わせでも一秒単位。

また一見すると頭の回転が遅いように見えても、実は集中力が人一倍に高いだけ。だから集中したこと以外の情報が頭に入ってこず、世界の速度が速く回ってるように見える。そのため授業で先生に当てられても考えている間に、先生がしびれを切らして別の生徒に当ててしまう。だから人と会話するのも不得手で、友達関係でも上手くいかないことが多かった。

作中では「発達障害」というフレーズは使われてませんが明らかにそれっぽい病名なので、敢えてこの記事ではそういう表現を使います。

そして高良信歩は高校入学と同時に「かねや荘」という寮に下宿することになる。ただ「かねや荘」はプロ棋士を育成するための場所だった。だから寮生たちは全員プロ棋士の卵たち。ただ高良は将棋と出会うことで才能の片鱗を見せる。そこで高良は将棋を通して人間としても成長していくストーリー。


見せ場のコマが上手い

ざっくり言うと、見せ場が上手いと思いました。

ものの歩1話 見せ場
(1話)
高良が集中してる場面とかカッコイイ。

ものの歩1話 見せ場2
(1話)
将棋の才能を開花させ、初めて寮生たちに受けいられた時の、高良が見せた安堵の表情もグッとは来ます。

ただ構図がワンパターンすぎ。さすがに左からの角度が多い。いくらグッと来る表情を描けても、これじゃあ既視感が強すぎて絵的には長く持たないでしょう。特に将棋は代わり映えしない状態が続く競技だと思われますので、もう少し色んな角度が描き分けられないと厳しいかも。


主人公・高良のキャラクター性

あと気になってるのが、主人公・高良の見た目と性格が合ってるのかどうか。例えば高良は身長がかなり高いなど、一見するとただの体育会系にしか見えない。

漫画タイトルが「もののふ(戦士)」から来てるので、別に問題ないっちゃ問題ないんですが、これだといかにも将棋をしそうなナヨナヨした主人公がいざ将棋を打ち始めると「キリリッ」と変身するギャップ感みたいなんが作れないですよね。『ハチワンダイバー』のようにバチバチ殴り合ったりするんなら別ですが(笑)

だからといって標準の状態がカッコイイわけでもなく、弱々しいわけでもなく、フェミニンっぽいわけでもなく、明るい天然っぽさもないので、パット見のキャラクターだけで読者を引き付けるのは難しそう。

ものの歩の総合評価・評判・口コミまとめ


と何やかんや書きましたが、それでも及第点だったとは思います。将棋はマイナーかつ地味な競技ではありますが、一応マンガとしては読める内容になってます。何となくですが『3月のライオン』あたりを狙ってんのかなーとは推察されます。

もちろん少年ジャンプで掲載してるのでシンプルに「勝負」描写で魅せるんでしょうが、作者的には主人公・高良の成長物語をメインに描きたいのかなーと思ったりします。

ただ地味にツッコミどころは多い。例えば、あらすじで説明したように、高良は集中しすぎる能力のせいで何個か高校に落ちる。高良は第一志望の高校に落ちて、滑り止めの私立高校にも落ちたらしい。じゃあ、高良がこれから通おうとしてる千賀高校は第何志望の高校だったんだと。そんな高校に特進コースが何故あるんだと。

他にも会話が成立しなくて中学時代は友達関係を維持するのに困難だったかと思ったら、「かねや荘」の面々とは普通に会話が成立してたり、こういうちょっとした部分ではありますが『クロガネ』と同様にすぐ打ち切りコースにはならないと思いますが、やはり二桁の大台(10巻)という壁は厚いと感じさせます。

『ケンガンアシュラ』12巻13巻のネタバレ感想。原作はサンドロビッチ・ヤバ子、作画はだろめおん。裏サンデー(小学館)で配信中の格闘漫画。1巻から7巻は既にレビュー済み最新14巻は来月10月9日に発売。ちょうどジープレネゲードが日本初導入される時期。


これまでの展開

日本経済をウラで牛耳ってるのが「拳願仕合(けんがんじあい)」。大企業の会長が一人の格闘家を雇い、そして企業同士の名誉をかけて戦う異種格闘技戦。仕合で勝てば、企業の序列が上がり、様々な権益や権利を得ることが可能。つまり利益がガッポリ儲かる。逆に仕合で負ければ、企業の利益がダダ下がり。当然、拳願会トップの会長になれば、日本経済を牛耳ったも同じ。

そこで拳願会会長の座をかけた戦いが繰り広げられる…というシンプルイズベストな展開。主人公は十鬼蛇王馬(ときたおうま)。その十鬼蛇を雇用するのが、何故か冴えない一介のサラリーマン・山下。この二人が果たして会長を目指せるのか?!

更なる詳細はケンガンアシュラが面白い理由を考察したレビューを参考にしてみてください。


底知れぬバケモノ桐生刹那の覚醒

拳願仕合はトーナメント戦。展開も特に変化球はないので、一つ一つの試合が順序良く処理されています。今どき珍しいといえば珍しいですが、その一人の一人の選手が個性的。全試合をレビューすることはしませんが、4試合ほど。

まずは桐生刹那(皇桜学園グループ)。主人公・十鬼蛇王馬の因縁の相手。孤影流の使い手。日本から古くある柔術の一つ。

一方、対戦相手の二階堂蓮(白夜新聞)もこれまで拳願仕合の裏で暗躍してきた手練(天狼衆)。天狼拳の使い手。中国式拳法の一つで、高速移動からの攻撃が得意。

でも桐生刹那は、二階堂のそれを全て上回る。ゆら~りと移動してるだけなのに、高速移動の二階堂を圧倒。そして例の衝撃をねじり込む打撃を打つ。
ケンガンアシュラ12巻 桐生刹那にやられる二階堂蓮
(12巻)
二階堂のギュルンギュルンに負傷した左腕の描写は、思わず目を背けたくなるほど。一体どんな回転力を加えたらこんなんなんねんっていう。

ただ二階堂には秘策がある。それが超強力猫騙しからの、相手の耳に呪詛を吹き込んで催眠術をかけ、完全無防備状態からの発勁。ある意味、飛び道具以上の飛び道具。
ケンガンアシュラ12巻 桐生刹那の覚醒
(12巻)
でも結果、桐生刹那の二重人格(正確には素だそう)を呼び覚ましてしまう。これまででも強くて凶暴なのに、更に強烈な阿修羅が覚醒。当然二階堂が太刀打ちできるわけもなく、最後はねじり込む打撃を心臓に打たれる。ちょっとカッコいい曙的な倒れ方。

天狼衆の動きは今後も続くようなので、二階堂は今後も登場する模様。ただ桐生刹那のトラウマで廃人っぽい役回りになるのかも。


噛ませ犬・理人の足掻き

厳密には順序は逆ですが、続いて理人(りひと)と黒木玄斎との戦い。理人は主人公・十鬼蛇王馬と同じく因縁がある相手。ただ理人は噛ませ犬的な役割が強くて、黒木玄斎戦でもそれは変わりません。要はドラゴンボールでいうところのヤムチャ。最初はいかにも強そうなキャラで登場したものの、基本的に誰かに勝った試しがないw

特に対戦相手の黒木玄斎がめちゃめちゃ強い…という設定。例えば試合が始まるまでヒマなので、壁に仁王像を素手で彫ったりする。何巻だったかは忘れましたが、それを可能としてるのがめっちゃ堅い手刀。
ケンガンアシュラ12巻 黒木玄斎2
(12巻)
作中では「魔槍(まそう)」という表現。ファイナルファンタジーで例えるならグングニル、ドラゴンクエストで例えるならメタルキングのヤリといったところか。

ケンガンアシュラ12巻 黒木玄斎
(12巻)
ただ二人のそもそものポテンシャルが違うので、理人は黒木玄斎に何度もこんな風にこかされまくり。ハンターハンターでもヒョウのようなキメラアントが同じことされてブチ切れてましたが、これは格闘家としては屈辱的にも程がある。自分の豪快なハイキックが思いっきり空振るどころか、豪快に地べたを舐める。二人の動きの大小のギャップ感が良い。

ケンガンアシュラ12巻 理人の根性
(12巻)
でも意気込みだけは負けなくて、理人が見せる格闘家としての誇り・足掻きは胸を中々熱くさせます。もちろん結果は言うまでもありませんが。


弱者・金田の生き様

13巻では金田末吉(義伊國屋書店)が登場。対戦相手はタイのガオラン・ウォンサワット(八頭貿易)。色物選手を嫌っているので、純粋に強い正統派ボクサー。一方、金田は基本的に特徴がない選手。
ケンガンアシュラ13巻 金田VSガオラン
(13巻)
だから金田はガオランに近づくことすらできず、当然のようにガオランにボッコボコにされる。でもガオランは実力差がありすぎる故に、金田へ最後のトドメは刺さない。それにブチ切れたのが金田。

ケンガンアシュラ13巻 金田の叫び
(13巻)
「ふざけんなよ!手を抜いたのか?俺が弱者だから?」
「才能がないことなんて分かってんだよ!」
「どいつもこいつも勝手に決めつけてんじゃねえよ!」
「弱者が最強目指して何が悪いんだよ!?」


この心の底からの金田の叫びにガオランは心を打たれる。戦いの場での同情は侮辱でしかない、と全力で金田を叩き潰そうとする。前述の理人と同様に熱い展開。

ただこれは金田の計算も含まれてた。

金田は相手の動きを先読みするのが得意。それプラス古武術を併用することで、圧倒的なカウンターで相手を倒すことが可能。ガオランは最後まで攻めてこないが故に、そのカウンターがおそらく使えなかった。ガオランは本気を出すとは言え、やはり金田はもう打つ手なしと侮っているはずですから、それがどういった結果をもたらすのか?

この続きは最新14巻で。


解剖魔VS解体魔

以上の三試合は圧倒的な戦力差があるもの同士の戦いでしたが、一試合だけ拮抗した展開も。それが坂東洋平と英はじめ(はなぶさ・はじめ)の戦い。

坂東洋平は、日本犯罪史上稀に見る凶悪犯。名前も見た目も普通のエリート医学生だったものの、893事務所に乗り込んで素手で全員…しちゃった。坂東洋平は死刑が何度も執行されるものの、首に縄が全然締まらず失敗が続いていた。

ケンガンアシュラ13巻 英はじめ
(13巻)
一方、英はじめ(はなぶさ・はじめ)。これまで度々登場してる医師ですが、こちらも解剖マニアという筋金入りの変態同士。実はネタバレしておくと日本政府から送り込まれた暗殺者。坂東洋平を執行台ではなく、この拳願仕合で処理するように命を受けてる。

英はじめは見るからにヒョロそう。ただ動きはすばしっこい。そして最大の武器は経穴・秘孔を打つ。言っちゃえば、北斗の拳。これだと体格差は関係なく、相手の動きを制限して仕留めることが可能。

ケンガンアシュラ13巻 死刑囚・坂東洋平
(13巻)
ただ坂東洋平、全く意に介さず!!ケンシロウのように経絡秘孔を何個も突かれているものの、それがどうかしたの?状態。例えば、英はじめは首の経穴を突くものの、却って自分の指が折られてしまう。経穴付近は基本的に鍛えようがない。何故?!

ケンガンアシュラ13巻 死刑囚・坂東洋平2
(13巻)
それを可能としたのが、圧倒的な軟体体質。厳密には関節の可動域がハンパない。軽くグロ。だから英が首の経穴を突こうとした瞬間、坂東洋平が首の骨を後ろにギュイーンと曲げたのでへし折られた。この直後の坂東洋平のセリフが怖い。「悪いが私はころす以外の倒し方を知らないんだ」。

ケンガンアシュラ13巻 英はじめ2
(13巻)
でも英も負けてない。何故なら、体内に鋭利な刀を収めてる。しかも、これらは元々自分の骨。それを削って削って磨き上げた。一体何なんだ!?w

結果なんやかんやがあって、勝負自体は坂東洋平が勝利を収める。ただ英が体内に保有しているウイルスに感染したことで、坂東洋平は瀕死の危機。これぞ試合に勝って勝負に負けた状態。ただオマケページの説明を読む限り、どうやら坂東洋平はギリギリ耐え忍んで生き延びる模様。トーナメント自体には勝利してるので、今後も坂東洋平はなんとか試合に出るのかも?

総括


『ケンガンアシュラ』12巻13巻のネタバレ感想ですが、実力差があるもの同士の戦いが多かったかも。ただ実力差があるならあるなりに、むしろだからこそドラマみたいなんを描けてたかも。もちろん格闘描写も悪くなかったですが、少し趣向を凝らしてみました的な部分もあったのか。

ケンガンアシュラ13巻 乃木グループ会長・乃木秀樹1
(13巻)
乃木グループの初見泉(はつみ・せん)と義武不動産の千葉の戦い終わりでは、企業のトップ同士の争い・裏工作も垣間見れます。乃木秀樹がどんどん渋くなってるのは気のせいか。

ちなみに乃木グループ会長・乃木秀樹は主人公を拳願仕合に参加させるように仕向けた張本人。キャラクターが多い漫画でもありますので、たまにこうやって自分で説明もしておかないと忘れる…とか書いたら、またツッコまれそうですが(笑)