バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『カツラアキラ』のネタバレ感想。原作は鳥山明、作画は桂正和。ジャンプスクエアとヤングジャンプで掲載された読み切りマンガ。『ドラゴンボール』の作者・鳥山明が原作ネームを描き、それを『ゼットマン』の作者・桂正和が作画。二人の対談はラストで後述しますが、意外に親和性が高いかも。

さちえちゃんグー!!

カツラアキラ さちえちゃんグー!!1
主人公は百地さちえ。どこにでもいる女子高生かと思いきや、忍者の末裔。性格はアッケラカンとしているものの、おしり付近にあるアザを男子からからかわれて悩んでいた。ある日、オクト星に住むという宇宙人と出会い、自分たちの星を救って欲しいという依頼を受ける。

カツラアキラ さちえちゃんグー!!3ミル一味
なんでもオクト星はミルという3人の盗賊に侵略されそうになっていた。オクト星人たちが見せてくれた成功報酬が載っているカタログに「アザやシミをなくす美肌レーザー」に釣られて、百地さちえは快諾してしまう。

オクト星人たちの宇宙船に乗り込むと、格闘ワールドカップのジュニアクラスチャンピオンのザリドも乗船していた。ちなみに百地さちえは百地二十太夫という格闘チャンピオンの娘。だからザリドは当然さちえは強くて、忍術も使えると思っていた。でも百地さちえは「まっさかー忍術なんか使えるわけないじゃん」とケラケラ。

カツラアキラ さちえちゃんグー!!3
つまりミル退治はザリド一人の肩にかかっていた!?!?プレッシャーで苦しむザリド!果たしてオクト星人たちを救えるのか!?という展開。

結論から書いてしまうと、さちえがミルたちを倒す。意外に実は強かったのかと思いきや、爆力丸というポパイでいうホウレン草を食って戦闘力アップ。ただ爆力丸は苦いので、ラーメンにして食べるという設定。さちえがそれを食べ終わった後、思わずプハー。

カツラアキラ さちえちゃんグー!!6鳥山明的バトル描写
結果、ミル一味をコテンパンにするさちえ。敵の頭を上からドンと両足で蹴る描写は、いかにも鳥山明的。それだけ相手が自分を見失ってる感があって、視覚情報以外からも伝わるスピード感を演出できます。

でもバトル描写がメインというより、どちらかと言えばオチがメイン。オクト星人から成功報酬としてカタログから選択するわけですが、さちえが最後に選択した「モノ」が感動的。

実はさちえと同行したザリドの村は、年中砂嵐が発生するような不毛の地。ザリドは一先ずの食糧を選択するものの、あくまで一時しのぎにすぎない。当然食糧を確保しようにも、緑が一切ない荒廃した土地で食物は育たない。さちえが成功報酬を選択したのは、ザリドのあと。だからザリドの村が困窮してることは身に沁みて知っている。

カツラアキラ さちえちゃんグー!!7オチ
さちえが最終的に選択したのが、カタログ表紙に載っている「緑あふれた風景」。結果ザリドの故郷は救われるというオチ。前述の「プハー」も地味にラストで生きます。結構感動的なオチなんですが、湿っぽく終わりたくない鳥山明に対して、しっかりドラマチックに終わりたい桂正和が対立してそこそこ揉めたそう(笑)

宇宙パトロールが地球へやって来た!

カツラアキラ JIYA2
主人公は宇宙パトロール・ジヤ。今まさに地球へやって来たところ。

理由は、先に地球へやって来たステスという同僚が行方不明になっていたから。しかもステスの直前の報告では「地球は救いようがない劣悪な環境」ということだったものの、実際に地球に足を運んでみると自然は豊富でキレイだった。違和感だらけの中、地球はナゾの生物・バンパに侵略されていた。果たしてステスはどこへ消えたのか?はたまたジヤは地球を救えるのか?という展開。

ちなみに画像のジヤは水を飲んでいる場面。もっと言うと、これは単なる戦闘型のスーツ。このスーツの動力源が水だけ。なんというエコなスーツ。

カツラアキラ JIYA5
じゃあ、ジヤの本体がどんなんかというと小さいクリオネみたいな浮遊生物。かなり頼りない見た目ですが、人間にも寄生することが可能。そうすると人間に潜在する最大限のパワーを使え、10メートル以上もジャンプすることが可能。

キャラクターはジヤ以外にもいて、それが金持ちお嬢様・紅谷楓と、その使用人である十文字幸男。序盤、ジヤはこの十文字に取り憑くことでナゾを解明していきます。

というかクリオネ風のジヤのセリフが既にネタバレしちゃってますが、行方不明になっていた宇宙パトロール・ステスが謎の生物・バンパに寄生してる状態。バンパは名前の通り、バンパイア。人間の血を吸って生きてる。宇宙パトロールは清廉潔白な存在。どんな欲望も悪と認識し、質素に生きる高貴な存在。でも人間やバンパに取り憑くことで「欲望」「快感」の魔力に取り憑かれてしまう。結果ステスは人間狩りを楽しんでいる状態。

カツラアキラ JIYA4
もちろんジヤも十文字に寄生したとき、夜のお姉さんにお世話になって快感のトリコになってしまうことも。掲載誌がヤングジャンプだけあって、鳥山明もまさかのド下ネタをぶっこんでくる!このあとフィニッシュまで行くものの、ジヤの場合は理性が勝って暴走することはありません。

他にも味気ない飲み物や食べ物しか口にしたことがない。だからお嬢様・紅谷楓がお酒を飲んでいるのを知ると、
カツラアキラ JIYA3
「これは水じゃないじゃないか!」と激怒して、ジヤが思いっきりド突く。鉄拳制裁にも程がある。というか、このマッスルスーツで殴ったらアカン。よく楓の頭もパッカーンしなかったなと。

ストーリーとしては言うまでもなく、ジヤがバンパに寄生したステスと戦う。ただスーツの動力源である水を補給し忘れた。そこで紅谷楓のお酒をスーツに投入。
カツラアキラ JIYA7
一瞬スーツが壊れるのかと思いきや、酔拳でステスを倒すジヤ。ベタっちゃベタなオチ。

カツラアキラ JIYA8
ジヤの攻撃の避け方が完全にコミカル。ただ画力は★5にしてますが、ちょっと効果線が多めかも。

とりあえず「さちえちゃんグー!!」よりバトル描写がメインな感じ。

総合評価

アクション+笑い+少しばかりの感動がバランス良くミックスされた読み切りマンガ。意外に絵柄が合っていて、ネームと作画が逆パターンでもイケるかも。鳥山明と桂正和がタッグを組んだ試み自体が面白かったので、大体+3点4点ほど加点した上での点数になります。だから内容的には「そこそこ」といったところ。

カツラアキラ 鳥山明と桂正和の対談1
ただ、あとがきに鳥山明と桂正和の対談が載ってるんですが、これがなかなか貴重。昔から二人は仲がめっちゃ良いらしく、例えば少年ジャンプで連載していた現役時代も、2時間以上ずっとお喋りしてたこともあったとか。こういったエピソードトークもファン読者からしてみたらヨダレもの。

『カツラアキラ』を読んで思ったのが、もっと大物マンガ家同士のコラボレーションを見たいということ。出版社同士の垣根を超えるとなると更に難しいんでしょうが、大物漫画家だからこそ「鶴の一声」を発してほしいなと(笑)



◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★5
◯おすすめ度…85点!!!!

『メジャーセカンド』2巻のネタバレ感想。作者は満田拓也。少年サンデー(小学館)で連載中の野球マンガ。いわゆる『MAJOR』の続編。主人公は茂野吾郎の息子・茂野大吾。そして佐藤寿也の息子・佐藤光が登場します。この二人が再びバッテリーを組む?!的な展開。

佐藤光はピッチャーの才能あり?

前作『MAJOR』を簡単に説明しておくと、茂野吾郎はピッチャーだった。そして佐藤寿也はキャッチャーだった。だから吾郎の息子・茂野大吾がピッチャー、寿也の息子・佐藤光がキャッチャーになるかと思いきや、実は違う?

MAJOR 2nd 2巻 佐藤光1ピッチャーを目指すメガネの描き方
(2巻)
佐藤光はピッチャーを目指すと言い出す。実際、肩が強くてピッチャーとしての素質は十分。ただ球威はあってもノーコン。ちなみにメガネの描き方が上手い。

MAJOR 2nd 2巻 佐藤光4ノーコンの原因
(2巻)
それもそのはず、ボールの握り方が鷲掴み。そもそも佐藤光は野球経験すらなかったので、基本的なルールやコツすら知らなかった。今の時代はすごく便利。ネットでポチポチ野球の上達法を調べると、それだけで一気に上達。

一方の茂野大吾は野球への情熱はあったものの、野球選手としての才能はなかった。致命的に肩が弱い。
MAJOR 2nd 2巻 茂野大吾の弱すぎる肩
(2巻)
もう野球を辞めようとグローブを川へ投げ捨てるんですが、全然遠くへ飛ばずにまさかのグローブが出戻ってくる。ただグローブがビチャビチャに濡れただけ。背中が切なすぎんだろ!でも佐藤光と出会ったことで野球だけはとりあえず続けてる状態。

MAJOR 2nd 2巻 佐藤光3提案
(2巻)
そこで佐藤光が茂野大吾に「これといって目指すポジションがないならキャッチャーやればいいじゃん」と提案。「磯野ー野球しようぜ!」と誘う中島くんばりに軽いノリ。僕が投げるから君が捕球してよってこと。でもキャッチャーも肩の強さが重要。盗塁してくる相手選手をアウトにするため、豪速球を投げる必要がある。当然ダメよダメダメと拒否する茂野大吾。

MAJOR 2nd 2巻 佐藤光5動機
(2巻)
ただ佐藤光からしてみたら、野球選手として向き不向きかどうかより、試合の勝ち負けよりも、自分が投げた球を大吾に捕って欲しかっただけ。純粋な子供心。とにかく体面ばかりを気にする大吾に「恥をかいてもいいじゃない。大吾くんはさ、いい加減そういうの気にするのやめなよ」と圧倒的な余裕を見せたりもする光が、完全に小学生に見えません。

佐藤が引っ越してどうなる?

とりあえず、そんなこんながあって主人公・茂野大吾はキャッチャーを目指すことになります。

MAJOR 2nd 2巻 佐藤寿也1
(2巻)
そこで師事したのが佐藤光の父親・寿也。グラサンがティアドロップで胡散臭さ抜群。大吾も最初は「コーチ気取りの草野球ジジー」と口の悪さ全開。ただ偶然出会ってということではなく、大吾の母親である薫の口添えしてくれた。

大吾は相変わらず才能はないみたいですが、寿也の教え方も上手いのか、キャッチャーの面白さに徐々に目覚めていく。
MAJOR 2nd 2巻 佐藤寿也2
(2巻)
そんな大吾を見て、思わず寿也もテンションが上がる。キャッチャーは地味なポジションなので、自分と同じ気持ちを共有してもらえる機会が少ない。マイナーな趣味を持ってる同系統のオタクに出会った的なノリか。

つまり佐藤光が野球経験がなかったことを含めて、佐藤寿也は息子・光をキャッチャーとして育てたい願望はあるものの、それが実現していないことが伺えます。1巻でも触れられてましたが、佐藤寿也は離婚して息子・光と離れ離れになって久しい。

そんな状況で主人公・茂野大吾を教えてる佐藤寿也が、バッティングセンターで息子・光とばったり遭遇してしまう。光は大吾に対してアッケラカンに余裕しゃくしゃくの態度を見せてましたが、父・寿也に出会ったときはテンション激下がり。伏し目がちで心ここにあらず的な表情。
MAJOR 2nd 2巻 佐藤光が引っ越し
(2巻)
そして、佐藤光がまさかの突然の引っ越し。せっかくキャッチャーとしてヤル気が出てきた吾郎だったものの、その球を投げてくれる光が消えてしまった。果たして二人の運命は!?という展開。

総合評価

『メジャーセカンド』のストーリーは基本的に進みそうで進まない。ストーリーとは当然、茂野大吾が父・吾郎のように、野球選手として成り上がっていく物語。でもこの記事を読んでもらったら分かりますが、やっとポジションが定まったのかと思いきや、佐藤光の引っ越しでオジャンになった雰囲気。

つまり野球描写は相変わらずほとんどありません。もちろん、今回は「思春期の二人の揺れる心」みたいなんがメインだと思うので、父・寿也との因縁もいずれ描かれるでしょうから、そういった側面から読むとそれなりに面白い。でも前作のようにゴリゴリの野球マンガを期待して読み始めると、「あれ?」となるかも知れないので注意。

野球の日本シリーズの対戦カード(ヤクルトVSソフトバンク)が決まったので、何となく野球マンガをレビューしてみた。ちなみに個人的にプロ野球に興味はありませんです。



◯展開★3.5◯テンポ★5
◯キャラ★4◯画力★4.5
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…84点!!!!

『僕らはみんな河合荘』7巻のネタバレ感想。作者は宮原るり。ヤングキングアワーズ(少年画報社)で連載中のラブコメ漫画。

あらすじ

主人公は宇佐。高校1年生。両親が転勤したことをキッカケに、高校を転校するわけにはいかず、そこで一人暮らしを始めることになる。とはいっても、河合荘というアパートで共同生活にほぼ近い。

そして、そのアパートで出会ったのが、もとい既に学校で遭遇済みだったのが、河合律という女の先輩。読書好きでショートカット。少し取っ付きづらいけど、根は優しい美少女。最初はギクシャクする二人だったものの、次第に打ち解け合って宇佐も河合律も良い感じに…という青春ラブコメ。他にも錦野麻弓など酒乱な同居人など、ドタバタコメディ要素もたっぷりだったりします。

僕らはみんな河合荘7巻 高橋先輩
(7巻)
6巻では高橋という男の先輩が河合律と仲良く談笑することが増え、思わず宇佐が嫉妬。二人の仲にひと波乱が発生?という場面から7巻は始まります。

すれ違いからの仲直り

とりあえず主人公・宇佐が一方的に河合律と距離を置きたがる。高橋という先輩と本について楽しくお喋りしてる光景を見ると切なさと怒りだけが込み上げてきて、つい河合律に辛く当たってしまう。やっぱり好きな女の子が男子と仲良く喋ってると、それだけですごく不愉快になっちゃいます。

だから二人の関係はぎこちなくなるものの、河合荘に一緒に住んでる以上は顔を合わせなければいけない。あまり不自然に接するのはいけないものの、そう意識すればするほど不自然な行動を取ってしまうのが人間。
僕らはみんな河合荘7巻 ギクシャクする二人1
(7巻)
そこで二人は頭をごっちんこ。関係ないですが女子高生の髪の毛って柔らけーんだろうなー!(遠い目)

僕らはみんな河合荘7巻 ギクシャクする二人2
(7巻)
そして宇佐は罪滅ぼしとばかりに、「俺なんて壁でいいっす」と何度も壁に頭を打ち付ける。河合律は河合律で、「じゃ私も」とそこに乗っかる。テンパってると訳分かんない行動に出ちゃいますが、さすがに一体コイツラ何なんだと!w

でも最終的に二人は仲直り。結論を書いておくと、河合律が高橋という先輩とシャベルには明確な理由や意図があった。それが宇佐が好きそうな探偵小説を高橋が詳しそうだったから。つまり河合律は宇佐のために、宇佐と本の話で盛り上がるために情報収集的なことを頑張ってた。健気やんかいさ!

宇佐はもちろんそんなことを知らない。また河合律のコミュ障っぷりも重なって、怒り気味に「ハッキリ言ってください」と河合律に迫ってしまう。
僕らはみんな河合荘7巻 ギクシャクする二人4
(7巻)
そこで出たセリフが「嫌いにならないで」。なるわけないですやーん!!表情も含めて、これは反則的!おそらく実写ドラマでこの良さを表現するのは困難でしょう。まさに二次元ゆえの特権。

僕らはみんな河合荘7巻 ギクシャクする二人3麻弓
(7巻)
麻弓という酔いどれのオバサンが宇佐に発破をかけた場面も良かったんじゃないでしょうか。

可愛すぎる壁ドン

高橋先輩がひと波乱を招いたクダリでは、宇佐だけではなく河合律も誤解してしまう。それが「壁ドン」。色んな行き違いがあって、宇佐が女友達に壁ドンしたらしいという情報を掴む。そこでまず怒りがメラメラする河合律。でも間が悪い時は、とことん間って悪くなるもんです。

僕らはみんな河合荘7巻 壁ドン1
(7巻)
河合荘に帰宅した直後、河合律が更に目の当たりにしたのが、さやかという住民に壁ドンしてる宇佐。ちなみに宇佐は「壁ドンしたわけじゃなく、たまたまこうなったんですよ」と説明してるだけ。そんな説明すらきっと受け付けてくれないほど、河合律の表情が激おこプンプン丸状態。口のカタチがこれぞ「ヘ」。

ただ前述の通り、そういった誤解も解けて二人は仲直りする。そしてこれまでのように本の世界に仲良く入る二人。会話はもちろん不要。そこで宇佐は気疲れも手伝ってか、壁にもたれかかりながらスヤスヤと眠りこけてしまう。

それを見た河合律がシメシメと思ったかは不明ですが、どういった行動を取ったかというと…
僕らはみんな河合荘7巻 壁ドン2
(7巻)
まさかの壁ドン返し!可愛すぎるだろオイ!鼻息フンは反則だろ!口のカタチはさっきと同じく「へ」なんですが、ここまで与える印象が違うとはw

実は宇佐はタヌキ寝入りしてただけ。河合律の鼻息にヤラれたのか、思わず「なんだアレ」と顔を抑えながら身悶える。確かにコレはヤバイ。河合律は仕返ししてやったぜ的なシメシメ顔で鼻息フンなんですが、全然仕返しになってねーっていう。上戸彩や綾瀬はるかに腕ひしぎ十字固めされてるようなもん。柔らかいとこ当たってるー!っていうw

ちなみに、オチはその身悶える宇佐の背後に…という軽くホラー系。

卒業文集が地獄絵図?

その後、主人公・宇佐の母親からメロンが送られてくる。ただ何故か中学の卒業文集も一緒に入ってた。その卒業文集には、青臭いJポップ風の歌詞が書かれていた。一同は大爆笑。そこで河合荘のメンツの卒業文集も見てみようという流れに。

僕らはみんな河合荘7巻 河合律の卒業文集・マイメロディ
(7巻)
ヒロイン河合律の卒業文集にはナゾの得体の知れない絵が(画像右下)。夢にこのキャラが登場したら絶対泣く。ちなみに、このキャラクターはマイメロちゃん。耳がピンとそびえ立つごと山のごとし!!おすすめ本も「正しい後悔の仕方」とか「優しい唄が終わる頃」とか、いろいろと残念すぎるよ!!

僕らはみんな河合荘7巻 林さやかの卒業文集
(7巻)
林さやかというキャラクターの卒業文集もやっぱり痛め。「平凡で心安らぐ日々を送りたい」ってお婆ちゃんか!そもそも世界もその願望を望んでるよッ!!どんな闇世界を想像してんだよ!これでもまだマシな方らしいw

総合評価

相変わらず河合律は可愛らしかった。怒った顔も泣きべそをかいた顔も、子猫のように可愛らしい。でも実際に付き合ったら色々と大変そうですが。

画像は貼ってませんが、旅館組合で祭で周辺の観光需要を盛り上げようと戦国コスプレで行列をなして練り歩こう的な展開になったとき、椎名という女の子が衣装がピチピチだったのでお尻が軽くポロリンチョ。それを隠すために、河合律がまさにひと肌を脱ぐ。このとき河合律のキャミソールからの脇チラ!があります。興奮するってもんでもないですが、是非実際に確認してみてください。



◯展開★3◯テンポ★4
◯キャラ★5◯画力★5
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…89点!!!!

『神様の言うとおり弐』14巻のネタバレ感想。原作は金城宗幸、作画は藤村緋二。少年マガジン(講談社)で連載中のサバイバル漫画。神様を自称する連中が究極のサバイバルゲームに青少年たちを巻き込むというストーリー。14巻は主人公・明石の親友・青山が記憶を取り戻した場面から。

天邪鬼迷宮の結末

13巻から始まったゲームが「天邪鬼迷宮」。とにかくルールが天邪鬼。「出るな」というルールは「出ろ」という意味。でも単純に、逆に解釈すればいいだけ。迷宮には色んなサブゲームが用意されていて、そこをクリアするごとに「鍵」をゲットできる。

でも迷宮は相当長い。果たしてクリアできるのかと考えた明石や青山。そこで入口に書いてあったルールを思い出す。「カギをあつめて突破したならおわり」。つまり入り口こそが出口だった。意気揚々と入り口に向かう明石たちだったんですが、もう一つの肝心なことを忘れていた。それが「カギを持ち込んではいけない」ということ。

神様の言うとおり弐14巻 狸鍵危機一髪
(14巻)
そして新しいゲーム「狸鍵危機一髪」が始まる。黒ひげ危機一髪的なゲーム。鍵穴は、ちょうど明石たちが持っているカギの+1個分。その1個分が大当たり。つまり天邪鬼的に解釈すると、その穴に差し込んでしまうとアウト。連続でセーフの穴に刺し続けなければいけない。

神様の言うとおり弐14巻 青山
(14巻)
明石と青山は交互に刺していく。かつて二人は同じサッカー部員でコンビを組んでいた。パサーとストライカーという関係。その当時が自然と思い出され、熱く語らい合いながら無事全員生き残れそうな雰囲気に。

神様の言うとおり弐14巻 明石2
(14巻)
ただやはり青山がお亡くなりになります。画像は青山の思いが託された明石の表情。でもやっぱりどうせ消えるんだろ…という思いが常にあるマンガですので、特に意外感はなし。青山が「サッカーしようぜ!明石!」というコマなんかを見ても、既に死亡フラグがビンビンでしたから。

主人公・明石の決意と覚悟

親友・青山の死によって、で明石は確固たる覚悟が生まれる。これまでも「チームの為に犠牲なれ」という青山の言葉を思い出してゲームに挑んできた。もっと言うと「どう死ぬか」を考えてた描写が多かった印象。

神様の言うとおり弐14巻 明石1
(14巻)
でもようやく「生きる」ことを考えだす明石。

神様の言うとおり弐14巻 明石のマジ表情
(14巻)
後述する三国ドロケイというゲームでは、もはや「(自分は)死なねぇ」とまで豪語。覚醒した表情というか、主人公・明石の大きな転換点となる巻だったのかなと思われます。

三国ケイドロ開始

神様の言うとおり弐14巻 三国ドロケイ
(14巻)
次のゲームは「三国ドロケイ」。作中では「三国ドロケイ」とありますが「ケイドロ」の方が一般的な名称っぽいので、この記事ではケイドロという表現を使ってみます。特に他意はありません。

日本人以外からもプレイヤーが集められて、太陽の国・月の国・星の国の三国に分かれて戦うチーム戦。規模が大きくて、各々のチームには合計1200人のメンバーが集結。ケイドロのルールは敵の背中にタッチすると牢屋に入れることが可能。言っちゃえば、単なる鬼ごっこ。

ただ、1200人それぞれにはジョブ(役職)が用意される。ソルジャー(兵士)、スナイパー(狙撃手)オペレーター(通信士)、キーマスター(鍵使い)、スパイ(詐欺師)。

そして、キング(王)。各国に一人だけしか存在しない唯一のジョブで、キングが処刑されると他の1200人は全員道連れでアボーン。これが勝利の条件。このキングに選ばれたのが、主人公・明石。ちなみに月の国の王様。太陽の国王リリィはガチムチのマッチョ、星の国王ファトマは予知能力がある不思議少女。

個人的にはスパイとキーマスターが重要になってきそうな感じがします。スパイは敵国に潜入する役割を担っていて、国の内部から破壊することが可能。キーマスターは牢屋のカギを開けることが可能。牢屋は一定時間ごとに、上から天井が落ちて捕まった敵が押し潰される。

最近の少年マガジンをチラッと読んだら、明石が敵国に捕まって牢屋に入ってましたが、果たしてどうなることやら?

総合評価

これから明石が何か「しでかして」くれそうな気配もしますが、アジャラという必殺技と同じで放りっぱなしになる可能性もありそう。明石のアジャラも青山とコラボするのかと思ったら、結局何も起きずじまいでした。青山は明石を覚醒させるためだけに生かされてたって感じでしょうか。

神様の言うとおり弐14巻 メルト・カルカヴァン
(14巻)
ケイドロではメルト・カヴァンというスナイパーが活躍するような前フリですが、いかにも消えそうなフラグもビンビン。前職は曲芸ピエロらしいので、敵国のスパイという可能性もあるのか。

神様の言うとおり弐14巻 三国ドロケイの場所
(14巻)
ケイドロの範囲は東京の山の手線内。ただ1200人という人数の規模然り、そこまで大規模感はありません。日本人以外の外国人も投入してきましたが、14巻の段階ではそこにあまり意味は感じません。



◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★3.5◯画力★4
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…82点!!!!

『5時から9時まで』1巻から10巻のネタバレ感想。作者は相原実貴。Cheese(小学館)で連載中の恋愛漫画。現在フジテレビ系で実写ドラマ化もされてます。主演はジャニーズの山P下だそう。

あらすじ

主人公は潤子(ジュンコ)。英会話講師として働くものの、気付けば結婚適齢期の27歳間近。自分では「まだ27歳」と思ってるものの、周囲の女友達は「もう27歳」と発破をかけてくる。でも潤子には「これから海外で仕事をして国際結婚をする」という夢があった。ただ彼氏はいなかったので、心配した母親が勝手に見合いをセッティングされてしまう。

5時から9時まで1巻 星川高嶺の強引さに負ける潤子
(1巻)
そこで出会ったのが、僧侶の星川高嶺(ほしかわたかね)。高身長でイケメン。実家もお金持ち。そして僧侶なのにハゲてない。まさに言うことなしですが、ジュンコは「海外で働く」という将来の夢があるので、いくら男性として魅力的でもお寺に嫁ぐのは難しい。

星川高嶺に魅力に負けて何度か身体を許すものの、自分の夢と結婚を天秤にかけて揺れ動く女性を描いた恋愛マンガになってます。

星川高嶺という煩悩まみれのお坊さん

ただ星川高嶺という男が、とにかくトンデモキャラ。お坊さんと聞けば、常識的で相手のことを思いやれる優しい人間とつい思いがち。でも星川高嶺は全然違う。

5時から9時まで1巻 強引な星川高嶺1
(1巻)
ジュンコは遠回しに縁談を断ってるのに、星川高嶺は「尊敬する住職が決めたご縁、これもまた修行のうち」と全然聞き入れない。「お前と結婚するのは修行」と言われたら、女性的にはムカちんでしょう…というか、むしろ「結婚は修行」と旦那さんに言いたい既婚女性の方が多そう(笑)

とにかく星川高嶺は強引。最終学歴は東京大学だけあって、自分の考えが絶対的に正しいと思い込んでる節がある。だからこの縁談を断るジュンコの考え方が間違っていると本気で考えてる。
5時から9時まで1巻 強引な星川高嶺2
(1巻)
そこで出たセリフが「あなたの誤った行き方を改めさせねばなりません」。これまでの人生を全否定!もはや傲岸不遜というレベルを超えてる。

まだこういう鼻につくセリフだけならいいんですが、行動がちょいちょい暴走しまくり。

例えばジュンコが職場の英会話教室で正社員昇級試験を受ける。もし正社員になれたら海外勤務できるから。ジュンコは意気揚々と試験を受けて、結果はトップ合格。当然これから海外勤務できるかと思いきや…
5時から9時まで4巻 星川高嶺が無理やり試験を落とす
(4巻)
星川高嶺がコネや権力を使って、ジュンコを不合格にさせてしまう。「実力を試したいと言ったから試させてやった。それが確認できたんだから満足でしょ?」という理屈なんですが、軽くサスペンス。笑顔が怖えーよ!!!てか、そういうことじゃねーよ!!例えば大学受験で、成績はトップだったのに大学には入学できないみたいなもん。

また2巻にかけてはジュンコを自分の寺に閉じ込めてしまう。「あなたを放しておくと気になって何も手に付かない、拒まれても構いません、出て行かれるくらいならここから出さない」。やっぱコイツこえー!!

5時から9時まで6巻 星川高嶺「人の痛みを分かれ」
(6巻)
そして星川高嶺は言うに事欠いて、「あなたは人の心の痛みを思いやるべきです」とジュンコを叱りつけることも。確かに主人公・ジュンコが星川に当て付け的に、他の男と寝たのが原因とはいえ、一体どの口が言ってるんだと(笑)

最初は修行と表現してたものの、兎にも角にも星川高嶺はジュンコにベタ惚れ。ジュンコの笑顔に惚れたそう。でも表現方法が稚拙で強引。おそらく人生で一番最初に芽生えた本気の恋愛?だから今までに抱いたことがない感情が、星川高嶺の中でふつふつと湧き上がっていく。同時に溢れ出る性欲を抑える自信もない。

10巻だと「目を閉じるとジュンコさんの顔しか浮かばない、なんという不心得者、あの豊かな胸が…あの美しい肌」といったセリフからもそれが読み取れます。そういえば「27歳はオバハン」という前提で描かれてる恋愛マンガですが、顔の肌はまだしも肉体は意外にピチピチだったりしますよね。

7巻だと「私のことをもっともっと知りたいと思ってください」というセリフは物言いがシンプルで直球。高圧的だけど、どこか紳士的。強引だけど、あまり押し付けがましくないのが良い?前述の事件まがいのことさえなかったら素直にキュンキュンできる女性読者は多そう。

ジュンコが三嶋という男友達と朝帰りしたときは、星川高嶺は三嶋のマンションまで乗り込んで「帰るところを間違えていますよ」と手を差し伸べる。得体の知れない余裕っぷりに女性はキュンキュン来る?個人的には宣戦布告にも近い不遜さに笑ってしまいました(笑)

5時から9時まで7巻 星川と潤子がイチャコラ
(7巻)
愛情表現が下手というか稚拙かと思ったら、ジュンコに平気で耳攻めをやったり、星川高嶺は実践的なプレイの方は意外にこなれてる。まさに煩悩の塊。

一緒にお風呂に入ったときは、電気を点けたがる。世の中の女性はイヤという方も多そうですが、「消したら見えなくなるじゃありませんか〈星〉」「く…恥ずかしくて死ぬ…〈ジュ〉」「死なれたら困ります…ふふ…大丈夫ですよ私が隠しますから〈星〉」といったやり取りには思わず失笑。コイツラ一体なんなんだと(笑)

『5時から9時まで』のストーリー的には、とりあえず二人は何だかんだ良い感じに収まっていく。
5時から9時まで10巻 星川高嶺の弟天音が衝撃告白
(10巻)
最新11巻へ続く展開としては、星川高嶺の弟・天音がジュンコを寝とる。この兄にして、この弟あり。ただ、これはウソ。確かにそれに近い行為はあったものの、実際にはヤってない。でも少なくともジュンコ側は「ヤった」と思ってて、星川高嶺はジュンコを詰問することは請け合いですので、また一悶着がありそうな波乱の展開。

腐女子・山渕百恵の方が実は人気?

ちなみにジュンコ×星川高嶺以外にもカップルがいる。それがジュンコの同僚・山渕百恵というアラサー腐女子。そして相手は同じく同僚のアーサー・フィリップ・ラングという白人イケメン。

5時から9時まで9巻 人気投票で山渕百恵が人気
(9巻)
なんとキャラクター人気投票では、その山渕百恵が主人公・ジュンコを差し置いてまさかの一位人気。

確かに、この理由も分からなくもない。何故なら、ジュンコは色んな男に言い寄られては、すぐ股をパッカーと開いちゃう。そのことが更に事態を複雑化させる。言っちゃえば、ただのアバズレ。星川高嶺のキャラが目立ちすぎるのでアレですが、意外にジュンコも救いようがない。

一方、山渕百恵は恋愛に不器用。アラサーという年齢を考えるとやや極端な設定でもありますが、要は経験がない。BL好き(腐女子)という趣味も偏ってはいますが、多かれ少なかれ他人には言いづらい趣味を持ってる女性も多いはず。だから世間一般の女性像に一番合致するのが山渕百恵かもしれない。読者の共感度が高いのも頷けます。

例えば自分が恋愛未経験であることがコンプレックス。それがバレないように下手にツンケンしすぎる傾向がある。男に普通にリードされておけばいい場面でも、キョドって拒否しちゃうことがある。

5時から9時まで5巻 山渕百恵1
(5巻)
逆にアーサーは恋愛経験が豊富で、どんな女性でもなびいてきた。山渕百恵の母親も口説いたりするチャラ男。それ故に簡単に落とせない山渕百恵に手こずる。それを歯がゆく感じてる内に、いつしか本当に恋愛感情が芽生えてきたという王道パターン。

最初は完全無比のスーパーマンに見えたアーサーも、山渕百恵のスーツ姿を先に生徒の自衛官のおっちゃんに見せて嫉妬したり(8巻)、次第に良い意味でホコロビを見せていく。

だからアーサーは山渕百恵の態度が全て駆け引きに見えてしまうため、テクニックではテクニックで返す傾向がある。いわゆる、押してダメなら引いてみろ的な態度を取ったりする。でも逆に経験が少ない山渕百恵は、アーサーが思わせぶりな態度を取ったり取らなかったりという言動に混乱する。結果、二人の恋愛は成就しそうで成就しない。

5時から9時まで8巻 山渕百恵が泣きべそ
(8巻)
ただ最終的に山渕百恵は背伸びすることを止めて、自分の本心を半ベソになりながら吐露する。素直に「私はどういう行動を取れば正解なんですか?」と訊いてしまう。そしてアーサーが「I think I love you.」と返す。しっかり直接的な意志を伝えて告白する。この場面には思わずキュンキュンしました。

この凸凹カップルっぷりに多くの読者がハマってるのかも。

総合評価

とにかくクレイジーな男キャラたちが登場。星川高嶺だと、まさに天然な唯我独尊なイケメンクソ坊主。他にも高嶺以外だと、蜂屋という高校生のくせに大富豪というイケメンとか。

その中で唯一まともそうな男が三嶋。ジュンコの男友達。ジュンコをずっと好きだったものの、星川高嶺に奪われてしまう悲劇な男。ただジュンコの態度は曖昧でグズグズしてる部分もあって、それが三嶋に変に気を持たせて少しおかしくなっていく。
5時から9時まで9巻 三嶋が待つ発言
(9巻)
最終的に「俺以上におまえのせいでおかしくなってる男っていないんじゃね?」と冷静に考えると、かなりストーカーっぽいセリフをジュンコ本人に伝える。見た目が見た目なら、この時点で逮捕w

こんなことを言わしめる、ジュンコはまさにトンデモない罪作りな女。でもこれを「大人の恋愛」と表現するとしたら、『5時から9時まで』という恋愛マンガは「大人向け」なのかも。

5時から9時まで4巻 大人だって告白されたい
(4巻)
例えばジュンコの「大人だってちゃんと告白されたいんだよ」というセリフは共感できる女性も多そう。肉体関係には発展することがあっても、それがズルズルと曖昧な関係が続くだけ。肉体的に結びついてる間は安心できるものの、いざ振り返るとお互いどういう関係性であるかはモヤモヤしてる。

だからハッキリとした言葉や指輪といったモノを女性は欲しがる。中途半端に経験を積んだ女性…いや全ての女性に通じそうな苦悩が読み取れます。とはいえ、ジュンコは読者が共感できるキャラクターというより、やはり一歩退いて見て楽しむタイプかなって個人的に思いました。実際にはいそうでいないタイプかなと。

まあ色んな狂気に満ちた男キャラクターを楽しみたい方ならどうぞ、って感じの恋愛マンガ。星川高嶺に関して言うと、お坊さん自体がそもそも昔から煩悩まみれというイメージがあるので、実写ドラマで演じる山下智久を含めて、どこまでギャップ感を演出できる設定かは疑問も残りますが。

既に『5時から9時まで』最新11巻は先月9月末に発売済み。



◯展開★3.5◯テンポ★3.5
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…84点!!!!

『アシガール』1巻から6巻のネタバレ感想。作者は森本硝子。ジャンルはラブコメありーの、歴史モノありーの、SFモノありーのな漫画。

あらすじ

時代は1559年(永禄二年)。その時代はいわゆる、日本が戦に明け暮れていた戦国時代。黒羽城の城主・羽木忠高の嫡男・九八郎忠清(以下、若君)も、戦に明け暮れる1人だった。ルックスは今でいうイケメン。

ただ主人公は速川唯16歳。足の速さだけが取り柄の、フツーの女子高生。ただ速川唯の弟・尊は天才児だった。ある日、その弟・尊がタイムマシンを開発。そんなことを知らなかった速川唯はタイムマシンのスイッチを起動。まさか戦国時代へタイムスリップ。前述の若君と出会い、速川唯は人生初の一目惚れをしてしまう。

アシガール1巻 唯之助1
(1巻)
そして唯之助として、速川唯は戦国時代を生き、若君のために生き抜くことを誓うのであった。果たして、この恋は実るのか?無事、戦乱の世を生き延びることができるのか?みたいなストーリー。

速川唯(唯之助)のキャラクターがおもろい

『アシガール』の見どころは、とにかく主人公・速川唯こと唯之助のキャラクターが面白い。足が速すぎて、余裕で走ってる馬に追い付く。お前はウサイン・ボルトか!

アシガール1巻 唯之助3
(1巻)
初めて若君に出会った時の表情がコチラ。目がハートマーク。口のカタチも絶妙にアホっぽい。というか、「んんんんんん」が多すぎ。女子高生だから許される表情で、オッサンがこんな表情を浮かべたら状況によっては逮捕されそう(笑)

アシガール1巻 唯之助2
(1巻)
そして合戦で若君と再会したときは、ここぞとばかりに覚えてもらうために自分の名前を何度も連呼。さすがに「うるさい!」と叱られるものの、「唯之助」と呼ばれると「よっしゃ名前を覚えてもらった」とガッツポーズ。自己アピールの場違い感がハンパない。それだけ若君に対する恋の猪突猛進っぷりが微笑ましくもあります。

若君には色んな女性が言い寄ってくる。権力や家柄だけではなく、今風で言うとイケメン。閨(ねや)と呼ばれる寝室にお偉いさんの娘が送り込まれる。そこで若君がチョメチョメ的なことをやっちゃう。言っちゃえば、当時の貴族用のラブホみたいな感じ?当然、ピュアバージンの唯之助は許せない。
アシガール2巻 唯之助
(2巻)
自分が代わりに若君の閨(ねや)の相手になるため、まさかの弟が作ってくれたスタンガンみたいなんでバチバチ。この時の唯之助の表情がわっるい顔してる。愛する男性のためなら、どんなことだってしますわよ。

アシガール3巻 尊の開発をぶっ放す唯
(3巻)
合戦の最中も「させるかごるあアアア!!」とそれをぶっ放す。ハチャメチャにも程がある。

若君が途中瀕死の重傷を負ったときには、若君を現代にタイムスリップさせてしまう。歴史が下手すると変わってしまうので、絶対やっちゃダメ。しかもタイムスリップできるのは一人だけ。満月の夜だけ。だから若君を現代に送ってしまったら、逆に自分が現代に戻れない。それを承知で愛する人のために無我夢中で行動する姿勢は素直に好感が持てます。

こんなこともあって唯之助の両親からしたら、何度もキケンな戦国時代にタイムスリップするのは止めさせたい。でも唯之助の若君に対する愛情は本物。「必ず帰ってくる」と約束させることで、両親はしぶしぶ了承。
アシガール6巻 楽観的すぎる唯之助
(6巻)
でもタイムスリップ直前に「帰って来なくても心配しないで。だって若君と首尾よく結婚できたってことだから」…ってコイツ前言撤回すんの早ええー!!若君のことしか見えてねーー!!両親がふびんすぎる。

アシガール4巻 九八郎忠清の現代服1
(4巻)
ちなみに現代にやって来た若君が、現在の服装を着るとこんな感じでイケメンさん。

結果的に若君は再び戦国時代に戻ってくる。唯之助は若君の命を救ったヒーローとして、若君の父に賞賛される。当時は苗字は誰でもあったわけじゃないので、褒美として「林勝馬(はやし・かつま)」という名前をもらいます。そして若君の父から「めでたい日だから踊りを見せよ」という無茶ぶりもされる。
アシガール5巻 ムーンウォークする唯之助
(5巻)
でもそこで唯之助が踊った踊りがムーンウォーク!日本の戦国時代にまさかのマイケル・ジャクソンが蘇る。現代でも相当驚いたダンスだっただけに、昔の日本人であれば驚きはひとしおでしょう。ドヤ顔で何度も「ポウ」をかます唯之助が憎たらしい。

時空を超えた恋愛ストーリー

こんな唯之助のことを若君が好きになるかというと、しっかり好きになる。裏表がなく、自分に向かってくる直情的な姿勢は個人的にも好感が持てる。確かに女性としての魅力は欠けるものの、数々の天然炸裂の言動は、難しく言うと庇護欲(ひごよく)がそそられる。言っちゃえば、年の離れた妹や従姉妹を可愛いと思うような気持ち。二人は年齢が近いので、若君は徐々に恋愛感情へ発展していったのも合理的ではあるのかなと。

アシガール3巻 唯之助の理屈
(3巻)
例えば、唯之助に「和議(仲直り)はしないとダメ」と諭されたり、当時の発想からはあまり考えつかないことを平気で言われる。ある意味、時空を超えた新鮮な考え方に刺激されたといった部分もあったのか。

ストーリー的には若君が戦国時代に戻ってきたとき、もうタイムスリップできるエネルギーは一回分しか用意されていなかった。でも若君は唯之助のことが既に好きになっていたものの、唯之助の両親のことを思って「あと二回分しかタイムスリップできないらしい」とウソを付く。もし一回分のエネルギーしか残されていないと言ったら、唯之助は現代に帰らなくなるから。

アシガール6巻 若君が唯之助を熱烈ハグ
(6巻)
結局唯之助は現代に戻った後、再び戦国時代に戻ってこれるんですが、若君はもう二度と会えないと思っていただけに、唯之助に対して強烈なハグ。このコマだけ見ても、若君の唯之助に対する愛が本物だと分かります。

ちなみに、タイムスリップするための道具を川に投げ捨ててしまった唯之助。「会えなくなるのはもう二度と嫌だから」というセリフにはキュンキュン来ましたが、果たしてどうなることやら…

こういうSF歴史モノもあり

だから色んな意味でめちゃくちゃなマンガ。中学生の弟がタイムマシーンを開発して、それを姉である主人公が何度も戦国時代を往復する。

これは常識的にありえないことは言うまでもなく、マンガ的にもありえない。何故ならSF歴史マンガの多くは、一度過去にタイムスリップしてしまうと現代には普通戻って来ない。ストーリーの軸は「一体どうやって現代に戻るか?一体過去の世界で生きていくか?」という二点に集約される傾向が強いと思います。言っちゃえば暗黙のルール。

でも主人公・唯之助こと速川唯のハチャメチャなキャラクターが、そんなツッコミどころ満載の展開を許してくれる。何度も時代を行き来すると、その設定のスペシャリティー感も失われますが、若君が現代という未来へタイムスリップしたことで展開に新たな幅が生まれてる。

アシガール5巻 タイムスリップしたことで平和を望む若君
(5巻)
実際に「戦のない世界」で数ヶ月過ごしたことで、若君は『平和』へ憧れを強く持つ。今後は安倍総理のことですから戦争に参加することも有り得そうですが、前述の唯之助の「和議をしなきゃダメですよ」という言葉もそこで実感を持って理解していく。唯之助をウソを付いてまで現代に戻そうとしたクダリも好例。

また「恋愛」に軸足が置かれてるので、歴史モノではありつつも小難しい歴史用語や複雑な人間関係もさほど気にならない。小中学生の読者が読んでも、読んでてそこまで面倒くさくはないかも。

主人公のキャラクター性だけではなく、恋愛というテーマを使ってることも大きな要因。恋や愛といった漠然とした観念が仮に時空を超えたとしても、それは矛盾や問題点ではなく、壮大なロマンを生む。むしろ展開に変な説得力や合理性を与えてくれる。

だから、こういうSF歴史モノがあっても良いし、マンガだからこそこういう展開を描けるんだと思います。

総合評価

主人公・速川唯のキャラクターが良い。特に小中学生の女の子は共感を抱きそう。大人読者が読んでも、不快にならない幼稚さがあります。展開の幼稚さもそこがクッション代わりになってくれる。若君に対する一途さは、誰しもがきっと好感を持てるでしょう。

笑いもあって、キュンキュンもできる。SFや歴史要素も取り入れた、新しいラブコメマンガなのかなと思いました。特に期待せずに読みましたが、オッサンでもそこそこ面白かった。

『アシガール』7巻以降の展開としては、宿敵である高山家が唯之助をさらう。最初は松丸阿湖を拉致して無理やり高山家の若君と結婚させようと試みたものの、唯之助が入れ替わったことで松丸阿湖は無事難を逃れた。逆に言うと、唯之助が強制的に結婚させられそうになる。そこを若君が高山家に直接乗り込んで救出しに行く直前で6巻は終了してます。

普通さらわれたら意気消沈するもんですが、高山家の若君がホッペが膨らんでるブスだったので「このしもぶくりぇやアアア」と唯之助は口の悪さ全開。結構意外に元気w

ちなみに松丸阿湖は若君の婚約相手だったものの、若君が家督相続しないという意志が強く、ほぼ破談状態。何故若君が家督相続したいと思わなくなったかというと、もちろん唯之助の存在。「ただ一人と決めたオナゴをめとり、子をなして、家族が睦まじく戦とは無縁の暮らしをすること」と若君は父親に対して述べてる。
アシガール6巻 テヘペロする唯之助
(6巻)
でも唯之助は全然当事者意識に欠ける。政略結婚が当たり前にあった時代なので婚約が破談になれば、戦に発展することだってある。唯之助からしてみたら、大好きな男が自分を選択してくれた事実は嬉しい。それを「ねー(テヘペロ)」の一言で済ます。どこまでも緊張がないw

この唯之助を好きになれたら買いのマンガではないでしょうか。



◯展開★3.5◯テンポ★5
◯キャラ★5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…88点!!!!

『ワンパンマン』6巻から7巻のネタバレ感想。原作はONE、作画は村田雄介。となりのヤングジャンプで配信中のヒーロー漫画。つるっぱげヒーロー・サイタマが一撃で悪の怪人たちを倒していくだけのマンガ。圧倒的画力のバトル描写と、ゆる~い空気感全開の笑いが見所。


ボロスがとにかく強すぎる!

『ワンパンマン』6巻7巻の見所は、ボロス。宇宙からの侵略者。ヒーロー協会に数々の予言で平和に導いてきたシババワが、このボロスの襲来を予言したことでヒーローたちは大慌て。そしてボロスとの壮絶なバトルが展開されます。

ちなみに預言者・シババワはソッコー亡くなってしまう。ボロスの攻撃を早くも受けたのかと思いきや、まさかの「のど飴を喉に詰まら」せて亡くなる。出川哲朗風に言うと、喉が赤ちゃんにも程がある。つか、いつも思いますが、何故こういう予言者は自分の未来を予知できないのか?w

ワンパンマン7巻 ボロス1
(7巻)
とにかくボロスはめちゃくちゃ強い。

ワンパンマン7巻 ボロス2
(7巻)
自分が乗っていた巨大な宇宙船すら勢いで破壊してしまうほど、カメハメ波みたいな強烈なオーラ弾を放ってくる。画像は、それが上空へ向かってる場面。もちろんサイタマに向けられたもの。

ワンパンマン7巻 月まで吹っ飛ぶサイタマ
(7巻)
結果サイタマは月まで飛ばされる。英語ではムーン。言うまでもなく人間が宇宙空間に放り出されたら生きていけないわけですが、「とりあえず息止める」だけで問題ナッシング。水の中じゃねーんだから!やっぱりサイタマは化け物すぎw

ワンパンマン7巻 月まで吹っ飛ぶサイタマ2
(7巻)
じゃあ、どうやってサイタマが地球へ戻ってきたのかというと、月を思いっきり蹴り飛ばすだけ。新しくクレーターができてしまうわ!冷静に考えたら地球は自転してるので、いくらキックの勢いだけで地球に戻って来れたとしても、また同じ場所に戻ってくるのは無理ゲーだろっていうw

でも、やっぱり今回もサイタマが敵を圧倒していく展開は変わらず。こんな描写も見せられたらある意味当然。

ワンパンマン6巻 ボロスの本気1
(6巻)
ボロスが「強大すぎる俺のパワーを封印する鎧が砕かれた」と、今から本気出しちゃうよアピール。普通に考えたら、これから相手はボコボコにされちゃうフラグがビンビン。

ワンパンマン6巻 ボロスの本気2
(6巻)
サイタマはそれに対して「そうか」の一言だけ。ボロスにビビるどころか、微塵の興味すら持ってねー!親戚のおじさんが再婚したのを聞かされたぐらい、どうでもいい表情。

でも、ボロスはようやくサイタマが初めて一発では倒せなかった相手。
ワンパンマン7巻 ボロス3治癒
(7巻)
厳密にはボロスは倒されるものの、自然治癒力が宇宙一。サイタマに殴られる度に驚異的な速さで身体を修復していく。もはやゼロから1を生み出すレベルの再生力でありますが。

ワンパンマン7巻 本気のサイタマ
(7巻)
そしてサイタマもようやく本気の表情。ちなみに画像では見切れてますが、しっかりツルピカにハゲてます。

こんな表情を見せられたら、思わずサイタマも初めてすっごい必殺技を繰り出すのかと思いきや、まさかの「普通のパンチ」を連続で繰り出すだけ。確かに一発のパンチであそこまで破壊できてたら、そりゃあ何発かパンチを繰り出せば十分だよなーと(笑)

ボロスはわざわざ地球まで遠くからはるばるやって来て、こんなハゲに太刀打ちすらできなかったわけですから哀れの一言。ただ少なくとも、これまでの流れや展開を考えると、現状ではボロスが一番強い敵と言えそう。


S級ヒーローはさすがに強い!

これまでの『ワンパンマン』はサイタマの独壇場。ラスボスであるボロスに勝てたのはサイタマだけだったことを考えると、この6巻7巻でも独壇場と言えそうですが、今回登場した他のヒーローはS級ヒーローたちばかり。

ワンパンマン7巻 シルバーファング
(7巻)
例えば、S級3位のシルバー・ファング。マンガの中ではやたらと強いジジイがいますが、まさにそんな感じ。カンフーでも嗜んでそうな出で立ちで、シンプルに身体能力や格闘能力に優れてる。

ワンパンマン7巻 タツマキ
(7巻)
そのシルバー・ファングより強いのが、S級2位のタツマキ。見た目は少女ですが、驚異的な超能力を操れる。サイタマの弟子・ジェノスもいちころ。大量の巨大な瓦礫を操作して、ボロスが乗っていた宇宙船を破壊しまくり。

これまでは主人公・サイタマの噛ませ犬的な役割しかなかったヒーローたちですが、この6巻7巻では意外に活躍します。


ツボったバトル描写をピックアップ

そこでサイタマ以外のバトル描写でツボったのを少しだけピックアップ。

ワンパンマン6巻 ボロスの部下
(6巻)
例えば前述のシルバー・ファングがボロスの部下(画像)と戦った場面。見た目からしてボロスに負けないぐらい強そうですが、しかもボロスと同様に何度でも身体を再生しちゃう。頭が複数ありますが、そこに再生させる核が隠されてる。その核を探し出して潰さない限り、延々と戦いが続くわけですが、核は小さくて高速で移動してるから発見するのは難しい。

ワンパンマン6巻 バトル描写・シルバーファング
(6巻)
でも、その核をシルバー・ファングが発見して捕まえる場面。コマを少しだけ瓦礫がハミ出してるのが、程よい勢い感が出てて、いかにも簡単にヒョイッと捕まえる余裕っぷりがカッコいい。構図の立体感や奥行き感も良い。

他にも、そのボロスの部下の頭が独立してパタパタと逃げ出す瞬間、金属バットというヒーローが思いっきりジャンプして背後からスッと襲いかかる場面もツボった(6巻)。一瞬で背後を奪って、これから仕留めるという空気感の出し方が好き。体の部位でブレる部分とブレない部分の描き方も上手い。

総括

『ワンパンマン』6巻7巻のネタバレ感想をまとめると、とにかくボロス編のクダリは熱かった。色んな意味で規格外のバトル。サイタマの余裕っぷりを見ていると、実力の底知れなさががヤバイ。

逆にクライマックスを描きすぎて、この後の展開がやや小休止というか小粒に見てしまうのは玉に瑕。詳しいことは8巻9巻のレビューで言及しますが、露骨にハードルを下げにかかってる感じはします。

ちなみに「ワンパンマンが面白い漫画?」という考察記事はレビュー済み。

『妖怪アパートの幽雅な日常』1巻から9巻のネタバレ感想。原作は香月日輪、作画は深山和香。月刊少年シリウスで連載中の妖怪漫画。出版社は講談社。


あらすじ・ストーリー

主人公は、稲葉夕士(いなば・ゆうし)。中学1年生になったばかりの頃に両親を交通事故で亡くし、親戚夫婦に引き取られることになった。その親戚夫婦は優しかったものの、これ以上金銭的負担はかけるのは忍びなかった。

そこで条東商業高校に入学したことをキッカケに一人暮らしを始めようとするものの、高校生に部屋を貸してくれるアパートやマンションが少ないのも現状。

妖怪アパートの幽雅な日常2巻 小説家・一色先生
(2巻)
ただ、ある怪しげな不動産屋を尋ねると一件だけ紹介してくれた。それが寿荘。でもその寿荘は、人間と物の怪たちが共同生活をしている妖怪アパートだったというストーリー。

妖怪アパートの幽雅な日常2巻 魔道書・フール
(2巻)
稲葉夕士はある日、小ヒエロゾイコンという魔導書を手に入れ、封印が解かれるとフールという案内役が復活。そして魔道書の主として妖力・霊能力を鍛えていくことになります。

妖怪アパートの幽雅な日常3巻 ケルベロス
(3巻)
何故なら稲葉夕士の妖力・霊能力が弱すぎて、例えばケルベロスを召喚してもただの病弱そうな子犬。若干コメディーテイストな描写もあります。


稲葉夕士の成長ストーリー

ただ『妖怪アパートの幽雅な日常』を一言で表現すると、主人公・稲葉夕士の成長ストーリー。

妖怪アパートの幽雅な日常6巻 稲葉夕士の成長
(6巻)
妖怪以外には霊能力者・龍、小説家の一色先生、除霊師の久賀秋音、画家の深瀬明、ナイスバデーな幽霊・まり子、ちびっ子幽霊・クリなどがいます。人間として何百年も生活する妖怪・佐藤など、彼らとの交流を通して主人公・稲葉夕士が人間として成長していきます。

もちろん高い霊能力を秘めている稲葉夕士が修行をして、徐々に霊力を高めていくんですが、あくまでそこからの展開がメインじゃない。
妖怪アパートの幽雅な日常1巻2クリの母親・亡者化
(2巻)
序盤こそ凶悪そうな悪霊(画像はクリの母親)も登場しますが、そこでバンバンと悪霊を倒していく展開が始まるわけではなく、それを稲葉夕士の「精神的・人間的な成長をどう遂げるか?」という部分に繋げていきます。もっと言うと、「何故妖怪に取り憑かれたのか?その人間に精神的な弱さがあったからだ。じゃあどうすれば克服できるのか?」みたいなことも掘り下げていく。

妖怪アパートの幽雅な日常7巻 霊能力者・龍
(7巻)
特に尊敬してることもあって霊能力者・龍による説諭が、稲葉夕士の成長を早めてくれます。

だから感覚的にはマンガを読んでるというより、評論本や啓発本を読んでいる感覚に近い。妖怪とかは意外に多く登場しません。絵的に楽しむというより、文章を読んで楽しむ感覚に近い。漫画タイトルの「優雅(幽雅)さ」の語感から得られる展開も少なめ。


◯◯論的な内容が多め

内容は「大人とは何か?社会とは何か?」みたいな話が多め。いわゆる「◯◯論」とか言われるような中身。どうすれば人間は成長できるのか?こういう問題に直面した時にどうすればいいのか?現在の社会はこうである…みたいな分析や提言がメイン。

妖怪アパートの幽雅な日常6巻 最近の若者論
(6巻)
例えば主人公・稲葉夕士は運送業者でアルバイトしてるんですが、そこでベテラン社員が新人アルバイトたちの言動を面白おかしく批判してる。画像では主に「指示されないと動けない若者」について。

他にも休憩中はスマホやケータイばっかりイジってる若者。文字情報やネットを通して会話はできるけど、リアルでは会話できない若者も多いという指摘。でも稲葉夕士はそんなタイプの若者と接していくことで気付く。
妖怪アパートの幽雅な日常6巻 最近の若者論・でも個性じゃね?
(6巻)
別に彼らは会話を拒否してるわけではなく、自分の方から他人とコミュニケーションを取れないだけ。これまではベテラン社員と同様に偏見の目で見てたけど、一歩自分が退くことで見え方が変わった。結果的に彼らバイト仲間とワイワイと会話ができるようになり、リアルで対面して語り合うことで人間は成長できることを稲葉夕士は実感する。

確かにネットやLINEやツイッターで会話した内容より、リアルで生身の言葉で会話した方が記憶にも残りやすい。リアルでは周囲の状況も刻一刻と変化していく。そこから新たな会話に発展することも多い。耳や匂いといった情報も含めて、リアルの会話は情報量が豊潤。ま、顔を隠してる漫画家が言いますか?という意地悪なツッコミも入れたくなりますが。

妖怪アパートの幽雅な日常9巻 優しさ論
(9巻)
他にも優しさ論(優しさってなんだろう?)であったり、それらが共感できるかできないかは一先ず置いておいて前述を更に補足すると、しっかりした新聞の社説や雑誌のコラムを読んでいるような気分。


やや説教くさい側面も…

おそらく自分以外でも多くの人が共感or首肯できそうな主張や論法は多いと思われますが、その反面としてやや説教くさく感じる側面もあります。

妖怪アパートの幽雅な日常7巻 若干古くさい考え方
(7巻)
先ほどの若者論の延長線上ではないですが、「モノが溢れすぎてるがゆえに今の社会はダメ」という理屈。1970年代頃からある「いかにもな考え方」で、さすがに古臭さを感じなくはない。今どきこういう主張をするのは、急進的な環境保護活動家か、カルト的な保守主義者ぐらいじゃね?

妖怪アパートの幽雅な日常9巻 稲葉夕士のドヤ顔
(9巻)
他にも、主人公・稲葉夕士のドヤ顔and分かったかのような口ぶり。一応は高校一年生という設定なので、あまりズバズバと正論を語ってもイヤミったらしいだけですし、やはりどこまで経験的に理解できているのかという説得力も含めて、ややイラッとさせられることも。

「指示されないと動けない若者」のクダリ(6巻)で、例のバイト仲間が「天地無用」の意味を知らずに荷物をひっくり返して運ぶ。天地無用の意味は「上下逆さまにしちゃダメよ」ってこと。

要するに、分からない用語があったら他の社員に訊けよと批判的に描かれてるんですが、「分からないことが分からない」から訊けないんじゃね?とこういう主張を聞く度に思う。言っちゃ悪いですが、それこそ社会経験の乏しい10代20代は馴染みがない言葉。それを前提で考えるなら、むしろ先に社員や上司が言っとくのが筋。

アルバイトの若者をろくに教育もせずに、相応の労働対価を求める考えこそ甘い。マンガ家のアシスタントに求める「それ」でも似たようなことが言えそうですが、経営者は給料さえ払ったら思い通りに動いてもらえると思い込みすぎ。その割に、企業は中途半端に経験を積んだオッサンも嫌ったりする。仕事の仕方に独自のクセが付いてるから扱いづらいというのが、その主な理由。

経営者こそお客様気分なんじゃね?と思うこともたまにあります。


総合評価


後半は少しツッコミも入れてみましたが、読み物としてはそこそこ面白かったです。ちょっと道徳の教科書を読んでる気分にもなりますが、読者層的には少し大人向けの内容で、それこそ若者が読んだとしてもピンと来る内容は少ないか。もし「分かる分かる」とか言っちゃう若者がいたら、作中で登場する山本小夏という痛すぎる文学少女のようなタイプの方でしょう(笑)

妖怪アパートの幽雅な日常8巻 山本小夏
(8巻)
『妖怪アパートの幽雅な日常』の今後は、この山本小夏がひと波乱を起こしてくれそうな展開。高校生のくせにロシア文学が大好き。昔自分もカッコつけてドストエフスキーを読んでましたが、「自分は賢い人間だからこんなコアな趣味を持ってる」という虚勢を張りたい。実際、山本小夏はお姉ちゃんが優秀で色々とコンプレックスを抱えてる。それを差し引いても、なかなかイヤミったらしいヤツなんですが(笑)

だから「世相を切る」的な部分や、あまり妖怪が登場してこないのでCGを使う必要が無いといった部分を考えると、意外に実写ドラマ化しやすそうなマンガ。点数が低い理由は「ストーリー性に欠け」、稲葉夕士の一つ一つの語りや学びが断片的に感じるからですが、それは裏を返せば一話単位の実写ドラマだと意外にハマるのかなと思いました。

『ケンガンアシュラ』14巻のネタバレ感想。原作はサンドロビッチ・ヤバ子、作画はだろめおん。裏サンデー(小学館)で配信中の格闘漫画。3DSゲーム『ブレイブリーセカンド』のレビューを書き終えたので、再び通常運転。

あらすじは既に他の記事で書いたので詳細は割愛しますが、企業同士がそれぞれ格闘家を雇って代理戦争を繰り広げるというマンガ。「拳願仕合」というトーナメント戦で、この14巻でようやく一回戦が全て終了します。要は「第一部完」ということです。


金田VSガオランの結末!

13巻では金田末吉とガオラン・ウォンサワットの対決が行われました。金田は古武術+先読み、ガオランはボクシング。とにかくガオランの戦闘力が圧倒的だったので、金田相手に本気を出さなかった。そこで金田が挑発的に懇願することで、ガオランは本気を出す。金田の先読みがどう対応するかがキモでした。

ケンガンアシュラ14巻 金田VSガオラン1
(14巻)
まず先に金田が仕掛けるものの、ガオランは華麗に避ける。そしてガオランがカウンターパンチを繰り出すものの、金田はそれを更に先読み。

ケンガンアシュラ14巻 金田VSガオラン2
(14巻)
逆にガオランに対して目潰し攻撃。ガオランの目の動きからも分かりますが、このあと金田の目潰しは余裕で避けます。画像の表情は「俺のカウンターを避けて、ここで逆に目潰し攻撃をしてくるか?」という驚きの表情。要するに「コイツちょっとやるやん」的な感じ?

そこそこ金田は善戦するものの…
ケンガンアシュラ14巻 金田VSガオラン3
(14巻)
やはりガオランの前に為す術なし!金田の圧倒的な完敗。顔面がメリメリメリ。「大物食い」という異名を持った金田末吉でしたが、さすがにシンプルな戦闘力の差を覆すことは不可能でした。

このあと控室で倒れ込んでる金田末吉に対して、氷室涼が回想するシーンがしびれる。ちなみに氷室涼は最初トーナメント戦に出場する予定だったんですが、金田末吉が氷室を倒すことで強引に自分が出場した。氷室はもちろん強かったものの、金田は「先読み」で結果的に優位に立った。でも先読みを実行するには、相手の攻撃をある程度受け続ける必要があった。つまり金田はガオランと戦う前から身体はボロボロだった。

当然、氷室は金田のトーナメント戦出場を止める。すると金田はこう言った。「私はあの氷室を倒した男ですよ?大丈夫、必ず勝ってきます」。そして、氷室は「俺が女ならキスしてやりてえよ」とポロリ。氷室のセリフはBL臭が若干するものの、熱い「男の友情」っぷりが現れてて良いですよね。

無敗の怪物・加納アギトが登場!

14巻のメインは加納アギト。拳願仕合の勝敗数は157勝0敗。要はデビューから負け知らず。大日本銀行代表ということですが、この大日本銀行の頭取・片原滅堂が現在の拳願会会長。つまり加納アギトが史上最強であり、トップオブトップ。

ケンガンアシュラ14巻 加納アギトは天然
(14巻)
戦闘狂すぎて、世の中の情報には疎くてちょっと天然らしい。

この加納アギトの対戦相手が、ムジテレビ代表の大久保直也。殴る・絞めるなど全ての技が許されるアルティメットファイトのヘビー級王者。格闘王という異名を持つ。見た目を含めて、噛ませ犬臭しかしないんですが、意外にめちゃめちゃ強い。

ケンガンアシュラ14巻 大久保直也のタックル
(14巻)
加納アギトに対してタックルをかます。格闘王とは言いつつも、大久保直也の得意はレスリング。幼い頃からずーっとレスリングの練習を欠かしたことはない。

ケンガンアシュラ14巻 大久保直也のマウンティングパンチ
(14巻)
そして倒れ込んだ加納アギトに対して、マウンティングからの拳を振り下ろす。史上最強の加納アギトをグイグイ攻めこんでいく。加納アギトは序盤は力をセーブしてて、途中から少し本気を出すものの、それでも大久保直也の攻撃が止まることはなかった。

ただ加納アギトは試合の中で「成長」を果たす。
ケンガンアシュラ14巻 寝技のかけあい・加納と大久保
(14巻)
レスリング技を得意とする大久保直也に対して、互角の寝技を展開。まさに技と技の掛け合い。

ケンガンアシュラ14巻 加納アギトのナイフのような威力
(14巻)
ローキックに至っては、太腿にヤイバがグッサリ刺さったかのような鋭い衝撃。

ケンガンアシュラ14巻 加納アギトの表情
(14巻)
ついに本気中の本気モードになったときの、加納アギトが見せた表情が悪魔。普段笑わない強面のオッサンが笑ったら怖いですが、そんな比ではない加納アギトの笑顔。

それまでは大久保直也も一見すると健闘を見せていたものの、加納アギトはまさに瞬殺。
ケンガンアシュラ14巻 大久保の表情
(14巻)
コメカミ一閃。一撃で大久保直也は卒倒。エグい描写よりも実はこういう描きすぎない描写の方が、被害の度合いをより強調できたりします。

強いて言えば、加納アギトの強さの拠り所は分かりづらかったですが、おそらくオールマイティー型。そして試合の中で成長を遂げていく。ハンターハンターで言うと、相手の強さを取り込むメルエム。最初から「どこが強いか?どう強いか?」は決め打ちはせず、敢えて余白部分的なものを残しておくことで、これからの展開の中で形成させていくのかなと思います。

とりあえず加納アギトが悪魔的表情を見せたらヤバイという印象を読者に植え付ける回でした。

総括

金田VSガオラン戦ですが、明らかに格下相手の金田をしっかり負けさせたのは良かった。スポーツマンガでは「弱い奴が勝つ」という結果も多いですが、もちろん試合の中身自体は健闘させるべきですが、それでも極端な実力差があった場合は「さすがにコイツを勝たせるの?」と興ざめしちゃいますからね。

加納アギトVS大久保直也戦は、意外に大久保が強かったわけですが、思ったほどワクワクしなかったかも。大久保の背景もありがち。見た目は噛ませ犬全開で、どう見ても強そうではない。それでも実力だけは天下一品。その割に記事では触れませんでしたが、大久保直也はものすごくビッグマウス。これだと応援したくなる要素が少なかった。また大久保が派手にボコボコに倒されたわけでもないので、結果的に加納アギトの実力が判別しづらかった。

ケンガンアシュラ14巻 加納アギトの蹴り・十鬼蛇王馬に
(14巻)
だからということでもないんでしょうが、加納アギトの強さを分かりやすく証明するために、主人公・十鬼蛇王馬が一撃でフルボッコされます。画像は十鬼蛇王馬の顔面に蹴りをいれるんですが、加納アギトの蹴りが速すぎて構えた拳ごと顔面にめり込む場面。受け手側の拳を一つ入れるだけで、威力のすごさが増します。

ケンガンアシュラが面白い理由を考察したレビューもアップロード済みですのでお暇だったらブクマでもしてください。

『ぐらんぶる-GRAND BLUE-』1巻から4巻のネタバレ感想。原作は井上堅二、作画は吉岡公威。good!アフタヌーン(講談社)で連載中の青春ギャグマンガ。3DSゲーム『ブレイブリーセカンド』のレビューを書き終えたので再び通常運転。

とりあえず面白いかつまらないか考察レビューを書いてみました。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は北原伊織(きたはらいおり)。伊豆大学に入学したばかりの一年生。高校は男子校だったので大学生活に夢を見ている。伊豆大学は実家から離れているので、おじさんが経営してるダイビングショップ「Grand Blue(グランドブルー)」に居候させてもらうことになる。つまり漫画タイトル『ぐらんぶる』の意味は店名のこと。決してスマホゲームのことではありません。

でも、それが北原伊織の運の尽き。そこは伊豆大学のダイビングサークル「Peek a Boo(通称PaB)」の屈強な部員がたむろする場所だった。
ぐらんぶる1巻 酒アルコール・北原伊織一気飲み
(1巻)
マッチョマンたちが基本的に服装をまとわない、そしてアルコールを飲んでは盛り上がる、まさに毎日が男子校ノリ全開の地獄が待っていた。主人公・北原は、むべもなくサークルに強制参加させられます。ちなみに画像は北原。ソッコー溶け込んでくれちゃってます。


とにかくノリがアホすぎる

とにかくノリがアホ。まさに「学生ノリ」をマンガの中に落とし込んだ内容。ダイビングがテーマではあるんですが、1巻だとほとんど出てこない。一応2巻以降ではチラホラ登場してくるものの、最初は一体何のマンガか全然分からなかった(笑)

北原伊織の同級生に今村耕平というイケメンがいる。でも中身が極めて残念。美少女キャラが入ったTシャツを着てる、いわゆるオタク系。でも自分をオタクだと思ってない一番質の悪いタイプ。
ぐらんぶる1巻 今村耕平1
(1巻)
だから大学に「自分を中心とした女子高生美少女ハーレムサークルがない」ことを猛烈に嘆く。オタクには周囲の評価や意見に耳を貸さないという特徴がありそうですが、さすがにここまで言い放ってしまうバカは少ないでしょう。じゃあ周囲は今村耕平にどんな忠告をしたのか?

ぐらんぶる1巻 今村耕平2夢は諦めなければ叶う
(1巻)
「寝ぼけるな」「大学に女子高生がいるか」「漫研に行け」。至極まっとうな意見ばかりですが、北原伊織は「訳の分からないことばかり言いやがって」と八つ当たり気味。むしろ訳の分かる内容しかない。大学に女子高生がいるか、はまさに言い得て妙。サッカー観戦に来て、野球選手を探してるようなもんですからね。

そこで北原伊織は、夢のような生活が待っていると思っていた今村耕平を諭す。「新世界も夢の生活もあるに決まってる、お前はその入口に気づいてないだけ」と今村の肩をぽん。そして、「どうだ?一緒に夢の入口に踏み込んでみないか?」と夢のサークルに誘う。笑顔を浮かべる今村耕平。

でも、そんな夢のサークルってあったっけ?そもそも北原伊織自体が…
ぐらんぶる1巻 今村耕平3
(1巻)
と思ったら、やっぱりあのダイビングサークルしかありませんでしたー!!今村をダマして入部させる。先輩の表情が悪魔すぎ。特に美少女キャラ好きですので、今村の悲壮感と恐怖に歪む表情に思わず同情。

ぐらんぶる1巻 北原伊織の合コンへの執念
(1巻)
血の涙を流しながら、他大学の女子大生の合コンに執念を燃やす北原伊織とか、いかにも大学生ノリ全開の展開が続きます。3巻でようやく開催できた合コンでは、まさに醜すぎる一進一退の攻防は見もの。

とはいえ女子に縁がないのは、ダイビングサークルに所属してる主人公・北原や今村だけじゃない。同じ学科のクラスメイトたちもモテない。というか機械工学科だったので、そもそも女子の数が圧倒的に少ない。

そこである日、学科の友達たちが北原伊織の家に遊びに行く。ちなみに北原伊織は従姉妹の古手川千紗と、その姉・奈々華と同居してる。叔父さんの家なので当然で、しかも千紗は北原と同じ大学に通ってる。北原は変な誤解を生まないように、周囲にそれは黙っている。ただ女の先輩・梓のブラジャーを発見されてしまう。
ぐらんぶる4巻 現実逃避する山本
(4巻)
でもあるクラスメイトは、北原伊織ごときに女がいるはずがないという思い込み(羨望と悔しさ)から現実逃避。「いやいや、これ帽子でしょ?」と驚異的な解釈をする。まあギリギリ猫耳に見えなくはないですが、口紅に至っては座薬に見えてしまう。ちょっとした塗り薬に見えなくもないですが(笑)


男版ToLOVEる?

何度も言いますが、男っ気しかないマンガ。一応ヒロインに古手川千紗、その姉・奈々華、両刀・浜岡梓などがいますが、ダイビングサークルの屈強な面々たちが基本は脱いでは飲んで、飲んでは脱いでの繰り返し。●←こんな消しがそこかしこにあって、まさに『ぐらんぶる』は、さながらオトコ版『ToLOVEる』と言えそうなマンガ。

例えば4巻で沖縄へ合宿しに行くものの、空港についた瞬間、みんなで泡盛で宴会。そして太陽の光を燦々と浴びる砂浜で走る姿はもちろん全裸。画像は割愛しますが、とんでもなく爽やか。

1巻だと北原伊織が●をぶら下げながら、「俺に露出の趣味はない!分かってくれるよな?千紗」と必死に抗弁するものの、華麗にスルーする古手川千紗の姿とか笑えます。

ぐらんぶる1巻 酒アルコール・北原伊織一気飲み
(1巻)
冒頭にも貼りましたが、ほとんど飲んで飲んでの繰り返し。新歓ノリも過ぎる。見てる分には楽しいですが、だからと言って、実際にやっちゃダメです。リアルでこんなことをやったら死人が出るレベル。特に自分はお酒が飲めない体質なので、まさに生き地獄を見ている気分(笑)

というか冷静に考えると、北原伊織はまだ大学一年生。将来的に18歳に引き下げられる可能性も高いですが、現段階ではまだ法律的にアウト。肝臓を壊しちゃうので、くれぐれもお酒は程々に嗜みましょう。


テンポ感とベタな笑いが面白い

期待を裏切らないベタなノリ。そして、それを紡ぎだすテンポ感が良い。

大学の学祭・伊豆春祭で、サークル対抗のミスターコンテストが開催されることになった。先輩の圧力で、イケメンの今村耕平は強制参加。でもフツメンの北原伊織も何故か参加させられる。
ぐらんぶる2巻 伊豆春祭サークル対抗ミスターコンテスト
(2巻)
目的が「ネタ枠」として笑いを取ってこいということ。それに対する北原伊織の「ぶち◯しますよ」の間髪入れずのツッコミ。まさに漫才の掛け合いを見ている気分。一応仮にも相手は先輩ですが、それを暴力で黙らせない絶妙な関係性も良い。

沖縄編のクダリだと、北原・今村・千紗の三人でバナナボートに乗ることになる。でも千紗と二人きりになりたいので、どうしても北原からは今村、今村からは北原が邪魔。
ぐらんぶる4巻 バナナボート2
(4巻)
そこで「向こうにセクシー女優がいるー!」と古典的な方法でお互いがダマす。そして同時に、サンオイルを相手にブッかけ合う。それを冷めた目で見てる千紗の表情が切ない。

ぐらんぶる4巻 バナナボート3水切り
(4巻)
当然どうなったかというと、見事にすべり落ちて大回転。水切りの石かというハネ具合。因果応報とはまさにこのこと。このテンポ感が見事。相手を騙くらかす部分とか色々考えがちですが、そこはベタで良い。それよりまずはテンポ感を選択したシンプルな笑い。

このあと吉原愛菜という非モテ元ギャルも挑戦するんですが、屈強な先輩が隣に乗っているせいで安定感がハンパない。先輩はどこも掴まず、あぐらをかいて座ってるだけ。バナナボートが可哀想。当然キャーキャーなることはなく、吉原愛菜は思わず涙を流します(笑)

ダイビングを練習する場面だとハンドシグナルのクダリが笑った。水中ではダイバー同士は会話ができないので、独特の手話で今の状況を伝え合う。
ぐらんぶる3巻 ハンドジェスチャー
(3巻)
でも主人公・北原伊織は最初は理解できなかったので、先輩がやるジェスチャーを驚異的な解釈。まさに「ヤる」ジェスチャー。確かにこの先輩だったらやりかねないので、北原伊織のこのジェスチャーに対する回答が「相手より先に水中銃を撃ちます」(笑)

先輩も「うかつに伊織の前でハンドシグナル」と何故か冷静。一応正解を書いておくと、右から「止まってください」「こちらを見てください」「潜行します」。3巻では他にもハンドシグナルのネタがあって、こちらもテンポ感ある小ボケの連続でおすすめ。あるネタでどんどんボケを展開させていくパターンは個人的に好きだったりします。


爽やかな青春要素もありまっせ

以上読んでもらったら分かりますが、『ぐらんぶる』は基本は笑いがベース。既に書きましたが、1巻だと一向にダイビングのクダリが全然スタートしねぇんですw

ただ青春要素も意外にあります。
ぐらんぶる1巻 良いこと言う先輩
(1巻)
例えば常に衣服を脱いでは、悪魔のようなノリで接してくる先輩も、たまに良いことを言ったりします。画像は主人公・北原伊織が自分はカナヅチだから拒否するものの、「最初から自分ができるものだけ選んでいたら何も始まらない」と諭してる場面。確か寿竜次郎とかいう名前?

ぐらんぶる2巻 ダイビング描写
(2巻)
ダイビング描写では、自然描写が雄大。壮大な自然の大きさに触れることで、思わずキャラクターたちも心が洗われます。確かに考えてみると心地良い浮遊感も含めて、ダイビングはまさに最適なスポーツ。『あまんちゅ!』という漫画もありますが、青春との親和性が高い。

こういうギャップ感や緩急の付け方が好きな読者も多そうですが、作者的には笑いのノリや空間がとりあえずリセットorフラットにできる意味合いが大きそう。ずっとフルボルテージで笑わせ続けるのは困難。ハードルは上手に上げ下げしないと、評価されるものも評価されなかったりしますから。


総合評価・評判・口コミ


『ぐらんぶる』の考察レビューをまとめると、表紙からは全く想像できませんでしたが意外に面白かった。真剣に読み始めたオレがむしろアホだった。というか裏表紙を見たら、どんなアホマンガかは一目瞭然ですw

ただ2巻以降から徐々にダイビング描写の話とかが絡んできますが、1巻のように時間軸やイベントに拘らずに意味のない軽いノリを延々と続けた方が好きだったかも。でもとりあえず真剣に読んだら負けです(笑)