バズマン。

健全な漫画の感想ブログ。基本的に面白いマンガだけレビューしてるつもり。

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『ケンガンアシュラ』12巻13巻のネタバレ感想。原作はサンドロビッチ・ヤバ子、作画はだろめおん。裏サンデー(小学館)で配信中の格闘漫画。1巻から7巻は既にレビュー済み最新14巻は来月10月9日に発売。ちょうどジープレネゲードが日本初導入される時期。


これまでの展開

日本経済をウラで牛耳ってるのが「拳願仕合(けんがんじあい)」。大企業の会長が一人の格闘家を雇い、そして企業同士の名誉をかけて戦う異種格闘技戦。仕合で勝てば、企業の序列が上がり、様々な権益や権利を得ることが可能。つまり利益がガッポリ儲かる。逆に仕合で負ければ、企業の利益がダダ下がり。当然、拳願会トップの会長になれば、日本経済を牛耳ったも同じ。

そこで拳願会会長の座をかけた戦いが繰り広げられる…というシンプルイズベストな展開。主人公は十鬼蛇王馬(ときたおうま)。その十鬼蛇を雇用するのが、何故か冴えない一介のサラリーマン・山下。この二人が果たして会長を目指せるのか?!

更なる詳細はケンガンアシュラが面白い理由を考察したレビューを参考にしてみてください。


底知れぬバケモノ桐生刹那の覚醒

拳願仕合はトーナメント戦。展開も特に変化球はないので、一つ一つの試合が順序良く処理されています。今どき珍しいといえば珍しいですが、その一人の一人の選手が個性的。全試合をレビューすることはしませんが、4試合ほど。

まずは桐生刹那(皇桜学園グループ)。主人公・十鬼蛇王馬の因縁の相手。孤影流の使い手。日本から古くある柔術の一つ。

一方、対戦相手の二階堂蓮(白夜新聞)もこれまで拳願仕合の裏で暗躍してきた手練(天狼衆)。天狼拳の使い手。中国式拳法の一つで、高速移動からの攻撃が得意。

でも桐生刹那は、二階堂のそれを全て上回る。ゆら~りと移動してるだけなのに、高速移動の二階堂を圧倒。そして例の衝撃をねじり込む打撃を打つ。
ケンガンアシュラ12巻 桐生刹那にやられる二階堂蓮
(12巻)
二階堂のギュルンギュルンに負傷した左腕の描写は、思わず目を背けたくなるほど。一体どんな回転力を加えたらこんなんなんねんっていう。

ただ二階堂には秘策がある。それが超強力猫騙しからの、相手の耳に呪詛を吹き込んで催眠術をかけ、完全無防備状態からの発勁。ある意味、飛び道具以上の飛び道具。
ケンガンアシュラ12巻 桐生刹那の覚醒
(12巻)
でも結果、桐生刹那の二重人格(正確には素だそう)を呼び覚ましてしまう。これまででも強くて凶暴なのに、更に強烈な阿修羅が覚醒。当然二階堂が太刀打ちできるわけもなく、最後はねじり込む打撃を心臓に打たれる。ちょっとカッコいい曙的な倒れ方。

天狼衆の動きは今後も続くようなので、二階堂は今後も登場する模様。ただ桐生刹那のトラウマで廃人っぽい役回りになるのかも。


噛ませ犬・理人の足掻き

厳密には順序は逆ですが、続いて理人(りひと)と黒木玄斎との戦い。理人は主人公・十鬼蛇王馬と同じく因縁がある相手。ただ理人は噛ませ犬的な役割が強くて、黒木玄斎戦でもそれは変わりません。要はドラゴンボールでいうところのヤムチャ。最初はいかにも強そうなキャラで登場したものの、基本的に誰かに勝った試しがないw

特に対戦相手の黒木玄斎がめちゃめちゃ強い…という設定。例えば試合が始まるまでヒマなので、壁に仁王像を素手で彫ったりする。何巻だったかは忘れましたが、それを可能としてるのがめっちゃ堅い手刀。
ケンガンアシュラ12巻 黒木玄斎2
(12巻)
作中では「魔槍(まそう)」という表現。ファイナルファンタジーで例えるならグングニル、ドラゴンクエストで例えるならメタルキングのヤリといったところか。

ケンガンアシュラ12巻 黒木玄斎
(12巻)
ただ二人のそもそものポテンシャルが違うので、理人は黒木玄斎に何度もこんな風にこかされまくり。ハンターハンターでもヒョウのようなキメラアントが同じことされてブチ切れてましたが、これは格闘家としては屈辱的にも程がある。自分の豪快なハイキックが思いっきり空振るどころか、豪快に地べたを舐める。二人の動きの大小のギャップ感が良い。

ケンガンアシュラ12巻 理人の根性
(12巻)
でも意気込みだけは負けなくて、理人が見せる格闘家としての誇り・足掻きは胸を中々熱くさせます。もちろん結果は言うまでもありませんが。


弱者・金田の生き様

13巻では金田末吉(義伊國屋書店)が登場。対戦相手はタイのガオラン・ウォンサワット(八頭貿易)。色物選手を嫌っているので、純粋に強い正統派ボクサー。一方、金田は基本的に特徴がない選手。
ケンガンアシュラ13巻 金田VSガオラン
(13巻)
だから金田はガオランに近づくことすらできず、当然のようにガオランにボッコボコにされる。でもガオランは実力差がありすぎる故に、金田へ最後のトドメは刺さない。それにブチ切れたのが金田。

ケンガンアシュラ13巻 金田の叫び
(13巻)
「ふざけんなよ!手を抜いたのか?俺が弱者だから?」
「才能がないことなんて分かってんだよ!」
「どいつもこいつも勝手に決めつけてんじゃねえよ!」
「弱者が最強目指して何が悪いんだよ!?」


この心の底からの金田の叫びにガオランは心を打たれる。戦いの場での同情は侮辱でしかない、と全力で金田を叩き潰そうとする。前述の理人と同様に熱い展開。

ただこれは金田の計算も含まれてた。

金田は相手の動きを先読みするのが得意。それプラス古武術を併用することで、圧倒的なカウンターで相手を倒すことが可能。ガオランは最後まで攻めてこないが故に、そのカウンターがおそらく使えなかった。ガオランは本気を出すとは言え、やはり金田はもう打つ手なしと侮っているはずですから、それがどういった結果をもたらすのか?

この続きは最新14巻で。


解剖魔VS解体魔

以上の三試合は圧倒的な戦力差があるもの同士の戦いでしたが、一試合だけ拮抗した展開も。それが坂東洋平と英はじめ(はなぶさ・はじめ)の戦い。

坂東洋平は、日本犯罪史上稀に見る凶悪犯。名前も見た目も普通のエリート医学生だったものの、893事務所に乗り込んで素手で全員…しちゃった。坂東洋平は死刑が何度も執行されるものの、首に縄が全然締まらず失敗が続いていた。

ケンガンアシュラ13巻 英はじめ
(13巻)
一方、英はじめ(はなぶさ・はじめ)。これまで度々登場してる医師ですが、こちらも解剖マニアという筋金入りの変態同士。実はネタバレしておくと日本政府から送り込まれた暗殺者。坂東洋平を執行台ではなく、この拳願仕合で処理するように命を受けてる。

英はじめは見るからにヒョロそう。ただ動きはすばしっこい。そして最大の武器は経穴・秘孔を打つ。言っちゃえば、北斗の拳。これだと体格差は関係なく、相手の動きを制限して仕留めることが可能。

ケンガンアシュラ13巻 死刑囚・坂東洋平
(13巻)
ただ坂東洋平、全く意に介さず!!ケンシロウのように経絡秘孔を何個も突かれているものの、それがどうかしたの?状態。例えば、英はじめは首の経穴を突くものの、却って自分の指が折られてしまう。経穴付近は基本的に鍛えようがない。何故?!

ケンガンアシュラ13巻 死刑囚・坂東洋平2
(13巻)
それを可能としたのが、圧倒的な軟体体質。厳密には関節の可動域がハンパない。軽くグロ。だから英が首の経穴を突こうとした瞬間、坂東洋平が首の骨を後ろにギュイーンと曲げたのでへし折られた。この直後の坂東洋平のセリフが怖い。「悪いが私はころす以外の倒し方を知らないんだ」。

ケンガンアシュラ13巻 英はじめ2
(13巻)
でも英も負けてない。何故なら、体内に鋭利な刀を収めてる。しかも、これらは元々自分の骨。それを削って削って磨き上げた。一体何なんだ!?w

結果なんやかんやがあって、勝負自体は坂東洋平が勝利を収める。ただ英が体内に保有しているウイルスに感染したことで、坂東洋平は瀕死の危機。これぞ試合に勝って勝負に負けた状態。ただオマケページの説明を読む限り、どうやら坂東洋平はギリギリ耐え忍んで生き延びる模様。トーナメント自体には勝利してるので、今後も坂東洋平はなんとか試合に出るのかも?

総括


『ケンガンアシュラ』12巻13巻のネタバレ感想ですが、実力差があるもの同士の戦いが多かったかも。ただ実力差があるならあるなりに、むしろだからこそドラマみたいなんを描けてたかも。もちろん格闘描写も悪くなかったですが、少し趣向を凝らしてみました的な部分もあったのか。

ケンガンアシュラ13巻 乃木グループ会長・乃木秀樹1
(13巻)
乃木グループの初見泉(はつみ・せん)と義武不動産の千葉の戦い終わりでは、企業のトップ同士の争い・裏工作も垣間見れます。乃木秀樹がどんどん渋くなってるのは気のせいか。

ちなみに乃木グループ会長・乃木秀樹は主人公を拳願仕合に参加させるように仕向けた張本人。キャラクターが多い漫画でもありますので、たまにこうやって自分で説明もしておかないと忘れる…とか書いたら、またツッコまれそうですが(笑)

『マージナルオペレーション』4巻のネタバレ感想。原作は芝村裕吏、作画はキムラダイスケ。アフタヌーン(講談社)で連載中の戦争漫画。同名小説をコミカライズ化したものらしい。マージナルオペレーション1巻から3巻のネタバレ感想は既にレビュー済み。

あらすじ

主人公は新田良太。引きこもりがちのアラサー無職だったものの、ひょんなことから自由戦士社という民間軍事会社に入り、海外で傭兵として活動。中央アジアなどの紛争に加担。そこで子供兵を率いて指揮官として才能を開花。

マージナルオペレーション4巻 新田良太と子供兵
(4巻)
そして、その子供兵たちと共に日本へ帰国したところから4巻が始まります。

一応1巻から3巻のレビューでは好評価をつけた覚えがありますが、4巻ではちょっとツッコミどころが多かったので厳しめにツッコミます。パコパコ。

日本の公安関係は優秀?

主人公・新田良太は見るからに怪しい。実際偽造パスポートを使って新田良太たちは入国してる。日本から傭兵業界に入り込み、中東アジア・タジキスタンの紛争で反政府ゲリラに捕虜にされて消息不明になる。ただ1か月後、子供兵を大量に引き連れて、イランで拉致された日本人を救出。そして、そのまま日本へ帰国してきた。

そこで日本政府に属する公安関係が新田良太一味を尾行・監視。ただ警察関係ではないということなので、作中では明確に表現されてませんがおそらく内閣情報調査室や公安調査庁に属する職員。
マージナルオペレーション4巻 公安・伊藤幸恵
(4巻)
その公安職員の一人がドジでマヌケな伊藤幸恵。尾行があっさりバレるものの、ごまかし方が小学生。

でも伊藤の上司BBAは一応しっかりモノ。新田良太はBBAの尾行に気付いて、軽く挑発したことから二人は会話。「心はこの国以外にあって?」「貴方は日本国を守る力が存在することに気付いて?」などBBAは色々と詰問してくる。「偶然や敵の無能に期待しては国を維持できないと思っています」と新田良太は返答すると…
マージナルオペレーション4巻 公安
(4巻)
「どうかしら?それと接触した感想は?」と強烈なドヤ顔。

もうツッコミどころが満載。新田良太にガチで警戒してはいないとは言え、監視対象にガッツリと絡んでいく。このあとストーリーでは公安が新田たちに仕事を依頼(後述します)してくるわけですが、出会って数日で頼むか?という疑問も。

あと公安関係者とは言っても、所詮は公務員。こんな白髪のBBAがいるわけない。仮に定年の60歳を迎えてなかったとしても、上司が前線で活動することも有り得ない。むしろ白髪頭が目立って仕方がない。

ましてや仮に脆弱なBBAが敵に捕縛されたらどうするのか?ハンターハンターのビスケなどが典型ですが、マンガやアニメの中では「BBAは強い」のは定番。でもリアルのBBAはもちろん弱い。そこで公安の情報を知るために拷問をかけられる可能性も高いわけですが、そういった危険性が一切考慮されない。

もし敵が平穏無事で自分の身柄を帰してくれると思ってるとしたら、それこそ脳ミソお花畑。作中の新田良太のセリフを援用すると、「公安が監視してる敵は随分と奥ゆかしい破壊活動をしている」と言わざるを得ない(爆笑)

「研修所における初任者研修ではせいぜい面談の練習をするぐらい」
http://kimoota.net/psia-recruit/
そもそも夢見過ぎというか、例えば元公安調査庁で働いてたキャリア官僚の方のブログを見ると、最初の研修では「面接の練習」をしてるだけ。もはや「完全にお遊びレベル」という表現も。確かにマンガを読んでもお遊びレベルの域を出てないのが現状ですが(笑)

2014年公安調査庁採用パンフレット
http://www.moj.go.jp/content/000123095.pdf
例えば、公安調査庁のリクルート活動を見てみると、2014年版の公式サイトがアニメ臭全開。2015年版も似たようなアニメ風。大人気のトヨタ自動車やテレビ局、銀行での採用活動はこんなことしてないことからも、よほど人材が枯渇してることが分かります。

ちなみに公安は警察や防衛省などにも様々存在してるそう。そこで思い出されるのが、京都大学へ侵入…もとい潜入調査してた京都府警の公安課のお兄ちゃん刑事(実名は伏せます)。なんと無様にも学生に見つかって学長へ通報される。そして学長や教師たちに部屋で詰問されまくり。

そこで公安課のお兄ちゃん刑事が取った手段がLINEで上司に助けを求める。公安のお仕事はウラで監視すること。当然敵(笑)にバレちゃいけないですから、当然そのマヌケな刑事は捨て置かれるのかと思ったら、大勢の刑事たち(公安課以外の警官も?)がゾロゾロと大挙として京都大学へ乗り込む。おいおい、監視活動という建前はどこ行ってん?写真だけ見ると今にも抗争に参加しそうなヤクザ集団(爆笑)

要するに、公安さんは「茶番」という名の劇団員以上でも以下でもないのが現実でしょう。所詮は日本でデモをやってるヤツをパシャパシャとマスク姿で盗撮してるだけが関の山。そもそも女性職員はこんなに多くないでしょ。

日本は難民・亡命者を受け入れている?

まだまだツッコミは続きます。主人公・新田は子供兵たちに普通に生きてほしいと願ってる。そこで公安のドジっ娘・伊藤幸恵に日本に亡命(難民)できないかを頼む。

マージナルオペレーション4巻 日本は難民を受け入れてる?
(4巻)
でも伊藤幸恵は「この国には現在多くの人々が押し寄せてますから無理です。既に社会問題になってます」と拒否する。

そこで日本がどれだけ海外からの難民を受け入れているか見てみると、2014年では5000人以上難民認定申請を行ってますが、日本で難民として認定されたのはたった11人だけ。一時的な在留を含めて110人。

日本より小さいフランスでは年間数万人。最近はイスラム国の台頭でシリア難民が増えて、2015年はドイツだけで数万人規模が新たに難民を受け入れる予定。そこから更に増えてEU全体で16万人規模の難民を受け入れようという話も。

確かに既に大量の難民(もっと言うと移民)を受け入れている国々だったらまだしも、日本ではむしろ多くの難民は押し寄せてはいないのが現実。問題は問題でも、「難民を拒否してる」という日本政府・安倍政権の姿勢が問題という批判だったら成立しますが、原作者は一体何を根拠にこういうテキトーなことを書いてるんでしょうか?妄想だけでマンガを描くと恥をかく典型。

せめて主人公が強く否定するのであればまだしも、「そうでっか…」と何故か納得してすぐ引き下がる。これもイマイチ意味不明。

教祖と公安が仲良しこよし?

ここまで長ったらしく書きましたが、いよいよツッコミもラストになります。前述のように主人公・新田良太は公安のドジっ娘に仕事を依頼される。偽造パスポートを見過ごしてもらってるので、半ば強制的。その仕事内容が、ある新興宗教の教祖を護衛してくれというもの。

マージナルオペレーション4巻 武装カルト
(4巻)
ただ新興宗教とは言っても、手榴弾や改造銃を保持してる武装カルト集団。これに公安がお金を払って非合法活動をさせていた。でも信者は信仰心から活動していたものの、教祖だけは公安からたっぷりとお金をもらっていた。その事実が明るみに出ると信者がファビョーンと爆発して、教祖が狙われているという状況。

じゃあ何故公安が教祖を守るかというと、「警察に公安調査庁の存在・これまでの活動がバレちゃいけない」から。

武装カルトですから、どんな非合法活動かは何をか言わんや。ただ逮捕権もないのに、こんなことしちゃうのかよっていう疑問。それこそ派手な破壊活動をさせておいて、そのカルト集団を警察が把握していないということも考えづらい。むしろ警察が先に動いとけよって話。

「警察にバレちゃ困る」という理由や発想からして、自民党のネトウヨ武藤某氏のように実に利己的。そこには日本の治安という概念は一切ない。少なくとも、警察庁にも外務省にも防衛省にも似たような組織があって、「日本を守ってるのは私達(キリッ」とBBAが言ってるものの、実際は守備範囲が重なる「公安」同士で反目しあってるのが現実でしょう。

主人公・新田は「日本国に害をなす存在を共食いさせてる」と公安のこの作戦を評価。ただそこら辺の活動家や政治家の内ゲバを煽ってるだけならまだしも、新田良太たちも結局はこれから武装化するわけで、言っちゃえば公安がヤクザの抗争の火種を自ら作ってるようなもの。

最近、山口組の分裂騒動が世間を騒がせてますが、いくら結果的にお互いの勢力を潰し合えたとしても、街中でドンパチやられちゃ市民はたまったもんじゃない。

それを「日本の治安を守ってるのは私たちよ(キリッ」とアホ面でドヤってる公安が『国家天下』を語る滑稽さ。
マージナルオペレーション4巻 公安
(4巻)
前述の公安BBAのドヤ顔をもう一度貼っておくと「スパイごっこに酔いしれてるだけ」という表現がよく似合うと思われます。

総合評価

マージナルオペレーション3巻ぐらいまではフワッと読めましたが、4巻の日本編以降はうーん。海外での話だったら話半分で聞き流せますが、さすがに日本国内でとなると失笑が漏れることも。「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」という表現がピッタリ。

ゲート自衛隊』もそうですけど、「俺リアリストだから世界の現実語っちゃうぜ~」的なスタンスが要所要所で見えるのが痛々しい。ゲート自衛隊のレビューでは「フィクションやファンタジーにリアルな視点を持ち込むな」という擁護になってるのか、なってないのか分からないコメントも来ましたが、少なくともマンガの中では『これが現実(ドヤァ』とキャラクターが語ってはいるので、せめて作者本人の妄想はもっと抑えてところ。

この程度の子供だましだったら、大人しくテキトーにドンパチやってたら?っていうのが本音。

◯展開★3◯テンポ★3.5
◯キャラ★3.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…77点!!!!

『EGメーカー』全4巻のネタバレ感想。作者は酉川宇宙(別名・榎本ハイツ)。ヤングアニマル(白泉社)で連載中の仕事漫画。下ネタ多めなので嫌いな方は注意。

あらすじ

舞台はモミーデザインという中小ゲームメーカー。主人公はそこで働く新入社員・吉見優香。

ただゲームメーカーはゲームメーカーでも、ドラゴンクエスト8などで有名なスクウェア・エニックスといったコンシューマ向けメーカーでもなく、最近流行りのソーシャルゲームメーカーでもない。まさかの「Er0 G@me Maker」。つまりタイトルのEGはその略。もう多くは語りません。

つまり「つい最近まで純真無垢な女子大生がEGメーカーに入社してしまったら?」というお話。

揉まれて揉んで社会人として大きくなる

基本的には吉見優香の成長ストーリーが根底にあります。

EGメーカー1巻 大類芳樹
(1巻)
例えば、上司の大類芳樹はめちゃめちゃ厳しい。まさに仕事の鬼。むしろ趣味を仕事にしちゃった的な勢い。「てめえの血は何色だ!?」というフレーズをパロってますが、詳細は割愛。とにかくビシバシと部下を調教。それに耐える吉見優香。まさに社会の波のもまれて、色んなところが大きくなっていく展開。

吉見優香はとにかく真面目なので、いつ、いかなる時も仕事のことは忘れない。
EGメーカー1巻 合コンでも仕事熱心の吉見優香
(1巻)
それは男と合コンをしている時だってそう。上司・大類から電話で仕事のダメ出しを受けたら、それを思わず口に出さずにはいられない。むしろ女子は口に出される側か。

それも当然。アニメやゲームでも基本的に三次元のビデオと同じ。いわゆる「消し」が甘かったら怒られるというレベルじゃない。ちなみに自分の勝手なイメージかも知れませんが、何故リアルの3次元のよりモザイクが濃いめなんでしょうか?

ただヤル気はあっても技術が全く追いつかない吉見優香。プログラミングもダメ、ストーリーも作れない、音楽の素養も当然ない。できるのは着色ぐらい。ただ想像だけでは描写することはできない部分が、女性の体にはたくさんある!

EGメーカー1巻 吉見優香のアソコ
(1巻)
そこで吉見優香が取った手段が、まさかの、まさかの自分の色を参考にする!タハー!

場所は秘密です。ちなみに吉見優香が働くモミーデザインは「AF」を売りにしているメーカー。その箇所も自分のアレを参考にして描写したとか。ちなみに、この記事タイトルの「穴」はそういう意味です。

EGメーカーのお仕事内容とは?

そもそもEGメーカーにはどんなお仕事があるのか?

例えば原画を描く人がいる。いわゆる原画家。基本的にはアニメを作るのはメーカーさんの社員でも、その元となるキャラクターデザインを作るのは別。そこで作中で登場するのが「畜瓶次郎」。あえてフリガナは付けません。

ただ畜瓶センセーの原画を見て、吉見優香は疑問に思う。ブラのホックが少ない。実際に大きめのカップではホックが複数あるらしい。でも畜瓶センセーは意に返さない。何故なら、ホックが少ない方が男性は外しやすいから。
EGメーカー2巻 畜瓶次郎ブラホック
(2巻)
「作り手が描きたいものを(自分勝手に)描いてはダメ」
「ユーザーがカキたくなるような絵を描くのが原画家の仕事」
by畜瓶センセー
ちなみに手の位置とかをマジマジと見つめちゃイカンです。

EGは基本的にはシミュレーションゲームに近いそう。普通にアニメもあったりして、当然そのキャラクターに息吹を与える声優さんは必須。ただ新人声優はやらせてもらえないのか、ベテラン声優さんが多く起用されていたりする?

EGメーカー1巻 声優さん
(1巻)
だから例えば大島のぶ子という声優の「クチュクチュクチュ音」の出し方、その手練感がハンパない。普通は色んな道具を使うのかと思いきや、まさかの軽い自家発電。これじゃあ実際にやってんのと変わらなくね?

ただ画像を見てみると声優・大島のぶ子は軽く目が死んでる。「男はどうせこんなのが好きなんでしょ?」と斜に構えてる感じすらある。仕事がこなれてくると、どうしても新鮮味も薄れがち。そこでEGメーカーの音響担当社員・白井が注文をつける。「初めての女性がこんなにジュボジュボやるんかね?」。

…ってさっきの音は、まさかの初物女性キャラクターだった!!!もし初めてだと聞いてた女性がいきなりジュボジュボし出したら、男は間違いなく萎えるでしょう。
EGメーカー2巻 声優さん
(2巻)
白井の説得から声優として一番重要な場所に気付かされた大島は思わずショックを受ける。そして、「あの純粋で直向きな気持ち…どうして忘れてしまったんだろう…」と自分がまだウブだった頃のことを思い出す。

ただ残念ながら、大島の初体験はまさかの3人プレイ。しかも一人は黒人のボォブゥ。少なくとも、お前はハナから清純さは備わってなかっただろ!っていう。

後半は吉見優香がパパに自分の仕事がバレてしまう。ただ吉見優香は自分の仕事に誇りを持っているので、EGの良さをパパに知ってもらうためにどうしたか?
EGメーカー3巻 吉見優香パパすれ違いコント3
(3巻)
まさかの一緒にプレイ。しかも正座。かしこまるにも程がある。久しぶりにこんなシュールすぎる光景を見ました。もし手塩にかけて育てた娘にこんなんを要求されたら泣きますけどね。

ちなみに直前に行われる大類と吉見パパとのすれ違いコントも面白かった。4巻では吉見優香のひきこもりの兄をEGで救う的な展開?

総合評価

スポ根的にビシバシと主人公の女の子が鍛え上げられ、素直に成長していく姿は小気味が良かった。性格もポジティブで卑屈すぎない。社会に対する恨み辛みも少なく、全体的には好感が持てます。作者の画力も高く、その過程でしっかりサービス描写もあって(ヤングアニマルレベルだとやや物足りない感じもしますが)、個人的には意外に面白く読めました。

ただ残念ながら、既に今年8月に連載終了済み。来月10月に発売される最終4巻で完結するっぽい。ネタがネタなので取っ付きにくい読者も多かったんでしょうか。確かに大人向けDVDなどと違ってコスパが悪いので、実際に購入してヌキヌキしてる方は少ない?

また『バクマン。』のような漫画家の裏側を描いた作品が流行ったからといって、アニメやゲームの制作現場をネタにした作品が流行るとは限らない。何故なら、アニメやゲームは集団で作ってる。だから作り手の顔が見えづらい上、メインのキャラクターを誰に据えるかも難しい。読者の共感も分散してしまいがち。

定期的にこういう内容のマンガが発売されますが、そもそもマンガに興味があるからといって、イコールアニメやゲームにも興味があるとは限らない。少なくともアニメ作品には興味があっても、そこまで作り手に興味がない人が多いはず。それに現実では中国や韓国に外注してるケースが大半でしょうし。

だからマンガとアニメネタやゲームネタは意外に親和性ってないのかも?

◯展開★3.5◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4.5
◯おすすめ度…87点!!!!

『明智警部の事件簿』1巻のネタバレ感想。原作は天樹征丸、作画は佐藤友生。マガジンSPECIALで連載中のスピンオフ漫画。最新3巻は今月9月17日に発売されるのでレビュー。

あらすじ

いわゆる金田一少年の事件簿シリーズのスピンオフ。漫画タイトルからも分かりますが、主人公は明智健悟警部。メガネを掛けたイケメンエリート。自信家でイヤミな言い回しから、本編では金田一少年とぶつかることもしばしば?

明智警部の事件簿1巻 明智健悟と小林竜太郎
(1巻)
この明智警部がロス市警での研修を終えて日本に帰国後、小林竜太郎という部下を従えるところからストーリーが始まります。

ミステリーよりストーリー性がメイン?

明智警部はもちろん捜査一課に所属してるわけですが、何故か最初のストーリーは本屋の万引き少年の話。この不良少年の父親は貴島順一という保守系政治家。そこで権力をかさにやりたい放題。警察にも圧力をかけて、息子の不祥事をもみ消す。

明智警部の事件簿1巻 被害者
(1巻)
だから被害者の書店員は「あいつを捕まえることもできないんですか!?」と泣きながら、明智警部たちに訴えかける。警察は身内の警察官が不祥事を起こすと基本的には公表しないので、実際こういうことは多そう。

ただ話は万引きで終わらない。不良少年が今度は放火犯に仕立て上げられてしまう。
明智警部の事件簿1巻 万引き少年
(1巻)
頼みの綱だった父親・貴島順一も選挙が終わったという理由で見放されてしまう。まさに孤立無援。でもそこで手を差し伸べたのが明智警部。真犯人を見つけることで、不良少年の冤罪を晴らす。

だから犯人当てという王道ミステリーよりも、明智警部という一人の人間に焦点を合わせたストーリーもの。警察官・刑事としての本分や生き様を描かれてる。
明智警部の事件簿1巻 熱い明智健悟
(1巻)
不良少年が明智警部に悪態をついた時も、「悪事を悪事と知らない子供のやること。だからこそ罰を受けさせてやるのが大人の務め」と保守政治家の権力に屈した警察官の上司に対して反論したり、実はめちゃめちゃ熱い部分が見れる。クールさやキザっぽさばかりが目立つ明智警部ですが、もはや剣持警部以上の熱量。

総合評価

佐藤友生は、安童夕馬原作の『探偵犬シャードック』でも作画を担当してた方。だから本編『金田一少年の事件簿』の明智健悟よりルックスはカッコイイかも。女の子読者向け?ただ冷徹な推理力やクールさがウケてるキャラだと思うので、この明智警部の熱さは評価が分かれそうな気もしますが。

一方、相棒である小林竜太郎のキャラクターが悪い意味でパッとしない。もちろん明智警部より目立たせてはいけないものの、どこか光る何かは欲しい。髪型や身長といった部分でも違いは欲しいか。

明智警部の事件簿1巻 南条
(1巻)
2巻は読んでませんが、後半からはやや血生臭い事件も発生。南条という女の先輩刑事が未解決事件を捜査するものの、容疑者であり遺族の一人だった女性が転落して亡くなってしまう。そこから徐々に真犯人を追い詰めていくという展開。だから明智警部はウラから支えるサポート役w

ただ1巻に関して言えば、「明智警部の事件簿」より「明智警部の捜査日誌」という漫画タイトルの方が適切な内容。犯人当ての色彩は弱く、ミステリードラマだと「古畑任三郎」より「相棒」に近い。ミステリー漫画にこだわらなかったら、まずまず読めます。イケメンエリート眼鏡好きだったら一度は。

◯展開★3.8◯テンポ★3.5
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…81点!!!!

『亜人ちゃんは語りたい』2巻のネタバレ感想。作者はペトス。ヤングマガジンサード(講談社)で連載中の学園漫画。

これまでの経緯

主人公は高橋鉄男という男性教師。昔から亜人という存在に興味を持っていた。ただ亜人は希少で存在を見かけることが稀だった。でも赴任した高校で、次々と亜人(デミ)ちゃん達と出会うというストーリー。

だからタイトルの読み方も「デミちゃんは語りたい」。どうしてもついつい「あじんちゃん」と読んでしまうのは内緒。


雪女・日下部の悩みとは?

この2巻は雪女の日下部が活躍(?)。1巻では周囲を避けてる感じがあった日下部ですが、その悩みを主人公・高橋鉄男に打ち明けて、どう解決していくかというのが展開のメイン。

亜人ちゃんは語りたい2巻 雪女日下部1
(2巻)
じゃあ雪女・日下部がどういう悩みを抱えてるかというと、それが「自分がどれだけ危険か分からない」ということ。セリフだけ聞けば、それこそただの優しいバケモノにしか聞こえない。

一応雪女・日下部は中学時代は雪国の学校に通ってたので普通に過ごしてたものの、高校に進学すると同時に都会へ引っ越ししてきた。ある日、お風呂の中で考え事をしていると、湯船にまさかの氷がプカプカ。「ウ、ウチ、才能に目覚めてしもたん!?」という驚き。

そこで主人公・高橋鉄男が根ほり葉ほり質問をして解決方法を探っていく。湯船の温度は下がってないのに、何故か氷がプカプカ浮く…そこから名探偵コナンばりの名推理を導き出す。その過程は割愛しますが、要するに氷は「日下部の汗」だった。1巻でも氷の涙を流してましたが、その延長線上。

亜人ちゃんは語りたい2巻 雪女日下部2
(2巻)
でも汗は汗でも、冷や汗。ちょっとしたオヤジギャグ的なオチではありますが、人間ストレスが溜まると冷や汗をかくらしい。日下部の場合、慣れない土地に引っ越してきて、また一から人間関係(デミ関係?)を構築していくことが相当なストレスだった。

だから主人公・高橋が優しく諭す。「お前は人を傷つけるような亜人じゃない」と。それを聞いて安心した雪女・日下部は思わずポロポロと涙を流す。でも日下部は雪女だから涙は凍るはずでは?
亜人ちゃんは語りたい2巻 雪女日下部3
(2巻)
…と思ったら、あったかい涙は凍らない。なんというオシャレでキレイなオチなんだ!凍った涙はちょっとした伏線の一つだったのかも知れない。

でもラストは高橋鉄男が、日下部の「凍った冷や汗」を持ち帰ろうとする。理由が成分分析。どこまでも亜人馬鹿の高橋鉄男にデリカシーの文字はなし。配慮ができるんだかできないんだか。「さすがにセクハラです」と断固拒否する日下部。確かに実際の冷や汗はネバネバしてて、臭いもキツイらしい。女子は特に臭いには敏感なようですから、これはなんという羞恥プレイ。

高橋は「冷たいやつだなー」とボヤくんですが、日下部の「わたし、雪女ですから」という返しがベタで良かった。雪女であることにビクビクしてた日下部が吹っ切れて、一人の雪女として自信を持ったポジティブさが良かった。とりあえず1巻では少しギクシャクしたバンパイア・小鳥遊たちと仲良くなります。

亜人ちゃんは語りたい2巻 バンパイア小鳥遊だけ呼び捨て
(2巻)
ちなみに日下部も高橋鉄男のことが好きで、バンパイアの小鳥遊だけ呼び捨てで呼ばれてることに軽く嫉妬(?)を剥き出し。女性的には呼び捨ての方がキュンキュン来るもんなんでしょうか。

デュラハン町は意外と便利だぞ?

デュラハンの町京子の4コマ漫画も何個か掲載。目次に載ってないので多分描き下ろし?首と身体が終始分離されてるので基本的には不便。後述しますが、クラスで荷物運びを頼まれても片手は常に自分の首を持ってる状態だから(笑)

ただ描き下ろしの4コマ漫画を見て、「デュラハンめっちゃ便利やん!」と思った場面があった。
亜人ちゃんは語りたい2巻 デュラハン町は便利
(2巻)
それが見たいテレビがあるのに母親に用事を頼まれたとき、顔だけソファーの上に置いておいて、身体だけ頼まれた用事を処理しに行く。使い勝手良すぎやろ!

もちろん大人になればこういう場面は少ないし、最近のテレビは面白くないことが多かったりもしますが、例えばサッカー日本代表戦。不思議と緊張感からか、不意に尿意が襲ってくることもある。でもハーフタイムまで我慢してる人も多そう。でも顔だけテレビ画面の前に置いておいて、身体だけトイレに行かすことができたら、こんなに便利なことはない!(笑)

デュラハンネタはいろいろと考えられそうなので、今後も折を見ては登場しそう。高橋鉄男に呼び捨てで呼ばれた時に、赤面ならぬ首から火を吹いてる描写が笑った。地味にコエーよ。

ちなみにクラスで荷物運びを頼まれた時に、サキュバス佐藤先生が手伝ってくれる。このときにちょっとした恋バナをする二人。そこでデュラハン町がショートカットを好む理由も明らかに。
亜人ちゃんは語りたい2巻 デュラハン町の恋1
(2巻)
それが高橋鉄男に「おそろいみたいで良いじゃないか」と言われたから。厳密には髪の毛が長いと自分の頭を落としやすいからというのが一番の理由なんですが、なんなんだこのピュア感は!

亜人ちゃんは語りたい2巻 デュラハン町の恋2
(2巻)
それを聞かされた佐藤先生は嫉妬心から思わず足をバタバタ。自分がバージンなんバレまっせ!高橋鉄男との共通点を作るためにムキムキマッチョに鍛え上げないことを祈るばかり。

総合評価

相変わらず、コメディーというよりラブコメチックのキュンキュンさが強めなので女の子読者向けの内容かなーと。主人公ハーレムではありますが、全体的にはゆる~い空気感にホッコリ。雪女・日下部のクダリはドリカムではないですが「うれしはずかし」ワールド全開。

ただ1巻では「高橋鉄男がメインで語ってるだけ?」と書いた気がしますが、この2巻からは「亜人(デミ)が悩みを語る・相談する」というタイトル通りの展開やスタイルを作れていた気がします。だから青春要素が更に強めになってます。

高橋鉄男がやや理屈っぽいものの、結構良いことも語ってます(バンパイア小鳥遊ひかりの妹・ひまりとの回)。ただその直後に、小鳥遊ひかりから冗談で「センセー(高橋鉄男)におそわれちゃったよ~」とひまりにメールが来る。当然それを高橋鉄男に「何ですか?これ」みたいに見せつける。
亜人ちゃんは語りたい2巻 高橋鉄男固まる
(2巻)
当然、そんなこと見覚えもない高橋鉄男の表情がこれ。散々カッコイイことを言った直後だったので、ムダにハンパないギャップ感。こうやって世の中の男子は女子に冤罪を作られるんです!!!

2巻の後半では、何故か学校にクルスと宇垣という二人の刑事が登場。サキュバス・佐藤先生の知り合いらしい。さすがに学校と刑事は組み合わせとしてどうなん?果たして3巻では一体どういう展開が待ってるんでしょうか?

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★4.5
◯おすすめ度…86点!!!!

『トリコ』36巻のネタバレ感想。作者は島袋光年。少年ジャンプ(集英社)で連載中のバトル漫画。

あらすじ

主人公はトリコ。美食屋と呼ばれる食材(モンスター)を確保してくる達人。そして、天才的な食運を持つ料理人・小松との物語。美食會という悪の組織と対峙していたものの、そこへ謎の組織「NEO」が暗躍。人間界の食材は滅びかける。

そこでトリコたちは人間界を飛び出し、凶悪な八王が牛耳るグルメ界へ出発。アカシアのフルコース料理を探すたびに出る。最近までの展開としては、『ペア』と呼ばれる八王の一人・猿王バンビーナのタマタマをゲットしたところから。

トリコ36巻 ゾンゲと猿王
(36巻)
ちなみにゾンゲは猿王バンビーナとハッピーエンドを迎えます。パチパチ。

クロノトリガー的な世界観

そういえば最近DSの『クロノ・トリガー』というRPGゲームをプレイしました。

主人公・クロノがふとしたキッカケで時空を飛び越えるようになり、そこで自分たちの未来が終わりを迎えることを知る。そして中世に暗躍した魔王が創り出した「ラヴォス」が張本人だと分かるものの、実はラヴォスは6500万年前に地球に飛来した生命体だった。ラヴォスは地球の奥深くでエネルギーを溜め続けて、最終的には地球そのものを飲み込む。

この『トリコ』も同じで、地球に数億年前にグルメ細胞が飛来して、地球内部まで到達。そしてエネルギーを吸い続けて、地球を覆いかぶさるように成長。地殻変動や火山の噴火などは全て地球の旨味を引き出すための調理工程。
トリコ36巻 ニトロ=トロル
(36巻)
クロノ・トリガーのラヴォスではないですが、地球を料理してる存在がニトロ(ブルーニトロとレッドニトロ)。厳密にはグルメ細胞から産まれた怪物トロル。グルメ細胞の食欲が具現化した存在らしい。

『トリコ』は時間移動こそしませんが「隕石落下からのボスが地球を食べてる」というニュアンスはどちらも同じで、パクリと言ったらアレですが世界観が結構似てるなーと思いながらクロノ・トリガーで遊んでました。作者の島袋光年は色んな作品に良くも悪くも感化されやすい人なんだろうなと。

トリコ36巻 アカシアに潜む化け物グルメ細胞
(36巻)
ちなみにブルーニトロの目的は、アカシアの中に眠る最強のグルメ細胞。ブルーニトロは7人いて、地球のフルコース料理を担当(守ってる?)。そこで料理を用意し、アカシアに眠るグルメ細胞(食欲トロル)を復活させる的な展開。その日が「グルメ日食」。このアカシアのグルメ細胞がクロノ・トリガーでいう「ラヴォス」なのかも知れません。

トリコたちはバラバラに分かれる

ストーリーとしては1か月後のグルメ日食を阻止するために、NEOよりも先にアカシアのフルコースを集めなきゃいけない。そこでトリコたちは手分けして同時に集めることになる。

エリア6にある『アナザ』捕獲のために、小松などモブキャラたちが残り、肉料理『ニュース』捕獲のためエリア5に向かうのがゼブラとブランチ。デザート『アース』捕獲のためにエリア4に向かうのがサニーとライブベアラー。ドリンク『アトム』捕獲のためにエリア3に向かうのがココとタイラン。メイン料理『GOD』捕獲のためにエリア2に向かうのがトリコとスタージュンといった具合。

トリコ36巻 ジジ
(36巻)
レッドニトロであり金のシェフでもあるジジが仲間に加入。そこで小松たちと共に、世界一巨大な貝「ジャイアントシェル」内にあるブルーグリルという町へ行く。

トリコ36巻 十貝五人衆
(36巻)
そこには町を牛耳る十貝五人衆がいて、料理バトルが始まったりします。

ブルーグリルという町には食霊がたくさん登場。食霊はアナザがある「裏の世界」へ行く上では重要な存在。料理バトルをしていく過程でその方法を模索していくという展開。
トリコ36巻 ジョア
(36巻)
ジョアという敵がフワッと登場しては、フワッと消えていく。これも裏の世界へのチャネルを利用することで可能。

総合評価

設定の追加ばかりで理解するのがやや大変。メンバーを分散しすぎてもストーリーもやや希薄になりがちか。

トリコ36巻 三虎の伏線
(36巻)
最新話にも繋がりますが、ペアを食べた三虎が「真の敵」を理解したという伏線。真の敵とは言っても、元会長・一龍も指摘してましたがNEOしかいない。少年ジャンプ最新号を読むと三虎がNEOに乗り込み、アカシアのグルメ細胞が少し復活。そこへ再生屋・次郎や節乃が対峙…という展開。

だから最新号のトリコを読む限りはワクテカ。冨樫義博のマネをして下手な小細工をせず、昔の『たけし』の時のように脳筋バリバリ全開で、極端なことを言うと「勢いだけ」で作って欲しいなと思います。

◯展開★3.5◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…82点!!!!

『黒子のバスケ-EXTRA GAME-』1巻(前編)のネタバレ感想。作者は藤巻忠俊。少年ジャンプNEXTで連載中のバスケマンガ。タイトルの読み方は「エキストラ」ではなく「エクストラ」です。

あらすじ

『黒子のバスケ』のスピンオフということでもないですが、全国大会が終わった後の話。

「Jabberwock(ジャバウォック)」という世界的なストリートバスケットボールチームが来日。全員が18歳前後という若者ながら、超絶的なパフォーマンスとテクニックで観客を魅了。時にはNBA選手も翻弄するほどの実力チーム。

日本のストバスチーム「VORPAL SWORDS(ヴォーパルの剣)」と日米友好も兼ねた親善試合が行われる。ただ「Jabberwock(ジャバウォック)」の選手は素行がめちゃめちゃ悪い。日本の選手たちがとことん試合中にコケにされる。

そこで立ち上がったのが、キセキの世代+火神など。全国大会の因縁は一先ず置いておいて、帝光中学校時代以上の結束を見せる。そしてアメリカの「Jabberwock(ジャバウォック)」と対峙する…という展開。

ちなみにルイス・キャロルというイギリスの詩人をモチーフにしたチーム名。いわゆる、かの有名な『鏡の国のアリス』。そこで使われたナンセンスなポエム「ジャバウォックの詩」orジャバウォックという謎のモンスターと、その中に登場する剣「ヴォーパルの剣」の名前が由来のはず。

つまりキセキの世代という「ヴォーパルの剣」がアメリカ代表チームというモンスター「ジャバウォック」を打ち砕く、という意味が暗に込められてる。ネタバレという程でもないですが、キセキの世代チームが負けるはずがないということです。

アメリカチームがゲスい

とにかく「Jabberwock(ジャバウォック)」の選手がゲスすぎる。試合中にプレイでコケにするばかりか、直接的に「VORPAL SWORDS(ヴォーパルの剣)」の日本選手をなじってくる。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 Jabberwock・ナッシュ
(前編)
アメリカの主将・ナッシュ・ゴールド・ジュニアは「この国でバスケごっこしてる奴ら全員、今すぐやめるかしんでくれ」。まさかの日本国民全員を敵に回す(笑)

少年ジャンプでの連載じゃなくなったせいもあってか、この直後のナッシュのセリフもヒドい。あまり言語化するのもアレなのでざっくり要約すると、「お前らはサルと一緒に相撲がしたいと思うのか?」ということらしい。しかも「子供を連れて来いと言ったのは、サルの子供の夢を潰したかったからだ」と罵詈雑言が止まりません(笑)

だから来日しても、まずはキャバクラ通いで毎晩豪遊。誠凛高校の女子マネ・相田リコのパパがコーディーネートしてるんですが、全部自腹。美しきジャパニーズ接待!
黒子のバスケエクストラゲーム1巻 黒子の影の薄さ
(前編)
あまりにヒドい罵詈雑言だったので、黒子が豪遊中のキャバクラにまさか乗り込む。ただ影が薄すぎて相田リコパパが気付かないのはちょっと笑う所。この直後に黒子の「バスケをするのに資格なんていらない!」と言い放つ場面は見所。

最終的には他のキセキの世代たちもキャバクラに乗り込む。ただつい赤司は熱くなって「黙れ下衆が!お前たちこそ首を洗って待っていろ!明日は地べたを舐めさせてやる」といった汚い言葉を吐きかけたりもしますが、多分ご愛嬌。

でもアメリカ代表チームはめっちゃ強い。
黒子のバスケエクストラゲーム1巻 Jabberwock・ナッシュ1
(前編)
主将・ナッシュは背後からだけで、この威圧感。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 ジェイソン・理不尽なまでの天才
(前編)
ジェイソン・シルバーという2メートル超えの選手は、理不尽なまでの天才と呼ばれてる。素行もトップクラスに悪いんですが、いわゆる持って生まれた天賦の才を遺憾なく発揮。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 圧倒される紫原
(前編)
マンツーマンでマークをしていた紫原も思わず尻もちを付いてしまうほど。まさに「青峰以上のアジリティ、火神以上の跳躍力、紫原以上のパワー」という評価は伊達じゃない。果たして、こんな強力なアメリカ代表チームにキセキの世代たちは勝てるのか!?

キセキの世代同士が手を取り合う

試合展開は基本的にキセキの世代側(VORPAL SWORDS)が圧倒されます。いくら日本では他を寄せ付けないとは言っても、世界的には意外に大したことはなかった…ということはリアルの世界でもザラ。観客やサポーターの立場で何度失望感を味わったか数えきれません。

黒子のバスケ・エクストラゲームだと、ジェイソン・シルバーの圧倒的な身体能力と瞬発力。ナッシュ・ゴールドの圧倒的なパスセンス・パススピード。まさに為す術がない状態。
黒子のバスケエクストラゲーム1巻 火神と青峰
(前編)
でもそこをキセキの世代たちは連携プレイで展開を打開していく。1人で負けるなら、2人で対応しようということ。画像だと火神と青峰が二人でジェイソン・シルバーのダンクを防いでる場面。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 火神と黄瀬が同時にゾーン
(前編)
前編の終わり方としては、火神と黄瀬がダブルでゾーンを発揮。今度はコッチがジェイソンを翻弄しちゃうよーん?という煽り方で後編へ続きます。

だから試合展開としては、意外にリアリティーというか違和感は感じさせません。それだけ敵のアメリカ・ジャバウォックが強く描写できているということか、キセキの世代がしょぼく映るわけでもなくちょうど良い塩梅。ついこの間までは敵同士だった選手たちが手を取り合って戦う。これもマンガやアニメとしても王道の展開。

総合評価

「EXTRA GAME(延長戦)」というタイトルではありますが、試合自体にオマケ感はない。意外に面白い試合展開。長すぎず短すぎずというボリュームも良かった。キセキの世代が同じコートに同時に立ってるだけでも、ファン読者からしたら嬉しいかも。

黒子のバスケエクストラゲーム1巻 黒子のパス
(前編)
黒子のパス(イグナイトパス)のキレも増してる印象。波紋というのか、線の書き方が上手くなってるのかなと。

ただアメリカチーム「Jabberwock(ジャバウォック)」ですが、最近差別やヘイトに対して世界的に厳しいですから、実際こんな連中がいたとしたらバスケット業界から即退場させられてる気がしますが。実際プロレスラーのスタン・ハンセンがそれで解雇。しかもかなり昔の発言。日本でネットをやってると感覚がマヒしてしまいがちですが、いずれ日本もそういう世界的な流れに従わざるを得ないんだろうなーと何となく思った。

そういえば、この『EXTRA GAME』が連載してる「少年ジャンプNEXT」は隔月発行。4話分掲載されてることを考えると、後編の発売は来年2016年春頃かなーと予想してみます…ということで、2016年5月に完結となる後編のネタバレ感想はレビュー済み。もし良かったら読んでみてください。

◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★4.5◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…88点!!!!

『恐怖の双一シリーズ-棺桶-』のネタバレ感想。作者は伊藤潤二。月刊ハロウィンで連載してたホラー漫画。

あらすじ

棺桶1 双一
伊藤潤二作品の中ではそこそこ有名・定番キャラクターかもしれない「双一」という小学生キャラクターがメインになってる漫画。だから何となく察する読者さんは察すれると思いますが、若干…というか大幅にコメディーテイストも入ってたりします。

救いようがない双一が愛おしい?

とにかく双一は救いようがない。見た目がキモい上、不気味に登場する。そして呪いを誰かにかけてみたり、終始それっぽい怖い発言を吐く。

だから初見の読者さんは「双一には何か特殊能力でもあるの?」と思ってしまうんですが、一切そんな能力がない。ひたすら「ふふふ」とニタニタしてるだけ。お前は自民党の福田康夫か。

ジョロウグモの死骸を姉・さゆりに対して「うぇ~い」って近づけて嫌がらせをするものの、
棺桶2 ジョロウグモに驚く双一
兄・公一に払いのけられて、そのジョロウグモが逆に自分の顔にひっつく。そしたら双一がめっちゃ驚く。ちょっとした新たなジョジョポーズ。双一もガマンしてるだけで、実は蜘蛛が苦手。このイタズラにかけるムダな根性。

そこまで蜘蛛が苦手なのに、今度はワクワクさんも顔負けの巨大な蜘蛛のキグルミを作る。丸太を竹馬のように乗りこなして、同級生を襲う。どんだけ筋力あんねんって感じですが、最終的には森を管理するオッサンに捕まる。
棺桶3 命乞いをする双一
ただオッサンが気性が荒すぎて、双一は必死に命乞い。「おかーちゃーん助けてくれー」とは、さすがに情けない。だから双一はアホで抜けてる、イタズラ好きの男の子。

結果的にその場面は兄・公一に救ってもらう。でもことごとく注意されてばっかりなので、仕返しとばかりに兄・公一に嫌がらせ。それがポルターガイスト。兄の部屋で次々と物が浮いたりする。もちろん、そのポルターガイストの犯人は双一。
棺桶5 ポルターガイストの質が低い双一
でも小細工がしょぼすぎてバレバレ。いや、どちらかと言えば少し大掛かりか。むしろ兄が何故弟がこんな工作してるのに気付かなかった?的な。それにしてもフスマを開けた瞬間の、二人の無言の間が何とも言えない(笑)

この直後に兄・公一はこれじゃあ受験勉強が捗らないってことで、自分の部屋にマトリョーシカ的な四層構造の簡易部屋を作ってもらう。これがかなりシュール。「ドアがどんどん小さくなっていく」と最終的に辿り着いた部屋がめっちゃ狭い(笑)

そこで双一と一悶着あるんですが、なかなかアドベンチャーチックで不思議と読ませられました。

オチが色々とフザけてる

以上のことだけを読むと、『棺桶』というマンガはただのコメディー。でも一応怖い話もあります。

例えば漫画タイトルと同じ「棺桶」という回。この話は双一の祖父が死んじゃう。生前に祖父は「自分が作った棺桶に入って死にたい」と言ってた。その延長線上で双一も自分の棺桶(ドラキュラ風)を祖父に作ってもらうものの、その道半ばで祖父が亡くなっちゃう。

棺桶8 棺桶・双一の祖父
でも孫思いの祖父はそのことが未練だったので、まさかの復活。双一のために棺桶を再び作り続ける。

棺桶9 棺桶・双一の祖父
この時の「邪魔するなー!」的な感じで祖父が襲ってくる場面がヤバイwwwでも冷静に見てみると、ちょっと笑顔。

ただオチがヒドい。双一が満足のいく棺桶ができるまで、祖父はひたすら棺桶を作らされ続ける。双一さえ満足がいけば立派に成仏できるらしいんですが、物置部屋には棺桶だけが埋まっていく。一体これは何なんだとw

また「噂」という回では、不気味なファッションモデルが写ったポスターが話題になる。
棺桶11「噂」ファッションモデル
それがこのポスター。双一の祖父ばりに怖えー!つか顔が長えー!モブキャラの妹はこれを見て一週間寝込んだそう。思わず納得するぐらい不気味。一応、口紅の広告らしいですが、化粧品会社は一体何を思って彼女を起用したんでしょうか?

そして、この不気味なポスターを巧みに利用したのが、主人公・双一。このモデルの女が口裂け女ばりに「私キレイ?」と下校帰りの小学生たちに訊いてくる。でも何も答えずにいると、「お前たちを食ってやる」と叫びながらいきなり襲ってくる…というウワサを双一が学校中に広めた。つまりウソの話。

それもひとえに自分を小馬鹿にした(と勝手に双一が思ってるだけ)「谷山まどか」という女子生徒を陥れるため。他にもドロ沼に入るとキレイになるというウワサも流すと、案の定谷山まどかがドロ沼にスク水姿で入水ならぬ入ドロ。

でも、そのドロ沼に例のモデルが既に入ってて、まさかの双一を襲ってくる。だから双一がウソだと思って流したウワサが、実はガチだったというオチ。ただこれ自体は特に問題がないものの、唯一逃げることができた「谷山まどか」がヒドい。
棺桶12「噂」ファッションモデル
双一くんがどうなったか分からない…だって私は今逃げてる最中なんだもの…無事だといいけど…」と、何故か逃げながらも自分と双一が置かれてる状況を冷静に解説・分析。そもそも一目瞭然の状況なので、敢えて説明されるまでもない情報。「…なんだもの」という表現が、いかにも間が抜けてる。

あと「無事だといいけど…」と女の子は言ってますが、他人事感がハンパない。仮に無事自分が逃げ帰ったとしても、警察に通報する気がサラサラないですからね。「私は一切悪くないのよ」という、いかにも女子的な反応。

ちなみに『闇の声』シリーズで明らかになりますが、双一はしっかり生きてる模様。

総合評価


双一のキャラクターが色んな意味で怖い。将来どんな大人に成長するか想像しただけで怖い。むしろ自分がこんな子供を産んでしまったらと想像しただけで吐き気。

伊藤潤二作品はどうしてもホラーで怖すぎというイメージがありますが、この『棺桶』はコメディー要素もあるので比較的誰でも読めるかも知れません。ただ逆に言うと、ホラー漫画としての評価は少し難しいか。

伊藤潤二のホラー作品は意外にレビューしてる人が少ないのか、不思議と検索などからの流入が多いのでレビューしてみた。特に夏頃になるとやはり興味を持つ方が増えるんでしょうか。

恐怖の双一シリーズ 棺桶
伊藤 潤二
朝日ソノラマ
1995-09-20


◯展開★3◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯おすすめ度…80点!!!!

『吊金先生』1巻のネタバレ感想。作者は加茂ユウジ。マガジンスペシャル(講談社)で連載中。

あらすじ

舞台はある高校の2年B組。そして主人公は新たな担任教師として赴任してきた吊金(つるがね)という教師。顔には包帯がグルグルと巻かれ、いかにも正体不明の男。

吊金先生1巻 「金で全て解決」1
(1巻)
しかもクラスの生徒たちにいきなり大金を渡すという謎の行動。

吊金先生1巻 「金で全て解決」
(1巻)
なんと吊金のモットーは「金で全てを解決できる」だった。

正しいお金の使い方?

『吊金先生』のストーリーとしては「吊金がどうお金を使って生徒たちの悩みを解消していくか?」という軸がメイン。最初は露骨。テストで良い点を取れた生徒にウン万円をあげたりする。

でも、そんな展開だったらつまらない。個人的に良かった回が、不良崩れの長谷川。実家がケーキ屋をやってるものの、秘伝のレシピが盗まれたことで経営が傾く。長谷川はそんなことも知らずに、レジからお金をパクったりしてた。

吊金先生1巻 ケーキ屋の息子・長谷川1
(1巻)
ただケーキ屋の経営が苦しいということを知ると、一人立ち上がる。この直前に吊金先生がホールケーキを1個1万円で買い取ると持ちかけてきてたから。でも吊金先生は結果的には断る。途方に暮れる長谷川だったものの、意外にも店は大繁盛。

吊金先生1巻 ケーキ屋の息子・長谷川2
(1巻)
実は吊金先生がお金を使って、芸能人にステマをさせて宣伝、サクラを雇って店前に行列を作らせた。結果的に経営が上向いて、むしろ以前よりも繁盛するというオチ。レシピを盗んだ奴もお金で黙らせて、読後感としては悪くなかったかも。

吊金先生1巻 生徒のために金を惜しまない
(1巻)
「私は生徒を守るためだったら、いくらでもお金を積む!無法も承知!どんな問題もねじ伏せる!」とセリフの中身はどうあれ、吊金先生は意外に熱い。

だから吊金という名前の由来も「人を金で釣る」といったニュアンスが含まれてると思いきや、どちらかと言えば「(自分を)金づる(として利用させる)」といったニュアンスが含まれてる?

見た目の意味

個人的に気になったのが、包帯グルグルの見た目。

確かにインパクトはあるものの、何故「お金がテーマ」のマンガで「包帯」なのか?普通はもっと成金臭が漂うキャラデザにするべき。包帯グルグルの理由は吊金先生が昔事故にあったからということですが、この時点で「お金で全て解決できてないやん」っていう。マンガの本筋とは関係ない部分でいろいろ変に考えてしまう。

生徒を苦しめる人間にスゴんだところで、見た目がもともと怖いのでギャップ感に乏しい。そもそも包帯で顔を隠しているので、いくらカッコイイセリフを吐いたとしても肝心の表情が隠されてるという欠点もある。

吊金先生の見た目に「意味」があるなら良いんですが、もし何も考えてなかったとしたら浅はかというか、残念。奇をてらって失敗してる典型みたいな感じ。

総合評価

明らかに少年ジャンプの『暗殺教室』を意識してそうなマンガ。集英社は「ころし」だから、講談社は「おかね」で行こうぜ的なノリ。殺センセーは可愛らしいキャラデザだから、コッチは強面で行こうぜ的な逆張り。だから、ハッキリとした狙いが見えにくいマンガでもあります。

結局、問題解決の手段としてお金をバンバン使ってるので、いくら良い話っぽくても感情移入はしづらい。「まあ、金さえあったらそれぐらいやれるわな」という範疇を超えてない気がします。

吊金先生1巻 赤松
(1巻)
吊金先生に反感を持つ生徒たち(画像は赤松)が登場するものの、むしろ彼らの感情が正常に見える。

もし漫画のセオリーを考えるなら、お金以外は信用できない生徒に賛同するフリをしつつ、実は「世の中お金ばかりじゃないんだよ」と青臭く諭すべき。そこに気付かせる描写を描くことで、「生徒たちの成長感」も漫画として描けるんだと思う。最初からお金の価値を拒否してる生徒にアプローチしてるので、オチとかが何か色々とチグハグ。

また吊金先生が高校に赴任してきた目的を考えても、うーん。吊金先生は「落ちこぼれ生徒を再起させ、高校のブランド力を上げる」ことを校長先生から依頼されるものの、こんだけ金をバンバン使ってたらブランド力はむしろ低下しかしないんじゃね?そもそも吊金先生の無尽蔵の財産を使って、見せかけのブランド力を作り上げて世間をダマせばいいんじゃね?

面白くないということはないですが、見切り発車的な部分も目立つのかなと。もちろんお金は大事なんだけど、いざという時は「お金以外のことが大事なんだよ」という結論を導かないと漫画として深みが生まれないのかな―と思います。

◯展開★3◯テンポ★3.5
◯キャラ★3.5◯画力★3
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…81点!!!!

『ミスミソウ』全3巻のネタバレ感想をレビュー。作者は押切蓮介。ジャンルは青年コミックのサスペンスホラー漫画。インターネット上で随分前から話題になってる「恐ろしい漫画」。

作者・押切蓮介の『ハイスコアガール』裁判が決着(和解)したらしいので、このタイミングで『ミスミソウ』が面白いかつまらないか全巻まとめて考察してみたいと思います。結論から書くと胸クソ悪いという点では面白いです。

ちなみに押切蓮介の裁判の和解内容は明らかになってませんが、おそらく強気一辺倒だったスクエニ側が折れたんでしょう。「マンガ内にキャラを使うのは引用」理論を突き詰めていけば、結果的に多くのゲーム作品を抱えるスクエニには不利に働くでしょうから。

だから既に連載は復活してるものの、既刊済みの作品は『ハイスコアガールCONTINUE』に改題されてかなりのキャラクターが変更されています。気になる方は復活「ハイスコアガール CONTINUE」の変更点や違いをあとでチェックしてみて下さい。


あらすじ物語 ストーリー内容

主人公は、野咲春花。もうすぐ中学卒業という間近になって、父親の仕事の都合で廃校寸前の大津馬中学校へ転校せざるを得なくなった。でも野咲春花は親思いの素晴らしい子供で、文句をいうことは一切なく、むしろ前の小学校ではイジメられていた妹・しょーちゃんが早く学校に慣れてくれるかを心配するほど。

でも大津馬中学校は閉鎖的でサイテーな中学だった。今度は野咲春花がイジメの標的にされてしまう。

ミスミソウ1巻相場みつると野咲春花
(1巻)
ただ、そこで出会った少年が相場みつる。この少年だけが野咲春花に優しく接してくれた。そして、相場みつるは野咲春花をある花に例えて言った。それが「はにかみや」という花言葉を持つ三角草(みすみそう)。この三角草が漫画タイトルの「ミスミソウ」になってます。

ただ相場みつるの助けとは裏腹に、野咲春花に対するそれは凄惨さを極めていく…というストーリー。


とにかく胸クソが悪い漫画

あらすじからも何となく分かると思いますが、とにかく胸クソが悪くなるマンガ。内容が常識の範囲内を超えてて、言葉にするのも中々難しい。

例えば娘がボロボロになって帰ってくるので怪しんだ、野咲春花のパパが中学校に抗議に行くものの、女教師もグルだから知らぬ存ぜぬを貫かれる。しかも中学校に来たパパの背中をドンとイジメっ子たちが蹴り飛ばす。野咲春花に関する相手だったら、もはや誰でもいい的な勢い。これがちょっとした布石にも繋がってはいます。

ミスミソウ1巻 全焼
(1巻)
何故なら、最終的に野咲春花の家を燃やす。普通の展開だったら「誰も家の中にはいませんでした」となるんですが、野咲春花以外の家族が全員家の中にいた。結果は特に言及するまでもないでしょう。

ミスミソウ1巻 妹しょーちゃん
(1巻)
妹しょーちゃんはこんなにも可愛らしかったのに、『ハンターハンター』のネテロVSメルエム戦後のメルエム状態。真っ黒焦げ。両親は亡くなったんですが、しょーちゃんはその状態でまだ生きてる。しかも作者・押切蓮介はここで終わらない。そりゃあSNKプレイモアだって怖くない。

ミスミソウ1巻 佐山
(1巻)
佐山というイジメっ子が野咲春花を更に追い詰めるため、「バーベキューの焼き具合はどうだったの?」というセリフを直接浴びせかける。あまりにヒドすぎて一周回って笑ってしまう。

ミスミソウ2巻 イジメっ子
(2巻)
こんなセリフを吐く野郎も。

じゃあ野咲春花はやられっぱなしなのか。もちろんそんなことはありません。放火の犯人は特定するのが状況的に難しいらしいですが、今回の場合は誰が考えたってイジメっ子たちしか可能性はない。野咲春花からしてみたら、ある意味、もう何も失うものはないわけですから(実際には祖父がいる)、そこからは復讐の鬼と化す。
ミスミソウ1巻 復讐の鬼と化す野咲春花
(1巻)
鬼と化した野咲春花の表情がヤバイ。冒頭に貼った相場みつると仲良く語り合ってた表情はどこへやら。


読後感がモヤッとする理由

じゃあ読後感はスッキリするのかといえば、そんなことはない。普通、復讐モノの作品は加害者や犯人たちをバッタバッタと倒していくので、読後感としては比較的スッキリしがち。実際、野咲春花は加害者たちを次々と倒していく。

でも『ミスミソウ』の読後感は何故モヤッとするのかというと、野咲春花自身に良心の呵責があるから。いくら相手がクソ人間だとしても、自分も同じダークサイドに落ちたようなもの。また復讐を遂げたとしても、亡くなった両親は帰ってこない。だから終始野咲春花の表情は冴えない。

またイジメっ子たち目線の心理描写も多い。所詮は言っても中学生。精神的にも未熟。だから死に際になって反目してた両親が頭の中に浮かぶ。そして「会いたいよぉ」と涙を流したりする。

前述の鬼畜なセリフだって、自分が犯した罪の重さに耐えられず現実に向きあえず、加害者は恐怖心をごまかすために敢えて虚勢を張ってるにすぎない。佐山が元イジメられっ子だったことからも伺えます。実際こういう非行少年も多いんだと思われます。

ミスミソウ3巻 佐山とママ
(3巻)
その佐山は野咲春花の復讐を返り討ちしてやろうと決意するものの、直前で母親に「何があってもお母さんは味方だから」と優しい言葉をかけられる。そこで初めて両親の無償の愛の深さに気付く。しっかり愛情を表現しない親も悪いと言えばそれまでですが、基本的に思春期は大人を信用しない。でもちゃんと大人を介在させてれば、ここまで大事にならずに済む。

つくづく加害少年少女達の未熟さを見せつけてくる。クソ虫をクソ虫としてしっかり描いてくれないので、読者も復讐心を抱くことに躊躇感を覚える。これが後味の悪さの要因。


そして、誰もいなくなった

そもそも野咲春花に対するそれも、家庭での些細な悩みからストレスのはけ口として行ってた側面も強い。実際、首謀者だった小黒妙子は進路で悩んでた。

また相場みつるに対して恋心を抱いてて、相場と仲良くしてる野咲春花が標的になったのもそれ。それを知った野咲春花は最終的に小黒妙子だけ許す。小黒も改心して真人間になろうとする。

そこで「唯一の救い」みたいなんが描写されるんですが、
ミスミソウ3巻 佐山と小黒が殺し合い
(3巻)
まさかの佐山VS小黒の新旧イジメっ子対決が展開される。結果、小黒も亡くなってしまう。

ミスミソウ3巻 相場みつる
(3巻)
しかも後半では野咲春花の理解者で救世主と思われた、また首謀者・小黒が恋心を抱いてた相場みつるが豹変。実は母親にDVで愛情を示す、歪んだ性格の持ち主だった。野咲春花は世界中で誰も味方がいない状態。ここまで描写されると、ただの悪趣味。

ラストのオチは「そして、誰もいなくなった」という表現がまさにピッタリ。つまり結果的に誰も救われてない。一つ一つの描写も救いようがないし、ラストのオチも救いようがない。だから読み終えても何の達成感もなく、読み終えた読者に唯一残ってるのは「後味の悪さ」だけ。


ミスミソウ全3巻の総合評価 評判口コミ


『ミスミソウ』全3巻のネタバレ感想をまとめてみると、インターネット上で評判だったから読み始めた口ですが、まさに評判以上の内容でした。これは「トラウマ」という表現を使っても問題はなく、学生さんが読む場合は閲覧注意。良くも悪くも『ミスミソウ』はとても万人にはおすすめできないサスペンスホラー漫画です。

敢えて好意的に解釈するとしたら「イジメをした方も、された方も傷つくだけ。何も得るものはない」といったテーマ性を読み取ることができなくはありません。そんな考え方を究極的に体現した漫画だとも言えそう。まあ、それでも胸クソ悪い結末であることに違いはなく、作者・押切蓮介はムダにこういう展開や空気感の漫画を描かせると上手い。これを面白いと思えるかどうかは好みが分かれまくるでしょうが(笑)