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『よつばと!』1巻のネタバレ感想。作者はあずまきよひこ。電撃大王(アスキー・メディアワークス)で連載中の日常漫画。旧ブログでは1~12巻をまとめてレビューしましたが、このブログでは1巻2巻ずつの感想を書きたいと思います。


小岩井よつば

主人公は、小岩井よつば。5歳の女の子。とにかく天真爛漫で、行動が読めない。とーちゃんと二人暮らし。隣家である綾瀬家も巻き込んで、よつばのトンデモナイ日常を描いたギャグテイストな内容。

よつばと!1巻 ブランコ1
(1巻)
例えば、ブランコをブンブン乗り回す。この直後には想像通りの展開が待ってます(笑)

よつばと!1巻 父ちゃんとジャンボ
(1巻)
また周囲の大人のキャラクターも良かったりします。よつばと同じ目線でガキっぽい+テンションの高い言動を取る。だからと言って、「非常識さ」はないので安心して見れる。周囲の人間に温かく見守られてる空気感が素敵。

よつばと!1巻 ジャンボとよつば
(1巻)
その画像にも写ってるジャンボという大男の知り合いに、頭をグリグリされるよつば。言葉では「やめろー」と言ってますが、この嬉しそうな表情。ウラに透けて見える関係性にホッコリ。

だから漫画タイトルの『よつばと!』は「よつばと(一緒に遊ぼうorたわむれよう)!」的な意味合い。海外でも100万部を売り上げるぐらい人気の漫画らしく、英語のタイトルは『YOTSUBA &!』。読み方は日本と同じく「ヨツバト」なのか「ヨツバアンド」なのかは知りません(;´Д`)


リアクションが意味不明

よつばのリアクションがとにかく意味不明というか、面白い。

前述のブランコのクダリでは結果、思いっきり飛んで一回転して着地する。
よつばと!1巻 ブランコ2
(1巻)
その後のリアクションがやたら静か。「こ、こえー」と一言言った後に立ち上がって、冷静に砂を払う。そして、今の状況を改めてかみしめた後に、再び「こえー」。で、ラストは「こえー」と叫びながらどこかへ猛ダッシュ。この妙な間が笑う。

よつばと!1巻 インターフォン1
(1巻)
隣家である綾瀬家に遊びに行こうとしたとき、インターフォンを何度も鳴らしまくるよつば。自動的に押すと次女・綾瀬風香が登場すると思ってる。だから何度も押しまくる。ただ綾瀬家からしたら迷惑千万。「コラー!」と長女・あさぎに怒鳴られる。

よつばと!1巻 インターフォン2
(1巻)
インターフォンの仕組みを知らないものだから、「どっから声が聞こえたの?そもそも誰?」という状況。あさぎの「それはこっちのセリフよ」というツッコミも良い。しばらくポツンと呆然としてる、よつばの様も笑う。

ある日、次女・風香から自分の名前はどんな漢字かを教えてもらう、よつば。
よつばと!1巻 風香とよつば
(1巻)
でも「わけわかんねー!」と笑顔で一刀両断。意味が分からなくても悩まないのが素敵。確かに5歳児相手に漢字の説明をしてしまった風香が悪い。ちなみに、よつばは日本人ではなく外国人という設定。父ちゃんとは血が繋がってなくて「拾った」という設定。おそらく追々明らかになるかも知れませんが、変な風に想像してはいけません。

結構こんな感じで迷惑を被る周囲の大人たち。ジャンボという大男もよつばを肩車して、昆虫採集しようとした場面。
よつばと!1巻 ジャンボの災難
(1巻)
どうしても幼児はアミの持ち手が上の方になるので、それを振り回すとデコに思いっきりゴツン。テコの原理が働いて、これは地味に痛い。よつばもこの事情を知らないので「どーした?おなかいたいのか?」とむしろ心配してくれる。よつばがワザとやったわけじゃないので、怒るに怒れない。


子供らしいピュアさ

だから、よつばはまさに中身も言動も「子供」。クレヨンしんちゃんのようにスレてるわけでもなく、敢えて狙ったようなあざとさもない。

綾瀬家との初対面のとき。ブランコのクダリの直後に、次女である風香と出会う。風香は父ちゃんに直前で、よつばを見かけたら連れて帰るようにお願いしてた。こんな変な子供はいそうでいないので、風香はすぐよつばを発見して手を繋いで帰ろうとする。

よつばは最初こそウキウキランランだったものの、途中で父ちゃんの「知らない人には付いていくな」という言葉を思い出してしまう。内心めっちゃビクビク。ただ子供ながらに表には感情を出さないように努める。そして一人で帰ろうとする。実際初めて来た土地なので迷子になるだけなんですが(笑)

よつばと!1巻 言い訳が下手
(1巻)
でも風香に対する言い訳が、めっちゃ下手。「ちょっとようじをおもいだした…あっちに…バイバイ」。5歳時の用事って一体なんだよ!土地勘もないのでアッチと表現するしかない。この拙い言い訳にキュンキュン。

だからお世辞も当然言えない。風香がよつばの絵を描いてくれた。その御礼を言いうために綾瀬家まで行くよつば。
よつばと!1巻 容赦ないよつば
(1巻)
長女・あさぎが風香の絵を見て「下手ねー」という感想を思わず漏らすんですが、それに間髪入れずに「うん」と同調するよつば。そして、「それでも」という接続詞がとどめを刺す。おそらく意味を理解して喋ってないんだと思いますが、ここまでのピュアな悪意が面白い。

5歳児ということで世の中のことはほとんど知らない。だからエアコン・クーラーを使いすぎると地球が温暖化してしまうことを綾瀬家で知る。最初は涼しさに喜んでいたものの愕然。でも父ちゃんはエアコンを持ってないだろう…と帰宅。
よつばと!1巻12クーラーは地球温暖化の敵
(1巻)
でも残念ながら、エアコンがありましたー!という時の表情が面白い。地球を壊すというイメージがあったため、父ちゃんがまさかの悪者だったなんて!という表情。ただよつばは単純なんで、「エアコンで地球を冷やしてるのよ」と説得されたらアッサリとエアコンを受け入れる。

よつばと!1巻 目に驚くよつば
(1巻)
ちなみに自分も経験がありますが、「目」っぽい対象物が苦手。画像は田んぼの鳥よけの風船。自分の子供時代は、羽根に目っぽい模様がある蛾が苦手でした。田舎の祖母の家に行くと、必ずと言っていいほど出没してテンションだだ下がりでした。


総括

よつばのキャラクターが最高。この一言に尽きます。若干萌え絵っぽいので敬遠してましたが、いざ読み始めてみるとまー面白い。いずれ12巻までレビューしたいと思います。

ただ残念なのが休載が多い。2003年に連載が開始して、現在12巻までしか発売されてないことからも明らか。2014年に掲載されたのが、たった1回だけだそう。特に2005年以降は顕著。全巻大人買いでは★5の評価にしてますが、ハンターハンターベルセルクなどと同様、気長に待てる読者限定ということも言えそう。

ちなみに【感想まとめ】よつばとが面白いという考察レビューはアップロード済み。おヒマなら。

『はんだくん』4巻のネタバレ感想。作者はヨシノサツキ。ガンガンオンライン(スクウェア・エニックス)で配信中の日常漫画。はんだくん1巻2巻は別のブログでレビュー済み。全7巻まとめてはんだくんが面白いか考察した感想レビューもアップ済み。


4巻のこれまでの経緯

いわゆる『ばらかもん』のスピンオフ漫画。

主人公・半田清の高校生時代を描いてる。本編でこそ半田清はまだマシな人間に見えますが、とにかく高校時代は孤高にも程がある。思考がネガティブすぎて友達を一人も作ろうとしない。

ただ高校生の頃からプロ書道家として活動。知名度だけは高い。しかもルックスはイケメン。周囲からはムダに羨望の目で見られ、また変な連中がやたらと寄ってくる。とにかくみんなキャラクターが濃い。

もちろん全くもって好意から近づいてるだけなんですが、それを「嫌われている」と更に勘違いする半田清。その絶妙すぎる愛憎のすれ違いが今回も笑えます。

美少女絵画クラブというオタクたち

4巻では新キャラクターが新たに登場。美少女絵画クラブ(通称・美画部)というオタクたち3人。

はんだくん4巻 美画部1
(4巻)
登場シーンからいきなりキャラが濃いな、おい。画像からも分かるように、今まさに廃部の危機が迫ろうとしていた。3人は部費を稼ぐためにどうすればいいかを勘案。

そこで思い付いたのが「人気者・半田清を漫画のキャラクターにしてしまおう」ということ。でも美少女キャラクターに陶酔してる面々なので、男キャラを描くのは信念にもとる。そして苦肉の策として、半田清を美少女化してしまおうという暴挙に出る。

ただ半田清の性格を詳しく知らないとキャラクターを肉付けできない。そこで部長らしきメガネが半田清と接触しようと試みる。
はんだくん4巻 美画部2
(4巻)
でもまさかのフィギュア越し。あまりに雑すぎるいっこく堂。半田清の困惑を通り越して、若干恐怖に満ちてる目つきが全てを物語ってる。

その後、何故か会話のラリーが行われて、地味に会話自体も成立。気を良くしたメガネのオタクがフィギュアを使ってチラリズムを誘発してくる。実際フィギュアは基本的に露出も高めて、衣装の着脱も可能だったりします。この時の嫌悪感に満ちた半田清の表情が笑う。きっと作者・ヨシノサツキの本音でもあるんでしょう。

でも半田清は痛々しく思ったのか、ハンカチをフィギュアにかけてあげて、「たとえ人形であっても女の子がそんなことを言うのはダメだぞ」と冷静に諭す。しっかり茶番に付き合ってあげる半田清が健気。ここらへんの自己主張のなさが、きっと相手に誤解を与えてしまったり、被害妄想を産む元凶なのかも。

その一件があってからは、メガネのオタクがすっかり半田清にホレてしまう。だからパンチラ三昧の漫画を作ってきた他の部員を叱りつけるなど、メガネ部長は半田清の完全なトリコ。漫画としては下ネタを除外した内容になる。

はんだくん4巻 美画部3
(4巻)
ただ色んな経緯があって、半田清がボツになったパンチラ漫画を見てしまう。絶望に満ち溢れた半田清の表情が笑ってしまう。いつの間にか自分が漫画のキャラになっていて、しかも美少女化されてるんだから、これで驚かない人間はきっといない。ましてやこんな漫画が作られる経緯を知らない…いや経緯を知っていても理解は不能。

直前に起きたクダリを勘案すると、むしろ半田清的には「因果応報」と思ってるのかも。ますます人間不信に陥っていくのでした(笑)

半田軍といざ修学旅行へ!

5巻にも続く展開ですが、京都へ修学旅行へ行こうというストーリーが始まります。学校に友達が一人もいない半田清としては、これほどの地獄はない。しかも一緒の班になったのが、半田清大好きな「半田軍」の面々。

ちなみに半田軍のメンバーを紹介しておくと、相沢順一という生徒会(ほぼ)委員長。二階堂礼緒というイケメンモデル、筒井あかねというゴリマッチョの元不登校児。そして、近藤幸男というTHE平均値男(何故か半田清が一番自分を嫌ってると思ってる男子w)。とにかく半田清を神格化してる。

近藤幸男のクダリも4巻には収録されています。女子から誰にも相手にもされてなかったものの、半田軍に入ったことで地味に注目され始める。そして、そんな最中にまさかの真木ヨリコという女子生徒からラブレター?
はんだくん4巻 近藤幸男1
(4巻)
この嬉しそうな近藤幸男の表情ったらない。喜び勇んで、ラブレター(?)に書いてあった待ち合わせ場所へGO。

はんだくん4巻 近藤幸男2
(4巻)
でもそこで待っていたのが、真木ヨリコによる洗礼。「凡人のくせに半田軍を気取るのやめてください」。見た目こそ地味なくせに、毒が強烈すぎてクラクラくる。

ジャニーズやエクザイルファンにありがちですが、意中の男子を神格化するあまり、自分も偉くなったかのように錯覚して、さも同じファンを選別できる立場であるかのように振る舞い出す!女子の悪い癖が見事に集約されてる!!

ただ相沢順一という委員長も口が悪くて、近藤のことを「毛虫以下のクソバカ野郎」と罵ったこともあるので、もはや近藤幸男がこういう扱いを受けるのは宿命めいたものもあるのかも知れません。

とりあえず、こんな半田軍と修学旅行を共にすることになった半田清。前述のように半田清を神格化してるわけですが、旅館の部屋で一緒にいる時にどういう振る舞いをすればいいかを議論しだす。特に夜寝るときのポジショニング(布団の配置)。半田清と同じく一緒に布団や枕を並べてもいいものなのか!?

でも布団の配置が「え?もしかして半田清を逆に嫌ってんの?」というポジショニングになってる。
はんだくん4巻 修学旅行1
(6巻)
半田軍4人だけが固まって、1人だけ半田清がポツン。あまりに丁重に扱いすぎて、ただハブってるだけ。

はんだくん4巻 修学旅行2
(6巻)
半田軍の中では半田清は軽く仏陀化してるので、曼荼羅という悟りを現した配置風。むしろ半田清に変なオーラを送ってるようにしか見えない。逆にこれだと身動きが取れず、「何でこんな拘束をされなきゃいけないんだ…」と半田清は悩みまくるに違いない。

最終的に一緒に畳の上で寝るのはダメだという結論になる。「笑点」の座布団ではないですが、高貴な存在である半田清をもっと上へ上へ持って行こうとする。
はんだくん4巻 修学旅行3
(6巻)
そして辿り着いた結論が、まさかの押入れ。これ完全にイジメ決定!もし自分が修学旅行で旅館やホテルの部屋に入った瞬間、「◯◯くんだけ押入れね!(てへぺろ」と同級生に笑顔で言われた日にゃあ、修学旅行から帰宅した瞬間に不登校になりそう(笑)ただ『ドラえもん』ネタをイジリすぎると怒られるらしい?(『のぞえもん』参照)

畳み掛けるような小ネタ連続は割と好きなパターンでした。

総合評価

はんだくん4巻は全話面白かったと言ってもいいぐらいのクオリティー。正直どれをピックアップするか迷いました。詳細は省きますが、他にも面白かったネタも簡単に紹介。

比良山かすみという、ネクラな図書館委員の話。お前、前見えてへんやろ?というぐらい前髪が長い女の子。だからか図書室はいつもガラガラなものの、半田清だけは定期的に本を借りに来る。もちろん比良山も半田清にホレてしまう。

そこへ前述の半田軍たちがドカドカと図書室へ介入。比良山かすみの気持ちに気付いた奴らが、「半田清好みの図書室にしよう」と改革。ただ幸か不幸か、誰にとっても利用しやすい図書室になってしまって大繁盛。一方、半田清は人混みが苦手なので図書室へは足を運ばなくなる。

じゃあ半田軍の一人・相沢順一がどう解釈したか?
はんだくん4巻 比良山かすみ
(4巻)
「半田くんは僕らを誘って、図書室改革をさせたんだ。前からこんな風にしたかったんだろうね」
…ってゼッタイ違うから!!(笑)

はんだくん4巻 ストーカー
(4巻)
半田清がストーカーに追いかけられるクダリでは、まさかの半田ファンの女子たちが平伏す。あまりにキレイな土下座すぎて鳩山由紀夫もタジタジ。もし自分が参勤交代が盛んだった江戸時代の将軍だったら、間違いなく褒美を渡しますね。

とにかく『はんだくん』4巻の爆発力がヤバかった。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★5◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…94点!!!!

『ダンジョン飯』2巻のネタバレ感想。作者は九井諒子。ハルタで連載中のグルメ漫画。今年後半ぐらいに2巻が発売される?と1巻のレビューで書きましたが、今月8月に発売されてました(;´Д`)

d-manga.net


あらすじ

主人公は戦士・ライオス。仲間は鍵師・チルチャック(シーフ的な立ち位置?)と魔法使い・マルシル。そしてもう一人・妹のファリンがいたものの、兄・ライオスを救うためレッドドラゴンに食べられた。ライオスたちは魔法でダンジョンの外へ戻された。そこでライオスやチルチャックたちはファリンを助けるためダンジョンを再び深奥まで進む…というストーリー。

ただメインはアクションやファンタジーではなく、何故かグルメ。RPGゲームで遊んでるとありがちな疑問ですが、「食事は取らなくて大丈夫なの?」ということ。いくら薬草やポーションで体力を回復した所でお腹は膨れない。

この『ダンジョン飯』ではそこに焦点を当てて、「ダンジョンでどう空腹を満たすか?」というアプローチで描かれてる若干コメディータッチな漫画。要するに「モンスターを食っちゃう」というグルメ漫画(笑)

あと1巻ではダンジョンの途中で、ドワーフのセンシ(ドワーフ語で探求者という意味らしい)も仲間に入る。この2巻ではドワーフ無双の展開が数多く見ることができます。

ゴーレムがまさかの畑代わり?

この2巻ではゴーレムが登場。RPGゲームで遊んでる方にはおなじみのモンスター。「泥と土と意志で人間を模した魔法生物」であり、一方で「主人の命令を忠実に守」ってくれるという番犬並みの性質も持ってるらしい。

ダンジョン飯2巻 ゴーレムが畑代わり
(2巻)
だからドワーフは畑として最大限に活用。ゴーレムは土で出来てるので、まさに野菜を育てるには最適。そして水分が乾いた時には自動的に水分補給する。そうしなきゃバラバラに崩壊しますからね。他にも野菜泥棒は当然追い払ってくれる。全国のJAさん!日本の技術力でゴーレム畑を開発しましょう!…と思わず唸ってしまうアイデア力(笑)

ただ問題点もあって、それが収穫方法。いくらゴーレムの体内で野菜が育った所で、それを収穫しようにもゴーレムが襲ってくる。
ダンジョン飯2巻 ゴーレム畑の収穫方法
(2巻)
じゃあドワーフが野菜をどう収穫してるかというと、まさかのゴリ押し。どんだけダイナミックな収穫方法やねん!野菜を食べるためだけに命がけにもほどがある。

ダンジョン飯2巻 ゴーレム畑で取れた野菜
(2巻)
ちなみに野菜を全部収穫した後の画像はコチラ。ライオスの首元にある人参が若干オシャレではありますが野菜邪魔!!(笑)

オチとしてはドワーフ・センシが良い話でまとめて終了。「ダンジョンも畑も一緒だ。ほったらかして恵みを享受することはできない」どうのこうの、ドワーフがただのJA職員にしか見えない。

2巻では宝石だって食べちゃうよ!

『ダンジョン飯』2巻では宝石だって食べちゃいます。

ダンジョン飯2巻 宝虫1
(2巻)
厳密には「コイン虫」というモンスター。羽根の描写がリアルすぎて気持ち悪い。記事タイトルに「グロ注意」を書けば良かったなと今更ながら。しかも失神する魔法を唱えてくる。他にも「宝虫」などがいます。

ダンジョン飯2巻 宝虫2
(2巻)
このコイン虫や宝虫をしっかり食べるんですが、見た目がそのまんま。虫というだけでもイヤなのに、見た目がまさかの金属類。食欲をそそる要素が微塵もないので、罰ゲームにもほどがある。

ライオスがいろいろと残念すぎる件

コイン虫や宝虫の延長線上で、ドワーフが「聖水」を作る。中身に宝虫を利用してるので、実質的には上記の料理と大差はない。何故聖水を作ったかというと、ゴースト(悪霊)みたいなモンスターが襲ってきたから。

でも聖水をゴーストにぶっかけるわけじゃない。
ダンジョン飯2巻 ドワーフ格闘シーン(聖水)
(2巻)
ヒモに聖水を縛って、ドワーフが思いっきりぶん殴っていく。ゴースト相手に肉弾戦にもほどがある!!ドワーフがムダにカッコ良すぎ。

ここで面白いのがゴーストを倒した瞬間、聖水が冷えていくこと。確かに幽霊は体温がなく冷たいイメージ。例えば打ち水でも分かるように、水分でも昇華する度に周囲の温度を奪っていく。ゴーストが倒れた瞬間、聖水が冷えるのも物理的に理解できなくもない。

だから聖水がまさかのシャーベット状に変化。もちろん実際に食べると美味い。この発想が割と好き。そこで主人公ライオスもアイス聖水を食べるんですが、
ダンジョン飯2巻 ドワーフ(聖水)主人公ライオスのトンデモ発言
(2巻)
「妹・ファリンがいたら今頃こんな美味しいものは食べられなかっただろうな(笑)」とまさかの一言。

ちなみに妹ファリンは僧侶的な職業なので、ゴーストといった類いのモンスターは簡単に倒してしまう。だからこその発言なんですが、冒険の目的がそのファリン救出であり、しかも実の兄と妹という関係性。仲間であるチルチャックとマルシルたちの表情が「これぞ蔑視」という表情(笑)

他にも絵の中に棲みついてるモンスターがいたんですが、ライオスは絵の中に入って描かれてる食事を食べようとした。でも絵の状況が「お姫様に子供が産まれたとき」の絵。つまり喜ばしい状況なので、自分が盗み食いするのは不謹慎。
ダンジョン飯2巻 ライオス優柔不断(絵の中)
(2巻)
だから「盗み食いする雰囲気じゃなかった」と逃げて帰ってくる。お前から食いたいって言うたんやんけ!雰囲気って何?雰囲気って。ライオスが優柔不断にもほどがある。

総合評価

ダンジョン飯2巻も面白かった。特にドワーフが大活躍。まさにドワーフ無双と呼べる展開。きっと作者・九井諒子はドワーフみたいな異性が好きなんだと思います。

ただ15話のクダリでは若干悲しい展開が待ってます。地下4階にはドワーフがゴーレムと同様に、少し手なづけていたモンスターがいた。それがケルビムというユニコーン的な馬。空中ではなく水中を闊歩できる特徴があるらしい。名前は「アンヌ」。そんなケルビムが生息してるぐらいなので、地下4階は水浸し。

ダンジョン飯2巻 ケルビム・アンヌとドワーフ
(2巻)
でもドワーフは泳げない。そこで水面を渡るためケルビム・アンヌに乗った瞬間、アンヌが水中へ潜ってドワーフを攻撃してくる。ケルビム・アンヌは確実にドワーフを仕留める瞬間を虎視眈々と待っていた。

その計算高さと狡猾さにモンスターに対する恐怖を改めて覚えるとともに、ドワーフの精神を思うといかばかりか…。実際オチではドワーフが「石鹸が目に染みるわい」と強がるものの、ドワーフのショックっぷりが伺えます。ギャグ展開が多い漫画だと思いますが、オークとのクダリなど今回はしんみり系のオチも多かった。

ちなみにマルシルが水中でも浮かぶ魔法をかけてくれるんですが、ドワーフだけ魔法の効果がほぼ効かない。だから一人だけケルビムに乗ろうとしたんですが、その理由が「ヒゲが汚い」から。まさかの食器洗剤的なノリ。
ダンジョン飯2巻 ケルビム・アンヌとドワーフ2
(2巻)
結果止むに止まれずドワーフはヒゲを洗うんですが、「お前は犬のわさおか!」というぐらいにフッサフサになる。もはや毛皮のコート。今までどんだけ汚かったのか想像できて辛い(笑)

『ダンジョン飯』は一話完結のオムニバス形式なので、あまりネタバレしすぎるのもアレなのでここらへんにしておきます。

◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…88点!!!!

『ワンピース』78巻のネタバレ感想。作者は尾田栄一郎。少年ジャンプ(集英社)で連載中のバトル漫画。

これまでの経緯

主人公はルフィ。マリンフォード頂上戦争後、2年間の修行をした後、シャボンディ諸島で再び仲間たちと集結。パンクハザード島ではローを仲間に引き入れ、四皇であるカイドウを倒すため、まずはその部下的な王下七武海・ドフラミンゴを捉えようとする。

そしてドフラミンゴが根城とするドレスローザで潜入した…というところの話。77巻ではローとドフラミンゴの実弟・コラソンとの過去が明らかになるなど、物語はいよいよ佳境に突入。


熱いセリフ!

簡単にストーリーをネタバレしておくと、レベッカの父・キュロスとドフラミンゴの部下・ディアマンテとの一戦。ディアマンテの降り注ぐトゲの鉄球を物ともせず、キュロスがぶった切って倒す。

このバトル時にキュロスが娘であるレベッカに放ったセリフが熱い。レベッカは傷つく父・キュロスが見てられず、思わずディアマンテとのバトルに加勢しようとする。でもキュロスはそれを止める。
ワンピース78巻 キュロスとレベッカ
(78巻)
何故なら、「あのコロシアムに立ってなお、人を傷つけなかったお前の手はまだ美しい!」から。今更敢えて詳しく説明もしませんが、コロシアムでレベッカは敵を場外に押しやることで無敗を貫いてた。それを自分の為なんかに愛娘の手を血で汚したくはない。

キュロスはドフラミンゴのせいで人形にされてた。そこで「わかるまい!愛する者に忘れられる絶望など!何に触れても感じることのできない苦しみなど!」というセリフを放つ。つまり、お前のトゲの鉄球の痛みなどむしろ喜びでしかない的なこと。

リク王のセリフも熱かった。ドレスローザの元国王。ドフラミンゴは半ば侵略するカタチでドレスローザを乗っ取った。厳密にはドフラミンゴのドンキホーテ一族がはるか昔に統治してたんですが、そこら辺のクダリは73巻あたりで。

そこでリク王がドフラミンゴ一味にバカにされる。ただリク王は言う。「確かに国を守れなかった私は無能…」
ワンピース78巻 リク王1
(78巻)
だが人間であるための努力はした!殺人を犯さなければ生きてはいかんと言うのなら、私は進んで死を選ぶ!」。どこぞの国の総理大臣にも聞かせたい言葉?

終盤ではドフラミンゴが「鳥カゴ」という技を更に収縮させていく。結果、その中にいる市民や国民がまさに切り刻まれようとしてる。ただ残りはドフラミンゴを倒すだけ。その中でもリク王が「生き延びてくれ!希望はあるのだ!どうか諦めないでくれ!」というセリフも熱かった。


ギア4 (フォース)とは?

ルフィはベラミーの一戦後(最後までとんだ噛ませ犬だったベラミー)、ドフラミンゴの元へ。ただローがドフラミンゴにボコボコにされて瀕死状態に。

ワンピース78巻 ルフィとドフラミンゴ
(78巻)
そして今にもドフラミンゴに踏み潰されそうになるものの、ルフィがそれを足で止める。この構図とコマが地味に好き。足を足で止めるという不躾な感じが素敵。

ワンピース78巻 ローのガンマナイフ
(78巻)
ちなみに厳密にはローがドフラミンゴに直前で「ガンマナイフ」を使って一矢を報いるものの、ドフラミンゴは損傷した内臓を糸の能力を使って、まさかの完治。え?卑怯じゃね?w

ワンピース78巻 バトル描写
(78巻)
ルフィとドフラミンゴのバトル描写ですが、言うほどゴチャゴチャはしてない?ただ線がムダに多いのは気になりますが。

でも決着が付かない二人のバトル。膠着状態が続く中、ルフィは秘密兵器を披露。
ワンピース78巻 ルフィのギアフォース
(78巻)
それがギアフォース(4)。武装色を身にまとった状態で筋肉風船を全身に使ってる感じ。これで空を飛ぶことも可能w

ワンピース78巻 ルフィのギアフォース2
(78巻)
膨らませた腕に拳をギューンと縮めて格納してパワーを溜めることも可能。いわゆるロケットパンチ。もはや単なるバネバネの実?「ゴムゴムの実」という語感からはさすがにかけ離れてきた感もありますが、とにかくパワーアップ。

理屈は不明ですが、「大蛇砲(カルヴァリン)」という必殺技は敵を自在に追いかけることも可能。これまでのルフィだと真っ直ぐにしか腕がギュイーンと伸びませんでしたが、それがカクンと途中で直角に曲げたり四方八方へ伸ばすことが可能。なんだよそれ!っていうw

ラストは両拳を格納した「レオバズーカ」でドフラミンゴを一蹴。ただネタバレしておくと、この一発ではドフラミンゴは倒れずに何やかんやがまた続いた気がしますが、79巻でようやくドレスローザ編(ドフラミンゴ編)が完結するはず。

ワンピース78巻 ゾロの馬鬼
(78巻)
ちなみにゾロとドフラミンゴの部下・ピーカの戦いでは、ゾロがまさかの「馬鬼(バキ)」という必殺技を発動。尾田栄一郎も『刃牙道』とか読んでるんでしょうかw


総括

相変わらず爆売れはしているONE PIECE。ただ「ゴチャゴチャしている」という批判も相変わらず多い。実際キャラクターが敵も含めて多すぎ。

特にドレスローザ編は序盤がヒドかった。正直ほとんど誰が出てたかは覚えてない。しかも敵のドフラミンゴファミリーも紛れ込んでて、もはやウソップとのクダリで絶妙な表情を見せたシュガーぐらいしか覚えてない。ドフラミンゴの部下はもっと少数精鋭で良かったのに。

またルフィたちは三手に分かれてましたが、結局アレも何だったんでしょうか。話の軸も多すぎた。しかも活躍するのは結局いつものメンバーですし、毎回ブルックやフランキーとか空気もいいところ。果たして仲間にした意味はあったんでしょうか?モモタロウとかそんなヤツもいましたが、コイツどこ行ったの?的な。

だから全体的に忙しく読まされてる感じはする。ドレスローザ編は71巻から始まりましたが、ストーリーも進んでるようで進んでなかったような、よく分からない展開だった。サボが登場するなど、今後は革命軍も本格的に絡んでくるでしょうから、最近休載が多すぎる尾田栄一郎は更にパンクすること間違いなし。

果たしてONE PIECEのストーリーは収拾がつくのか?名探偵コナン以上に不安しかない。本当いい加減キャラクターを減らす努力をしてほしい。

◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…85点!!!!

『いぬやしき』4巻のネタバレ感想。作者は奥浩哉。イブニング(講談社)で連載中のSFアクション漫画。

ヤクザをフルボッコ

いぬやしき4巻 犬屋敷1
(4巻)
主人公は犬屋敷壱郎。還暦間近のしがないサラリーマン。でも正義感だけは人一倍強かった。ある日、犬屋敷が公園にいると宇宙船が襲来。全身をロボットにされてしまう。そんな犬屋敷が世の中の悪を退治していくというストーリー。

いぬやしき4巻 講談組
(4巻)
ちなみに3巻の続きをネタバレしておくと、講談組のお歴々はこんな感じに(笑)

ただロボットにされたのは犬屋敷だけじゃなかった。その場には獅子神ヒロという男子高校生もいた。でも獅子神は犬屋敷と違って、悪意に満ちたタイプの人間だった。厳密には若者にありがちな「ちょっと悪いことをして自分の力を誇示したい」という幼稚な不良性といった感じ。


犬屋敷と獅子神ヒロの友達がタッグを組む

ストーリーのメインとしては、獅子神ヒロの暴走を止めるために獅子神の友達だった直行(チョッコー)が動く。そこで思案する過程で「もしかすると獅子神以外にも同じロボットが?」と気付く。

いぬやしき4巻 犬屋敷と直行
(4巻)
結果的に二人は運命的な出会いを果たす。ちなみに犬屋敷が裸なのは、服を着用しているとロケット噴射みたいなんを使って飛行できないから。地味に不便w

いぬやしき4巻 直行の涙1
(4巻)
とりあえず二人はタッグを組むんですが、犬屋敷がこれまでやってきた善行を知った時の、直行の表情とセリフに胸が詰まる。この直前には犬屋敷が「僕は機械の化け物だと認めたくないから、人助けをしているだけ…」という卑屈なセリフも色々と考えさせられて切ない。

いぬやしき4巻 直行の涙2
(4巻)
犬屋敷が難病患者の病気を治す場面を目の当たりにしたときの、直行の表情もヤバい。一コマだけですがインパクトが大。改めて画力は大事。

直行はPCやガジェット関係が得意ジャンル。だから犬屋敷を軽く改造。
いぬやしき4巻 犬屋敷の指がUSB1
(4巻)
まさか指先にUSBコネクタが装備されてた!宇宙にもいつの間にかUSBが普及してた事実に驚き。というか、指先はもっと武器的なものを装備した方がよくね?ちなみに直行は獅子神と関係性があったので、ある程度はロボットの構造をよく知ってる。

いぬやしき4巻 犬屋敷の指がUSB2
(4巻)
そんで犬屋敷が電話を使わなくても、二人が交信できるような設定を組み込む。この時の説明を受けてる犬屋敷がプルプル震えてて笑う。こういうときだけムダにお爺ちゃんっぷりを発揮。直行の説明を理解できてないのがバレバレw


母親が大好きな獅子神

一方、獅子神ヒロ。ボロアパートで母親と二人暮らし。4巻ではサツリクは行わないものの、母親を助けるためにATMを操作して大金を抜き出すといった行為を行う。ただ自分の凶行を報じたニュースを見た母親が、犯人を痛罵。それを聞いた獅子神は自分の軽はずみな行為を恥じて、金輪際誰も殺めないことを誓う。

いぬやしき4巻 獅子神
(4巻)
でも、その翌日に警察の捜査が自分に及ぶ。罪状は分かりませんが、おそらく一家サツリクに関すること。当然ロボットなんで、警察から逃げおおせる獅子神。ただ全国に指名手配されてしまう。もう母親と二人で穏やかに暮らすことは、状況的には戻れない。茫然自失となって何も考えられず、思わず涙を流す獅子神。

いぬやしき4巻 渡辺しおん
(4巻)
その前に現れたのが、獅子神が好きな渡辺しおんという同級生。獅子神をかくまってくれる。少し良心の呵責が芽生えた矢先、日本中から完全に追い詰められた状態になる獅子神。果たして出頭して懺悔するのか、はたまた更なる暴虐に走るのか?渡辺という冴えない女の子がどう作用するのか?

…というところで5巻へ。


総括

派手なバトルやアクション描写はないものの、展開的には引きつけられる部分も多かった。何故獅子神ヒロが犯人として浮上したのかは不明ですが(ATMの防犯カメラ映像?)、今後の動向は単にアクションものとして終わらない感じ。

獅子神に良心の呵責が芽生えたといっても、あくまで「母親を悲しませる」という一点のみ。被害者や遺族に対する感情はほとんどない。神戸の少年Aが書いた『絶火』という本もレビューしましたが、獅子神はそれに近い印象。自分の軽はずみな言動で家族に迷惑をかけた点では反省してるものの、肝心の被害を受けた側に対する贖罪は乏しい。

今後それがどうストーリーに絡んでくるのか?犬屋敷は犬屋敷でそんな獅子神とどう向き合うのか?注目したいと思います。ちなみにいぬやしきが面白いか考察した記事はレビュー済み。

『刃牙道』7巻のネタバレ感想。作者は板垣恵介。少年チャンピオン(秋田書店)で連載中の格闘漫画。いわゆるバキシリーズの最新作。

あらすじ

主人公は範馬刃牙(はんまばき)。最強の格闘家を目指す少年。今回の『刃牙道』では、地下闘技場を主催する大金持ち・徳川光成によって、あの宮本武蔵が現代の世に復活する。

刃牙道7巻 宮本武蔵6
(7巻)
しかもめちゃんこ強い。画像の表情からも分かりますが、単なる鬼。果たして、この宮本武蔵を一体誰が倒すことができるのか!?という展開。6巻7巻では、中国人の憲法の達人・烈海王と武器を使ったナンデモアリの戦いが行われてます。

宮本武蔵が烈海王を圧倒!

結論から書くと、宮本武蔵が烈海王を圧倒。6巻ではちょっとは烈海王に期待したんですが、やはり案の定の展開。むしろこれまで以上の悲惨な結果が烈海王には待ってます。

刃牙道7巻 九節鞭
(7巻)
武器を使ったナンデモアリの戦いということで、烈海王はまず「九節鞭(きゅうせつべん)」という武器を使用。鞭(むち)のような武器で先端は尖ってる。遠心力を利用してドン!みたいなことにも使えるし、相手の足を絡めとってこかすことも可能。

ただ宮本武蔵は悠然と、そして余裕。
刃牙道7巻 宮本武蔵
(7巻)
何故なら、九節鞭を操作する腕は常にほぼ同じ位置。「操作する腕の軌道はいたってなだらかなり」と綽々。もちろん操作する腕や手を固定してなきゃ、強い遠心力を上手いこと生み出せないですからね。

結果、九節鞭を奪われてしまう烈海王。ただ嫌な予感しかしない。宮本武蔵はこれまで日本刀を振り下ろしても、勢いがありすぎて柄の部分が折れてしまう。「竹」の場合は繊維状に。
刃牙道7巻 宮本武蔵が九節鞭を振ると?
(7巻)
じゃあ宮本武蔵が九節鞭を振ってどうなったか?敢えて答えは言いません。

プライドがズタボロの烈海王に同情

とにかくプライドがズタボロになってしまう烈海王。ただ、ここで終わらないのが宮本武蔵。烈海王が負けを認めないから仕方ないんですが、5巻で愚地独歩に行われた辱めが烈海王でも行われます。

刃牙道7巻 烈海王
(7巻)
それが刀(牛刀?)を優しくそっと顔面に押し当てる。愚地独歩はこの時に失神してましたが、烈海王はまだ戦意が喪失してない分だけ格闘家としてマシ。

その証拠に、宮本武蔵は「武士(もののふ)だ」と烈海王を賞賛して、愚地独歩の時とは違って思いっきり振り下ろす。ただこの直後に羽根のように舞って、宮本武蔵にカカト落としをかます。ピクピクと震えて立てない宮本武蔵。6巻の前フリがさっそく活きました。この場面はカッコイイので是非読んでみてください。

でもピクピクと震える宮本武蔵は、それこそ擬態。死んだフリ。騙し。宮本武蔵がそんな簡単に倒れるわけがない。ただこの奇襲があまりに上手く行き過ぎたことで、烈海王は油断。思考からその可能性を考える余地や微塵を奪う。

結果、宮本武蔵にとどめを刺そうと飛び上がった烈海王。それを待っていたと言わんばかりにスッと立ち上がる宮本武蔵。
刃牙道7巻 烈海王2
(7巻)
そして烈海王をグルングルンに締め上げる。宮本武蔵は不意打ちだっていけますわよ奥さん。記事タイトルでは緊縛という表現を使いましたが、正式には「縛法(ばくほう)」や「縄術(じょうじゅつ)」と呼ぶそう。まあ板垣恵介のことなので、実際にそんなんがあるかは知りませんが。

烈海王からしてみたら、まさに醜態も醜態。何故なら歩くことすらままならないどころか、身体の向きを変えることすらできない。まさに赤ちゃん以下。烈海王は「たたっ斬れ!」と虚勢を張ってはみるものの、「もはや貴様には斬られる自由すらない」と一蹴する宮本武蔵。

そこでまさか烈海王が男泣き。口をおちょぼ口にさせながら、目を見開いて涙が薄っすらとツーと流れ落ちる。お前は男子小学生か!是非実際に見て欲しいです(笑)

総合評価

一見すると烈海王は宮本武蔵相手に健闘してたものの、宮本武蔵の口ぶりから察するに「敢えて殴られてた」感が強い。だからこの戦いをもってして、宮本武蔵の実力(烈海王より少し上程度)と解釈するには無理がありそう。むしろ相手に勝つためだったら奇襲作戦も厭わない精神性に、宮本武蔵の更なる底知れなさを改めて感じさせる内容でした。

刃牙道7巻 宮本武蔵 烈海王敗れたり
(7巻)
途中で宮本武蔵が「烈海王、敗れたり!」と叫ぶんですが、観客も含めて爆笑。ちなみに、「佐々木小次郎、敗れたり!」という宮本武蔵のセリフが有名。ただ結果的に誰かが有名にしただけで、宮本武蔵が決めゼリフとして愛用してたかは不明じゃね?っていう。

◯展開★4◯テンポ★5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…90点!!!!

『ぼくは麻理のなか』6巻のネタバレ感想。作者は押見修造。漫画アクションで連載中の漫画。

あらすじ

主人公は、小森功。引きこもりがちの大学生。毎日シコってはゲームの繰り返し。小森はコンビニで会う美少女・吉崎麻里に内心ホレていた。小森は「コンビニの天使」と呼んでいた。

そしてある日。朝起きると小森の魂(?)は吉崎麻里の中にあった。女の子の身体にドギマギしつつ、吉崎麻里が好きな同級生・柿口依(より)という女の子と共に、吉崎麻里の本体を取り戻すために奔走するという展開。

5巻では、吉崎麻里と柿口依が保健室で「またここで一緒に寝よう」という体験を、麻里の中の小森功が知っていた。だから、もしかすると「実は既に吉崎麻里は、吉崎麻里の身体の中にいる?」というクダリから。

柿口依がうっとうしい件

柿口依は「吉崎麻里の中に小森功しかいない」と思っていたので、常に吉崎麻里(身体)に対してはツッケンドンな態度しか取ってこなかった。ただ前述のとおり、吉崎麻里(魂)は吉崎麻里の中にいる可能性が高いことを知る。

ぼくは麻里のなか6巻 依2
(6巻)
だから、グイグイと二人の距離感を縮めてくる。これまでは苗字の「吉崎さん」と呼んでたのに、いきなり下の名前である「麻里」と呼んでくる。5巻から兆候がありましたが。

ぼくは麻里のなか6巻 依
(6巻)
昼休憩のお弁当も作ってくる。口の尖らせ具合が無性に腹が立つ。初めて彼氏ができた女の子みたいな「重さ」がある。

ぼくは麻里のなか6巻 依3
(6巻)
極めつけは、この表情。思わず爆笑してしまった。直前に吉崎麻里(小森功)に下の名前の「依?」と呼ばれてる。嬉しいけどちょっと表情に出さないようにしてる時の表情。「ん?」と聞き返すことで、あわよくばもう一度「依?」と言わせようとする、浅はかな小悪魔っぷりも垣間見れる。

お前は単なる非モテ女やぞ!!と教えてやりたくなった。

カオスすぎる三角関係

ただこんな柿口依にあとで天罰が下ります。直後に小森功から電話がかかってきて、二人で小森功に会いに行く。厳密には少し違いますが。

ちなみに小森功の魂(?)は吉崎麻里の身体の中に入ってるものの、小森功の身体は小森功の魂(?)が入ってるという設定。でも小森功(魂:小森功)は吉崎麻里(魂:小森功)の事情を知らない。意中の女の子・吉崎麻里がちょくちょく会いに来る(理由は謎の解決のため)もんだから、6巻の序盤では吉崎麻里(魂:小森功)に勢い余って告白する。

ただ本人であるにも関わらず、吉崎麻里(魂:小森功)は「お前なんか気持ち悪いんだよ!」と罵倒して、小森功(魂:小森功)を思いっきり振る。3年近く引きこもりがちだった小森功は防御力がDQの「ぬののふく」レベル。想像を絶する。

ぼくは麻里のなか6巻 慟哭する小森
(6巻)
結果、布団の中で思いっきり号泣。もし隣人が「ぐおおおお」と慟哭してたら、自分だったら警察に通報してしまいそう。これが少し伏線となって、前述の吉崎麻里(魂:小森功)を呼び出す場面に繋がる。

とりあえず小森功の部屋へ二人が行く。そこで何やかんやがあって、5巻での小森功と吉崎麻里がトイレの中でチョメチョメ的な展開があったことを柿口依が知る。そしたらブチ切れ。
ぼくは麻里のなか6巻 依4
(6巻)
小森功をビターン!軽くまんぐり返し状態。か弱そうに見える女子高生にも、実はこれだけのパワーが秘められてるんです!女子をナメたらいかんぜよ!

ぼくは麻里のなか6巻 依5
(6巻)
そして「潰してやる!」とまさか小森の股間を!?ふぎー!!

ぼくは麻里のなか6巻 依3
(6巻)
ちなみに、さっきまでの柿口依のイキった表情がコチラ。それを諌めるため。吉崎麻里(魂:小森功)は依にキス。パニクった依は飛び出して、6巻のラストで飛び降り?という場面で7巻へ続く。ちなみに、このキスは小森功(魂)ではなく吉崎麻里(魂)の意志でやった?というフリがあります。

この訳の分かんない三角関係(吉崎麻里の魂も含めると四角関係?)がカオスすぎて笑っちゃう。真面目に描いてるからこそ尚更爆笑。

「ふみこ」とは誰?

柿口依が飛び降りしそうな直前に、ストーリーとしては重大な事実も判明。吉崎麻里(魂:小森功)が家の中で写真を漁っていると…
ぼくは麻里のなか6巻 ふみこって誰?
(6巻)
一度ビリっと破いたけどセロハンテープで直した形跡がある、意味深な写真を発見する。そこでふと思い出される、写真が撮影された当時の記憶。小森功の記憶ではなく、きっと中にいる吉崎麻里の記憶が刺激されたカタチ。

ぼくは麻里のなか6巻 ふみこって誰?2
(6巻)
一緒に観覧車に乗っているであろうオバサンが自分を呼ぶ名前が「ふみこ」。吉崎麻里は言うまでもなく、下の名前は「まり」。吉崎麻里の実母らしきオバサンのパーマ感がサザエさんばりなのが気になりますが。

しかも、この事実を吉崎麻里の母親に確認しようとした時の、母親の表情が怖すぎ。明らかに何か隠してる。是非マンガで確認してみてください。母親の麻里に対する偏執的な愛も、この過去が関係してそう。

総合評価

この6巻の「ふみこ」の件とかを見ると、最初は『ぼくは麻理のなか』を出オチの漫画かと思ってたんですが、意外にストーリー性がありそう。

吉崎麻里の過去に一体何があったのか?拾われた子供なのか、無理やり奪われた子供なのか。現在の母親に愛着が持てなかった原因もそこ?吉崎麻里はその事実を知っていたのか?それらはおいおい明らかになっていくと思われますが楽しみではあります。

その前に柿口依の精神状態も心配になるところですが(笑)

◯展開★4.5◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★5
◯おすすめ度…89点!!!!

『名探偵コナン』86巻のネタバレ感想。作者は青山剛昌。少年サンデー(小学館)で連載中の推理漫画。

あらすじ

主人公は工藤新一。高校生名探偵として活動するものの、ある日、黒ずくめの男たちに怪しい薬を飲まされて小学生になっちゃった。そこで江戸川コナンという偽名で、幼なじみの毛利蘭とその父・毛利小五郎の家に居候させてもらって生活してる。ただ普通に小学生として生活してるだけなのに、どんどん周囲で事件が起きちゃって、それをバンバン解決していくという推理漫画。

前巻85巻ではホテルハイドで、大磯ファイナンスという金貸しの令嬢・大磯永美がプールの中で死んじゃう。そのトリックがこの86巻で明らかになるんですが、既にアニメでは解決済み。

だからネタバレを敢えて控えても仕方ないので暴露しておくと、プールの中に巨大な水槽を用意して、そこに犯人は令嬢の遺体を入れてた。水と空気の屈折率の違いから見えなくなるというもの。一応犯人名だけは伏せておきます。

名探偵コナン86巻 世良真純と一緒にいる女の子は誰?
(86巻)
この回で登場したのが、世良真純にタメ口をきく謎の少女。見た目は灰原哀にソックリなので、江戸川コナンたちと同様に「子供化」されたヤツっぽい。ただ正体は結局明らかにならず。少年サンデー、さすがに引っ張りすぎやろ(笑)

かまいたち温泉

まずはカマイタチが現れるという温泉旅館の話。温泉の湯の上をカマを持って走ってる人間の写真がたまたま撮れたらしく、それを持ってきた服部平次たちと共に立居旅館に旅行したところから、話が始まる。

そこで行くと、中間台吾や小柳緑といった雑誌ライターも集結。そして旅館の大旦那・大野盆蔵や女将・大野高美などを巻き込んで事件が起きる。
名探偵コナン86巻 温泉かまいたち事件1
(86巻)
実際、小柳緑というライターはホッペを傷つけられたりといったことも。そして、結果的に大野盆蔵がカマの餌食になって亡くなってしまう。被害者が誰かはさすがにネタバレしてもいいでしょう(笑)

名探偵コナン86巻 温泉かまいたち事件のトリック
(86巻)
トリックの肝としてはやはり「温泉の上をどうやって移動したのか?」がカギになる。冒頭のあらすじで説明したトリックは「透明の箱」でしたが、これが良い意味で「ミスリード」として有効に活きてくる。温泉の中や底に何か透明の物体が入ってるのではないか?と見事に引っ掛け・惑わされてしまう。それ以外の発想が思いつかない。

トリックのヒントとしては「でんじろう先生か!?」と思わず自分はツッコんでしまいました。オチとしては服部平次と和葉のイチャコラ系。「俺の和葉に何さらしとんじゃー!」って、お前らいい加減付き合えよっていう(笑)

3人の男たちの中にラムが?

順序は少し逆になりますが、シナリオライターの駒井保江が首吊りで亡くなってしまう事件。まだ他殺かは不明だったものの、直前に駒井と会っていた3人が容疑者として浮上。

名探偵コナン86巻 この中にラムが?
(86巻)
それが阪場論平、幅中倉道、柴苅殿治の3人。冒頭では「この中に黒ずくめのラム(LUM)がいるんじゃないのか?」という入り。一応この3人は仲間同士だったんですが、それをどこで見破るのか?というのがトリックのミソ。

名探偵コナン86巻 ラムは義眼?
(86巻)
そして灰原哀がラムの特徴を思い出す。それが「左右のどちらかが義眼」ということ。このラムの特徴が次の事件のフリとして活かされます。しかし黒ずくめの男たちを引っ張るねー。ラムの正体も作者も読者も生存してる内に解決されるんだろうか(´ε`;)ウーン…

キツツキ会

ラストは長野県警。しかし江戸川コナンも全国に飛び回るなー。

名探偵コナン86巻 長野県警・大和勘助1
(86巻)
長野県警といえば、もちろん大和勘助。ラムの特徴である「義眼で大柄、長髪ヘアーで杖をついて歩く」にピッタリ合致。もしかすると実は黒ずくめの男側だった!?というフリ。

そして長野県といえば、上杉謙信と武田信玄が戦った川中島の戦いの舞台。武田信玄が取った戦法に「キツツキ戦法」があって、長野県警にはそれを文字ったキツツキ会という悪評高きグループがあるらしい(もちろん架空)。

名探偵コナン86巻 長野県警の誰かが犯人?
(86巻)
その「キツツキ会」がテーマになってて、そこに所属している刑事たちが次々と犠牲になっていくストーリー。ちなみに犠牲のなり方がやたら残虐。初期の名探偵コナンを彷彿とさせる、作者・青山剛昌のはじけっぷり。ちょっと精神状態が心配になるほど?(笑)

名探偵コナン86巻 長野県警・大和勘助2
(86巻)
しかも、大和勘助が元上司だった竹田繁という警部の頭部を、平気でムンズと掴む。コナンたちは被害者が「大和の元上司」だったことに驚愕するんですが、大和勘助がその生首を平気で掴んでることに驚けよ!と思わずツッコんでしまった(笑)

名探偵コナン86巻  長野県警・黒田兵衛
(86巻)
また容疑者の中に、黒田兵衛という隻眼の捜査一課長が新たに登場。コイツがもしかしてラム?という新たな候補。でもどんだけ長野県警内にラム候補がおんねんという。

総合評価

名探偵コナンの連載が先月ぐらいに再開したということでレビュー。一体何があって休載してたのかは知りませんが、毛利小五郎と灰原哀がタッグを組んでる展開らしい。長野県警のクダリがいんさんだっただけにギャップ感がハンパない。つか、早くラムのクダリを進めろよ!っていう(笑)

ちなみに名探偵コナン最新87巻は8月18日に発売予定。大和勘助がラムだったかどうかも明らかになるはず。

◯展開★4◯テンポ★3.5
◯キャラ★4◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…85点!!!!

『クダンノゴトシ』1話のネタバレ感想。作者は渡辺潤。ヤングマガジン(講談社)37・38号で始まった新連載のマンガ。

あらすじ

城栄大学の大学4年生たち7人。旅行サークルに入ってる。そこで卒業旅行と称して伊豆旅行。レンタカーでミニバン車でも借りて移動。主人公はその中の一人・辻元光(多分)。ただこの段階で内定がもらえてないので、いわゆる就活失敗組。

でも他のメンバーは全員就職先が決まってる。藤澤伸司は出版社、馬場あゆみはスポーツ用品メーカー、小野寺洋太はスポーツジムの店員、河合舞は食品メーカー、白石辰巳は実家のコンビニ、辻元光の彼女・桜井千鶴は印刷会社。一人だけ浮いてるっちゃ浮いてるのが、辻元光。

そこで7人がお喋りをしながら伊豆をドライブしていると、今どこを走ってるか分からなくなる。そして気付けば薄気味悪い山道を走行してた。若者たちにありがちですが、ノリでブオーっと走行。

そうするとドン!と何か動物らしき物体にぶつかる。車中から降りる7人。レンタカーには大きな凹み。恐る恐る、轢かれた物体を見てみると…
クダンノゴトシ1話 牛男
(1話)
まさかの牛男!…というストーリー。画像だと少し分かりづらいかも知れませんが、角が生えてて身体も牛っぽい。

牛男は何する人ぞ?

あまりに気味が悪いので、主人公たちは思わず牛男をフルボッコ。一目散で逃げる。

クダンノゴトシ1話 レンタカーには傷がない
(1話)
ただレンタカー会社に車(ホンダ・フリード?)を戻した時には、何故か傷や凹みが一切ない。だから彼らは集団幻覚でも見ていたに違いないと自分たちを納得させる。

確かに牛男をフルボッコする場面では、何故かコマの周辺が黒く塗りつぶされている。こういう演出は多くの場合、時間軸が異なる時(主に過去編)に使われる。だから牛男を見たのはリアルではなく、集団的に幻覚を見せられた可能性はあります。

クダンノゴトシ1話 就活失敗して気が滅入る辻元光
(1話)
そしてストーリーとしては、就活失敗を強く引きずる主人公と思しき辻元光が自ら命を絶とうとする。空元気の笑顔が痛々しい。

クダンノゴトシ1話 辻元光を恐る謎の牛男
(1話)
ただ今にも死にそうという瞬間、目の前に現れたのが伊豆旅行で見た牛男。「自らの死は認めない、さあ始まりだ」という謎のセリフと共に次週へ。

件(くだん)の意味は牛男

ちなみに漫画タイトルの「クダン」を漢字で書くと「件(くだん)」。この言葉の意味自体が「牛男(牛面人身)」ということらしい。

だから辻元光が主人公と書きましたが、おそらくメインはクダンという牛男。数話のオムニバス形式で、シリーズごとに登場する人物が変わる可能性が。

総合評価

「渡辺潤、新境地」とヤングマガジンが謳ってた通り、確かに新境地っぽいジャンル。リアルをベースにした内容ではなく、ファンタジー要素を盛り込んだサバイバルホラーチックな内容になりそう。クダンがもたらすハードルや難題にどう生き残るのか?という、最近の講談社に多い作風になりそう。

ただ3億円事件を扱った『モンタージュ』ですが最初こそ良かったものの、悪い癖が出て間延び感が半端無かった。もし前述のように何話かで完結するオムニバス形式だったら、ストーリー性は良い意味でないはず。だから、そういった悪癖を読者側は目の当たりにする機会は少ないんじゃないかと、勝手に期待します。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯おすすめ度…82点!!!!

『恋と嘘』1巻のネタバレ感想。作者はムサヲ。マンガボックス(講談社)で配信中のラブコメ漫画。

あらすじ

主人公は根島由佳吏(ねじまゆかり)。15歳の男子の高校1年生。アダ名は「ネジ」。
恋と嘘1巻 高崎美咲
(1巻)
ネジは同じクラスの高崎美咲が好きだった。天真爛漫で誰にでも気さく。言うまでもなく美人。言うまでもなくパイオツカイデー。

しかし日本は超少子化対策基本法・通称ゆかり法が施行されており、国民の遺伝情報を元に最良の組み合わせ同士で男女を結婚させられるようになった。それはネジや高崎美咲もご多分に漏れず、満16歳を迎えると将来の結婚相手が通知され、恋愛がタブー視される時代だった。

つまり、ネジはもうすぐ16歳を迎えようとしていた。そこで政府から結婚相手の通知が来る前に、高崎美咲に告白しようと決意。ある夜、高崎美咲を公園に呼び出して告白。すると見事にオッケー。そして二人はラブラブチュッチュ。

恋と嘘1巻 高崎美咲と根島由佳吏 小学生時代の消しゴム
(1巻)
実はネジが高崎美咲を好きになった小学生時代の思い出と、高崎美咲がネジを好きになった思い出が一緒だった。高崎美咲が消しゴムを忘れて、それをネジが貸してあげるという単純なこと。でも、それが二人にとっては重要なことだった。

でも、だからこそ二人は本来付き合えたはずなのに、政府が結婚相手を決めるという法律のために二人の関係は割かれる。
恋と嘘1巻 高崎美咲の涙
(1巻)
今日この30分の思い出だけで、あと70年は生きていける気がする」と、高崎美咲のキュンキュンしちゃいそうなセリフ。ただ冷静に考えてみると『70年』はさすがに重いw

じゃあネジの将来の結婚相手が誰に決まったのか?
恋と嘘1巻 真田莉々奈
(1巻)
それが真田莉々奈(さなだ・りりな)。性格はツンデレ気味。「先っちょだけだからね」の意味は、「少しだけ手を握ってもいいんだからね!」ってこと。別に深い意味はありません。性的なことに興味津々だけど、興味のないフリをしちゃうような女の子。

ただ同姓にもツンケンしちゃうので、真田莉々奈はクラスからは嫌われてて、アダ名がまさかの「サナダムシ」。さすがに可哀想すぎる。

でもネジと高崎美咲の過去を知ったサナダムシ…もとい真田は、二人の間に興味をもつ。そして、とんでもない提案をかます。ちなみにネジをキッカケに、真田と高崎美咲も仲良くなる。
恋と嘘1巻 キスを共用する真田莉々奈
(1巻)
それが「高崎美咲と定期的にキスをしろ!」という命令。何故か真田は、ネジと高崎美咲を再びくっつけようとしてくる。結果、ネジと高崎美咲は学校でところかまわずヤっちゃう。

恋と嘘1巻 イケメン仁坂佑介
(1巻)
しかもこの3人の間に、仁坂佑介というネジのイケメン友達も間に割って入ってくるという、まさかのBL展開も発生?一体どうなるー!?的な展開。

キス描写がムダに…

ストーリーはざっくり説明したので、『恋と嘘』の見所を考えたときに、やっぱり高崎美咲。見た目の可愛さは言うまでもなく、何故かキスに大胆。

先程あらすじで書きましたが、ネジが告白した時に二人はキスをする。
恋と嘘1巻 高崎美咲が大胆
(1巻)
ただ高崎美咲も初めてのはずなのに、いきなりネジの体をまたいで上からしようとする。どんだけ大胆やねん!という話。お前ゼッタイ初めてちゃうやろ?と感じさせるほどの、こなしっぷり(*´Д`)ハァハァ

恋と嘘1巻 キス描写
(1巻)
キスも軽いやつじゃなくて、まさかの本格的でディープなやつ。糸がネバーっと引く。高崎美咲、どんだけ肉食女子やねん!天然女子の皮をかぶった、ただの小悪魔!今後は高崎美咲以外にも色んなキス描写が増えるのかも知れません。

総合評価

久々にあらすじを長文で頑張ってみた。

設定はやや周りくどいものの、とりあえず読めた。ネジと高崎美咲は法律的には一緒になることはない。でもキスという体だけの関係になっちゃう。羨ましいような羨ましくないような、そんなもどかしく切ない展開が待ってる。BL要素も絡まってどうなっていくかは1巻の段階だと何とも言いがたいですが、期待も込めて点数は少し高めに採点。

特に画力は高い方。例えば、高崎美咲の髪の毛が耳にかかる感じも上手い。女子の耳って素敵やん。ドエ□はないものの、その画力の高さがキス描写にも活かされてて青少年にはオススメかも。

強いて気になる点をあげたら、主人公の名前・根島由佳吏。女の名前っぽくてややこしい。漢字的にも性別が分かりづらい。導入部分で混乱した。特に恋愛やラブコメ漫画というジャンルなので、敢えて性別をややこしい名前にする意味はない。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…85点!!!!

『食戟のソーマ』14巻のネタバレ感想。原作は附田祐斗、作画は佐伯俊。少年ジャンプ(集英社)で連載中のグルメ漫画。詳しいあらすじなどは面白いかつまらないか考察したレビューを参照してください。


四宮小次郎のもとで働く


舞台は遠月学園。数々の名だたる料理人を輩出してきた名門の料理学校。主人公はその遠月学園に通う幸平創真。生徒たちが日々料理の腕を磨き、切磋琢磨。生徒同士で戦うことを「食戟(しょくげき)」と呼んでいた。

そして幸平創真はスタジエール制度という研修制度で、外部の料理店や食品メーカーなどに派遣される。そのタッグを組むこととなったのが、新戸という薙切えりなの秘書を務める女の子。
食戟のソーマ14巻 四宮小次郎
(14巻)
幸平創真は今回14巻だと、遠月学園出身の四宮小次郎が店主を務めるフランス料理店「SHONO'S」に…というところから。四宮小次郎は料理の腕は天下一品ですが、態度も天下一品。もはや足と腕がコマから盛大にはみ出す。

ちなみに四宮小次郎が主演のスピンオフ漫画『食戟のソーマ エトワール1巻』はレビュー済み。


幸平創真の修行編


ざっくり一言でまとめると、主人公・幸平創真の「修行編」といった感じの内容。13巻でも修行チックなことをやってましたが、新戸がメイン(四宮小次郎編では登場してない模様)だった。でも今回は幸平創真がメイン。

アベル・ブロンダンという元副料理長が幸平創真に無理難題を押し付けてくる。
食戟のソーマ14巻 幸平創真1
(14巻)
でも、それを嫌な表情を浮かべずに、ひたすらこなしていく幸平創真。むしろアベルの要求を先回り・上回ってくるカタチでどんどんこなしていく。

食戟のソーマ14巻 幸平創真2
(14巻)
幸平創真からしてみると、新しい技や知識を吸収していくのが楽しい。店では先輩であるアベルの嫌がらせに対するその反応も、だから嫌味がない。読者の立場で見ると幸平創真が成長していく様にワクワク。

ストーリーとしては、四宮小次郎が幸平創真に新作コンペの料理を出品させようとする。SHINO'Sの店員たちは「えー無理やん!」という態度。
食戟のソーマ14巻 ウズラの親子丼
(14巻)
そして幸平創真が出品した料理が「ウズラの親子丼」。ウズラの丸焼きの中にゴハンと卵が詰まってる。しかもただゴハンをぶち込んだだけじゃなく、キャベツで包んでるので食感もシャキシャキ。これは四宮が作ったシューファルシという小洒落た料理のアイデアをパクってる。

漫画でも良いアイデアはパクれば良いと思いますが、しっかり「幸平創真が成長した」という明らかな事実を提示してくれてるので、読み応えはスッキリ。主人公やキャラクターが修行するだけ修行したけど、「結局どう変わったん?」という部分が分かりづらい漫画も多いので。

食戟のソーマ14巻の総括

食戟のソーマ14巻 リアクション描写
(14巻)
今回の『食戟のソーマ』もセクシーなリアクション描写もあるっちゃありますが、今回は幸平創真の成長っぷりがメイン。だからムフフはほとんどありませんが、ワクワク感はあります。

随分昔に展開がひたすらワンパターンなので意外に早く飽きられるかも…と別ブログで言及した記憶がありますが、こういうのを間に挟んでいけば地味に長期連載化しそう。って既にしつつあるか。

食戟のソーマ14巻 遠月十傑が全員集結
(14巻)
ストーリーとしては現在の遠月十傑が全員集結。多分全員2年生。幸平創真が食戟をやろうと挑発するもののガン無視。15巻以降の展開としては「幸平創真たち1年生vs上級生」という構図が待ってる雰囲気。

ちなみにグルメマンガオススメランキング2017も興味がある方はご覧ください。

『カッコカワイイ宣言』全5巻のネタバレ感想。作者は地獄のミサワ。ジャンプスクエア(集英社)で連載してたギャグ漫画。

あらすじ

地獄のミサワといえば、ブログを読む限りは「1コマネタ」が多い印象。『ヤングヤングFruits』がまさにそれ。ただその固定観念にはとらわれず、1ページで完結したり数ページで完結したり、そこら辺は自由な感じに。

とりあえず「この漫画にはかっこいい男子や、かわいい女子しか登場させないことをここに宣言します!」というのがウリ文句のギャグ漫画。正直不安しか抱かせない煽り文句ですが、果たしてどんな可愛い女子、カッコイイ男子キャラクターが登場するんでしょうか?

カッコカワイイ要素がみじんもない!

案の定というか、基本的にカッコカワイイキャラクターは登場してきません(笑)

例えば、一巻だと「かおちゃん」という女子高生が登場。
カッコカワイイ宣言1巻 かおちゃん1
(1巻)
いきなり登場シーンから8億円を肩に担いでる。8億円って、めちゃめちゃ重いぞ。だから気付かないはずがない。そもそも8億円をどこから調達してきたんだ!…などツッコミどころが多すぎ。

あまりのドジっぷりに軽く凹むかおちゃん。でも、そんなことにはめげないよ。
カッコカワイイ宣言1巻 かおちゃん2
(1巻)
だって、「7人ぐらい男をキープしてる(テヘペロ」から。ここでようやく可愛らしさが出てる?でもドジっぷりとモテっぷりがどう関係してくるのかは不明。

かおちゃんはドジっぷりが極まっただけじゃなく、「ソルジャーとしての本能」も忘れつつあった。
カッコカワイイ宣言1巻 かおちゃん3
(1巻)
何故か山賊が出てくるものの、かおちゃんの手刀が効かない。「わたしの手刀も血の味を忘れてる!?」と愕然。思わず「ふぇ~ん、これじゃあローキックで足元を崩していくしかないよ~」と涙目。

…多くはツッコミません。

カッコカワイイ宣言1巻 同じドジっ娘のみきちゃん
(1巻)
ちなみに、かおちゃんのドジっぷりは計算なのか、同じドジっ娘のみきちゃんに対しては、めちゃめちゃ冷たい。「はしゃいでんじゃねぇよ」とツバを吐きかける。確かに、ここの表情が無駄にカッコイイ。

徐々にソルジャーとしての本能を取り戻してきたのか、かおちゃんは男らしく成長。
カッコカワイイ宣言1巻 かおちゃん4
(1巻)
道端で倒れていた鳥を救い、昼夜にわたり看病し、もはやマブダチ化した間柄の鳥を、何の躊躇もなく「うめーから食う!」とカラッカラに揚げてしまう。まるまると太らせてから人間を食べる妖怪か!

…やはり多くはツッコミません。

カッコカワイイ宣言1巻 松崎
(1巻)
かおちゃんの他には松崎というジジイ。こちらはクレープを高速で移動させて、同じく甘い女子高生に変わらないかを神様に懇願してる場面。年齢を考えろよジジイ。もっと言うなら、いっそクレープ屋でも始めろよ。

てっぺーという母親は、やたらと性に奔放。息子てっぺーの同級生をどんどん食べちゃう。
カッコカワイイ宣言1巻 てっぺー母
(1巻)
息子てっぺーに対して「買い物にいってきます」という置き手紙を残すものの、その中身が完全に怪しい。グラサン姿でオープンカーを乗り回して、日常の合間を見つけては息子の同級生とラブホに行きまくる。70年代80年代の時代劇俳優か!渡哲也ばりのグラサンも含めて、確かにここはカッコ良すぎる。

個人的には、最終5巻の日本語をディスってる外国人ネタが面白かった。また最終話も総集編とばかりにキャラクターがチョコレートの板風のコマにギューギューに押し込められて、感動の別れの挨拶をひたすら喋ってるだけ。しかも、そのキャラは今まで登場したことないヤツばっか。まさにカオス。

ま、どちみち「カッコカワイイ」要素は微塵もありませんw

地獄のミサワという筋肉ゴリラ

ちなみに『カッコカワイイ宣言』をレビューしようと思ったキッカケが、作者・地獄のミサワが落ち目のカドカワ・ニコ生に出演してたから。『いいよね!米澤先生』という新刊コミックの発売を宣伝するために頑張っておられたよう。

そこで驚いた。地獄のミサワが、ただの筋肉の塊だった。もはやマッスルゴリラ。ギャグ漫画家ということで、勝手にヒョロい感じの人物像を想像してたんですが、「絶対コイツ、フライパンを曲げれるぞ!」っていう感じの見た目だった。もういっそお前が『俺物語』の実写映画版の主人公やれよ!的な勢い。

しかも愚鈍そうなマッスル集合体の見た目とは違って、やたら軽妙に喋ってくれる。なんなんだよ、このムダなギャップ感。こいつのポテンシャルハンパねぇ!

というか、漫画内に登場するキャラクターが全部ほぼ自画像やんけ!っていうwww

総合評価

表紙からしてヒドい。2巻も3巻も4巻もなんなんだよっていう。カッコカワイイキャラクターが出てくる気配が絶対的に皆無。ま、とりあえず地獄のミサワワールドが全開。

カッコカワイイ宣言1巻 フランス語講座
(1巻)
ページの端っこにフランス語講座とか載せててくれてるものの、見事に役に立たない。一体どういう状況で使うねんという、外国語ばかり。もし外国人相手に使ったら、絶対しばかれるパターン。

カッコカワイイ宣言1巻 女子大生
(1巻)
ただ都内に住む女子大生が「すごく読みやすかったです」と褒めてるんですが、普通に読みづらい。地獄のミサワ作品に限った話でもないですが、極端にセリフが小さいことが多い。編集者さんはしっかりしてほしい。あと意外にボリューミーなのでテンポ感という点ではやや下げてみた。

ちなみに画力の評価が★3だった理由は、逆に画力がなかったらこんなマヌケな絵を描けない気がしたから。もし井上雄彦に同じ絵を描けと言っても、きっと描けないはず。眼や鼻など絶妙な配置・バランスに成り立ってて、実は真似しづらい絵なのかも?



◯展開★3◯テンポ★3
◯キャラ★5◯画力★3
◯全巻大人買い★3.5
◯おすすめ度…83点!!!!

『食戟のソーマ エトワール』1巻のネタバレ感想。原作は伊藤美智子、作画は昭時大紀。少年ジャンプ+で配信中のグルメ漫画。


あらすじ

いわゆる食戟のソーマのスピンオフ漫画。

食戟のソーマ エトワール1巻 四宮小次郎2 性格悪い
(1巻)
主人公は本編でもちょいちょい登場してくる、四宮小次郎。遠月学園出身の態度も料理の腕も一級品のイケメン料理人。

食戟のソーマ エトワール1巻 四宮小次郎1
(1巻)
後述しますが、「食材の価値も分からないのか?このトマトはお前らよりよほど価値がある(キリッ」と言葉遣いの悪さも天下一品。


四宮小次郎のフランス時代編

ざっくり言うと、四宮小次郎でフランスで働いていた時代の話。もっと言うと、フランスへ旅立って働き始める頃の話。

食戟のソーマ エトワール1巻 四宮小次郎の高校生編
(1巻)
だから高校生時代の四宮小次郎も登場。まだ擦れてない、爽やかなオーラを放ってます。セリフも「レストランで一から修行してそっから店を出す」と何だか初々しいです。乾日向子という日本料理専門の毒舌家も登場したりします。

ストーリーとしては、最初に働き始めるフランス料理店の店主・エルベが今にも立ち退きを迫られている。それを四宮小次郎が果敢に立ち向かって状況を打開するという展開。だから良くも悪くも?、本編の『食戟のソーマ』ほど奇をてらっている感じではありません。


本編 食戟のソーマより劣る部分とは?

結論から書くと、そこまで面白くはありません。そこで本編『食戟のソーマ』よりも見劣りする部分をピックアップしてみます。

まずは画力。表紙だけ見ると上手そうに見えますが、いざ読み始めてみるとキャラクターの手の感じなど、至って平凡。大人向けの漫画にもありがちですが、「表紙だけ上手い」というパターンのやつ。どうしても絵柄を似せてきてる分だけ、本編の作画を担当してる佐伯俊とのレベル差が歴然。

食戟のソーマ エトワール1巻 料理描写は少なめ
(1巻)
だからか分かりませんが「料理を作ってる過程」の描写が少ない。肝心の料理の絵はまずまず上手いんですが、豪快に料理してまっせという描写が少なく、言葉で説明して乗り切ろうとしてる印象。全体的にダイナミズムみたいなんが足りない。

そして食戟のソーマといえば、料理を食べたあとのリアクション。もちろんこの『エトワール』でもあります。
食戟のソーマ エトワール1巻 パロディーが多め
(1巻)
舞台がフランスということもあって、まさかのベルサイユのばら。このネタは面白かった。ただコチラも描写量が少なく、極端なことを言うと、この場面だけ。せっかく面白い演出方法があるんだから、少年ジャンプ+という媒体ということも考えるともっと冒険してほしかった。やっぱり物足りない。

総合評価

まあ「こんなお話もありまっせ」というフツーのスピンオフ漫画。やや点数は厳しめに採点しましたが、四宮小次郎好きなら80点ぐらいかな。

本編である食戟のソーマの路線を継承したいのか、継承せずに全く新しい路線に歩もうとしてるのか、どっちつかず。絵柄を見ると本編に似せてこようとしてるのかなーと推察しますが、だったらもっとリアクション描写を増やした方が無難。

ただ絵柄や作風を似せてきたところで、本編食戟のソーマを描いてる佐伯俊との実力差は明らかなので、はっきり割り切って違う作風に描いても良かったかも知れません。ちなみに本編 食戟のソーマが面白いか否か考察したレビュー記事も参照してみてください。

『デザートイーグル』1話のネタバレ感想。作者は和久井健。少年マガジン36・37号から始まった新連載の漫画。

あらすじ

舞台は新宿歌舞伎町。そこで二人の15歳の不良が出会った。

デザートイーグル1話 鷲尾一期
(1話)
一人は鷲尾一期。

デザートイーグル1話 鷹見沢林檎
(1話)
もう一人は鷹見沢林檎。この二人が新宿歌舞伎町の新たな歴史を築いてく…みたいなストーリーになりそう。

メインは鷲尾一期?

二人とも見るからに15歳とは思えないキャラクターですが、どちらかと言えば鷲尾一期がメインになりそう。最初は鷹見沢林檎がストーリーに絡んでくる。

デザートイーグル1話 鷹見沢林檎2
(1話)
林檎の母親が画像のメガネの浅黒い男・御手洗にダマされて、今までの全財産が奪われた。その復讐を目論んでる。ちなみに左下に写ってる小汚い女が母親。すっかり精神崩壊してホームレス生活を送ってるらしい。

ただ林檎的には母親の救済よりも、まずは御手洗への復讐にいきり立ってる感じ。だからつい馬鹿な母親に対する批判も口から出てしまう。
デザートイーグル1話 鷲尾一期2
(1話)
でもそれを聞いた鷲尾一期は「母ちゃんだけは悪くゆーな」と一喝。とりあえず男気があって熱い。

このネタを引っ張るのかと思ったら1話目で完結。林檎は御手洗が根城としてるクラブに潜入。そして鷲尾一期を生贄にするカタチで、一人でいる御手洗の元へ向かうものの、周りにはガタイの良い部下たちが。途中まで林檎を冷静で計算高いヤツだと思ってたら、意外に無様。

しかも林檎の武器はスタンガン一個だけ。案の定コテンパンにされてしまう。味方は誰も居ない。
デザートイーグル1話 鷲尾一期3
(1話)
…と、そこへ大型機械を使って乗り込んでくる鷲尾一期。デザートイーグルはピストルの名前らしい。多分「無鉄砲」的な意味合いで使われてる可能性が高い。そして、鷲尾一期は「一度マブダチになったヤツは何があっても見捨てねぇ!」とバン。

総合評価

和久井健は出世作が『新宿スワン』ということで、再び舞台が新宿に戻ってきたカタチ。でも少年マガジンということで内容はやや抑えめ。もっと言うならガキっぽい。

展開も稚拙。林檎がホームレスの母親に偶然再会、そして復讐相手・御手洗を改めて確認。でも前から御手洗のクラブは監視中。そして結果はあのザマ。綿密な計画があるんだか、ないんだか。母親を精神的経済的に追い詰めたエピソードの割に、アッサリ解決しすぎ。良い意味での「重さ」がない。

アングラ系のネタを少年誌でやろうと思うと、どうしても過激なネタはやりづらいし、むしろ過激なネタをやったところで読者が付いてくるのかも疑問だし、っていうんで正直どうかなーっていう。また作者が読者層に合わせに行ってる感じがして、それが何とも言えない内容に。

新宿スワンの続編にあたる『セキセイインコ』の一話目は面白かったとレビューした記憶がありますが、途中からタイムスリップして、しかも満州国へ瞬間移動。そんな突拍子もない展開が始まって、いつの間にか早期に打ち切りになってた。その反省も活かしての新連載かなーと。ま、期待半分不安半分って感じでしょうか。

◯展開★3.5◯テンポ★4.5
◯キャラ★3.5◯画力★4
◯おすすめ度…81点!!!!

『リバースエッジ 大川端探偵社』1巻から3巻のネタバレ感想。原作はひじかた憂峰。作画はたなか亜希夫。週刊漫画ゴラク(日本文芸社)で連載中。オジョギリダー?オダギリギリジョー?オダギリジョー?が主演で実写ドラマ化もされた作品。

あらすじ

舞台は、東京浅草にある雑居ビルに入っている「大川端探偵社」。

主人公は、その大川端探偵社で調査員として働く村木タケシ。天パ頭が特徴。そして、探偵社の所長である大川端一平と、受付で働くアルバイト・メグミの3人がメインキャラクター。基本的に、彼ら以外は一回こっきり使いきりモブ。

リバースエッジ 大川端探偵社1巻怖い顔グランプリ
(1巻)
顔が強面のオッサンなどが悩み相談に訪れて、それを村木や大川端などが解決していくという展開。画像は普通のパン屋の店長なんですが、「アルカ◯ダのパン屋」というアダ名が付けられてる。自民党の某議員みたく「友達の友達はテ□リスト」みたいに軽く言ってんじゃねーよっていうw

後腐れない一話完結オムニバス

『リバースエッジ大川端探偵社』は一話完結のオムニバス。1話20ページとボリュームは適度に短いので、非常にアッサリ読める。また少年ジャンプの『こち亀』のように次に展開を引きずらないので、どこから読んでもオッケーという手軽さ。

後述しますが内容も実にオッサン向け。だからラーメン屋や食堂といった場所に置いてあったら、つい読んでしまう。良い意味で後を引かないので、1話を短い時間で読みきれる。だから「続きが気になってモヤモヤ!」みたいなことは起きない。

どうしても一から読まないと展開に付いていけない漫画も多い中、さっくり読めて簡単に「ヒマつぶし」できる漫画は貴重。キャラクターも少ないのでゴチャゴチャすることも少なめ。若干の物足りなさは残るものの、ここまで割り切るのも一つの手。

金と女と、人探し

「内容はオッサン向け」と言いましたが、とにかく『お金』と『オンナ』の話ばっか。

リバースエッジ 大川端探偵社2巻 夢幻の恋…マネキン
(2巻「夢幻の恋」)
ブティックで一目惚れした女店員を探してほしいという、見た目がイケメン紳士の話だと、実は女店員ではなかった。まさかの、店内にディスプレイされていたマネキン。当然ブランド店から消えたら、あとは廃棄処分でごみの山へ直行。ボロボロになった状態のマネキンを村木は見つけてくるものの、それを見た瞬間の男がムダに迫真の表情を浮かべる(笑)

また、ある時はかつてのアイドルを探してきて欲しいという男の依頼。
リバースエッジ 大川端探偵社3巻 アイドル・桃ノ木マリン
(3巻「桃ノ木マリン」)
ただそのアイドルは女装っ子だったというオチ。青ヒゲを生やしたオッサンが華麗に踊る姿がエグい。

風俗店の新しいネタを開発してる天才エロゴト師の話。高級秘密クラブを運営してる経営者がそいつを探してきて欲しいと依頼。そのエロゴト師が開発したのが、暗闇の中、マッチだけを使って女性を探し当てるというもの。見えないことほど興奮するものってない。マッチ一本がものすごい高い値段。
リバースエッジ 大川端探偵社3巻 天才エロ事師
(3巻「天才エロゴト師」)
ただ、その暗闇の中にいたのが、こんなBBAどもwww想像しただけで悪夢。

リバースエッジ 大川端探偵社3巻 がんばれ弁当…お笑い芸人
(3巻「がんばれお弁当」)
コンビのお笑い芸人の一人に、毎日お弁当を送り届けてくれるファンの女の子がいた。その女の子が誰であるか?その目的を調べてほしいという依頼。

リバースエッジ 大川端探偵社3巻 がんばれ弁当…お笑い芸人2
(3巻「がんばれお弁当」)
ただ結果は、犯人はまさかのお母さん。顔の輪郭が似すぎ。息子がお腹を減らさないか心配で、同僚の女の子に届けてもらってただけ。結果は、爽やかな青春チックなオチで良かった。

リバースエッジ 大川端探偵社3巻 決闘代打ち
(3巻「決闘代打ち」)
そして作画・たなか亜希夫の『軍鶏』さながらの、格闘描写もたまーにあります。というか、この回だけか。

レビューしてみて気付きましたが「女と金」といっても、あんまりまともなネタは少ない。例えば、色情魔のオバサンがノゾキミができるラブホを探してほしいと依頼してくる回。見た目は美しいものの、中身がアレ。最終的にそこで村木なども含めて、色んな男に覗かれながらパコるwwwもうムチャクチャw

でも2巻だと「夏の雪女」や「純愛」などは結構しっとりめ。1巻だと「その人は今?」が良かった。ジャイアントキラーだった松永五郎というボクサーを探してほしいという依頼。ジャイアントキラーとはいえ、トータルの戦績はあまり良くなかった。その理由はアルコール。だから再び会おうとしたものの、もしかすると廃人同然になってるかも知れず期待はできない。でも…という意外なオチ。

総合評価

依頼主の悩みを解決しようと『人探し』が行われるんですが、うさん臭い都市伝説や、まことしやかなウワサが軸になっていることも多い。でも東京というコンクリートジャングルの中では「実際にありそう」と思わせるリアリティーもあって無性に読んでしまう。

スマホの台頭でテレビですら苦境に喘いでいる昨今、こういう手軽に読める漫画って大事だなと痛感。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★3.5◯画力★4.5
◯全巻大人買い★4
◯おすすめ度…83点!!!!

進撃の巨人』17巻のネタバレ感想。作者は諫山創。別冊少年マガジン(講談社)で連載中のバトル漫画。今月から始まった実写映画が人気らしい(*´Д`)ハァハァ


始祖の巨人とは?

人類は巨人によって、ほぼ殲滅された。かろうじて生き残る人類は、巨大な壁を作って巨人の襲来を防ぐ。その壁内で巨人討伐を目的とした兵士たちが、調査兵団。

主人公は、その中の一人・エレン・イェーガー。そして、彼もまた巨人化することができた。しかも、全ての巨人たちを支配する力(始祖の巨人)も持っていた。だからエレンが壁内を影で支配するロッド・レイス(レイス家)によって狙われる。過去にはエレンの父・グリシャがレイス家を根絶やした。その理由は、まさにレイス家が保持していた「始祖の巨人」の力を奪うため。

ロッド・レイスは娘であるヒストリア・レイスにエレンを食わせることで、「始祖の巨人」の力を奪おうとしたものの、ヒストリアが反旗を翻して失敗。ロッドレイスは最終手段として自分が巨人化する。
進撃の巨人17巻 ロッドレイス1
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
ただめちゃめちゃデカい。進撃の巨人の実写映画化が始まりましたが、そのオープニングに登場してくる大型巨人よりも大きい。だから自重に耐え切れずに、赤ちゃんのようにずり這いして襲ってくる。ある意味、これはこれでキモい。

進撃の巨人17巻 ロッドレイス2
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
結果、顔がすり減って無くなる。ジブリの「かおなし」か!とりあえず、そのロッドレイスを撃破。何やかんやで一連のレイス家とのクダリが、この17巻で終結します。

進撃の巨人17巻 ヒストリア
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
そしてヒストリア・レイス(クリスタ・レンズ)が無事壁内の女王として君臨。

エレン曰く、「お前ほんま強なったな」。エレンやリヴァイたちの目的は達成。壁内の敵対する勢力の打破に成功し、これから本格的に壁の外へ向かっていく…厳密にはまずウォール・マリアにある地下室へ足を運ぶってところなんでしょうが。

進撃の巨人17巻 硬質化1
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
エレンはようやく硬質化の能力を体得。危機的状況下で覚醒するという、お約束。

進撃の巨人17巻 硬質化2
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
こういう巨大な丸太を作ることも可能になり、効率的に巨人のウナジを破壊する罠も作って、調査兵団の犠牲が極端に減らせることに成功。一応の壁内での平穏が確保されるというオチ。


リヴァイの苗字もアッカーマンだった!そしてケニーの過去

ロッド・レイスが敗北したということもあり、そのロッドに仕えていたケニー・アッカーマンも死亡。天国(地獄)へ召される直前に走馬灯。ロッドの弟であるウーリとの過去編が始まる。

ウーリは巨人の力と王家の記憶を引き継いでる。ロッドは利己的でクソだったものの、王家の記憶を引き継いでいるせいか、弟ウーリはまさに王様といった態度や振る舞い。
進撃の巨人17巻 ケニーアッカーマン
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
二人が最初に出会った時、ウーリはケニー・アッカーマンを巨人の力で握り潰そうとするものの、アッカーマン家の末裔ということを知ると、ケニー・アッカーマンを握り潰すどころか土下座して詫びる。だからケニーとウーリは友達みたいな関係性になり、結果的にウーリの下で働くこととなった。それがウーリが亡くなった後、ロッドに引き継がれた。

一応16巻でケニーの祖父っぽい爺さんとのクダリで説明もありましたが、ここでようやく「アッカーマン家」の謎が漠然と掴めてきた。アッカーマン家は記憶操作できないから迫害を受け、ほとんど絶滅に近い状態に陥る。

もっと言うと、単一民族内でしか記憶操作はできないので、壁内にいる人類は同じ民族。やっとケニーの爺さんの言葉を理解。だから東洋人であるミカサ・アッカーマンも記憶操作できないんですが、ただ「東洋人≠アッカーマン家」ということらしい。だからミカサは東洋人とアッカーマン家のハイブリッドということに?

進撃の巨人17巻 ケニーアッカーマン2
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
そしてリヴァイの苗字も初公開。ケニーやミカサと同じく、まさかのアッカーマン。16巻でケニーが「妹は客の子供を身ごもった」…どうこう言ってましたが、それがリヴァイだった。迫害された割にアッカーマン性がそこそこいなくね?

進撃の巨人17巻 ケニーアッカーマン3
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
言っちゃえば、リヴァイとケニーは身内。ケニーの死の間際でそれを知った時の、リヴァイの表情が何とも言えない。ケニーの「ただの兄貴だ」という素っ気ない強がりも切ない。最期は「俺は人の親にはなれねぇよ」と巨人の薬をドンとリヴァイに押し付ける。このあたりのクダリは結構しんみり来るかも。


ウーリ(レイス家)の願いは人類の滅亡じゃない?

ウーリの願いとしては、人類が滅ぶ直前の束の間でも「平和な楽園を築く」こと。

一応レイス家の初代王の狙いとしては「人類の滅亡」があるとされてるものの、少なくともエレンやリヴァイたちはそう思ってる、実際は「人類を滅ぼす」のではなく「結果的に人類が滅びる」という意味合いが強い?終焉という終わりが見えているからこそ、レイス家はいかにソフトランディングしようかと画策している?

進撃の巨人17巻 ケニーアッカーマンとウーリ
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
ケニー・アッカーマンはウーリ・レイス自体は悪魔ではなく、むしろウーリも運命に縛られた(壁内で自由を奪われた)奴隷のようなものだったと述懐。今後の物語に関わる重要な部分かも。

進撃の巨人17巻 ネタバレ感想の総括

レイス家編がようやく解決。

正直、このクダリは淡々と説明してる場面が多くて、序盤ほどのテンポ感や勢いはなかったと言ってもいい。もちろん『進撃の巨人』という根幹部分に関わるところだったので、良く言えば「丁寧にストーリーを処理してる」とも評価できますが、言葉による説明だけだと理解しにくい部分もあった。

でも一難去ってまた一難。間隙を縫うかのように、ライナーやベルトルトたちが襲来。そして、あの例のナゾだったサルの巨人も襲来。いよいよ進撃の巨人18巻では両者同士のバトルが勃発していく模様です。

進撃の巨人17巻 サルの巨人の正体
(進撃の巨人17巻 諫山創/講談社)
見た目がサルだったので中身もサルかと思ったら、メガネを掛けた医師風の男。どっかで見かけたことがあるような、ないような。見た目がそのまま巨人のルックスにも反映されるかと思いきや、どういう法則で人間以外のデザインに?

そういえばサル巨人が初登場したときに立体機動装置の存在を知りませんでしたが、あれは中身がサルだから知らないのかと思ってましたが、巨人として数十年も彷徨っているときは記憶がないらしいので、それで説明が尽きそう。

ちなみに進撃の巨人考察ブログで考察した【漫画】進撃の巨人が面白すぎておすすめwwwもご参照ください。何故未だに進撃の巨人が面白いと評判なのか、その理由が明らかになるはず。ここまで面白さが失速しない漫画も進撃の巨人ぐらいか。

『監獄学園-プリズンスクール-』18巻のネタバレ感想。作者は平本アキラ。ヤングマガジン(講談社)で連載中の学園漫画。

18巻までのおさらい

舞台は私立八光学園。男女比率が5対1000という割合で女子が多い。表生徒会会長・竹ノ宮ケイトの策略によって、裏生徒会会長・栗原万里と主人公はキヨシはハメられて、監獄生活を送っていた。そして、二人は体育祭で真っ向勝負を果たす!

…という直前で、緑川花という裏生徒会書記が登場。主人公・キヨシに対して、まさかのオシ◯コを見せろと要求してきた。プリズンスクール1巻の記事も参照。花は基本的にどの立場でモノを言ってるか知りませんが、「私以外の女の前でやったことに変わりねーだろ」と激怒。

そして、何故か二人はキヨシの部屋で観賞することに…。もうイヤな予感しかしない。

緑川花の狼狽からのウロボロス

緑川花は恥部を見られたことに対する、キヨシへの恨みはハンパない。だから同じことを仕返ししてやろうとするものの、結局それは仕返しになってない。観賞する側も、特に思春期世代には勇気がいる。

監獄学園18巻 花とキヨシ1
(18巻)
だから、ちょいちょい目的(キヨシを鑑賞)を忘れる花。この時の覚悟を決めたキヨシの顔が凛々しすぎる。「して来いって…ここでするんじゃないんですか?」ってことなんですが、冷静に考えたらトイレやお風呂で鑑賞し合えよっていう。

そしてセクシーハプニングも。ポータブルDVDプレイヤーでキヨシの大人向けDVDをウッカリ見てしまう花。でも映像の中の二人が69をしてるのを見て、ひらめく。
監獄学園18巻 花とキヨシ2
(18巻)
「これやったら同時に二人が鑑賞できますやん!」と妙案がひらめいて興奮状態。いつの間にか、自分のアレもキヨシに見せることになってる不思議。ちなみにウロボロスの意味の詳細は13巻あたりを参照。要するに69状態のこと。

緊迫した布団ウロボロスの結末!

ただ二人がウロボロスをかましたのは布団の中。ちなみに布団は一枚だけじゃなくて、10枚ぐらいかぶせた状態。光が入って丸見えになったら、女の子は恥ずかしいらしい。でも状況的には、ただ「ヤってる」ようにしか見えない。

緑川花は基本的に下系に関する知識はない。でも何だか分からないけども興奮状態。キヨシと二人きりになると正常な思考が働かない。これは前からなんですが、今回は更にパニックパニック状態。結果、布団の中で何もまとわないという暴挙に出る。

監獄学園18巻 ウロボロス1
(18巻)
だから闇の中で、緑川花のメデューサがキヨシの十センチ少し先からジッと見つめてくる。もうキヨシはムラムラが止まらない。まさにアソコが硬直状態に固まる。

そして「花さん自分の中の獣が目覚めそうで怖いんです」とキヨシ。花は反論。「獣は私だ。お前は獣に狩られる草食動物に過ぎない」。「嘘だ!肉食動物は僕だ!」という経験がない者同士の不毛なやり取りが笑う。

ただキヨシが「花さんのメデューサとキスがしたい」と白状してしまったのが運の尽き。
監獄学園18巻 ウロボロス2
(18巻)
緑川花はまさかの「自分のそれをキヨシは直飲みしたい」と盛大に勘違い。どんどんメデューサをキヨシの顔面に近づけてくる。「やっぱり獣はアナタだ!花さん」とキヨシは完敗。…一体なんの戦いやねんw

まだ、どうでもいい二人のコントで終わってたらいいんですが、そこへまさかのキヨシが大好きな栗原千代がキヨシの部屋へ入ってくる。明らかにコンモリした布団が怪しい。
監獄学園18巻 豪快な千代ちゃん
(18巻)
それを千代ちゃんは一枚ずつめくっていく。まさにピンチ。緊迫感がハンパない。

一応千代ちゃん的には出しっぱなしの布団がダラシないと片付けようとしてるだけなんですが、日頃のストレスがどんだけ溜まってんねん?というぐらいの豪快さ。きっと今は亡き新春かくし芸大会のマチャアキばり。

案の定の大惨事

結果的には、ナントカ栗原千代にはバレなくて済む。どう乗り切ったかはネタバレしませんので、その詳細は実際に読んでいただくとして、二人はまさに安堵。さっきまでの反目はどこ行ったのというぐらい、むしろ花は戦友であるかのように喜ぶキヨシ。

監獄学園18巻 聖水を浴びてる最中のキヨシ
(18巻)
それがこちらのコマ。「見事としか言いようのない完璧な連携プレイでしたね!」と感涙するキヨシ。心なしか、涙だけではなく全体的にスプラッシュ感があります。手塚治虫然り、マンガ的な表現として色んな効果線を書くといった演出方法はよくある。これも似たような「喜びがほとばしってる」という表現?

監獄学園18巻 大惨事
(18巻)
…かと思ったら、まさかのリアル聖水。どんだけ膀胱に溜めてててんっていうぐらいの、緑川花の大洪水。確かに我慢した状況から、不意に安堵感が襲ってキンチョーの糸がキレると、こんなことってあるよね。

でもキヨシは現実逃避。「嗚呼…君の隙間から流れだした雫はとても熱く…僕の魂はたちまち溶けて深い暗闇を彷徨いだした…」といきなりポエティックな展開が始まる。まさかの詩人としての才能を発揮。ただ肉体から漂う臭いは、ただのアンモニア臭。

最後は「これがアンタのしたかったことかー!!」とブチギレするキヨシ。一連のテンポ感や流れに爆笑。一応緑川花は良心の呵責にさいなまれたのか、キヨシに対する恋心に気付いたのか、最後は何故かキヨシにチュして終わり。

総合評価

『プリズンスクール』18巻では緑川花が大暴走。まさに頭のネジが数本取れた美少女の真骨頂。こういうプレイは離れて鑑賞してる分には良いんでしょうが、いくら女性とは言っても臭い。キヨシの反応が証明してくれてますが、やはりリアルでは喜べないんでしょう。

とにかく緑川花は見た目こそ一級品ではありますが、実際こんな女とは付き合いたくないな…と心底思わせてくれる女の子。

冒頭でも書きましたが、改めて説明しておくと今は「体育祭」の真っ最中。そこでキヨシの友達・ガクトやジョーなどは騎馬戦で勝ち上がろうと上に乗る女の子を探す。
監獄学園18巻 ケーキ
(18巻)
そこで「ケーキ」という天真爛漫なメガネっ子が活躍。見た目は普通っぽいですが、磨けば輝く原石感。気さくな性格も手伝って、お尻がぺろんとめくれても「やめてよーアハハ」で終わる男子受け抜群っぷりを見せてくれる。これを「天真爛漫」と表現していいかは知りませんが、展開の煽り方的にはケーキが今後活躍する可能性あり。

『賭ケグルイ』1巻から3巻のネタバレ感想。原作は河本ほむら、作画は尚村透。月刊ガンガンジョーカー(スクウェア・エニックス)で連載中のギャンブル漫画。

ギャンブル漫画「賭ケグルイがなかなか面白い件」という考察レビューはアップロード済みなのでテキトーにブックマークでもしておいてください。


ギャンブル学園に舞い降りた堕天使・蛇喰夢子

私立百花王学園は、創立122年の伝統を誇るエリート高校。政財界の子息たちが通っているため、将来は「人を使う」側の人間を育てることを目的としてる。そのため帝王学を学ぶだけではなく、一番の素質として求められているのが「勝負強さ」。

つまりギャンブルの強さを求められる高校だった!勝ち続けていけば巨万の富と圧倒的な権力を手にし、敗者はひたすら数億円単位の負債を抱え、学内では「家畜(ミケ)」として虐げられる。
賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子1
(1巻)
まさに弱肉強食を集約させた世界にやって来たのが、一人の転校生・蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)という謎の絶世美人。いきなり即金で1000万円を用意しちゃう謎の財力。そして私立百花王学園がこの蛇喰夢子一人に食い尽くされる!?…というストーリー。

蛇喰夢子が不気味に妖艶

主人公・蛇喰夢子がとにかく妖しさ満点。「ギャンブルは狂っているほど面白い」がモットー。

賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子2賭け狂いましょう
(1巻)
さぁ賭け狂いましょう」というセリフのときの目が完全にイッてる。画像だと少し分かりづらいか。

賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子3
(1巻)
相手を追い詰めていくときの表情も、まさに「ニマーッ(ニターッ)」という擬音が似合いすぎ。

賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子4
(1巻)
ただギャンブルにハマりすぎて、自分が勝ってようが負けてようが感じまくりでビクビクンッ。どこに感じる要素が?w

前述の目がイッてる蛇喰夢子の画像も、良く見ると恍惚の表情に見えなくもない。「ギャンブル中毒の負け猫だにゃん(はぁと」と猫耳ポーズでニャンニャンしてみたり、何故か蛇喰夢子は妖艶。胸も地味に大きく、色んな意味で刺激的。

賭ケグルイ2巻 蛇喰夢子
(2巻)
他にも2対2のイカサマ対決では、相手の女の子に対して堂々と手の内を明かす。この天然っぷりのトボけた感じに思わずニマニマ。手のひらに指でサワサワするもんだから相手の女の子も思わずドキドキ。何と言っても蛇喰夢子は絶世の美少女だから。地味に百合要素もあり。

賭ケグルイ3巻 桃喰綺羅莉
(3巻)
ストーリーの展開としては、私立百花王学園を牛耳る生徒会長・桃喰綺羅莉(ももばみ・キラリ)を倒すみたいな目的がある。生徒会には他にも色んなキャラがいて、3巻では美化委員長・生志摩妄(いきしま・みだり)という変態と戦います(笑)

良くも悪くも王道ギャンブル漫画

ただ最初は「異色」のギャンブル漫画かと思いきや、回を重ねるごとに良くも悪くも王道チックなギャンブル漫画に変遷。序盤こそ蛇喰夢子の特異なキャラクターが目立つものの、後半からはしっかり組み立てられた本格的なギャンブルバトルが展開される。

賭ケグルイ2巻 二枚インディアンポーカー
(2巻)
二枚インディアンポーカーや、

賭ケグルイ3巻 ESPゲーム
(3巻)
ESPゲームなどオリジナリティに富んだゲームが展開。心理の読み合い、罠の張り合いなど読み応えがある。だからテンポ感は良い意味で★4に下げてみた。女子キャラクターが多数登場する漫画だから、つい侮ってしまいがちですが、『カイジシリーズ』といった漫画が好きなら満足できるクオリティーのはず。

他には「投票じゃんけん」「ダブル神経衰弱」「生か死か」といったゲームがあります。


総括


でも個人的には王道チックな展開に走ったことはガッカリした。もっと蛇喰夢子というキャラクターを前面に活かした「今までにない感じ」に仕上げて欲しかったんですが、結局は「定番な内容」に落ち着いちゃって残念だった。

賭ケグルイ2巻 蛇喰夢子と早乙女芽亜里
(2巻)
蛇喰夢子には孤高に戦ってほしかったものの、早乙女芽亜里や鈴井といった男子生徒が仲間に入る。この展開自体はもちろん面白いものの、他のキャラクターと絡むことで蛇喰夢子の存在感が中途半端に薄まった印象。

得体の知れない蛇喰夢子に周囲がグイグイと巻き込まれて、もはや理屈とか抜きで勝ったり負けたり、言ってしまうと「超常現象的な展開」を堂々と描写しても良かった。つまるところギャンブルなんて理詰めで戦うもんじゃないですからね。

ただ、それ故に採点は80点台に留めてるものの、それでもおすすめできるギャンブル漫画。特に作画・尚村透の画力は高く、登場する美少女たちはそれだけ見応えあり。
賭ケグルイ2巻 蛇喰夢子と早乙女芽亜里2
(2巻)
早乙女芽亜里とのコラボでは百合要素もあって、ギャンブル漫画好きではなくてもしっかり楽しめるかも。脱ぎ要素は少ないですが、変に色気がありまくりw

ハピネス(1)
『ハピネス』1巻のネタバレ感想。作者は押見修造。別冊少年マガジン(講談社)で連載中。今日は8月8日で末広がりな日ということで何となくレビュー。

あらすじ

主人公はさえない高校生・岡崎。
ハピネス1巻 岡崎
(1巻)
イケてるグループの生徒たちからは昼休みのパンを毎回買いに行かされるようなヤツ。

ハピネス1巻 岡崎吸血鬼に噛まれる1
(1巻)
ただある日夜道を一人歩いていると、吸血鬼に襲われる。無事一命は取り留めたものの、自分も同じような吸血鬼になってしまう。

ハピネス1巻 布田にタメ口
(1巻)
そして岡崎の性格はこれまで大人しかったものの、徐々に変貌を遂げつつあるというストーリー。学校では常に血を欲しがる欲望が抑えられず、精神的な余裕がなくなるというのも一因ですが。

青春あり恋愛あり

岡崎は吸血鬼になったことで生活は一変。これまで自分をイジメていた主犯格・勇樹という男子生徒をぶん殴る。そうすると周りを見る目がガラッと変わって、逆に勇樹がハブられる存在となる。

ハピネス1巻 いじめっ子の勇樹を助ける
(1巻)
ただ勇樹がカツアゲされそうになってる場面を助ける。吸血鬼になったからこその驚異的な跳躍力。今後はもしかするとアクション描写も展開されるかも。

そうすると岡崎は勇樹と友情みたいなんが芽生える。最新号の別冊少年マガジンなんかを読むと一緒にボーリングをやったり、これまで体験できなかった「普通の青春」を手に入れる。

ハピネス1巻 五所雪子1
(1巻)
そして岡崎雪子という女子生徒とも仲良くなる。友達が少ないせいか、喋り方が独特。また、やたらと口元に手をあてて喋る。決して可愛いルックスではないものの良いキャラしてる。「類は友を呼ぶ」ではないですが、少し根暗な男女同士で地味に意気投合。

ハピネス1巻 五所雪子2
(1巻)
初めて異性の友達ができたことで、めちゃめちゃテンションが上がる岡崎、そして恍惚の表情に思わず笑ってしまう。友達とは言いつつも、やはり異性。そこに恋心がないと言えばウソになる。

岡崎は吸血鬼と化して苦悩を抱えるものの、吸血鬼と化したことで生活は青春真っ盛りで充実していく。1巻の段階では、その過程が不思議と楽しく読める。でも、ここで終わるとは思えない。
ハピネス1巻 布田にタメ口
(1巻)
個人的に気になってるのが、布田。あらすじでも貼りましたが、岡崎がイジメられていた時に友達だった布田という男子生徒。いかにも冴えない。でも岡崎がリア充化していく中、嫉妬全開で岡崎を貶める役に成長しそうな予感。「ブスは心までブス」というのはチャールズ皇太子のお言葉。

岡崎が好みの匂いとは?

吸血鬼はやはり血が大好き。主人公・岡崎が吸血鬼になって最初に違和感を感じたのが、何の匂いか?

ハピネス1巻 生理に反応
(1巻)
それが女子が毎月排出している、あの匂い…いや臭いと表現するべきか。「ムワーッ」というオノマトペからして、この臭いのバロメーターの針は振りきれてそう。

ハピネス1巻 生理に反応2
(1巻)
自転車でニケツしている時にも、まさか進行方向とは真逆に臭いがやって来る。どんだけ強烈な臭いなんだよ!

旧ブログで『ハピネス』の一話目のレビューをした時は「正直どうなん?」という感想を書いた気がしますが、まさか2話目以降で作者・押見修造がこんな角度から切り込んでくるとは思わなかった。確かに血が大好きという設定を突き詰めていくと、女子特有のセイリに行き着くことはできたかもしれませんが、さすがに押見修造引くわーw

これから一体どういう展開でこの設定を使っていくのか?と甚だ疑問。

総合評価

亜人ちゃんは語りたい』の主人公のバンパイアのように「血は飲まなくてもオッケー」という軽い設定もありますが、この『ハピネス』では「割りとガチで血を吸わないとやってられん」という設定のもよう。

ただ押見修造を「割と本気で気持ち悪い」と改めて思わせてくれる漫画。まさに「その発想はなかった」というやつ。あらゆる女性漫画家に読ませて感想文を書かせたい気分。

吸血鬼や高校生をモチーフにしてることを考えると、『ハピネス』という漫画タイトルも意味不明。タイトル通りハッピーエンドを迎えるのか、バッドエンドを迎えるからこそ敢えてのタイトルなのか。

ハピネス1巻 岡崎吸血鬼に噛まれる2
(1巻)
岡崎を噛んだ吸血鬼少女の存在も含めて、どういう展開に持っていくのかは良くも悪くも先が読めない。『惡の華』のように展開はスローペースな感じもするので、経血のように生温かい目で見守っていきたいと思います。

◯展開★3.5◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★3.5
◯全巻大人買い★―
◯おすすめ度…86点!!!!